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養子縁組の解消したときの苗字・手続の方法・解消の理由

Author nopic iconNaNa
各種手続き / 2018年05月02日
養子縁組の解消したときの苗字・手続の方法・解消の理由

養子縁組を解消することはできる?

実の親子関係がない人との間で法律上の親子関係を結ぶ制度を養子縁組と言います。家業や財産などを維持するために、養子縁組は古くから利用されてきた制度です。最近では、子供を授かることのできない夫婦が養子縁組の制度を使って親になったり、虐待などで実親の元に戻ることができない子供を守るための制度として利用されることも多くなってきました。

養子縁組によって一度結んだ親子関係を何らかの理由により解消することは可能であり、養子縁組を解消することを「離縁」と言います。当事者同士が合意できれば、協議によって離縁することも可能ですが、話し合いがまとまらない場合は、裁判にまで発展するケースがあります。

養子縁組を解消した時の苗字はどうなるの?

養親の姓に変更した人が養子縁組を解消する場合は「養子縁組直前の姓」に戻ります。

養親が夫婦共同で養子縁組をするケースもあります。そういった場合に一方の養親のみと養子縁組を解消する場合は、縁組前の苗字に戻ることなく、養親の苗字を名乗り続けることが可能です。

また養子縁組後、婚姻によってさらに苗字が変更する場合もありますが、この場合は養子縁組を解消しても縁組前の苗字に戻ることはなく婚姻後の苗字を名乗ることになります。ただしその後離婚をした場合には、縁組前の苗字にもどるということを覚えておきましょう。

養子縁組から7年経過後に縁組解消により苗字を戻した場合は、解消の日か3カ月以内に届け出ることにより、解消までに称していた養親の苗字を名乗ることも可能です。

戸籍

では養子縁組を解消した場合、戸籍はどのようになるのでしょうか。

養子縁組をした場合は、元々の戸籍から、養親の戸籍に移ります。それを解消するのですから、基本的には養子縁組解消後は元々の戸籍に戻ることになります。本人が希望する場合は、元々の戸籍に戻るのではなく、新しい戸籍を作ることも可能です。

養子縁組後に婚姻して配偶者の戸籍に移った場合は、養子縁組を解消したとしても戸籍が元に戻ることはなく、配偶者との戸籍を保有し続けることになります。

養子縁組の解消の手続き方法は?

養子縁組解消のためには、まず双方の意思を確認し合うために協議による解消を試みます。協議で合意できるのがもっともスムーズな解消方法ですが、双方の意見がまとまらず、裁判にまで発展するケースも少なくありません。協議による解消か、もしくは裁判による解消かによって手続き方法は異なりますので、それぞれのケースに分けて手続き方法についてお話しします。

協議による養子縁組解消の場合

協議において養子縁組を解消する場合で、養子が15歳未満の時は、養親と養子の離縁後に法定代理人となる人との間で養子縁組の解消を行います。離縁後に法定代理人となる人には、特別な事情がない限り、実の両親が立てられます。

また、養子の実父母がまだ婚姻関係にある場合は、実父母の双方が養子縁組の協議者となります。養子の実父母が離婚している場合は協議により実父母のどちらか一方を、養子縁組解消後の親権者とする必要があります。その協議がまとまらない場合は、家庭裁判所が審判をしてこれを定めることができるとされています。

実父母がいない場合や、養子の法定代理人となる人がいないときは、養子の親族等が家庭裁判所に請求し、家庭裁判所が未成年後見人となる人を選任することになっています。

このように、養子が15歳未満の時は養子の法定代理人と養親が、養子が15歳以上の時は養子本人と養親との間で協議を持ちます。

必要書類

協議して養子縁組を解消した場合、解消のために必要な書類は以下のとおりです。

1. 養子離縁届書
2. 戸籍全部事項証明書
3. 届出人の本人確認書類
4. 届出人の印鑑
5. 死亡した人との養子縁組解消の場合は確定証明書

容姿離縁届書は市役所の窓口や、市役所の出張所でも受け取ることが可能です。また協議による養子縁組解消の場合は、養子離縁届書の証人欄に、成人2名による記入、署名、押印が必要となります。

本籍地のある市役所にて書類を提出する場合は、戸籍事項全部証明書を取る必要はないということも覚えておきましょう。

届出人・届出窓口

協議による養子縁組解消の場合は、養親および養子本人が届出をすることができます。また、養子が15歳未満の場合は、養子の法定代理人と養親が届出人となります。

必要書類をそろえて、養親もしくは養子の本籍地または所在地の市役所に提出することで、養子縁組を解消することができます。

裁判による養子縁組解消の場合

養子縁組の解消についての協議がまとまらない時は、裁判を行って養子縁組を解消します。しかし裁判によって養子縁組の解消を認められるためには、養子縁組を継続できない重大な理由がなければいけません。

裁判により養子縁組の解消が認められるのは、相手の悪意によって遺棄されたり、相手の生死が3年以上わからない場合、その他養子縁組を継続できない大きな理由がある場合のみとされています。

