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観光におすすめの日本や世界の負の遺産例一覧|長野オリンピック

Author nopic icon三尾根忠方
スピリチュアル / 2018年03月15日
観光におすすめの日本や世界の負の遺産例一覧|長野オリンピック

負の遺産を巡るツアーがおもしろい!?

旅行といえば、観光地を巡って楽しい思い出を作ることです。しかし、趣味や嗜好が多様化した現在、楽しいだけを追い求めるのが旅行ではなくなっています。

例えばダークツーリズムなどと呼ばれる、マイナス要素を含んだ旅先を巡り、その歴史に触れて深く考えるという楽しみ方も出てきました。いわゆる「負の遺産」を巡る旅です。

負の遺産は世界中にたくさんあって、公的にも世界遺産として認められている場所もあります。ただし、負の遺産は公的に認められたものではなく、歴史的背景が歴史や人々に関連して非常にマイナス面が強い場所がそうだといわれているに過ぎません。

ですので、負の遺産巡りは今になって始まったわけではなく、これまでも普通の旅行に組み込まれていました。今は負の遺産をクローズアップして注目されています。

ここではそんな負の遺産を中心にした旅先をピックアップしてみました。

観光におすすめの日本の負の遺産ならここ

負の遺産は日本国内にもたくさん存在しています。メディアには公開されていない、地元の人しか知らないようなものから、世界遺産に認められるクラスまでさまざまな負の遺産があります。

多くが日本の歴史に関係する場所です。また、我々日本人がこれから先、同じような過ちを繰り返してはいけないという警告の場でもあります。それが日本の負の遺産です。

では、日本国内にはどんな負の遺産があるのでしょうか。代表的なものを紹介しましょう。ほかにもたくさんの負の遺産があり、あくまでも代表的な数カ所を取り上げることにします。

原子力爆弾の脅威を知る広島の「原爆ドーム」

東日本大震災で原子力発電所がトラブルになった際に世界中の関心を集めた放射能。日本は歴史上、世界唯一の原爆攻撃を受けた国で、その1発目が投下された広島にはその資料館や爆心地のモニュメント的な存在として「原爆ドーム」があります。

広島の原爆に関連した資料館や原爆ドームそのものが負の遺産というのではなく、この場合は原爆投下そのもの自体が負の遺産です。一般市民や女性、子どもを巻き込んだ残酷な攻撃はもう二度と繰り返されてはいけません。そういう意味での負の遺産です。

ご存知のように原爆は長崎にも投下されています。ですので、長崎の博物館や平和のモニュメントも同じように負の遺産といえます。

公害で有名な「水俣病資料館」

水俣病は1956年に熊本県水俣市で公的に発見された、工業排水が原因で集団感染が認められた水銀による中毒症状です。かつては公害という認識が低く、工場などから排水が海や川に垂れ流しにされてきました。その過ちを忘れないために重要な証拠や書類を展示しているのが水俣市が運営する「水俣病資料館」です。

日本政府や製造業者への公害とはなんたるかを考えるきっかけになった点を見れば重要な事件であったことは間違いありませんが、被害者の方々からすれば負の遺産であることも間違いのないことです。

戦争の惨劇を感じる沖縄の「ひめゆりの塔」

今もなお米軍基地の存在でもめごとの絶えない沖縄ですが、第2次世界大戦時は日本国内では唯一地上戦になってしまったことでも知られています。当時の日本は間違った方向に愛国心が暴走し、一般市民も多くが自決するなど、凄惨な戦いとなってしまいました。

そんな沖縄の戦争のメモリアルのひとつが「ひめゆりの塔」です。

ひめゆりの塔の「ひめゆり」は沖縄で日本軍に従軍していたひめゆり学徒隊のことです。この塔は沖縄陸軍病院第三外科が置かれた壕の跡に立つ慰霊碑で、米軍の攻撃を受けたこの豪の生存者は96人中わずか5人で、ひめゆり学徒の生徒46人はわずか4人しか生き残っていません。

