度胸とは
度胸のある人達は気後れがないのか
度胸があるとは、「大舞台で緊張しない、物怖じせず言いたいことを言う、新しい世界に飛び込むことを躊躇しない」ことをいいます。
度胸のある人たちは時にびっくりするような決断を顔色ひとつ変えずに行います。普通であればそうした決断を迫られた場合、不安が胸をよぎるはずです。自分にこなせるだろうかというプレッシャーや、失敗したときのネガティブなイメージなど、彼らはこうした迷いや気後れとは無縁な性格をしているのでしょうか。
ポジティブ思考=度胸ではない
度胸のある人たちの中には、そうした不安を口にすることを極端に嫌う人もいます。そうした人たちはポジティブな考え方や言葉で自分を満たし、負のイメージに蓋をできる心の強さを持っています。しかし、こうした方法は自分の心を騙して無理をする一時しのぎでしかありません。
よほどセルフ・マインドコントロールに長けた人か、強心臓な人でない限りは、あまりおすすめできない方法です。実際そうした無理を続けると、大抵はどこかしらでほころびが起き、バランスを崩してしまいます。本当に度胸を身につけるためには、まずはそうした自分の精神的な弱さを受け入れることが大切です。
迷いや気後れの原因
本当の度胸を身につけるためには、自分の中の精神的な弱さや負の感情と目をそらさずに向き合うことが大切です。そうした迷いや気後れの感情を突き詰めていくと、「自分に自信がない」というところが原因だとわかります。根底にあるものはとてもシンプルです。
度胸がある人とない人の違いとは
正しく自信を持つことが大切
度胸がある人とない人の違いは、単に「自分に自信がある」かの違いです。そして既に書いたように本当の自信とは、無理をして虚勢をはることではなく、弱さを受け入れた上で自分自身と向き合ってはじめて手に入るものです。では正しい自信を手に入れると、どのようなことができるようになるのでしょうか。
未体験の分野でも結果が予測できる
度胸のある人はきちんと自分自身と向き合って対話を重ねてきた人です。したがって他の誰よりも性格や思考のクセを含めて、自分自身というものを熟知しています。そしてそれらの中には得意なことや能力といった、自分の強みや武器も含まれています。
自分を深く理解することで、将来の自分の伸びしろも予測できるようになります。新しい分野への挑戦を促された際は、この伸びしろの予測をもとに、自分の手の届く範囲のチャレンジかどうかを見極めると良いでしょう。もしやりおおせるという見極めができた場合は、積極的にチャレンジしていきましょう。
勝負するべき場を見極めることができる
自分の能力や伸びしろを理解することは、自分を活かせるフィールドを知ることでもあります。それは、これから自分が努力する方向性を見極めるための大切な指針です。せっかく自分の強みや得意分野を見つけたのであれば、その道の第一人者として開花するまで才能を磨き上げるべきです。
こうした嗅覚は仕事の上で自分のキャリアを築くためにはとても大切です。人生のターニングポイントとなるような大舞台に巡り合った時に、気後れして断ることのないよう自分の専門スキルを普段から高めておきましょう。
余計なプレッシャーから解放される
本当に度胸のある人は、自分の得意分野や努力の方向性をシビアに見極めています。その上で周りに認められるような成果を出しているので、無意味な分野への挑戦をしたり無理な虚勢を張る必要性がありません。余計なストレスを抱えず自然体で振る舞うことができます。
必要な時に自分を大きく見せることができる
これらを踏まえた上でもう一つ、本当の度胸とは自分でプレッシャーや負荷をコントロールできる能力です。というのも仕事の上ではしばしば、実力以上に自分を大きく演出するということが必要になるからです。
そうして相手から勝ち取った期待やチャンスに応えることが、自分の殻を破り成長することにつながります。コントロールできる範囲を超えて虚像が独り歩きをしないように、自分で背負える範囲のプレッシャーや期待を見極めることが大切です。
度胸がある人の特徴や性格
度胸とは自信の正しい扱い方が分かること
本当に度胸のある人は正しいやり方で自分に自信をつけ、その自信を上手にコントロールしています。そうした過程はハウツー本などを読んで、一朝一夕で身につけられる性質のものではありません。もし度胸を付けたい場合は、度胸のある人の日頃の振る舞いを観察して学ぶことが一番です。
