【種類別】オウムの寿命・ギネス記録・なぜ寿命は長いのか

オウムもインコもどちらもペットとして親しまれている鳥ですが、その違いを知っている人はそれほど多くないでしょう。名称が違うだけで動物としては同じだと考えている人もいるはずです。

しかし、オウムとインコは学術的に「オウム目オウム科」と「オウム目インコ科」に分けられた全く違う動物で、見た目や身体能力にも違いがあります。それまでオウムだと勘違いしていたのが、実はインコだったという場合も少なくありません。中には、インコと名前がついていてもオウムである場合もあります。

オウムとインコを見分ける方法があります。それは、オウムには頭から「冠羽」とよばれるとさかのような羽が生えていることです。セキセイインコよりも少し大き目で、甘えん坊な性格が可愛らしくなオカメインコは、インコと名前がついていますが頭から冠羽が生えています。実はオカメインコもインコではなく、オウムの仲間の1種です。

そして大雑把な分け方をすると、体が大きい方がオウム、小さい方がインコと区分されることも多いです。しかし、ルリコンゴウインコのようにインコでもおよそ76～86cmほどと大型の種類もいるので、すべてのオウムやインコに当てはまる特徴ではありません。また、灰色の体が特徴的な「ヨウム」はオウムの誤表記ではないかと言われることもありますが、ヨウムはれっきとしたインコの仲間の1種です。

オウムもインコも「人の言葉を真似する動物」という印象が強いでしょう。しかし、どちらも同じようにたくさん人の言葉を覚えられるわけではなく、インコの方が良くしゃべることができます。人間の言葉を要領よく学習し、音や仕草を真似することができます。それだけでなく、人間の言葉を理解してコミュニケーションを取ることができるインコもいるほどです。

飼っていたオウムはよく喋っていたという経験がある場合は、体の大きさからインコをオウムと勘違いしていた可能性があります。また、オウムの中でもオカメインコは人間の言葉を覚える能力が他の種類のオウムより比較的高いです。飼い主の言葉や口笛を覚えて真似をする愛らしい姿を映した動画がネットでを集めているオカメインコもいます。

オウムは体が大きいからか、寿命が長い傾向があります。短い寿命の種類でも30年の寿命を持ち、最も長い寿命を持つ種類では60年近く生きることもあります。犬や猫よりも寿命が長いオウムは、大人が飼うと飼い主が先に死んでしまう確率が高いため、子どもが引き続き世話をすることを決めてから飼うことをします。

50年近く生きるオウムの種類はたくさんいます。幼いころからオウムが家にいる環境で育った人は、オウムから兄弟のように見守られ、中年になった時に大往生の末息を引き取ったというエピソードを持っていることもあるほどです。

なぜオウムが50年近くも長生きするのかはまだ明らかになっていませんが、人間など他の寿命が長い動物との共通点はいくつか見られます。社会性があること、体が大きいこと、感情表現が豊かなことなどです。オウムを飼いたいと考えている際は、50年以上生きることを念頭に入れて検討しましょう。

オウムは50年近く生きる寿命が長い動物ですが、中には100年近く生きた例もあります。有名な話は、第二次世界大戦の時にイギリス首相だったチャーチルが飼っていたオウムが戦後の今も生きていて、現在もヒトラーを罵倒しているといったエピソードです。しかし、この例はオウムではなくルリコンゴウインコという大型のインコです。

分類上違いがあるオウムとインコですが、体の大きさや習性などはあまり大きな違いがありません。オウムもインコもどちらも100年近く生きてもおかしくありません。オウムの寿命についてはまだまだ未知な部分が多いです。

オウムの中で最も長生きし、ギネスの記録にも残っているオウムがいます。アメリカのシカゴのブルックフィールド動物園で飼育されていたクルマサカオウムのクッキーです。薄いピンク色の綺麗な体をしていて、貴重なこともあり100万円以上で取引されることも珍しくない種類のオウムです。

クッキーは83歳まで生き、クルマサカオウム、そしてオウム全体で最も寿命が長かったインコとして記録に残っています。2016年8月に息を引き取ったということなので、1933年に生まれたことになります。クルマサカオウムの寿命は40～60年とされているので、とても長生きした個体だと言えます。また、83歳と言えば人間の中でもかなり長生きしたと言えます。