そんな日本の悲しい歴史を刻む負の遺産ですが、この事実は忘れないようにしていたいです。

阪神淡路大震災を再現した「人と防災未来センター」

1995年1月17日5時46分52秒に発生し、犠牲者は6435人に達した阪神淡路大震災を受け、防災・減災の世界的拠点となることを目的に創設された機関がこの「阪神淡路大震災記念 人と防災未来センター」です。

この地震は2011年に東日本大震災が起こるまで、戦後に発生した地震災害では最大の被害を被ったものになります。負の遺産というとまたちょっと違いますが、こういった避けられない自然災害からたくさんの人を守るためにも、こういった施設は大切です。

長野オリンピックの会場跡地

長野で開催されたオリンピックの施設が今になって閉鎖されたり、廃墟になるなどしていることが話題になっています。

例えばボブスレーの競技場などは維持費もかさむために閉鎖されてしまいます。

実はスポーツの国際大会は誘致するために、また開催するために莫大な費用がかかります。開催中は観戦客などによる観光収入が期待できますが、近年は開催後の運用に失敗して、負の遺産と化すケースが増えています。

この長野オリンピックだけでなく、夏のオリンピックや、サッカーのワールドカップなどで意気込んで施設を造ったものの、費用を回収できなかったり、廃墟と化している場所が世界中にあります。

これからは世界大会を誘致する際にはその後も考えなければならないという点で、こういった負の遺産は検討材料になることでしょう。

負の遺産に関するおすすめの書籍

昨今はいろいろなツーリズムが流行っています。日本では受けられない治療を受けるための医療ツーリズムや、エコの原点を見るために農業を見学しに行くアグリツーリズムなどさまざまあります。

その中で負の遺産を見に行くためのダークツーリズムなるものも流行しており、マイナス面があることを逆にプラスに捉えて観光に行く旅行者も増えています。

ここではそんな負の遺産見学に行くための準備段階として、ダークツーリズムを学べる書籍を紹介します。

日本と世界の「負の遺産」を巡礼する旅「ダークツーリズム入門」

負の遺産を観に出かけるダークツーリズムとしてこれほどふさわしいタイトルはありません。この「ダークツーリズム入門」は追手門学院大学教授・井出明さん、作家・角田光代さん、旅行作家・下川裕治さんといった、旅の専門家が語るダークツーリズムで読み応えは抜群です。

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内容(「BOOK」データベースより)
アウシュヴィッツ強制収容所、チェルノブイリ原子力発電所、グラウンド・ゼロ、福島第一原発など、世界を震撼させた悲劇の舞台への「巡礼の旅」が今、人気を集めている。また、数々のジャーナリストや評論家なども現地を訪れ、その論考にも注目が集まっている。実際に現地を訪れると、悲しみや嘆き、狂気、ユーモア、強さなど、さまざまな感情が入り交じる空気に触れることができる。不幸な歴史の記憶を後世に伝えるために訪れておきたい、世界と日本の81カ所を網羅した入門書。

「ダークツーリズム入門」を片手に現地を巡る

「ダークツーリズム入門」は日本だけでなく、世界の負の遺産を81箇所も網羅しているので、入門書どころか、まさに決定版とも言えます。読みものとしてもおもしろいですし、ガイドブックとしても魅力のある1冊です。

しかも、Amazonなら単行本だけでなく、電子書籍のKindleとしても購入できるので、持ち運びもコンパクトになります。実際に現地に足を運びながら、そんな移動中に読む本としても便利です。

海外旅行で訪れたい世界の負の遺産

負の遺産は日本国内だけではありません。むしろ、国外の方が負の遺産は多いと言えます。歴史が長い分、たくさんのできごとがあり、現在は負の遺産と化した場所が多数あります。

また、負の遺産は国によって(国民感情や政治的な利用方法によって)、扱い方が違います。場合によっては管理されていないために、年々崩壊したり、歴史そのものが風化していくこともあります。

