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プレグナンツの法則の意味と例・おすすめの論文|要因/日常

Author nopic iconいしみく
学習 / 2018年04月10日
プレグナンツの法則の意味と例・おすすめの論文|要因/日常

プレグナンツの法則って何?

「プレグナンツの法則」とは、どういったものかご存知でしょうか。知らないそもそも聞いたことないという方も多いことでしょう。「プレグナンツの法則」は、あまり聞きなじみのない言葉ですが、人間の思考においてとても重要や役割を果たしており、この法則を利用したものが身近にはたくさん溢れています。

まずは、このプレグナンツの法則の意味について、例を用いてご説明していきます。

プレグナンツとは簡潔という意味

元々、プレグナンツの法則とは心理学のうちのひとつとして思案されたもので、「脳が情報処理を簡潔にするため、情報を群化する」ことをプレグナンツの法則といいます。

プレグナンツ、という言葉には「簡潔さ」という意味があります。人は、考えるときに脳で処理をしますが、このとき脳は処理の負担を減らすために、捉えた対象をグループ分けしています。そしてこのグループ分けを群化と呼びます。この群化は、いくつかの要因によって行われますが、こちらは後述で詳しくご説明していきます。

ゲシュタルト心理学の一部

皆さん「ゲシュタルト」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。たくさん字を書いているときに、この字はこの書き方で合っていただろうか、この字ってこんな字だったっけ、と悩む現象を「ゲシュタルト崩壊」と言うことがあります。日常的に使用している方も多いのではないでしょうか。

実はその「ゲシュタルト」と、この「プレグナンツの法則」は深い関りがあります。「プレグナンツの法則」というのは、ゲシュタルト心理学と呼ばれるもので、心理学者のM.ヴェルハイマー氏らによって示された法則です。

ゲシュタルトとは「形態」という意味で、1つのまとまりを表します。部分や要素を端的に見るのではなく、大きく全体性を持ったまとまりとしてみることをゲシュタルトといい、その中で、グループ化されていないものをグループ化すること、グループ化のために不足した部分の補完を行なうことがプレグナンツの法則といいます。

例えばどういったものに利用されているの?

プレグナンツの法則は、簡潔にグループ分けされるという点から、視覚的情報の多いデザインにおいて用いられます。例えば、タッチパネルのボタンのデザインや配置、アンケート調査における結果表示、チラシやPOP広告などです。また、平面的なデザインだけではなく、お店の商品レイアウトや、インテリアや整理収納のパターンにも用いられています。

プレグナンツの法則に関するおすすめの論文・書籍

プレグナンツの法則の意味と例・おすすめの論文|要因/日常

プレグナンツの法則に関するおすすめの論文をご紹介していきます。また、プレグナンツの法則は、ゲシュタルト心理学の一部ですので、おすすめのゲシュタルト心理学に関する書籍もご紹介していきます。

ゲシュタルト心理学に基づく抽象図形の群化領域認識

ゲシュタルト心理学に基づく抽象図形の群化領域認識は、井口弘将氏、阿部孝司氏、参沢匡将氏、木村春彦氏、大洞喜正氏らによって2007年に書かれた論文です。ゲシュタルト原理に基づく商標コンテンツの類似性から、人間の画像認識によるミラーリング、デザインの群化についてさまざまなパターンとアンケートによる調査結果との照合の研究結果などを説明しています。

ゲシタルト心理学入門

「ゲシタルト心理学入門」は、W.ケーラーによって書かれた本です。W.ケーラーはドイツの心理学者の1人で、ゲシュタルト心理学創設者のうちの1人でもあります。プレグナンツの法則の考察者の書籍ですので、しっかりと法則について学びたい方は一度読むことをおすすめします。

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人間における言語,図形,数(式)の持つ意味について再確認できる。

