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休日出勤手当なしのときの対処法・計算方法・いくらなのか

Author nopic iconhikaruta
年収・給与 / 2018年05月02日
休日出勤手当なしのときの対処法・計算方法・いくらなのか

休日出勤手当とは

休日出勤は文字どおり休日に出勤することですが、休日に出勤してもかならずしも休日出勤手当が付くわけではありません。休日にも種類があるからです。

休日は業種によって異なり、土日とは限りません。休日がいつかは会社の就業規則などで定められますが、法律上は「1週間に最低1回は休日を与えなければならない」と定められていて、これを法定休日と言います。この法定休日に出勤した場合に休日出勤手当が支払われます。

今はほとんどの会社で週休2日制度を採り入れていますが、そのうちの1日が法定休日でもう1日は法定外休日または所定休日と言います。所定休日の出勤では休日出勤手当が付きません。祝日があって週に3日休日がある場合は、そのうちの2日が所定休日です。

法律では1週間の法定労働時間を40時間以内と定めています。所定休日に働いた時間で40時間を超えれば時間外労働、40時間以内なら時間内労働の扱いになります。

休日出勤手当に関する法律

休日出勤手当に関連する法律は、労働基準法のなかにほとんどが規定されています。労働基準法とその関連政令には、休日出勤手当に関連した次のようなことが規定されています。

・1日の法定労働時間および1週間の法定労働時間

・1週間の法定休日日数および4週間の法定休日日数

・法定休日に勤務した場合の休日出勤手当の割増率

・法定労働時間を超えた時間外手当の割増率

これらの規定に違反した時の罰則規定も119条にあり、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。罰則が軽い気もしますが、その前に労働基準監督署による是正勧告があり、違反した時には違反企業の公表などの社会的制裁も課せられます。

休日出勤手当の計算方法

休日出勤手当は基本的に次の計算式で求められます。

休日出勤手当=1時間当たりの賃金×割増率×出勤時間

割増率は、その休日の勤務が休日出勤手当に相当するか、あるいは時間外労働に相当するか、または時間内労働なのかによって異なります。出勤時間は対象となる勤務時間です。1時間当たりの賃金はその人の月給、所定内給与をベースにして計算されます。

1時間当たりの賃金は

1時間当たりの賃金は、給料が時給制の場合は時給そのままです。月給制の場合は、「月給×12÷(365-年間休日)÷1日の所定労働時間」で計算されます。

月給が25万円で、年間休日数が120日、1日の所定労働時間が8時間の人の1時間当たりの賃金は次のようになります。

25万円×12÷(365-120)÷8=1,531円

この1時間当たり賃金をもとに休日出勤手当が計算されます。

振替休日と代休の違い

休日出勤した時に代わりの休みとして、「振替休日」あるいは「代休」がとれる場合があります。どちらも同じように思えますが、この振替休日か代休かによって、休日出勤手当が支給されるのかが変わります。

振替休日:例えば、日曜日に出勤してもらう代わりに水曜日を休みにする、と事前に休日変更を予告された場合の休日。

代休:本来は休日である日曜日に出勤させてしまったから、代わりに次の水曜日に休んでいい、と事後に特定の出勤日の就労義務を免除された場合の休日。

代わりの休日が「事前」か「事後」に指定されたかの違いですが、振替休日は「休日を移動して取得させた」ということになるので休日出勤手当は支給されません。代休の場合は「休日に出勤させた」という事実が残りますので、休日出勤手当が支給されます。同じ代わりの休日でも休日出勤手当が付く、付かないは大きな違いなので注意しましょう。

休日出勤手当は割増されるのか

休日出勤手当の割増率は労働基準法で35%以上と定められています。法律上では、法定休日に出勤した場合が休日出勤手当の対象になりますので注意が必要です。

会社によっては、就業規則などで休日のなかの法定休日を明確に定めていないところもあります。どの休日であっても出勤すれば35%以上の割増を付けたり、振替休日と代休の区別を付けずに休日出勤手当を付けている会社もあります。