つまり、また今度なんて悠長なことを言っている間に、そんな不意の遺産が消えてなくなってしまう可能性をはらんでいます。ですので、行ける間に行っておくことをおすすめします。

ここでは、そんな世界の負の遺産の代表的な物を紹介します。

アジアを代表する負の遺産

まずは日本からも行きやすい、アジア、東南アジア、それから中東辺りの負の遺産を見てみましょう。

アジアも近代に欧米列強国の支配下に置かれたなど、たくさんの歴史があります。日本以上に悲しい歴史や残虐な事実を含んだものも多く、負の遺産と呼ぶにふさわしい施設や観光地があります。

カンボジア「トゥールスレン」

トゥールスレンは元々はS21と呼ばれた政治犯の収容施設で、現在は現地の地名を取って「トゥールスレン虐殺犯罪博物館」になっています。これは国民の大半を失ったとされる、ポルポトによる大虐殺の一端を担った場所になります。

反逆分子を見つけだすことがこの施設の使命でしたが、互いに疑心暗鬼になることから虐殺を繰り返すための施設になり、1976年4月ごろから1979年1月7日にベトナム軍がプノンペンを制圧するまでの間におよそ2万人が収容され、生還できたのはたった8人でした。

カンボジアは当時完全に秘密主義を貫いていたため、国外にこの虐殺の様子は知られていませんでした。このほかにもキリングフィールドと呼ばれる処刑場があり、カンボジアの負の遺産として公開されています。

アフガニスタン「バーミヤン渓谷」

ここは正確には「バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群」と呼ばれる、ユネスコも認定している世界遺産でもあります。

バーミヤン渓谷はアフガニスタンの首都カブールから北西230kmの山岳地帯にある、古代都市の遺跡群です。しかし、2001年に当時のターリバーン政権が、この遺跡はイスラム教の偶像崇拝禁止に反するため、バーミヤンの大仏(磨崖仏)を破壊すると宣言し、それを実行に移しました。

現在は世界中の研究チームの手によって復元などが進められていて、世界遺産としても認められる中、アフガニスタンの歴史上の負の遺産としても有名になっています。

アフリカを代表する負の遺産

アフリカは人類の故郷とも言われる、広大で、かつ歴史も長い地域になります。

アフリカは特に欧米各国による奴隷貿易などがあり、現地の黒人にとっても、関係した欧米諸国にとっても大きな負の遺産として存在しています。

ここではそんなアフリカにおける負の遺産の代表的な場所などを紹介します。

セネガル「ゴレ島」

セネガルの首都ダカール沖合いにある島「ゴレ島」は世界遺産としても認められる、かつて奴隷貿易で栄えた場所として知られています。統治国だったフランスのナポレオンが1815年に奴隷貿易を廃止するまで、ここで黒人が白人によって売買されていました。

現在は島内に「セネガル女性博物館」や「ゴレ島セネガル歴史博物館」、「IFAN海洋博物館」があり、また、かつて奴隷の収容に使われていた奴隷の家もあります。

ガーナ「奴隷貿易の拠点」

ガーナというと日本人はチョコレートを思い浮かべますが、このガーナ共和国はカカオ豆のほか、ダイヤモンドや金を産出する国としても知られています。そんなガーナも奴隷貿易の拠点となったという、負の遺産を抱えています。

ガーナはかつてはゴールドコーストと呼ばれた海岸を有するなど、美しい景観もあります。しかし、過去の歴史を振り返ってみると、奴隷貿易という悲しい環境下に人々は置かれていました。

タンザニア「キルワ・キシワニとソンゴ・ムナラの遺跡群」

タンザニアにある世界遺産「キルワ・キシワニとソンゴ・ムナラの遺跡群」も負の遺産として知られています。

イスラム教徒のコミュニティーもあるこの国はかつて貿易などで栄えましたが、やはりヨーロッパ列強国の侵略などもあり、現在は世界遺産に登録されるものの、牢獄の遺跡などもあって、一部のダークツーリズムファンからは負の遺産とも認識されています。

