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「加虐心」の意味と例文・反語・類語・読み方|煽られる

Author nopic iconKaname
カテゴリ:言葉の意味

初回公開日:2017年11月17日

更新日:2020年08月21日

記載されている内容は2017年11月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

「加虐心」の意味と例文・反語・類語・読み方|煽られる

「加虐心」どう読むの?

「かぎゃくしん」と読みます。加虐したい心境を表します。読み方が分かったところで、続いて「加虐」の意味を紹介します。

「加虐心」の意味

「加虐心」とは、動名詞「加虐」に名詞「心」をつけて心情を表現した言葉です。では、「加虐」とはどんな意味なのでしょうか。

・【大辞泉】むごい仕打ちを加えること。いじめ苦しめること
・【大辞林】他人に苦痛や屈辱を与えること。しいたげ、いじめること

「加虐」とは

「加虐」とは、しいたげる行為や言葉を他者に加えることです。対象に屈辱を感じさせたり、人格否定をすることなども「加虐」の一つです。「加虐」は、辞書的な意味だとよい印象を抱くことがないネガティブな意味で使われる場面が多いです。

なぜなら「しいたげる」とは、漢字で「虐げる」と書きますが、「虐待」「虐殺」など、他者に苦痛や痛みを与える行為に「虐」の文字が当てられることからも「加虐」が(行う本人の自覚があるかどうかに関わらず)他者に肉体的・精神的ダメージを与える言動を表す言葉だからでしょう。

「いじめ」とひらがなで表記されることが多いのですが、この言葉も本来は「虐め」「苛め」という漢字が当てられます。「加虐」とは多くの場合、人に恐怖心や嫌悪感など、ネガティブな印象を与える言葉です。

では「加虐」に「心」が付け加わった「加虐心」とは?

「加虐」は、他者を暴力、言葉、人格否定などの手段を用いて他者をしいたげる行為だと分かりました。つまり「加虐心」とは「加虐」を欲する「心」、他者をしいたげたい、いじめたい、苦痛や屈辱を与えたいという心情・感情を表す言葉です。

「加虐心」の例文

意味がわかるとネガティブな印象を抱いてしまう「加虐心」という言葉ですが、論文やビジネス文書、小説などで使うとしても、どう扱えばいいのか戸惑うこともあるでしょう。また「加虐心」を目的語とした場合、主語に当たる人物が受動形になるのか能動形になるのか、と動詞の形に迷うこともあります。この項目では、具体的な文例を挙げてみます。

加虐心をくすぐる

【例文1】が過剰に自分のミスを恐れ、肩をすくませながら涙目で私の顔を盗み見た。思いもよらず加虐心をくすぐられたわたしは、嫌味な物言いで執拗に部下のミスをいつまでも糾弾してしまった。

【例文2】作家の作品は、常に暴力で読者の加虐心をくすぐるため批判的なレビューが多くつく。その一方で、加害者が不幸な結末を迎えることにより読者が「加虐心をくすぐられる程度でよかった」と、自分の正常さを確認させてくれる良作、と高評価のレビューも同程度見受けられるので興味深い。

「加虐心」を持つ側が対象者や対象物からなんらかの言葉や行動を受けて「いじめてやりたい」「屈辱を与えてやりたい」と感じるので、動詞は受動形になります。【例文1】では、主語になる「私」がかぎゃくしんを持つ者なので受動形です。【例文2】では「作家」が主語で目的語である「読者」が加虐心を持つ者なので、動詞は能動形になります。

人は多かれ少なかれ、かわいさ余ってのことだったり、少しムッとしたりというシーンで、つい「いじめてやろうかな」とおもってしまうこともあるでしょう。犯罪を予期させるほど深刻な加虐心ではないと遠回しに伝える手筋として「くすぐる」というささやかな刺激を表現をすることが可能です。

加虐心を煽られる

【例文1】勝ち気で生意気だとしか思えなかった彼女の双眸は、慈悲を乞う弱々しい光を辛うじて維持しているだけだ。その落差がますます彼の加虐心を煽り、彼はうっすらと微笑みながら、今度は彼女の頭蓋目掛けてハンマーを振り下ろした。

【例文2】SMとは、根底に互いの信頼があって初めて成り立つ関係である。一見Sが主導権を握り、加虐心を煽られるがままにMをしいたげていると思われがちだが、実はMがどうしいたげて欲しいのかを解った上で、それに応えている。言わばMの望む形で加虐するSの愛情表現なのだ。

「くすぐる」という程度では済まない激しい加虐性を表現するときは「煽る」「煽られる」というより強い言葉で対象者の激情を表現する手法があります。激しい嗜虐心を表すため、【例文1】のような緊迫したシーンの演出や【例文2】のような、最後に唱える逆説を強調するために強い表現を用いて効果的な演出をすることが可能です。

加虐心を刺激する

【例文1】助手は、初めて教授の意外な一面を知って加虐心を刺激された。いつも見下す態度でご高説を垂れるこの男に、こんな弱点があったのかと思うと、これまで自覚さえなかった獰猛な自分が顔を覗かせる。

【例文2】映画やゲームにはレーティングがあるのに、書籍には前述のような明確で細かなレーティングがされておらず、読者の加虐心を刺激するような暴力描写や、性描写をされている書籍が一般書店の棚に並んでいるのを問題視する者もいる。しかし、暴力や性暴力の悲惨さを読者へ訴えるためにはそういった表現をしなくては伝わらない、という肯定派の主張も一理ある。