法律ではこれらについて、休日出勤手当や割増をしてはいけないとは定めていませんし、労働者の不利益になることでもないので、会社からのご褒美として手当などを享受しておくのが良いでしょう。

法定休日での割増率

法定休日に出勤した場合は、法律に規定された休日出勤手当が支給され、その割増率は35%以上と定められています。月給25万円で年間休日数が120日、1日の所定労働時間が8時間の人が法定休日に8時間出勤した場合、1時間当たりの賃金が1,531円なので休日出勤手当は次のようになります。

1,531円×1.35×8時間=16,535円

法定休日の出勤でないと、法律的には休日出勤手当が支給されません。休日出勤する時は、その日が法定休日なのかを就業規則などで確認することをおすすめします。

法定外休日では

法定外休日の場合、出勤しても法律上は休日出勤手当は支給されません。労働基準法で1週間の労働時間は40時間と規定されていて、その時間を超えた場合は時間外手当の支給が義務付けられています。割増率は25%以上です。

土曜日の休日は法定外休日になっている場合が多いのですが、土曜日の法定外休日に出勤すると1週間の法定労働時間を超えることが多くなります。法定外休日の出勤で法定労働時間を8時間超えたとすると時間外労働になり、その出勤による手当は先ほどの条件の人なら次のようになります。

1,531円×1.25×8時間=15,310円

休日出勤手当の場合より1,200円ほど低い手当になります。給与明細などで休日出勤手当なのか時間外手当なのかを確かめたほうが良いでしょう。

祝日の出勤の場合は

祝日や国民の休日で1週間のうち3日とか4日が休日になることがあります。そんな祝日や国民の休日は、一般的には法定休日ではなく法定外休日です。ですから、祝日などに出勤しても法律上は休日出勤手当は支給されません。

祝日などに出勤することによって、1週間の法定労働時間の40時間を超えることもないでしょう。そうなると祝日などの出勤は時間外手当の対象にもなりません。つまり祝日などの勤務は時間内労働なので、なんの手当もつきません。祝日などに出勤した代わりの振替休日などをしっかり取得するようにしましょう。

休日出勤手当の相場はいくらくらいか

休日出勤手当は労働基準法で規定されていますから、特に相場というものはありません。ただ、業種によって休日出勤や残業が多い業種や少ない業種があります。厚生労働省の「労働統計要覧」をもとに、どの業種が一番、残業や休日出勤などの所定外労働が多いのかを見てみましょう。

休日出勤などの所定外労働が多い業界

平成26年の「労働統計要覧」での全産業の所定外労働は平均月12.8時間になっています。この調査で最も所定外労働時間が多いのは、運輸業・郵便業の月25.4時間です。この業界は慢性的に人手不足なのですが、通信販売などの個人物流や、企業間物流の増加で、取扱荷物が飛躍的に増えていて、時間外などの所定外労働で対応せざるをえません。

第2位は情報通信業の月20.2時間です。特に情報サービス業は拡大するITやグローバル化に対応するため所定外労働が増加しています。

第3位は建設業の月18.4時間、第4位が製造業の月17.5時間です。景気の動向が直接反映される業界です。

所定外労働が少ない業界

所定外労働時間が最も少ない業界は医療・福祉業界です。月に5.8時間しかありません。そのなかで医師は週間の就業時間が60時間以上の人が多く長時間労働が慢性化しているのですが、業界全体で見るとシフト制が徹底しているためか、最も少ない結果になっています。

2番目は教育、学習支援業の6.3時間です。医師と同じように教師も長時間労働が問題になっていますが、裁量労働制のような給特法という法律が教師にはあって勤務時間もほとんど記録されていないことがこの結果に影響している可能性があります。3番目は宿泊・飲食サービス業の6.6時間と続いています。

休日出勤手当はバイトやパートでももらえるのか

労働基準法では労働者の区分をしていませんから、バイトやパートであっても休日出勤の要件を満たしていれば休日出勤手当がもらえます。バイトやパートなどの場合は時給制のことが多いのですが、休日出勤手当の時間単位について注意する点を見てみましょう。

時給の支払いは1分単位?

