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【種類別】「渡す」の敬語の使い方|謙譲語/お願い/香典

Author nopic iconagohigegai
カテゴリ:ビジネス用語

初回公開日:2018年04月29日

更新日:2020年06月23日

記載されている内容は2018年04月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

【種類別】「渡す」の敬語の使い方|謙譲語/お願い/香典

「渡す」の敬語表現は?

渡すとは、こちらから相手へ物品などを移すことを言います。渡すの敬語表現は接頭語の「お」をつけて渡すを丁寧な形にした「お渡しする」となります。渡すはこちらから相手の手へ移すことですので、自分の行動を表すので敬語の形としては「謙譲語」が主な敬語表現の形です。

謙譲語など

謙譲語とは自分の言動をへりくだって相手を高め敬意を示す敬語表現です。「渡す」は自分の行動ですので、謙譲語での敬語表現がふさわしいです。敬語の形としては、接頭語に「お」をつけて渡すを丁寧な形にし、丁寧な敬語である「〜します」や謙譲の敬語である「いたします」をつけて「お渡しします」や「お渡しいたします」が適切な敬語の形になります。

相手に依頼する場合には、相手の行う動作なので尊敬の敬語表現を用います。

相手から渡して欲しいとき

相手から何か渡してほしい時には、相手の行動を高めて敬意を示す尊敬の敬語表現、尊敬語の形にします。この場合は謙譲の敬語表現と同じく接頭語の「お」をつけ、語尾は尊敬の敬語である「ください」をつけて「お渡しください」が適切な形です。

使い方としては、「こちらの書類を、〇〇様へお渡しください」となりますが、これだと丁寧さにかけると感じるならば、「お手数ですが、こちらの書類を〇〇様へお渡し願います」や「お渡しいただきたいのですが」とします。

また自分に渡して欲しいときには「直接私へお渡しください」「私に渡していただけるとありがたいのですが」「直接当方へお願いいたします」とします。

お渡しさせていただくはNG

丁寧にしようとして、とっさに口から出てしまいがちなのは「お渡しさせていただきます」。しかし「させていただく」というのは自分がなにかしらの恩恵を受けることに対して敬意を示す場合に使われる言葉ですので、何かを渡す際には不適切になります。

させていただくを使う場面とは、「相手の許可を得て」「恩恵を受ける」場合に使うことが正しいとされています。また「させていただく」は日本語的にも少し回りくどく感じますので、渡す場面の敬語表現は、シンプルに「お渡しいたします」「お渡しします」とした方が相手に伝わりやすいでしょう。

ビジネスでお願いする時の「渡す」の敬語の使い方

誰かに何かを渡して欲しい、そんな時にはどのような敬語の表現で依頼をすれば良いでしょうか。その場合にふさわしい「渡す」の敬語表現は「お渡し願います」や「お渡しいただけますか」です。「こちらをお渡し願います」という言葉を添えて渡したいものを手渡しましょう。

その時に「ご面倒ですが」とクッション言葉を添えるとより丁寧な印象です。クッション言葉は「ご面倒ですが」「お手数ですが」などがふさわしいです。もちろんよりシンプルに「お渡しください」や「渡して欲しいのですが」でも構いません。相手との距離感を考えて使い分けましょう。

メールなど文字にすると「渡してください」は少し言葉が強く、受け取り方によっては命令されているように感じる場合もあるため、「お渡し願いますか」や「お渡しいただけますか」など問いかける(許可を得る)書き方にしたり、クッション言葉を置いてやわらかな表現にすると、丁寧になります。

種類別「渡す」の敬語の使い方

渡す、と言っても何を渡すかで言い回しは変わります。シーン別にふさわしい言い回しをご紹介します。

香典を渡すときの敬語表現

「御霊前にお供えください」と一言申し添えて渡します。その場合「御愁傷様でした」「御力落としなく」などのお悔やみ言葉も添えて、相手の気持ちに寄り添うことも大切です。渡すの敬語表現というよりは、気遣いの表現を用います。

香典は遺族に渡すものではなく、故人に供えるのですので、上記の「御霊前(=故人)にお供えください」という表現が最もふさわしくなります。

書類を渡すときは「渡す」の敬語表現です

「お渡しします」で十分敬語として用いることができます。さらに丁寧にしたいのであれば「お渡しいたします」でしょうか。誰かに書類を渡すときには、「こちらの書類をお渡ししますので、ご覧ください」などと添えて渡します。

書類を渡して欲しいと依頼された場合に、「了」と返事をする際には「こちらの書類をAへ渡します」や「渡しておきます」でも十分ですが、これでは丁寧さに欠けると感じるならば、ほかに言葉を添えます。

その場合には、受け取った旨を表す「受領いたしました」や「承りました」を用いて、「確かに受領いたしました。Aに渡します」や「A宛の書類を受領いたしました」とします。そのほかには「申し伝えます」なども同じように使うことができます。

お土産を渡すときは

お土産を渡す際には、「渡す」とそのまま使わずに、「皆様でどうぞ」や「お気に召すと良いのですが」と一言を添えて渡します。食べ物ならば、「お口に合うと良いのですが」や「よろしかったら皆様でお召し上がりください」でもいいでしょう。敬語というよりは、気遣いの言葉を添えて渡します。

