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「手を引く」の意味と例文・類語・慣用句・敬語・丁寧語

Author nopic iconオポッサムウ
言葉の意味 / 2018年01月19日
「手を引く」の意味と例文・類語・慣用句・敬語・丁寧語

「手を引く」とは何か

日本語には似た表現が多く存在しており同じ言葉でも意味が違ったりと正しく使うのは難しく感じられます。そんな時に重要になってくるのが言葉に対する理解です。

今回は「手を引く」という言葉についてご紹介しますが、類語や例文などを交えてご紹介していきますので最後までお付き合いいただけると「手を引く」という言葉についての理解を深めることができます。

「手を引く」の意味とは?

まずは基本となる「手を引く」の意味についてご紹介します。歌の歌詞などでも「手を引く」という言葉は使われていたりするため大抵の人は聞いたことがある言葉です。

「手を引く」には2つの意味があり、おそらく「手を引く」と聞いて浮かぶ意味も「○○の手を引く」か「○○から手を引く」のふたとおりでしょう。このふたとおりの「手を引く」は、ちょっと少し使い方が違うだけですが意味がかなり異なっています。

ここでは、ふたとおりの「手を引く」の意味と違いを意識して読んでみてください。

「○○の手を引く」の意味

「○○の手を引く」という表現では「手を取って導く」という意味を持ちます。手を取るだけではなく、その先へ導いていく動きを含む意味です。

また手を取るとは実際に手を繋いだり握る事だけではありません。精神的な理解や思いやりなどの「気持ち」を持って先に導くという使い方もできます。

この言葉を使う場合には「手を引かれるもの」と「手を引くもの」の二つが存在していなければいけません。

例えば「子供の手を引く」とすると手を引かれるものである「子供」と、その子供の手を引く誰か・または何かが必要になるということです。もっと文章的にすると「大人が子供の手を引くのは当たり前のことだ」とすると理解しやすいでしょう。

「○○から手を引く」の意味とは?

「○○から手を引く」という表現では今まで続いていた関係を断ち切ることなどの理由で「退く」という意味を持ちます。

分かりやすい状況表現だと繋いでいた手を引っ込めるといった様子です。何かに対して伸ばしていた手を退く場合を表す表現になります。

例えば、今まで協力していた事業があるとしましょう。その事業の先行きが怪しくなってきたため協力をやめるといった場合は今までの関係を断つことになります。

その状況を文章にすると「わたしは、この事業から手を引きます」といった形になるでしょう。この文章での何かとは「事業」を指します。この事業から「先行きが怪しい」という理由により今までの関係を切って退くという意味を示すことになります。

「手を引く」の例文

ここでは「手を引く」が使われている例文をいくつかご紹介します。「手を引く」が使われている文章を見ることで使い方などを理解しやすくなりますし、応用を利かせた使い方なども知る事ができます。また、ちょっとした解説なども加えますので参考にしてみてください。

「○○の手を引く」の例文

「あなたが私の手を引く」
これは「あなた」が「私」の手を引いて導くという意味になります。手を引く側が「あなた」で手を引かれる側が「わたし」となっています。

「彼氏ならば私の手を引いてほしかった」
これは「手を引く」を願っている表現です。手を引かれることを「私」が願っているという形ですが、この文章でも手を引く側と引かれる側の立場が存在しています。

「夜道は危ないので彼女の手を引いて歩いた」
この文章には「彼女」しか出てきていませんが、彼女の手を引いた誰かが手を引く側の立場にいるため文章が成り立ちます。

「○○から手を引く」の例文

「会社経営から手を引く」
会社経営という事柄から退くという意味です。この使い方では手を繋ぐなどの物理的な接触とは関係がないため間違えないようにしましょう。

「多くの人が手を引いた事業が成功した」
この「手を引いた」は事業を指していますが「多くの人が」という部分が先に来ています。「○○から手を引く」だけではなく「〇〇が手を引いた○○」といった使い方もできます。しかし、この文章では「手を引く」が「手引き」に取られる場合がありますので注意してください。

「手を引く」と「身を引く」の違いって?

「手を引く」と「身を引く」は似た言葉ではありますが意味に多少の違いがあります。

「手を引く」には手を取って導く、今までの関係を断ち退くという意味があります。それに対して「身を引く」は現状の地位や立場から退くという意味です。退くという点では共通の意味を持った言葉となっています。

「手を引く」と「身を引く」の違いの例

多少強引ですが「芸能界」を例にして考えてみましょう。「芸能界から手を引く」と「芸能界から身を引く」文章は似ていても伝わる意味は違っています。

「芸能界から手を引く」は、言い換えると芸能界との「関係」から退くとなります。強調されるのは本人の立場や地位よりも「関係」です。印象としては芸能界に身を置く芸能人ではなくスポンサーなどの「周り」からの視点と言えるでしょう。

「芸能界から身を引く」は芸能界に元々ある自らの地位や立場から退くという意味を持ちます。身近なところでいえば引退などが「身を引く」にあたります。イメージでは「手を引く」より「身近さ」を感じるでしょう。この「身近さ」が「関係」から退くと「自ら」が立場や地位から退くの違いを表しています。

「手を引く」は慣用句?

