神通力とは
神通力は人間の潜在能力を限界にまで引き出した能力のことです。通常人間の潜在能力はほとんど眠ったままなので、それを限界まで引き出すことで超人的な能力を身に付けます。
神通力はあくまで人間的な能力であり、人間にはそれだけの可能性が秘められているということになります。
神通力の種類
神足通(じんそくつう)
また一説ではテレポーテーションのように瞬間移動も可能とされています。神の足を持って、自分が望む場所にいつでも簡単に行くことができるのがこの能力です。
天眼通(てんげんつう)
人間だと1年から長くても10年先までしか見通せないとされていますが、仏様や菩薩は遥か先の未来まで見通すことができると言われています。未来予知することで、自分の行動を変えよりよい未来を歩むことができると言われています。
天耳通(てんにつう)
万物の声を聞くことで世の中を知り、自分を知るための能力とされています。
他心通(たしんつう)
また人間の心ほど複雑なものはなく、自分ではなく他人のそれを読み取るというのはかなり難しいことであると言われています。そのためこの能力が単体で具わることはまずなく、何者にも邪魔されない澄んだ心の持ち主だけが体得できると言われています。
宿命通(しゅくめいつう)
宿命通は今世の過去だけではなく、自分や他人の前世、さらには前前世なども見通すことができます。鍛えるほどに遠くの過去まで、明確に見通すことができるとされています。
過去の行いを見つめることで今世の振る舞いを見直す能力と考えられています。
漏尽通(ろじんつう)
悟りを開くことで世の中の全ての道理を知ることができます。人間として生まれ、限界にまで力を高めて神に昇華する極めて体得することが難しい力だと言われています。
神通力の修行方法
あらゆる煩悩を捨てる
座禅や精神統一、呼吸法などを通じて欲を捨て去ります。神通力を取得したいという気持ちも雑念であり、これを取り払う必要があります。食欲、物欲、性欲などあらゆる欲から解放されて初めて神通力は体得できるとされています。
薬の調合をする
薬が完成し、不老不死になった瞬間に全ての神通力が具わるのではなく、そこから長い時間をかけてゆっくりと体得していくとされています。不老不死によって高いエネルギーを得ることで体得できる能力もありますが、煩悩がある以上全ての能力ではありません。
自ら進んで欲を捨てようとするのではなく、不老不死で長く生きた結果、煩悩がなくなっていきます。その結果として知らないうちに神通力が身についているという場合が多いようです。
生得
神通力を生得できるかは前世によって決定すると言われています。また全ての能力を持っているとは限らず、生まれてすぐでは神通力が不完全な場合もあります。
神通力と天狗の関係性
大天狗と烏天狗
また烏天狗の場合は剣術などにも優れていることから破戒僧などが死後天狗になったとも考えられています。源義経が牛若丸であった幼少期に剣術を教えたのも烏天狗とされています。
天狗は人間の死後の姿であるとされているため、人間とも神通力とも深い関係があると考えられます。
般若心経と神通力
存在とはどういうものなのか、悟りを開くとはどういうことなのかということがそこには記されており、それを正しく理解することで神通力を体得することに繋がるとされています。
般若心経を唱える
また般若心経は神通力を高めるものとも言われています。神通力にも力の差はあり、仏様や菩薩が扱えるものと人間の使える力では天と地ほどの差があると言われています。
神通力を手に入れた後もその力を伸ばす修行として繰り返し般若心経は唱えられていたようです。
神通力は人間の中にある
神通力を体得するためには厳しい修行を重ね、神通力を体得したいという欲さえ捨てる必要があります。普通の人間にはなかなか難しいことですが、それでも座禅を組んだり、精神統一をすることは決して無駄にはなりません。忙しい日々に忙殺されているようなら心の落ち着きを取り戻すために精神を集中させてみると、より世界がクリアに見えるようになるでしょう。