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方言「めばちこ」の地域別の意味と使い方・ものもらいを表す由来

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カテゴリ:方言

初回公開日:2017年09月28日

更新日:2020年08月29日

記載されている内容は2017年09月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

方言「めばちこ」の地域別の意味と使い方・ものもらいを表す由来

地方別の方言「めばちこ」のあらわす意味と使い方

普段何気なく当たり前に使っている言葉が、実は方言だと知って驚いたことはありますか。どこに住んでいても、このような経験は誰しもあるでしょう。方言は、同じ意味を持っているのに、全く異なる言葉に変化します。その中から今回は、関西でよく使われている「めばちこ」という言葉にスポットを当ててみました。

なかなかのインパクトのある「めばちこ」という言葉は、どうしてこのような言葉になったのでしょう。関西では当たり前に使われていますが、他のエリアではどのように言うのでしょう。

その違いも一緒に楽しんでみてください。

めばちこの正式名称

めばちこを方言ではなく、正しくいうと「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」となります。この時点で、めばちこと言う方言からは随分かけ離れてしまいました。まぶたの付け根などにある「脂腺」が、黄色ブドウ球菌などに感染して急激に化膿・炎症を起こすのが「麦粒腫」の症状です。

一般的な呼び方「ものもらい」は方言?

「めばちこ」は当然方言となりますが、「麦粒腫」と呼ぶ方も少ないです。そうなると出て来るのが「ものもらい」です。しかし、めばちこと言うのが当たり前の文化にすれば、「ものもらい」では通じない可能性が出てきます。「ものもらい」という言い方は方言にあたるのでしょうか。関東では「ものもらい」と呼ぶのが主流です。

方言の定義は「共通語」・「標準語」と異なった形で、一部に地域だけで使われる言葉を指します。しかし、ものもらいが標準語かといわれるとなんとも微妙です。そう考えると「ものもらい」も関東エリアの方言と考えても、問題はないでしょう。

ですが、関東圏特に東京で使用される言葉は標準語でなくとも、通称として使われることが大半です。実際に全国でも「ものもらい」と呼ぶところがもっとも多いです。そう考えると、方言として括ってしまうのも少し違うでしょう。

関西エリアだけど違う方言となる「京都」と「滋賀」

関西弁で「めばちこ」といいますが、「めばちこ」と呼んでいるのは主に、大阪エリアに住んでいる人達です。大阪のすぐ隣にある「京都」や「滋賀」「岡山」の一部地域では「ものもらい」のことを「めいぼ」と呼んでいます。「めばちこ」から少し変化しました。

目にできるイボなので「めいぼ」とは分かりやすい方言です。「めばちこ」だとどんなものか想像するのは少し難しいです。「めいぼ」とは「めばちこ」にも負けないなかなかのインパクトです。始めて聞いたら思わず聞き返してしまいたくなるでしょう。

「めいぼ」から伝播・変化した方言

「めいぼ」という方言が徐々に伝播していくと、その形を少しずつ変化させていきます。岐阜や愛知では「めんぼ」、三重や広島、香川などでは省略形となる「めぼ」という方言が産まれました。

福井・石川、少し離れて長崎や大分の場合

「めばちこ」なのか、「ものもらい」なのか、「めいぼ」なのか、どこから伝播したのか不明なのが、福井県・石川県、そしてかなり離れて長崎県や大分県で使用されている「めもらい」という方言です。どちらかというと「ものもらい」から派生してできた方言のような印象を受けます。

目にものもらいができるので「めもらい」といったところかと思いきや、実は病気を治すために「飯をもらう」という行為から来ています。想像のはるか斜め上を行く言葉の由来にはただただ驚かされるばかりです。

一説ではこの方言は伝播したのではなく、それぞれのエリアで独自に生み出された言葉なのではないかと言われています。

「めばちこ」以上のインパクト

「めばちこ」という方言のインパクトには、なかなか驚かされた方も多いでしょうが、さらに上を行く「ものもらい」の方言があります。それは「ばか」と「おひめさん」です。もう原型を一切留めていませんので、なぜそんな方言になったのかむしろ興味津々です。ちなみに「ばか」が宮城の方言で「おひめさん」は熊本の方言となっています。