特徴と性格
度胸を身につけるためには自分自身との対話が不可欠です。それは自分のスタイルを編み出し、自分に合うものを吟味し取捨選択する作業です。つまり度胸のある人とは、見た目や趣味にどこか自分なりのこだわりを持つ人たちといえます。
一見とっつきにくそうにも思えますが、実際はあまり人の目を気にしすぎず自然体な方が多いでしょう。また、相手の話を否定せず聞き上手でもあります。というのも、興味の範囲やアンテナを広げて、偏見を持たずに多くのことを吸収したいという好奇心があるからです。
度胸のあることのメリット・長所
過度に気後れをしないので、色々な経験を積むことができます。そうした経験の蓄積が人間的な厚みにつながります。また、プレッシャーなどの負の感情をうまくコントロールし、仕事の質を高めるよいエネルギーに変えられるようになります。いい意味で自分に負荷をかけることができるので、より精神が鍛えられ大舞台に強くなります。
度胸をつけるためにするべきことの紹介
度胸が育つためのステップ
これまでは度胸をつけるための心構えをまとめてきました。ここからは次のステップに進みましょう。本当の度胸を身につけるためには、「他人からの評価」というプロセスがかかせません。仕事やパフォーマンスで常に一定以上の成果を残し、他人から評価を受け続けることで、はじめて自分の能力への自信につながります。
そうして培った自信は客観的に質が担保されたものです。新しいフィールドに挑戦するときにも一定以上のクオリティを生み出せるという自負心が生まれ、挑戦を後押ししてくれます。つまり度胸をつけるためには、他者からの正しいフィードバックを受けられる環境をつくることが必要です。
好意的な環境の大切さ
度胸をつけるための第一段階は、人間的に受け入れてもらえることです。というのも、初めのうちは失敗ばかりが続くはずだからです。そして失敗のダメージは蓄積されて大きくなっていくものです。そうしたときに失敗をあげつらい責めるような環境では、劣等感と無力感に押し潰されすぐに挫折してしまいます。ある程度失敗に寛容で、チャレンジそのものを評価する環境に所属することが大切です。
自信をつけるプロセスとは自分の能力や人間性を見つめ直し、原点に立ち返る作業です。これから自分を再構築していくにあたり、余計なストレスや雑音には振り回されず自分を見つめる時間を確保できるような環境を手に入れましょう。
適切なフィードバックをもらう関係性
さてそうした環境を手に入れた上で次のステップです。パフォーマンスの質を高めるには人間関係が大切です。フラットで建設的な批判をくれる人を見つけましょう。成長のためには客観的な基準を知ることが大切です。そのためには自分以外の第三者の目線で、継続的にフィードバックをもらう必要があります。
とはいえ、いきなり準備もなしに第三者の批判は厳しいものがあります。最初は仲間内や同僚といった理解のある関係の人からはじめて、徐々に公開する範囲を広げていきましょう。
正しい自信とは
こうして時間と手間をかけて培われるのが正しい自信です。そして自信を手に入れるためには多くの人の協力が必要です。たとえば何かの芸術作品を作ったとして、評価のプロセスを考えてみましょう。
自分ひとりが満足するものでは、ただのひとりよがりな作品です。仲間内だけで評価されるだけでは、まだ内輪うけにすぎません。そうした関係性を超えて同業者や専門家の目、まったく見ず知らずの他人の目から見て評価されるようになったときに普遍性が生まれます。本物の自信とは、このように客観的な基準を満たして、普遍的なパフォーマンスができたという結果から生まれるべきものです。
度胸は一夜にしてならず
度胸を手に入れるためには自分に自信をつけることが大切です。人によって度胸の定義は様々ですが、その一つはものごとに左右されずどっしりと構えている様子を指します。
本当の度胸とは、「自分のスタイルや価値観を確立した上での自然体と余裕」と「多くの人に普遍的に認められるパフォーマンスの高さ」からなります。多少のことでは動じないのも道理ですが、その一方で一朝一夕で身につくものではありません。ひいては自分自身の生き方の哲学につながる大切な概念なので、じっくり時間をかけて考えることをおすすめします。