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方言「じゃけん」の地方別の意味と使い方|九州/岡山/大分/愛媛

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方言 / 2018年04月08日
方言「じゃけん」の地方別の意味と使い方|九州/岡山/大分/愛媛

方言「じゃけん」が使われている地域

テレビや映画、漫画などで方言「じゃけん」を聞いたことがあるでしょう。しかし、どの地域で使われているか正確に答えられる人は、実際に使っていないとわからないでしょう。方言「じゃけん」の意味をご紹介する前に、まずは方言「じゃけん」が現在使われている地域を確認しましょう。

方言「じゃけん」は中国・四国・九州地方で使われている

方言「じゃけん」が使われている地域は、中国地方や四国、九州の一部です。西日本より南の地域で、現在も方言「じゃけん」が使われています。

後ほどご紹介しますが、中国地方や四国地方で使われている「じゃけん」の意味や使い方は、ほぼ同じです。しかし、九州地方に入ると「じゃけん」の意味が異なることも分かりました。これは、「じゃけん」という言葉が広がっていくにつれ、意味や使い方が変わっていったと考えられます。

方言「じゃけん」は全国的に人気?

方言「じゃけん」は響きなどが良かったり、可愛いという理由で使っている人が多い方言です。特に方言の特徴が薄い地域では、方言「じゃけん」を使用する人が多い傾向があります。後ほどご紹介しますが、方言「じゃけん」の意味が分かりやすく、また使い方も簡単という理由が挙げられます。

さらに、SNSなどでも方言「じゃけん」をあえて使用する人もいます。無料通信アプリ「LINE」では「じゃけん」などの方言を使用したスタンプが販売されるなど、方言の人気が高まっています。

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・「~けん。広島出身ではないけど、カッコ良いから使う」(29歳/自動車関連/技術職)
・「じゃけん。岡山に長くいたのでうつったとおもう」(28歳/食品・飲料/技術職)

「じゃけん」を全国共通と考えている人が多い?

「じゃけん」を全国共通の言葉だと考えている中国・四国地方の人が多います。上記の例文は岡山方言の「じゃけん」の使い方です。日常会話に度々登場する「じゃけん」は、西日本や九州などでも意味がわかるため、全国共通だと考えている人がいます。

関東や東北地方でも意味は分かりますが、「出身は広島ですか」などと聞かれるでしょう。「じゃけん」を日常会話で使ってきた人たちにとっては、驚く体験でしょう。

意外と多い?全国共通だと考える方言

この他にも全国共通だと考えている方言があります。少しご紹介します。

方言「なおす」

関西圏や九州で使われている「なおす」は、標準語で「しまう」の意味です。例文を挙げると「このタオルなおしといて(このタオルしまっておいて)」となります。

関東や東北の人は「なおす」と言うと、修理をする意味になるので、会話が成立しないことがあります。また普段は標準語を使っていても、急に会話の中に「なおす」が登場する人は、関西圏や九州地方の出身者の可能性が高いでしょう。

方言「ですです」

鹿児島県で広く使われている方言が「ですです」です。意味は「そうです」などの同意で用いられます。例文を挙げると「昨日、病院行ったの」と聞かれ「ですです」や「です」と答えます。女性や若者は「ですです」と2回言い、男性は「です」と1回言う傾向があります。

九州の中でも方言が難しいと言われている鹿児島ですが、現在使われている方言はそれほど難しくありません。しかし、鹿児島南端の指宿や奄美諸島の方言は独特な言われ、鹿児島市内の人でもわからない人がいるほどです。

地方別の方言「じゃけん」のあらわす意味と使い方

ここからは、地方別の方言「じゃけん」の意味や使い方についてご紹介します。

九州の方言「じゃけん」

まずは九州地方における方言「じゃけん」の使い方についてご紹介します。九州の方言は、地方によってかなりの違いがあります。

例えば、福岡県で使われている博多弁と、鹿児島県で使われている鹿児島弁(薩摩弁)は、異なる方言と言えます。九州は独自の文化を形成してきた歴史があり、また地域を特定するために方言が変化していった歴史があります。そのため、隣同士の県で同じ言葉を使っていても、意味が異なる場合があります。

博多の方言「じゃけん」

福岡県の方言は、大きく分けて筑前方言と筑後方言、豊日方言の3つに分けられます。福岡市近郊で使われている博多弁は筑前方言のひとつで、福岡の方言の中で最も有名です。

福岡・博多方言における「じゃけん」の意味は、理由・原因と中国地方と同じ意味になります。しかし「じゃけん」はあまり使われることがなく、「やけん」や「けん」が使われます。例えば「お前が遅れるけん、連絡されんやったったい」と言った場合、「お前が遅れるから、連絡できなかったよ」の意味になります。

大分の方言「じゃけん」

温泉で有名な大分県の方言は、5つに分けることができます。県の大半の人が使用している大分弁は、豊日方言のひとつです。

大分における「じゃけん」の意味は、断定の意味として用いられます。しかし、近年では「じゃけん」の使用はあまり見られなくなりました。代わりに用いられているのが「やけん」と「けん」です。例文を挙げてみると「あいつは白やけん(あいつは白だ)」となります。

関西の方言「じゃけん」

「なんでやねん」「ほんま」などの言葉が特徴の関西弁ですが、関西圏の中には「じゃけん」を使う方言があります。一般的に関西地域の方言を関西弁と言いますが、京都弁や大阪弁、紀州弁などに分けられます。関西圏の方言で用いられる「じゃけん」の意味や使い方についてご紹介します。