南アフリカ「ロベン島」

南アフリカ共和国にある「ロベン島」もまたアフリカを代表する負の遺産です。

ロベン島はケープタウンの沖合12kmに浮かぶ島で、かつては「監獄島」とも呼ばれた島です。ここにはハンセン病患者の隔離や、政治犯の強制収容所がありました。

アパルトヘイトの政策時代はネルソン・マンデラらも収容されていましたが、1996年に刑務所は閉鎖。翌年に博物館として公開され、今では島全体が博物館として整備されています。ガイドは刑務所の元囚人で、1999年には世界遺産になりました。

欧米諸国を代表する負の遺産

欧米諸国もまた負の遺産をたくさん抱えています。ここでいう欧米諸国はヨーロッパ、そしG北米や南アメリカ大陸の諸国のことです。

奴隷貿易を始め、欧米諸国もまた負の遺産に大きく関わっている国が多くあります。日本と違い、そのスケールもまた大きく、まさに負の遺産であることは間違いありません。

ここではそんな欧米諸国の負の遺産を紹介します。

ポーランド「アウシュヴィッツ強制収容所」

ヒットラーを代表とするナチスによって主にユダヤ人迫害に利用されたのが「アウシュヴィッツ強制収容所」です。正式には「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所」で、ドイツではなく、実際にはポーランド国内にあります。第1と第2、第3があり、第2はビルケナウという村にありました。

国を挙げての人種差別政策で、アウシュヴィッツには大量にユダヤ人を殺害するためのガス室があったり、人体実験をするための実験台にされるなど、あらゆる限り残虐な方法で収容者が殺害されていきました。

コロンビア「カルタヘナ港」

南米の大規模農場や鉱山における労働力としてアフリカから連れてこられた黒人奴隷の受け入れ港として栄えたのがこのコロンビアの「カルタヘナ港」です。かつては「インディアスの真珠」とも言われ、今もコロンビアで最も美しい港街として評価されています。

ここはスペイン植民都市時代に建造された堅牢な要塞と美しい建造物群が多く残り、負の遺産としてだけでなく、立派な観光地としても人気が高いです。

オーストラリア「囚人遺跡」

オーストラリアにも世界遺産に登録されながらも負の遺産として知られる場所があります。1箇所だけでなく、複数の場所になるので遺跡群となりますが、これらはどれも18世紀から19世紀に大英帝国によって建てられた刑場の遺跡となります。

この遺跡群はかつて大英帝国がオーストラリアにおいて植民地拡大をするため、原住民であるアボリジニたちをその刑場などに移住するよう強制。女性や子どもを含めた何万人という人が収容所に送られました。

負の遺産とは反対になる遺産は?

負の遺産ばかりの観光では気が滅入ってしまうでしょう。ですので、ダークツーリズムとは言っても、誰もが楽しめる観光地に行くのも大切です。その際にも見方を変えれば立派なダークツーリズムのひとつになりえます。

例えば、シンガポールは第2次世界大戦で日本軍が南下してきた場所であり、エンターテインメント施設ではそのことに触れる機会もあるなど、日本人にはやや負の遺産に感じなくもないケースもあります。

また、同じシンガポールでは国のシンボルともいえる「マーライオン」もあります。マーライオンは写真で見るよりも実物が案外地味で、人によっては世界3大がっかりのひとつにカウントされます。そんなマイナス面をおもしろがって巡るのもまたダークツーリズムのひとつです。

負の遺産を敬遠しないで!

負の遺産はどうしてもマイナス面が強調されるスポットですが、それを見る立場や方向を変えれば、我々の未来を切り開くヒントや教訓にもなりえます。ですので、負の遺産だからと敬遠するばかりではなく、内容を前向きに捉えて我々のこれからに繋げるべきです。

ですので、ダークツーリズムによる負の遺産巡りは決して暗いものではなく、ある意味では有意義で明るい旅のコンセプトになります。

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