職人気質とは
人の性格を表す時、「あの人は職人気質である」とか言ったりします。職人気質とは、どういった性格を表すのか明確ではありません。なんとなく「とても真面目」、「気難しい」という漠然としたイメージで使っているのではないです。
そこで、多くの人が深く考えた事がないのであろうこの言葉が、正確にはどういった性質を表しているのかこの記事では考えてみます。
デジタル大辞泉の解説
職人気質…職人に特有の気質。自分の技能を信じて誇りとし、納得できるまで念入りに仕事をする実直な性質。
https://kotobank.jp/word/%E8%81%B7%E4%BA%BA%E6%B0%97%E8%B3%AA-534266
大辞林 第三版の解説
しょくにんかたぎ【職人気質】
職人に多い気質。自分の技術に自信をもち、安易に妥協したり、金銭のために節を曲げたりしないで、納得できる仕事だけをするような傾向。
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辞書によると、職人の性格と似たような性格を表すのに使われているようです。ここでの”職人”とは、伝統工芸等をする職人表しているのではなく、その”職人”に付随するイメージから発生した性格・気質の事を表しています。職人の事を言っているわけではないので、注意が必要です。
職人気質な人の特徴や性格
それでは、職人気質な人とは、どんな人なのでしょうか。
職人気質の人は、どちらかというと社交的な事が苦手な人が多いです。自分が取り組みたい仕事や趣味をしている方が、人と触れ合うよりもずっと楽しめます。しかし、真面目でコツコツと努力するタイプなので、悪い人ではありません。仕事に熱心に取り組む時間が長いため、会話に時間を使うことがあまりなく、今まであまり会話技術を磨いてこなかっただけです。
いろんな事に幅広く手を出すタイプというよりも、一つの事を集中してやるというタイプです。人付き合いでも、”広く浅く”というよりも、”狭く深く”というタイプです。職人の人が何十年もかけて、技術を身に着ける姿勢と似ています。
集中力がある
職人気質の人は、他の人よりずっと集中力が高いです。何か物事を成し遂げる時、とても深く自分の意識を捧げます。そのため、その物事の完成度がとても高くなります。だから仕事などを任せると、完璧に成し遂げてくれるので、周りの評価は高くなります。
几帳面
職人気質の人の性格は、おおざっぱということは、決してあり得ません。かなりの几帳面で、普通の人なら気付かないところまで、神経をとがらせます。些細なことにも目を光らせるので、仕事でミスをすることは決してありません。物を作らせたりすると、一級品です。逆に、人付き合いでは、その完璧なまでの几帳面さが、相手を威圧してしまうことがあります。
完璧主義
どんな仕事も全力でする完璧主義です。自分の小さなミスも許せません。何事もキチッと出来ているかが、大事です。テストで100点を取ることが当たり前と捉えているような人です。
根気強い
職人の方が簡単には得られない技術を習得するのに、長い年月下積みなどをするように、職人気質の人も、根気強いです。普通の人なら根負けしてしまうようなことも、職人気質の人は、粘り強くその事を成し遂げようと最大限の力を出します。苦労の時間も耐え忍べる人達です。
真面目
職人気質の人は、真面目です。普段からチャラチャラする事を好みません。物事に真剣に向き合うこと良しとすることを信条にしているので、中途半端な態度は許せません。勉強も仕事もやらせたら、とても高いところまで成し遂げます。そのため、嘘をつくのが苦手です。嘘をつく自分や他人は許せません。
頑固
とても頑固です。真面目に努力をしてきた自分の能力に絶対の自信を持っているので、人からの指図を受け入れません。自分の考えを曲げたりするのは、そうそうありません。
自尊心が高い
職人気質の人は、今まで自分が成し遂げてきた仕事に誇りを持っています。また、完成度の高さから褒められる機会が多くあったため、けなされるのは苦手です。自尊心が高いので、自分の仕事に、ネガティブな事を言われると、すごく不快感を感じます。マイナス評価を受け入れません。
寡黙
職人気質の人は、人付き合いが苦手な人が多いので、あまり喋りたがりません。それは、あなたを嫌っているわけではないので、誤解しないようにしましょう。仕事に夢中になっているだけかもしれません。寡黙な性格を受け入れてあげます。そして、最初の頃は、程々の距離感を取っておくといいでしょう。仲良くなってから、近づいていきます。
厳しい
職人気質の人は、自分にも他人にも厳しいです。自分にとても厳しいので、その基準で相手も見てしまいます。小さなミスも許せない人で、物事に全力で取り組みます。
職人気質な人に向いている仕事と向いていない仕事の紹介
向いている仕事
職人気質の人には、どんな仕事が向いているのでしょうか。
上記のような性格を持っている職人気質の人には、真面目でコツコツと一つの事に向き合えるような仕事が合っています。例えば、職人と呼ばれるような大工、パン屋、伝統工芸の仕事、作家があります。他には、その凝り性の性格を生かして、芸術家やデザイナー、花屋など、一つの事に夢中になれる仕事が向いています。そして、技術力の高さから、プログラマーや医師等も向いています。
職人気質の人は、必然的にとても真面目に取り組むので、”自分が好きになれること”、”夢中になれること”を意識して選ぶようにした方が、仕事の時間の楽しみも違います
向いていない仕事
逆に、向いていない仕事はどんなものがあるでしょうか。
技術力を生かせない仕事は向いていません。例えば、掃除や、データー入力、新聞配達など、あまり技術の追求ができない仕事は、職人気質の人の満足感を高めてくれません。
他にも、社交的な人ではないので、営業、コンサルタント、司会者、パフォーマー、店員、保育士等の仕事は苦痛となるかもしれません。複数の事を同時にする事が苦手なので、管理職や看護師、社会福祉士などもあまり向いていません。
技術を学んだり、生かしたりできる職場でないと、職人気質の人にとっては、居場所を感じないようになり、苦痛となります。
自分に向いた仕事を探すなら
身につけたスキルは、現職よりも、転職時のほうが高く評価されやすいので、転職によって年収が上がる可能性は大きいです。「でも、自分のスキルってそんなに評価されるかなぁ」という疑問は、転職エージェントに聞くことができます。
職人気質な人との上手な付き合い方
職人気質の人とどのようにして付き合えば良いでしょうか。とても真面目な人なので、軽い態度は避けたほうが無難です。ジョークや軽い話は、程々にしておきましょう。真面目なため、議論に終わりがなくなるようになるかもしれません。
と言っても、職人気質の人は悪意のある人ではありません。基本的に、真面目で誠実ないい人です。職場にいると、とても頼りになる人だし、友達にしても、絶対に自分を裏切りません。付き合い方を間違えなければ、いい人間関係を築けます。
職人気質の人の姿勢から学ぼう
職人気質の人は、いいところがたくさんあります。例えば、仕事一つにしても、努力して完ぺきにこなすので、その仕事内容から学ぶことはたくさんあります。また、仕事に向き合う姿勢を学べば、あなたも仕事で高評価を得られるようになります。
職場では、大抵、仕事を完ぺきにこなす職人気質の人がいます。今の時代、そういう人が求められています。また、多かれ少なかれ、職人気質の人と付き合っていかなければなりません。
苦手だなと思わず、いいところを吸収してみるといいでしょう。
もし、あなたが上司の場合はしっかりと考えてコミュニケーションをとらないと、大変なケースになる場合があります。
ビジネスや情報管理に強いWORK SUCCESSというメディアの部下がやめていく上司の特徴という記事を参考にして、そうならないように気をつけましょう!