岡山の方言「じゃけん」

岡山の方言「じゃけん」は、語尾に付けて使うことが多いです。意味は「~だから」などの理由・原因を表しています。

例として「果物がおいしゅうなる季節じゃけん、たまには観光にでも来てみられぇ」と使います。意味は「果物がおいしくなる季節だから、たまには観光にでも来てください」となります。中国地方一帯の方言は、似ている点が多いため広島や山口など、近隣の方言と意味が同じ点が多々あります。

中国地方の方言「じゃけん」

中国地方の方言は、似ている点が多いのが特徴です。現在の山口県周辺を収めていた戦国武将・毛利家の影響力が強く残っています。中国地方を毛利が治めていたことで、方言も中国地方各地に広がったと考えられています。

山口の方言「じゃけん」

本州最西端に位置する山口県は、防長方言や長州方言などの総称として山口弁と言われます。山口県の方言で「じゃけん」を使用する場合、「~だから」の意味で使われます。

例文としては「じゃけん、やるなっちゅうたろーが(だから、やるなっていったでしょうが)」が挙げられます。しかし、現在の山口弁を調べてみると「じゃけぇ」と使うことが多いです。そのため先ほどの例文も「じゃけぇ、やるなっちゅうたろーが」となります。

四国地方の方言「じゃけん」

瀬戸内海と太平洋に挟まれた四国地方は、4つの県から成り立っています。四国お遍路で有名ですが、それぞれの県では異なる文化を有しています。愛媛県・高知県の方言の「じゃけん」の意味と使い方についてご紹介します。

愛媛の方言「じゃけん」

愛媛の方言は「伊予(いよ)弁」と言います。中国地方の言葉は近畿や中国地方、九州など周囲の方言の影響を受けています。瀬戸内海を挟んだ向かいに位置する広島と愛媛は、方言が似ている部分が多いです。

愛媛・伊予弁で「じゃけん」は、「~だから」の意味で使われます。これは中国地方の方言「じゃけん」の意味と同じです。使い方は語尾に「~じゃけん」と付けて使います。

しかし、愛媛の南へ行くと「じゃけん」と言わず「~やけん」と言う地域もあります。愛媛で「じゃけん」を使用する地域は、主に松山などの愛媛県中部地方で使われています。

高知の方言「じゃけん」

太平洋側に位置する高知県は、土佐弁と幡多(はた)弁という2種類の方言が使われています。四万十市などの幡多地域で使われている幡多弁では、理由・原因の意味で「じゃけん」を使用することがあります。

一方の高知市などで使われている土佐弁では理由・原因の意味を表す時、「じゃけん」ではなく「~やきん」「やき/やけ」が使われます。同じ高知県内でも使用する方言によって異なることが分かります。

方言「じゃけん」と言えば広島

方言「じゃけん」と言えば、広島の方言を挙げる人が多いでしょう。また広島の方言の代表例が「じゃけん」と言えるほど、有名な方言のひとつです。

広島の方言「じゃけん」の意味と使い方

広島弁は大きく分けて2種類の方言があります。西部の安芸弁と東部の備後弁です。一般的に知られているのが西部の安芸弁であり、広島弁として知られている方言です。

語彙や語法が近隣の県と似ており、学問的には西中国方言のひとつとして位置づけられています。また単語のアクセントが近畿方言と似ているため、東日本の人にとっては同じに聞こえる場合もあります。

広島の方言「じゃけん」の意味

方言「じゃけん」は接続助詞です。中国地方では方言「じゃけん」の意味や使い方は、ほぼ同じです。広島の方言「じゃけん」の意味を詳しく説明すると、「~だから」です。語尾に付けることが多いため「~じゃけん」と使いたくなるフレーズです。

広島の方言「じゃけん」の使い方

例えば「明日テストじゃけん、勉強せないけん」と言った場合、「明日テストだから、勉強しなくてはいけない」という意味になります。方言「じゃけん」を使用する場合、後ろに何をするかという意味が続きます。多くの場合「じゃけん」+「けん/けえ」と言ったように、「けん/けえ」とセットで使われることが多いです。

上記の例文以外にも「今日は野球の試合じゃけん、早よ帰らないけん」などのように使います。これを標準語に戻すと「今日は野球の試合があるから、早く帰らなくてはいけない」となります。使い方が分かれば、すぐに方言「じゃけん」を使えるため、広島弁を使わない人でも使える利点があります。

広島の方言は映画の影響?

広島の方言「じゃけん」など、広島弁が広まった理由はさまざま考えられますが、そのひとつに映画のヒットを機に多くの人が知るきっかけとなりました。

映画「仁義なき戦い広島死闘篇」

1973年公開の映画「仁義なき戦い」です。広島で実際に起きた暴力団の抗争(通称:広島抗争)を元にした小説の映画化作品です。松方弘樹さんや菅原文太さんなどが出演、ドスの利いた広島弁が印象的でした。

同映画での俳優の活躍などが人気を博し、その後シリーズ化されました。この映画を見た層が次第に方言「じゃけん」を真似して広まったと考えられています。

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仁義なき戦い2作品目ですが1作品目より・さらにエンターテイメントが上がり千葉真一の怪演技が光る傑作です・さすが深作欣司監督アッパレです

方言「じゃけん」は地域によって多少の違いがある

方言「じゃけん」についてご紹介しました。最も知られている中国地方や四国では、方言「じゃけん」は理由・原因や接続の意味で使われています。しかし、九州に場所を移すと断定の意味として使われており、意味や使い方が地域によって異なることが分かりました。

方言はひとつの地域で発生した後、周辺地域へと広がる傾向があります。そのため、隣県では意味が同じでも、次第に離れていくと違った意味へと変化していくことがあります。方言「じゃけん」をひとつ取ってみても、意味や使い方が徐々に変化していく様を見ることができました。日本の文化を知る上でも、興味深い例でしょう。