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【国別】砂漠緑化事業の方法・成功例と技術・研究|植物

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カテゴリ:社会問題

初回公開日:2017年12月08日

更新日:2020年03月14日

記載されている内容は2017年12月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

【国別】砂漠緑化事業の方法・成功例と技術・研究|植物

砂漠は砂だけじゃだめなの?

何千年も前から砂漠として存在している地域があります。そこには、その場所に相応しい生態系があり、生活があります。その反面、豊かな緑地だった地域が、時の流れと共に砂漠化する現象も存在します。

砂漠の緑化は世界中で行われている事業です。しかしそれは、失われた緑地を取り戻す事業です。元々ある砂漠としての地域を緑化することは、環境破壊に繋がります。砂漠をなくすことは生態系を壊すデメリットな行いで、緑化することが全て良いことではありません。

砂漠は砂漠のままの状態で保持されるのが、環境に負担のかからない本来の姿です。何度緑化しても砂漠になってしまう土地は、砂漠に戻っただけです。しかし、豊かだった緑地が失われたら、全力で緑を取り戻す努力が必要です。

国別の砂漠緑化事業は?

日本国内の緑化事業

日本は技術力の高さを活かし、世界中で砂漠の緑化事業を行っています。では、日本国内ではどういった緑化運動をしているのでしょう。日本は、山地が多く森林に恵まれた国です。砂漠とは無関係の印象です。

日本が国内で行っている緑化は、都市部で行われています。公園や街並みの緑地帯などにも技術が活かされ、ボランティアの緑化運動なども行われています。地震や津波によって失われた海岸線の植林なども、緑化事業の一環です。

アフガニスタンでの成功例

日本とアフガニスタンの交流は、かなり昔から行われています。その中でも知られているのが「国際NGO(NPO)団体ペシャワール会」の活動で、数多くの賞も受賞しています。

山岳地帯の無医村で活動していた中村哲医師を中心とした「緑の大地計画」は、ガンベリ砂漠を蘇らせます。2000年、アフガニスタンの多くの村が、干ばつ続きで飲み水にも事欠くようになります。そこで中村医師たちは水源確保事業を始め、飲料用井戸水、灌漑用井戸などを掘削し、修復しました。それによって、現地の生活環境、農業の安定、治安までも整いました。

灌漑用水路のそばに柳を植え、岸を補強します。日本の伝統的な手法を使い、現地の人たちが自分たちで修復できる工夫をしています。その結果、農作物が増え、難民だった人たちが村へ帰ってきています。砂漠緑化が地域の住民の生活を救った成功例とした賞賛されています。

オーストラリアでの緑化事業とは?

農地だった場所が荒れ果て砂漠化すると、それは食糧問題に直結します。雨がほとんど降らず、乾燥している土地に草木は生えません。砂漠と呼ばれる地域は世界中にあり、その面積は年々増えています。

オーストラリアは国土の約2割、最近では4割近くが砂漠と言われます。高い山もなく、平坦な乾いた土地が続く大地は、大部分が乾燥地帯で砂漠です。砂漠の定義は「雨量が少なく、植物がほとんど育たない荒野」とされています。

オーストラリアでの緑化事業はいくつかあり、その一つが都市部で行われてる「路地をグリーンに」です。都市部の路地の緑化が進めば、熱の吸収がおこり、気温低下に貢献できると考えられています。建物の壁面や屋上の緑化などもプロジェクト化されています。

オーストラリアでの砂漠緑化は難しいのか?