裁判により養子縁組を解消する場合は、まずは調停を行います。調停を重ねても不調に終わった場合、訴訟へと進むことになります。

このようなケースでも、養子が15歳未満のときは、法定代理人である実父母が養子の代わりに裁判を行います。法定代理人は通常は実父母ですが、実父母が離婚していたり、実父母がすでに死別している場合には、家庭裁判所を利用して養子の親族などを法定代理人として定めます。

必要書類

裁判によって養子縁組を解消した場合、解消のために必要な書類は以下のとおりです。

1. 養子離縁届書
2. 戸籍全部事項証明書
3. 届出人の本人確認書類
4. 届出人の印鑑
5. 裁判の謄本および確定証明書

届出書類は、協議による養子縁組解消の場合とほとんど同じですが、5に記載した「裁判の謄本」と「確定証明書」が必ず必要になるということを理解しておきましょう。

届出人・届出窓口

裁判による養子縁組解消の場合は、審判の申出人もしくは訴えの提起者が届出ることができます。結審した日から10日以内に届出がされない場合は、相手方から届出ることも可能とされています。

裁判による養子縁組解消の場合も、養親もしくは養子の本籍地もしくは所在地の市役所に必要書類を提出することで、養子縁組の解消が認められます。

養子縁組の解消の理由は?

養子縁組を解消するということは、法律上の親子関係を解消することを意味します。養子と養親のお互いが養子縁組の解消に合意している場合は、お互いの相性の問題であったり、相続の問題など解消の理由は大きなものから小さなものまで色々だと言えます。しかし、裁判による養子縁組の解消には、養子縁組を継続できない重大な理由が必要だとされています。

過去に、裁判において養子縁組の解消が認められた理由の例を以下に挙げます。

・ドメスティックバイオレンスやモラルハラスメントがあった場合
・婿養子だったが、養子夫婦が離婚した場合
・長年にわたり絶縁状態にあり一切連絡を取り合っていない場合
・養親が養子の財産管理をしていたが、それらを無断で持ち出したことにより信頼関係が崩れた場合

このような理由があると、裁判でも養子縁組の解消が認められると言えます。

養子縁組を解消した場合相続はできる?

養子縁組を解消した場合は、養親と養子は全くの他人に戻ることを意味しますので、養子は養親の財産を相続する権利を失います。いくら数年間法律上の親子として暮らしていた実績があったとしても、養子縁組を解消する届出をした以上何の関係もない他人と判断されますので、養子縁組解消後に、元養子に相続権が回ってくることはあり得ません。

しかし、養親が遺言書を残していた場合は、養子縁組解消後でも相続権を得られるケースがあります。正式な手続きによって作成された遺言書であれば、その遺言書作成後に何が起こったとしてもその効力が左右されることはありません。

ですから、養子縁組を解消したとしても、それ以前に養親が作成した遺言書に「養子に財産を譲る」と書かれてあれば、元養子であっても養親の財産を相続することが可能となります。

死後離縁の場合

養親もしくは養子が亡くなった後で、生存当事者が養子縁組の解消を望む場合には家庭裁判所の許可を得て養子縁組を解消することができます。これを「死後離縁」と言います。

養親が亡くなった時点で養子には相続権が発生していますので、死後離縁をしたとしても財産を相続することが可能です。一度発生した相続権は、その後に養子縁組の解消が起こったとしても左右されることはないということを覚えておきましょう。

養子縁組を解消して慰謝料が発生することもある?

事情によっては、養子縁組を解消したことにより、慰謝料が発生するケースもあります。

例えば、資産家の養親の元に養子に迎えられたとしましょう。それを数年後に、養親の一方的な理由により養子縁組が解消された場合、養子は慰謝料を請求することが可能です。しかし、養子縁組の解消による「離縁」では、一般的な「離婚」よりもかなり低い額の慰謝料しか認められないということを覚えておきましょう。

養子縁組の解消において慰謝料が発生する場合は、「養子縁組の解消そのものへの慰謝料」ではなく、「養子縁組を解消せざるを得なくなった理由」への慰謝料と言えます。

養子縁組を解消した時の養育費はどうなる?

養子縁組を解消した後は、法律上他人に戻ることになりますので、養育費を払う義務はありません。任意で払うケースもありますが、払いたくないと考える場合は払わなくても問題ありません。

再婚によって妻もしくは夫の連れ子と養子縁組した後、離婚によって養子縁組を解消する場合、通常は離婚時に養子縁組の解消についてまで取り決めをするのが一般的と言えます。トラブルを避けるために、色々なケースを想定して話し合いをしておくことが大切と言えます。

トラブルを避けるために知識を深めましょう

今回は養子縁組の解消についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。養子縁組は法律上の親子になることを意味しますので、その関係を解消することはなかなかに大変だということがお分かりいただけたでしょう。

養子縁組が、子供を望めない夫婦などにとっては子供を持つための素晴らしい制度であることは間違いありません。ですが、養子縁組によってトラブルが発生すると、大きな問題に発展してしまうことも多々ありますので、そういったトラブルを避けるために、養子縁組についての知識を深めることはとても重要と言えます。

養子縁組することを考えているのであれば、いろいろなケースを想定し、メリットとデメリットをきちんと整理し慎重に検討することが大切です。また、止むを得ない理由により養子縁組を解消する場合は、きちんと手順を知ってトラブルを大きく発展させすぎないようにすることも大切だということを覚えておきましょう。