Search

検索したいワードを入力してください

【特徴別】中世ヨーロッパの服装|男女/フランス/貴族

Author nopic iconmofu mofu blanc
カテゴリ:コーディネート

初回公開日:2018年05月09日

更新日:2018年12月26日

記載されている内容は2018年05月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

【特徴別】中世ヨーロッパの服装|男女/フランス/貴族

男女別中世ヨーロッパの服装

中世ヨーロッパとは、ヨーロッパにおける時代区分の1つです。一般的に5世紀から15世紀頃、西ローマ帝国が滅亡した476年頃から東ローマ帝国が滅亡する1453年頃までを指します。

「中世ヨーロッパ」の言葉の響きは、どこかロマンにあふれたファンタジーの香りがしますが、実際はどうだったのでしょうか。中世ヨーロッパの当時の服装について、見ていきましょう。

中世ヨーロッパは1000年に渡る長い時代であるため、同じ中世の中でも服装の変遷があります。主だった特徴について調べたものを、まずは男女別にご紹介します。

男性の中世の服装

中世の男性の服装で特徴的なのは脚の部分です。脚に身に付けるものは、いくつか種類があり、ウエストから吊り下げて履くズボンのようなタイプやつま先から履く靴下のようなタイプがありました。

中世の男性の服装を初期と後期に分けて見てみましょう。

中世初期

中世ヨーロッパの男性の服装は、主にチュニックの重ね着とマントです。チュニックの丈は身分や時代により違い、マントは片方の肩や胸の位置で留めていました。

中世初期6世紀頃のスペインの労働者は、チュニックの裾の部分をたくし上げて半ズボンのようにして動きやすい格好にしています。腰にはベルト、足にはブーツを履いています。

中世後期

中世後期の13世紀の男性の服装を見てみましょう。肌着に靴下、上衣、ズボン、外衣、コートの組み合わせとなっています。上衣はチュニックの形で、袖ぐりは広く手首のあたりは細く絞った「ドルマンスリーブ」という形です。

外衣は、襟に毛皮がいた豪華なタイプや袖あるタイプやなしのタイプがありました。長袖とフードが付いた厚手の毛でできたゆったりとした上衣は、寒い時期や雨の日に着用されています。

女性の中世の服装

中世の女性はチュニックやガウンなどのスカートに当たる裾の部分が、引きずるほど長いのが特徴です。女性の中世の服装を初期と後期に分けて見てみましょう。

中世初期

中世初期6世紀頃の貴婦人の服装は、長袖の肌着の上に丈の長いチュニックを着て宝石の入ったベルトで締めています。ストールを片側の肩に掛け、髪にはターバン、ゴールドのイヤリングと首飾りをしています。

中世後期

中世後期15世紀頃、都市に住んでいた中流階級の女性の服装を見てみましょう。上半身がピッタリとした裾が長く毛でできたカートルという今で言うワンピースのような服を着ていました。袖は付け外しができるもので、下着は麻でできた長袖の裾の長いシフトドレスを着ています。

頭には白い麻の帽子を被り、髪を隠し汚れからも守りました。毛でできた膝上のストッキングは留めるためのガーターが付いています。木製の靴底のバックル付きの革靴を履き、ウエストには数珠の付いたベルトをしていました。

中世の女性は家事で忙しくても生活のために外でも働くのが一般的でした。女性の地位は低く、現代よりも女性は厳しい生活を強いられていたと思われます。

特徴別中世ヨーロッパの服装

中世ヨーロッパの服装は、中世の同時代の人すべてが同じ身なりをしていたわけではありません。性別の他に職業や地位、用途によっても服装は違っていました。中世の服装を特徴別に見ていきましょう。

貴族

13世紀頃の貴族の服装を見てみましょう。男性は上質な麻または絹の刺繍の入った肌着に、ふくらはぎまでの麻のズボン、毛の長靴下、毛または絹を使った丈の長いチュニックと毛皮が付いたくるぶしまでの丈の長い上着を着用しています。

生地はビロード、色は鮮やかな赤が人気がありました。衣服のボタンは装飾用として使われ、刺繍で飾られています。マントを着ることが多く、革靴は甲の部分でボタンで留めるタイプで黒色が多く履かれています。

女性は上質な麻または絹の肌着には刺繍があり、毛の長靴下、上質な毛か絹を使ったチュニックと毛皮が付いた上着を着用しています。

女性の服の裾は床を引きずる長さで、チュニックのベルトはウエストの辺りでしっかりと締められています。動きやすいように裾をまくってベルトに挟むこともありました。帽子は筒状や円筒でビロード製のあごの下をリボンで留めるタイプも被られています。

庶民

11、12世紀の庶民の服装を見てみましょう。庶民の男性は麻の肌着とズボンの上に、毛でできたチュニックを着ていました。袖が狭くなったチュニックの上には片方の肩で留めたマントを羽織り、タイツまたはズボンに短靴を履いています。

庶民の女性は麻の肌着の上に袖口の狭くなった足首丈のチュニック型のワンピースを着ています。頭には帽子を被って髪を隠し、腰にはベルトを巻き、編みあげ式の短靴を履いていました。