慣用句には体の一部を用いた表現が多く存在しており「手を引く」も慣用句の1つとなっています。

慣用句は習慣のように長い間用いられてきた「ひとまとまり」の言葉・言い回し・文句です。二語以上の言葉が結ばれていて異なる意味を持つものを慣用句としていますが「手を引く」でいえば「○○から手を引く」という使われ方の方が慣用句としての体を成していると言えます。

慣用句は一種の比喩表現ともいわれており、言葉を成り立たせている字の意味だけで考えても、なかなか正しい意味にたどり着けないため、間違った使い方をしてしまう可能性が高い句です。しかし、慣用句を多く知っていると表現の幅が広くなるため活用する機会も多いでしょう。

ちなみに「手」を用いたものだけでも「手を付ける・手が空く・手のひらを返す・手がかかる」など多くの慣用句が存在するため、正しい意味を理解して活用してみましょう。

「手を引く」の敬語と丁寧語

敬語は主題の人物や話し相手に対して敬意を示す表現です。その敬語には「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の3つの段階が存在しています。日常生活では丁寧語でも十分な敬語であり過剰な敬語は時として相手にクドサを与えてしまいます。

簡単な説明をすると
尊敬語は「れる、られる、お~になる」
謙譲語は「お~する、~ていただく」
丁寧語は「です、ます」を用いる表現となります。

「手を引く」に当てはめて考えると
尊敬語「手を引きになられる」
謙譲語「手を引かせていただく」
丁寧語「手を引きます」となります。

また敬語の場合は「手を引く」でいうところの「手・引く」の前に「お」を付けて「お手・お引き」とする場合がありますが、敬語を重ねすぎることを二重敬語して好ましくない用いり方とされているため注意しましょう。

「手を引く」の類語とは?

ここからは「手を引く」の類語についてご紹介します。慣用句の説明でも伝えましたが言葉の引き出しが増えると表現にも幅が出るため、ビジネスマンなどにとっては非常に大切なことになります。

日常生活でも色々な言葉を知っている人は話し方に魅力が出たりと、メリットが多いため類語を知ることで自らの糧にしてみてください。

退く意味の「手を引く」の類語

関係を断つなどで退く意味の「手を引く」には「匙を投げる・引き上げる・背を向ける・愛想をつかす・踏ん切りをつける」などの類語があります。

それぞれを使った例文をご紹介しましょう。
「解決策が思い当たらないため、匙を投げる者が続出した」
「現場での終了したため引き上げる」
「お世話になった人に背を向けて生きる」
「あまりに酷い性格に愛想をつかす」
「今まで続いていた関係に踏ん切りをつける」

他にも多くの類語があるため、インターネットや辞書などで調べてみると知らなかった言葉が多いことに気づいたりします。

手を取り導く意味の「手を引く」の類語

手を取り導く意味の「手を引く」には「一緒に行く・先導する・寄り添う・協力する」などの類語があります。

それぞれを使った例文をご紹介します。
「毎年開催されている町恒例の夏祭りに彼女と一緒に行った」
「地形が入り組んでいるため、山に慣れている先輩がログハウスまで先導した」
「辛い時でも寄り添うのが夫婦である」
「献血に協力する」

ケースによっては「手を引く」よりも適した言葉があるため、多くの類語を知っておき表現の幅を広げましょう。

「手を引く」の心理とは?

最後になりますが少し視点を変えて「手を引く」という行動の心理について考えていきます。実際に「手を引く」という言葉が意味する行動の心理を知る事で、言葉への理解を深めていきましょう。

関係を断ち退く意味の「手を引く」心理

関係を断つなどして退くという意味の「手を引く」では予防線を張る・危機回避などの「守り」の行動心理があります。

自らの側にデメリットとなることが目に見えている場合や、それを見越したうえで働く重要な感覚でもあります。ただ時には関係を断つためではなく維持したり新たな関係を築くための行動にもなるでしょう。

手を取り導く意味の「手を引く」心理

手を取り導く意味の「手を引く」で重要なのは「手を取る」部分にあります。手を取るとは、すなわち手を繋ぐことです。手を繋ぐ際には「好き・放したくない・守りたい・独占したい」などの心理が働いています。

「子供の手を引く」でも言ってしまえば子供を危険などから守りたいという気持ちから「手を引く」という表現になるのですから「手を取る心理=手を引く心理」といっても過言ではありません。ただ「手を引く」は手を取るだけではなく「導く」ので手を引く側の主導権が強調される場合もあります。

正しい使い方と言葉への理解が大切

今回は「手を引く」という言葉をご紹介しましたが意味が2つ存在していて、それぞれ異なった意味を持っていました。また「手を引く」は慣用句であり正確な意味を理解していないと、おかしな返答や文章になってしまう恐れがあります。

「手を引く」に限らず言葉を使う上で大切なのは「正しい使い方と意味」を知ることです。それらを踏まえることで初めて言葉への理解があると言えるでしょう。