ビジネスで手土産を渡す際には、先方の上座の方に渡します。その場合、紙袋は外し正面を相手方に向けて渡すのがマナーです。手土産は自社のある地域の銘柄を選びます。菓子折りであれば、個別包装のものや包丁などを使わず簡単に分けられるもの、賞味期限が長いものを選ぶと、渡される側にしても面倒がなく親切です。

請求書を渡すときには

請求書を直接相手方の事務所に持って伺う際には、「請求書をお渡します」だと違和感があります。その際には「請求書をお持ちいたしました」と言って渡すのがベターです。

事務所に伺った際には挨拶と名乗りを忘れずにしましょう。「いつもお世話になっております。〇〇産業でございます。今月分の請求書をお持ちいたしました」と渡します。帰り際には「今後ともよろしくお願いいたします。失礼します」と添えます。

または「こちらは今月分の請求書ですので、ご確認願います」と付け加えても丁寧です。渡す際には、経理の方にきちんと届くように封筒の表に「請求書在中」と記入するかスタンプを押すと良いでしょう。渡すときには、きちんと両手を封筒に添えて、相手から宛名が読めるように渡すと丁寧です

レシートを渡すときには

レシートを渡すときには、「渡す」とは声をかけません。その場合には「ありがとうございました」や「レシートでございます」と渡します。「渡す」の敬語表現を用いるのではく、気遣いの表現を用います。同じく領収書を渡す際には、必ず受け取った金額と領収書の金額に相違がないか確認してから同じく気遣いの表現を用い、渡します。

領収書の場合には相手から見て正しく宛先、金額が読めるように手渡し「ご確認ください」や「お確かめください」と一言添えて渡します。レシートの場合は、小銭などのお釣りを渡してから、レシートを渡すと気遣いが感じられ好印象です。

レシートを渡す場合に「お釣り〇〇円とレシートをお返しします」と言いますが、これは間違った言い回しです。正しくは「お釣り〇〇円をお返しします」「レシートでございます」とお釣りを返しながら、レシートを渡しながら言い添えると丁寧です。

レシートの渡し方

コンビニやスーパーなどでレシートを受け取る際に、レシートの上に小銭を載せられたことはありませんか。小銭をレシートの上に載せられると、財布に小銭を入れにくいし、レシートはいらないとも言いづらいので少しだけ戸惑います。

こうならないために、ほんの少しの気遣いが必要です。レジを打っていてお釣りがある場合にはまずお札から渡します。そのあと小銭を渡しますが、相手の手に触れないように、小銭を落とさないようにそっと手を添えて小銭を渡し、そのあとに「レシートでございます」と一言言い添えてレシートを渡します。

小銭とレシートの渡す順番を変えて、一言添えるだけで「レシートは要りません」と言いやすくするだけでなく、小銭を財布にしまいやすく、かつレシートも受け取りやすくなります。

キャッシュトレーを使うときには

またキャッシュトレイを用いる場合には、お札も小銭も重ならないように、相手が金額を確認しやすいようにお釣りを置くのがマナーです。相手がお釣りを確認してから、レシートを両手に持って、相手から明細が見えるように差し出し、「レシートでございます」と言い添えて渡します。

お金などを渡すときには

お金などを渡すときには、何のお金か相手に伝えて、「お納めください」と言って渡します。敬語の表現というよりも気遣いの表現です。伝え方としては、「こちらは先月分のお月謝です。お納めください」や「これは先週立て替えていただいた分です。お手数をおかけいたしました。お納めください」など直接「お金」と言わない方がスマートです。

またそのほかに旅行券や金券をお渡す場合なども同様です。お礼として渡す場合には「これは先日〇〇していただいたお礼の気持ちです」や「これは私からの気持ちです」というように、直接「お金」や「金券」などの言葉を使わないようにするとスマートです。

金や金券をいただいた際には

お金や金券、また物品をもらった場合には、「お気遣いをいただいてありがとうございます」「お心遣いをありがとうございます」と気遣いの敬語の表現にします。

直接、お金をありがとうございますだと、どことなく下品で野暮な印象を与えますので、その場合は「お金を送ってくれた気持ち」「物品を送ってくれた気持ち」に対して、「ありがとうございます」と感謝します。

「お金」対してありがとうではなく「お気遣い」や「お心遣い」に対して「ありがとうございます」と述べた方が、相手も「配慮、心配などが伝わった」と喜んでくれるでしょう。

受け取る人の気持ちを考えた一言を添えましょう

渡すとは、自分の手から相手に手へ物品を移す動作のことです。相手に渡す際には物品だけではなく、配慮や気遣い、そして感謝などそれにあった心遣いも一緒に渡します。そのため、「お渡しする」だけではない敬語の表現、気遣いの表現が「渡す」にはあります。

香典は「御霊前に供える」、お土産は渡すの敬語表現ではなく「お召し上がりください」や「お気に召すとよろしいのですが」などの気遣いの表現、お金は「納める」などご紹介した敬語、気遣いの表現は一例です。

色々なシュチュエーションで「渡す」の敬語表現、気遣いの表現は変化します。臨機応変にその場にあった「渡す」の敬語表現、気遣いの表現を用いましょう。