オーストラリアは古い大陸のため、地形や気候などが独特で、動植物の生態系は多様性に満ちています。大まかに3つの大地形区(東部高地・中央低地・西部台地)に分類され、特に西部台地は5~30億年以上前から陸地を形成している古い土地です。

オーストラリアは、雨は少なく乾燥し、日中の気温は50℃を超えます。しかし、一旦雨が降り始めると、川が氾濫し洪水の被害を受けやすい土地です。そんな広大な土地を緑化する計画はいくつもありましたが、頓挫したものも多くあります。古くからある土地の生態系を変化させることは、必ずしも環境保護にはなりません。

太古からの動植物を「国の財産」として、オーストラリアでは独自の自然環境を維持するために重要だとしています。「セイブ・ザ・ブッシュ」というプロジェクトでは、多様な生態系を維持するための活動を行っています。

中国での緑化事業

わずか数年前まで、冗談のような「緑化」が中国では行われていました。それは、緑の塗料で木のない山を塗ってしまうことです。政府から「緑化するように」と言われ、村人が取った苦肉の策でした。

現在は、黄砂の原因となっている中国北西部の砂漠地帯の緑化事業に力を入れています。これは、中国の都市部へも飛来し大気汚染となり、環境問題化しています。この事業には、日本人技術者も関わり、結果を出しつつあります。

新疆ウイグル自治区では、日本の企業が「砂漠化防止技術研究プロジェクト」と銘打って、自社製品の高吸水性樹脂を使用した実験を、新疆林業科学院の協力を得て行っています。砂漠緑化の事業がさまざまな形で進んでおり、地球温暖化や砂漠化防止に役立つと期待されています。

砂漠緑化できる植物とモノ

砂漠緑化の方法はいくつもあり、研究もされています。砂漠と一口に言っても、特性に違いがあります。やり方に向き不向きがあり、試行錯誤しながら進められているのが、各地の緑化事業と言えます。

地下水が豊富な砂漠には植林が向いています。その際、どのような植物が適しているのかを選ぶ必要があります。場合によっては、品種改良を行います。砂漠の砂が移動しないよう、植物で固定する方法なども考えられています。

ユーカリで緑化する

ユーカリと言えば、連想するのはコアラです。ユーカリの品種は非常に多く、500種を超えます。乾燥を好む品種が多く、地下水を引き上げる力に長け、成長の早いユーカリは砂漠の緑化に向いている植物と言えます。

インド北部のパンジャーブ地方の砂漠化を止め、5年あまりで緑化に成功した事例も存在します。

オムツの吸水性ポリマー

紙オムツのとんでもない吸収性を、子育てを経験した人なら知っています。あるいは、ペットのトイレシートが想像以上に水分を含むことにビックリした人もいるでしょう。あれは、使用されている高吸水性ポリマーのおかげです。

保水性が高いため、植物の根元にポリマーを敷くと乾燥している土地にも植えることが可能になります。日本では、鳥取大学などが吸水性ポリマーの研究をしており、緑化事業に貢献しています。

砂漠緑化の問題点はある?

ある地域の土地が砂漠であることは自然であり、地球の生態系を構成する一部でもあります。砂漠であることが、いけないわけではありません。では、なぜ人々は砂漠緑化をするのでしょう。

水分の乾燥が雨の量より多ければ、その土地は徐々に砂漠となっていきます。それは自然の摂理と言えます。緑化が必要な砂漠は、人が手を加えた結果、砂漠となってしまった地域です。放牧や過剰な伐採など、その土地の持っている能力以上のことを課すと、土地は水分と養分を失い、砂漠化し生命力を失います。

この状況を打開するのが緑化です。緑化をすることで土地が蘇り、人々が住めるようになります。どの砂漠でも緑化していいわけではありません。それは、環境破壊、生態系を壊すことに直結します。

砂漠緑化の海外の反応は?

中東での日本に対する人気を知らないのは、当の日本人かも知れません。親日の国が多いのも中東諸国です。その理由はさまざまですが、要因の一つとなっているのが砂漠緑化事業への貢献度の高さです。

よく知られているのが、アフガニスタンで行われたガンベリ砂漠の緑化事業です。ノーベル賞よりも偉大だと賞賛されています。これを行った民間団体ペシャワール会は、地元民から「神が遣わした」とまで言われています。

砂漠を緑地にする意味を知ろう