「ばか」と「おひめさん」この二つは全く異なる種類の言葉に感じますが、よくよく考えてみると表裏一体です。どちらも自分から遠ざけたい存在と考えるとお分かり頂けるでしょうか。言い方を乱暴にしたか丁寧にしたかの違いであって、結局近づかないでほしい対象だということになります。

似たような方言として、岐阜や長野などで使われる方言に「めこじき」というものもあります。なんとなく方言になった法則が見えてきます。

沖縄の人は「めばちこ」をなんという?

琉球言葉というものが存在するように、沖縄の人たちは独自の文化や言葉を話す方が多いことで有名です。特に年配の方ともなると、ネイティブでも聞き取れないような難易度の方言まで飛び出すほどです。

沖縄の人は「めばちこ」「ものもらい」のことを「みいんでえ(みんでえ・みーんでー)」や「おともだち」という方言で表現します。「みんでえ」の方は、目にできものができて見えないということを表現していて、なんとなく理解できるのですが「おともだち」は原形をとどめていないレベルではありません。

「おともだち」なのであれば、近づけたくない対象とも異なります。いったいなぜこのような呼び方になったのでしょう。謎は深まるばかりです。

派生していく「ものもらい」と「めばちこ」の仲間たち

ここまででご紹介した以外にも多くの方言があります。どれもこれも「ものもらい」か「めばちこ」から伝播、または派生していったのでしょうが、同じ病気の名前をここまで違う言い方をする事には驚きです。「めっぱ」「めんちょ」「めかいご」ここからさらに派生していき、全てを掌握するのはなかなかの難易度となります。

外国では「めばちこ」をなんという?

せっかくなので、海外で「めばちこ」「ものもらい」のことを何と表現するのかも調べてみました。ものもらいを英語にすると「Stye」と表記します。当然、正式名称となる「麦粒腫」でも同様です。残念ながら「めばちこ」を表現する英語表記はありませんでした。

方言「めばちこ」がものもらいをあらわすようになった由来

ではここからは、話を戻してなぜ関西圏では「めばちこ」と呼ばれるようになったかの由来についてお話ししてみましょう。

方言は、エリアによって年配の方しか使わないものなどももありますが、「めばちこ」に関してはかなりの年齢層の人が一般的に使っています。むしろ、関西で「ものもらい」等と言ったら聞き返されてしまうでしょう。

「ものもらい」と言うことを知っていても「めばちこ」と使う人の割合の方が多いです。関西はメディアの影響を受けにくい土地だと昔から言われています。そのため、自分たちで幅広い世代へと「めばちこ」という方言を伝播していったのです。

諸説ある「めばちこ」の由来

めばちこと呼ばれるようになった由来には諸説あり、もっともよく聞くのは「メ(目)+ハチ(こじき)+コ(接尾辞)」と言うものか「目をパチパチする」というものです。「ハチ」と言う言葉に「乞食」という意味があることに驚きです。

めばちこについても気になりましたが、この「ハチ」にもかなり興味がわいたので調べてみると、乞食のことを「鉢(鉢坊主)」と呼ぶことから来ています。ですが「ハチ」の語源となる「鉢坊主」を調べてみても、決して乞食などではありませんでした。鉢坊主とは托鉢をする僧侶のことを表しています。

確かに托鉢というと、金品を乞い貰い歩く行為のことをいいます。ですが、それを乞食と読んでしまうのもあんまりではないかとさらに調べてみました。すると、托鉢のことを別の呼び方で「乞食(こつじき)」「行乞(ぎょうこつ)」と呼びます。ここでようやく「乞食」が繋がりました。

しかし、分かることはここまでで、めばちこの真の由来やここまでに出てきている2つの由来の真意や意味などの詳しいことは分かっていません。

「めばちこ」だけじゃない、方言の不思議な魅力をもっと知りたい