兵士

中世の兵士は職業として任務を全うするものでした。13世紀の十字軍の兵士は鎖鎧を全身にまとい紋章入りのサーコートを着て剣を携えていました。

15世紀の兵士は、キャンバス生地の武装用のピッタリした上着の上に詰め物をしたキルティングの上着「ジャック」を着用していました。ちなみに「ジャック」は現代の「ジャケット」の語源となっています。

頭には首も覆えるヘルメット、革の靴、手には羊革のミットして上から手首を防御する鉄の装身具と鎖の付いた鉄の腕当てを装着しています。革の袋をベルトに下げ最小限の日用品を入れ、戦うための剣などの武器も持って戦いに備えていました。

農民

中世の15世紀頃の農民の服装を見てみましょう。その土地で取れた亜麻の繊維や羊の毛から紡いで糸を作って布を織り、羊の皮から革を作り、服を手作りしました。

冬は羊の革で作ったコートを着て寒さをしのいでいます。羊毛で織られたジャケットには麻で織った裏地が付けられ、下にはピッタリとした上着を着ていました。

毛のタイツは長い筒状になっていて、タイツの上の部分を上着の下の部分にヒモで結ぶ仕組みになっています。農作業のときには、タイツの上の部分は結ばずに、クルクルと巻き下ろして履いていました。

下着は麻のシャツに麻のズボン下を身に付けています。頭にはフェルトの帽子を被り、暑い日には麦わら帽子を被るように使い分けています。泥の中を歩くときは木製の靴底の革のブーツを履いていました。ショルダータイプの革の水筒もあり、農作業のしやすい服装です。

商人

15世紀の中世の商人の服装を見てみましょう。裕福な商人は中世の末期には同業者組合「ギルド」の中心となり人々を支配するようになっていきます。

ピッタリとした毛でできた上着には麻の裏地を付け、タイツを履き、股間の前開き部分を覆う布が付けられました。ボリュームのあるコートの縁には毛皮をあしらって裕福さをアピールしています。帽子の他には子羊の革でできたブーツを履いていました。

メイド

メイドは貴族に仕える女性の使用人で、主に家事労働をしていました。現代のメイド服というと黒などのワンピースの上にフリルの付いた白いエプロンドレスを着たものを指し、主にコスプレとして使用されています。

このようなフリルで装飾したタイプは近代のメイドの服を可愛くアレンジしたものですが、中世ヨーロッパではこのタイプはまだ登場していません。19世紀に入ってから現在のメイド服の原型となるタイプが着用されるようになります。

中世15世紀のメイドは、ウエストの位置が高いシンプルなガウンの上に、胸の下の位置から丈の長いエプロンをしています。髪は濃い色のベールで被われ、とても地味で可愛らしさはありません。

国別中世ヨーロッパの服装

中世ヨーロッパの服装は国別には違いはあったのでしょうか。服装は当時の絵などからわかります。人物の服装について、国別にいくつかの例を見ていきましょう。

フランス

15世紀のフランス貴族の男性の服装を見ると、被り物は厚手でボリュームがあり、前の部分が突き出るタイプで、上着の横は開かれた形になっています。

ある貴族は、細かい切込みの入った長い袖が特徴的で、金の装飾が施された首飾りや金のベルト、上着の裾や肩に金の刺繍が入っていて、とてもゴージャスな作りです。

15世紀の民衆のある女性の上着は襟の部分を折り返したチュニックのようなタイプで、下からは中に着たローブの裾が引きずるほど出ていました。

同じく15世紀の民衆の女性の中には、頭にビロードの簡単なネットを被ったり、アゴで結ぶタイプの帽子を被っている人もいました。前髪は出るものの耳やうなじは覆われています。

イタリア

15世紀のヴェネチアの貴族の男性は、ピッタリとした上着を着て、切り込みのあるタイツは何か所かヒモで縛っていました。冬用の厚手の毛でできた袖のないコートには腕が出せる部分が開かれています。フェルトの帽子を被り足には染められた短靴を履いていました。

14世紀末の士官は制服を着ています。被り物の上に頭巾を巻き付け、網目状の服の上に綿を詰めた服をゆったりと着てステッキを持っています。

15世紀の女性の服装はビロードのコートの肩あたりはゆったりとした作りです。ヴェネチアの貴婦人は金の刺繍や宝石の入った装身具を付けていることがわかります。

ヴェネチアのゴンドラの船頭は帽子を被り、絹で装飾された上着を着た上から腕当てをして足には短靴を履き、全体的な色調を揃えた制服になっています。

イギリス

12世紀のイギリスの女性の服装は長袖のガウンの上にチュニックを着てベルトでウエストを締めています。頭には長いベールを被り、革靴を履いています。

12世紀のイギリスの農夫の特徴はふくらはぎまでの丈のチュニックを着てズボンはヒモで縛って留め、頭にはショールを巻いています。

同じ頃の紳士の服装はマントのようなものを肩に掛けて留めています。チュニックに靴下兼ズボン、バックル付きの革のベルトに革靴を履いています。

中世ヨーロッパの服装は優美

中世ヨーロッパの服装は現在のメイド服のようなデフォルメしたゴージャスで可愛いものを想像しがちですが、実際は違います。

中世の服装はシンプルな組み合わせでできています。特に庶民は生活しやすく質素な服装です。それでも特に女性の服装は優美なラインが目立ちます。コルセットは14世紀後半から使用されていますが、体のラインは服装を工夫することで綺麗に見せることへのこだわりが感じ取れます。