心理学における「形態」(ゲシュタルト)とは何かというのは難しいが、

思考とは何かを考える時に,
同一であるか、
類似であるか、
対として考えられるか
など重要な視点があることが分かった。

プレグナンツの法則の要因

プレグナンツの法則の意味と例・おすすめの論文|要因/日常

プレグナンツの法則における要因は、主に4つ挙げられます。近接の要因、類同の要因、閉合の要因、良い連続の要因で、それぞれ視覚的な情報での群化になっています。しかし、この要因は視覚的なものとして考案されましたが、のちのちの研究では記憶や思考の中でも同じような群化が当てはまることが見つかっています。

それでは、その4つの要因についてくわしくご説明していきます。

近接の要因

近接の要因は、「近くにあるもの同士でグループと知覚しやすい」という説です。以下の記号列をご覧ください。

・・ ・・ ・・ ・・

”・”が全部で8個ありますが、2個ずつ4つのグループに分けられているように認識することができます。”・”の間に大きな間隔が入ることにより、2つの点が近くに見えるのでグループとして見えます。反対に、離れた”・”同士ではグループとして見えません。したがって、近接の要因が働いているといえます。

類同の要因

類同の要因は、「対象物に種類があるとき、似ているものや同じ点があるもの同士でグループと知覚しやすい」という説です。以下の記号列をご覧ください。

○○◆◆○○◆◆

”〇”と”◆”の二つの記号が2つずつ並んでいますが、それぞれ同じ記号同士2つで1つのグループとして認識することができます。しかし”〇◆”は隣接していますが、同じグループとして認識できません。そのことから、類同の要因が働いているといえます。

閉合の要因

閉合の要因は、「お互いに閉じ合っている者同士、囲っているもの同士でグループと知覚しやすい」という説です。以下の記号列をご覧ください。

【 】< >《 》』『 ] [ 〉〈

いくつかの種類のカッコがありますが、前半の3つは閉じ合っているので1つのグループとして認識できますが、後半の3つは閉じ合っていないために、同じカッコの種類でも同じグループとして認識できません。このことから、閉合の要因が働いているといえます。

よい連続の要因

よい連続の要因とは、「いくつかの情報があるときに、滑らかな線で連続しているもの同士でグループと知覚しやすい」という説です。

例えば、〇が2つ重なった図でベン図というものがあります。わからない人はオリンピックの五輪マークでも良いので想像してみましょう。〇同士が重なった図形という認識以外で、一部が欠けた円2つと、ラグビーボールのような〇を押しつぶしたような形の図形にも見ることができます。しかし、最初から後者で認識できる人は少ないです。

また、”X”という文字を分解すると考えた時、おおよその方は”/”と”\”の直線2本に分けられると考えます。見方を変えると、”>”と”<”に分けることもできますが、直線で分ける方が自然と考え出せます。

これらのように考えられるのは、線が滑らかに見える方をひとまとまりにしやすいという、よい連続の要因が働いているからだといえます。

プレグナンツの法則の機能の例

街中を歩いているとき、道路や看板に書かれた文字が一部擦れて消えていても、すんなりと文字を読めることはありませんか。また、絵の一部が何かで隠されていても、その隠された部分に何があるか、知っているものは簡単に想像することができます。

プレグナンツの法則で紹介した「閉合の要因」は、不足している情報を脳内で補完し、パターン化することで認識しているから起こると考えられています。文字も一つのまとまりと認識するため、一部が擦れていても読むことができます。

あの芸も実はプレグナンツの法則だった

例として、自転車の写真があり、後ろのタイヤが黒く塗りつぶされていたとしても、それは自転車だとわかりますし、黒く塗りつぶされたところにタイヤがあるということは簡単に想像することができます。実はこれらの事象にもプレグナンツの法則が機能しているからと言われています。

しかし、これらには正しい情報ではなく間違った情報でも補完されてしまうことがある事や、実際のものと補完したものに相違があった場合には、錯覚や誤解、思い込みなどとされてしまうことがあるとわかっています。

