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「ひよった」の意味と使い方・例文や類語・語源の日和見主義

Author nopic iconagohigegai
言葉の意味 / 2017年11月18日
「ひよった」の意味と使い方・例文や類語・語源の日和見主義

ひよったの意味と使い方

「ひよった」とは「ひよる」と言う「ひより」の動詞形です。このひよりは、洗濯日和のひよりのことをいいます。ひよったの一般的な意味は、態度をはっきりとさせず形勢を伺うこと、積極的に関わらず傍観することを言います。

また、現在では若者を中心に「ひよった」というという言葉が使われています。これは「怖じ気づく」「ビビる」という意味合いで使われています。現代語では、過去形にするのが正式な形です。

また、60年代から70年代にも「ひよる」は盛んに使われていました。この時代のひよるは、体制に寝返ること、軟弱なことを表していました。

使い方

「俺の味方だったはずだったのに、形勢不利と見てひよったあいつは向こう側についた」など、形勢が有利な方へ寝返ることをいいます。また、若者の間では「先輩に怒鳴られてひよった」と怖気づくの意味で使われます。

若者の間で使われる場合は、後日談として語られることが多く「チンピラに絡まれて、まじすげーひよった」などと武勇伝として使われます。

現在の「若者言葉」である「ひよった」

現在でも若者を中心に「ひよる」は使われていますが、その意味は「怖気付く、軟弱になる」など変わって来ています。「ひよった」と過去形にして「ビビる」と同じ意味合いで使われることが多くなっています。

また、強い相手に対して自分の意見を変えてしまう、いわゆる長いものに巻かれる的な意味でも使われます。本来の意味にも通じる「相手に強く言われてひよった」というように、強くいう相手につくことも表します。

漢字では「日和った」と書きます

ひよるは「日和見をする人」が語源となっています。「日和見」とは、空模様をみる役の人のことです。空は移ろいやすく、そのため物事の成り行きを空に見立て、雲行きをみる、すなわち形勢をみることを「日和見」と言うように表現するようになりました。このことから「ひよった」は「日和った」と言う漢字を当てます。

ひよったを使った例文

ひよったは昔からある言葉ですが、現在では若者を中心にその意味は変わって来ています。年配の方なども「ひよる」を使いますが、これは学生運動の盛んだった時代に「体制側にひよった」「あいつはひよっている」などと政治的な思想を曲げることや、軟弱と言う意味で使われていました。

また、日和見主義という言葉があるとおり、周りを見渡して状況によって態度や言動をコロコロと変えることも「ひよる」といいます。

形勢が不利と見て寝がえる

「増島部長が次期専務との声が高いが、小田原常務についていた俺はどうなる。ここでひよったほうが有利だろうか」などと「強い方につく」と言う「長いものに巻かれる」的な使い方をします。

日和見感染というのもあります

日常的に病原体は、私たちの体の中や空気中に潜んでいます。普段は触ったとしても、発症することはないのですが、疲れていたり体が弱っている時の免疫力が低下している状態の時に、牙をむいた病原菌で症状が出ることを「日和見感染」といいます。

これは、普段は潜んでいて形勢が有利になると発症することからそう呼ばれます。「日和見感染」の代表的なものに、真菌性日和見感染のカンジタ症やウイルス性日和見感染のヘルペスなどがあります。

また、腸内には「日和見菌」というものが存在していて、悪玉菌と善玉菌どちらか強い方につくという、まさに日和見な菌が存在しています。この日和見菌は、腸内の75%とほとんどを占めていて、悪玉菌についてしまうとあっという間に病原菌化してしまうという厄介な菌です。

若者言葉の「ひよった」の使い方の例

「こないだ中村先輩に呼び出されたんだけど、マジ怖いの。一瞬でひよったわ」と怖気付いた時に使ったり、「こないだ睨み合いになってさ。内心マジひよった」と「ビビる」と同じような使い方をします。