労働基準法の24条には「賃金全額払いの原則」が規定されているので、バイトなどの時給計算は1分単位で計算すべきとされています。1時間未満の端数時間や10分未満を切り捨てて計算するところもあると聞きますが、それは労働基準法違反です。自分の労働が「ただ働き」にならないように、働いた時間はしっかりと把握しておきましょう。

労働時間を積算しての切り捨ては?

休日出勤手当や時間外手当などは、給料の締め日にその月の勤務時間を積算して支給されることが多いでしょう。その場合に時間の端数を切り捨てることは労働基準法で認められています。

労働時間の端数処理については、「1カ月における休日労働、時間外労働などの時間数合計に1時間未満の端数がある場合は、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること」とされています。また、その時間をもとに計算した手当に1円未満の端数が生じた場合は、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げることともされています。

この他、5分の遅刻を1時間の遅刻、あるいは半休扱いとするような処置は、本来は労働基準法違反なのですが、制裁として就業規則に定めていれば許容されるというような時間の端数処理についての規定もあります。

休日出勤手当なしのときの対処法

休日に出勤したのに休日出勤手当が支給されない、そんな時は、出勤した休日が法定休日であるかを確かめましょう。法定休日以外の休日の場合、労働基準法に規定する35%割増の休日出勤手当は支給されない可能性が高くなります。

確認するには就業規則を見てみましょう。休日の指定や休日勤務の割増率の他、時間外手当や深夜労働手当のことが規定されているはずです。就業規則は、従業員10人以上であれば必ず作成して労働基準監督署に届け出なければならない会社の決まりごとです。

就業規則での休日や休日出勤手当の基準が不明確だったり、記載がない場合には会社への確認、あるいは労働基準監督署へ相談することになりますが、まず職場の仲間や労働組合などとよく相談することをおすすめします。

休日出勤手当が未払いのときの対処法

法律的にも正当な休日出勤をしたにもかかわらず、休日出勤手当が支払われない時にはまず会社に対して支払いの請求をすることになります。そのためには、休日出勤の正当性を示す証拠を提示して交渉しますが、それでも支払われない時には労働基準監督署の調停や労働審判や労働訴訟にまでもつれることもあり得ます。

休日出勤の証拠を確認する

まず、休日出勤が正当であることの証拠を集めましょう。所定賃金を示す給与明細や、所定休日、所定労働時間、休日出勤の割増率が規定されている就業規則の他、最も大切なのが休日出勤したことを示す証拠です。

この証拠はタイムカードやその時の勤務についての報告書、あるいは同僚の証言などでも良いでしょう。会社の設備などの稼働記録やパソコンなどの操作履歴、記録など参考になるものも有効です。証拠がそろったら会社側に提示して交渉に臨みましょう。

交渉は内容証明で送付を

休日に出勤した証拠と未払いの休日出勤手当の金額の請求書を会社側に提示しますが、その時には内容証明書付きで送付するのが良いでしょう。実は休日割増賃金などの賃金を請求する権利は、2年が時効で消滅してしまいます。内容証明付きで送付すれば、とりあえずその時効を止めておくことができるからです。

会社との交渉は話し合いや電話であれば、念のため録音しておくのが良いでしょう。また、大切なことは書面に記録して残しておくことをおすすめします。会社との交渉が決裂した場合は、労働基準監督署の調停や裁判などに進む覚悟を決めておきましょう。

休日出勤はつらいけれど会社からは評価も

せっかくの休日、のんびりと過ごしたいところの出勤にはつらいものがあります。また、休日に出勤しても、休日の種類によっては休日出勤手当が支給されない場合もありますので注意が必要です。不当に手当が支払われなかった時には、証拠などを示して会社に是正を求めましょう。

休日出勤はできれば断りたいところですが、会社としては大変な時に出勤して対応してくれたということで評価は上がります。つらい出勤ですが、会社の事情も考えて対応してみてはいかがでしょうか。

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