一時期流行った芸人さんの、「安心してください、穿いてますよ」という芸も、脳が見えてない部分を想像し、穿いていないと補完してしまっていたから、穿いていないように錯覚が起きていました。こんなところにも、プレグナンツの法則が関わっていました。

プレグナンツの法則の日常での例

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日常生活の中で、プレグナンツの法則を見る機会として身近にあるものがリモコンです。リモコンのボタンの配置は、用途によって近い配置に分けられていたり、機能ごとにボタンの形の種類が変わっています。

これは、使うときにぱっとわかりやすいようにプレグナンツの法則を利用しているからです。用途ごとでボタンを近くに配置するのは近接の要因です。機能ごとにボタンの形をで変えるのは類同の要因にあたります。

他にも、駅の案内板や街で見かけるポスターや広告でも、多い情報を相手に分かりやすく伝えるためにプレグナンツの法則がたくさん使用されています。

心理学でのプレグナンツの法則の意味

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プレグナンツの法則は、デザインの分野で使用されていることも多いのですが、元は「ゲシュタルト心理学」です。それでは、心理学においてのプレグナンツの法則について理解を深めるために、「ゲシュタルト心理学」についてもご説明します。

ゲシュタルト心理学

ゲシュタルト心理学は、人間の精神は部分や要素の集まりではなく、全体性を持った一つのものと捉えています。人間の心理現象も、聴覚や視覚などの外部からの刺激があった場合、個々の感覚が対応したり認識したりしている、という考えです。

例えば、音楽というものを認識するとき、1つの音を聞いただけでは音楽とわかりませんが、音がたくさん集まることによりそれは音楽として認識できます。動画も、もともとは静止画ですが、少しずつ違う静止画が連続して映し出されることによって動いて見え、動画と認識できます。

人間も精神と身体に分けることなく、ひとつの個体として認識しようということがゲシュタルト心理学の根本です。このゲシュタルト心理学が考案される以前は、人間の体と精神は分けて考えられてきました。そういう背景からこのゲシュタルト心理学は誕生しています。

プレグナンツの法則の応用例

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では実際に、仕事や日常生活でこのプレグナンツの法則を応用する場合の例を見ていきましょう。プレグナンツの法則を応用する利点として挙げられるのが、「理解しやすさ」です。シンプルかつ分かりやすいという点に重点を置きたいときに参考にしてください。

資料制作やデザイン

会議資料やプレゼンテーションの資料では、情報が膨大になりわかりやすくレイアウトすることが難しいことがあります。そういったときに使えるのが、近接の要因や、類同の要因です。

伝えたい情報が分散しないように、同じ項目ごとでまとめ、項目ごとの間にはスペースを空けましょう。文字数が多い場合も空白で区切り、グループ化を図りましょう。近接の要因です。符号の色や形を変えることによって、分類を分けることもできます。これは類同の要因です。

パワーポイントなどのスライドでは、項目の内容が変わるときに背景色を変えると、内容が次の項目に移ったと相手に視覚的に伝えることが可能です。

資料は文章で説くよりも視覚的にわかりやすく作る方が、圧倒的に相手に伝わりやすくなるので、ぜひプレグナンツの法則を活用してみましょう。

プレグナンツの法則は面白い!

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いかがでしたでしょうか。プレグナンツの法則は、名前こそ聞いたことがなくても、実際には自身の脳の中で起こっているとても身近な存在ということがわかりました。

人間の脳はとても面白いもので、無意識に理解しやすいように分類を行なっていて、その中で錯覚が起こることもあり、思い込みの原因になっているのも、自身で足りない情報を補うという機能が働いていたということがわかりました。読んでいて、なるほどと感じたり、そういえばそうだった、と気づかれた方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介できたプレグナンツの法則についてはほんの一部で、まだまだたくさんの細かい要因や現象、心理的な因果などもあります。調べていくととても興味深く、人生や生活のタメになることが満載ですので、これを期にプレグナンツの法則やゲシュタルト心理学に興味を持たれた方は、ぜひ勉強してみてください。

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