また、怖じ気づくの他にも「Bって言われてたんだけど、先輩から強く言われてAにしたんだよね。ひよったわ」などと、長いものに巻かれる的な使い方ものします。

同じような使い方をする若者言葉に「ピヨった」がありますが、これは、ゲームなどでダメージを受けて操作不能に状態になった時に「ぴよぴよ」と警告音が出ることから、「やる気が削がれた」(ゲームなどで)「意識が朦朧としている」(操作不能)の状態を指します。

ひよったの語源・由来

ひよったの語源は、「日和見」から来ています。日和見と言うのは天気模様を見ることをいい、航海をするために空を見て天気を読む人のことを「日和見」といいました。このことから、形勢を見て態度を決めることを「ひよる」と言うようになりました。

日和見主義

日和見主義とは、自分の利益になる方につきたいと態度をはっきりせずに、形勢を見ているやり方のことや人のことをいいます。ご都合主義と同じ意味合いで使われます。この日和見主義と言う言葉が語源となって、「ひよる」と言う言葉が来ていると言われています。

「ひよる」は、60年から70年代の学生運動で使われていました。この時代に使われていた「ひよる」は、自分の政治的思想を抑えて、自分の立場をはっきりとさせずにより有利な方へつこうとすること、人のことをいいました。

そのため「日和見主義」とは、機会を伺いつつ自分が有利になるように、状況を見ることを表します。「日和見主義」は、政治的に相手を侮蔑する際にも使われる言葉です。

ひよったの同義語・類義語

「ひよる」意味は、形勢を見る、都合のいい方を見るなどがあります。若者言葉では「怖気付く」「ひるむ」として使います。

洞ヶ峠を決め込む

「ひよった」の同義語には「洞ヶ峠を決め込む」があります。これは、その昔本能寺の変の後、明智光秀と織田信長の家臣羽柴秀吉の軍が衝突した時、双方からの加勢を依頼された大名の筒井順慶が、一度は明智側に付いたものの、洞が峠で最終的にどちらにつくか日和見を行ったという伝承から、形勢が有利な方を見極めることを「洞ヶ峠を決め込む」というようになりました。

風見鶏

その時に吹く風になびいてこっちを向いたり、あっちを向いたりしている風見鶏ですが、そんな風見鶏と同じように、形勢が有利な方を探してあっちへ向いたり、こっちへ向いたりとしている人を「日和見主義」「ひよった」と表現します。そのため「風見鶏」と「ひよる」は、同じ意味として使われます。

若者言葉では

若者言葉では「ビビる」「チキンになる」などが同じ意味で使われています。「ピヨる」と「ひよった」は語感が似ているため、同じ意味で使われることもありますが、本来の意味では誤用となります。

ひよったは方言?

ひよったは、日和見主義が短縮されたものですので、方言ではありません。全国共通の言葉です。また「うざい」「KY」などというような現代言葉とも違い、1960年代から1970年代にかけて学生運動でも「軟弱」や「政治的思想を曲げる」という意味合いで盛んに使われました。

意味が変わっていく「ひよる」

60年代から70年代に盛んに使われた「ひよった」は「軟弱」や「思想を曲げた」などという意味で使っていました。語源である「日和見」は、江戸時代から使われています。この言葉は、語源から考えるととても古い言葉であることがわかります。

しかし、言葉の意味は時代によって変わります。現在では、若者を中心に「ビビる」「怖気付く」などという意味で使われています。「軟弱になる」と「怖気付く」というのは、ニュアンス的には似ている点があるので、この流れで現在使われているのでしょう。

また、本来の意味でも使われることも多く、現在でも政治的な侮蔑として「日和見主義」が使われることがあります。

言葉は、だんだんとその意味を変えていきます。「ひよった」「ひよる」もその例に漏れず、その意味を変え、しかし基本の意味も消えることなく使われ続けます。今使われている「ひよった」も、若者言葉と敬遠せずに使うことで、言葉の意味の遍歴の一端を感じられるでしょう。