おべっかの意味とは
相手の気をこちらに向けたいために、ご機嫌取りをしたり、こびへつらうことを「おべっか」といいます。「おべっか」と言う言葉は、なんだかかわいらしいイメージもありますが、語源は、神事や祭事の時に使用する「火」を別にすることをあらわす「別火」というところからきているという説があります。
また、英語で「従う」と言う意味を持つ「obay」という単語からきているという説もありますが、定かではありません。「おべっか」と同じような意味を持つ言葉には「お世辞」「ゴマすり」などがあります。
おべっかを使う人の心理
おべっかを使う場所
おべっかを良く使う場所は様々ですが、職場や会社だと答える人が圧倒的に多いようです。次に学校、友人、家庭の順で、おべっかを使う人はどんな場面にも必ずいます。そして、自分も気が付かないうちに使っている可能性もあるのです。
人に良い印象を与えたいと思っている時に、人は知らず知らずのうちに調子が良くなっています。そして、ポジティブな発言をしたりもします。それをおべっかだと判断する人は、周りにいる人やその時を振り返った自分となります。
おべっかを使う相手
おべっかを使う相手は自分の利益に左右する人で、会社の上司や取引先の人に使うことが多く見られます。また、目上の人や先輩など、社会的地位が高かったり、人生熟練度の高い人に使われるケースが多々あります。たまにしか会えず自分の印象を良く思っていてほしい人、また好意を抱いている異性や親交を深めたい相手に会話の術として、おべっかが使われることがあります。
おべっかを使う心理
おべっかを使う心理は、その人と仲良くしたい、親交を深めたい、その人の力添えがして欲しいなど様々な目的があります。中には、本心でポジティブに接しているのに、周りにはおべっかと誤解されている人もいます。
自分を取り巻く環境も全部含めて、気分よくポジティブでありたいと言う願望がある人がおべっかを使うことも少なくないです。また、好きな人に認められたい、家族に認められたい、友達に良く思われたい…など、自分のイメージアップを常に図っている人におべっかを使う人が多く見られます。
そもそも、おべっかっていったい何なのでしょうか?思ってもいない事を褒めることなのでしょうか?相手もある事だし、話がかみ合わないような、白々しいことは言わないから、自分の言っていることは、おべっかではないと言われれば、それまでです。
自分が思ったことや感じたことを伝えたところ、相手の気持ちが良くなった発言と言えば、そうなのかもしれません。発言する時に迷ってしまったり、考えてしまったりすることは、おべっかを使う行為に戸惑っているのではなく、その人との対人関係に慣れていないからなのかもしれません。
おべっかを使うことはいいこと?
良いおべっかの使い方
相手の気分を少し盛り上げる程度のおべっかだったら、物事が良い方向に反映されます。インパクトが強すぎたり、相手の感情範囲まで入り込んでしまうような大袈裟なおべっかは、お互いにコントロール不可能になる場合がありますので気を付けましょう。
ほどほどで美しいおべっかを心掛け、元気のない人や力づけてあげたい人には、ほどほどの優しいおべっかで気持ちの良い一日にしてあげましょう。
良くないおべっかの使い方
公平な事を求める場所で、自分だけ良くなりたいとか、人よりも優位に立ちたいと言う理由で力のある人におべっかを使うことは悲しいことです。「〇〇さんよりも…」とか人と比較したおべっかや、一歩間違えたら揉め事が起こるようなおべっかはやめておきましょう。
昭和時代の客商売のマニュアルで、家庭の話、ひいきの野球チームの話、政治の話をしてはいけません…とありましたが、そういった話をネタにおべっかを使う時は、ボーダーラインをしっかり踏まえていなければなりません。気づかぬうちに相手を傷つけていたり、不愉快に思わせていることもあるので、たとえおべっかであろうと気を付けなければいけません。明らかに嘘のおべっかも馬鹿にされていると認識されてしまうケースもあるので、嘘は禁物です。
戦略的におべっかを使う方法
おべっかのスキル
おべっかとポジティブ発言の違いは、どこからどこまでを指すのか線を引くのが難しいところです。当人にとってはおべっかのつもりがなくても、調子が良い事をおべっかに当てはめられる場合もあります。自分が調子よくおべっかを使ったつもりでも、相手が不愉快になったり、空気の読めない場違いな発言だとおべっかにはなりません。
発言によって相手の気分が良くなると、おべっかとして成立するのでしょう。相手を良い気持ちに持っていく発言には、話術のテクニックがいります。それをモノにするるためには、スキルが必要です。
まずは、日常の誰でも思うことを話題にして相手のご機嫌をお伺いすることから始めます。お天気の話をするのが一番メジャーです。朝から重い話はタブーです。午前中は、なるべく爽やかに対応することを心掛けます。話の波に上手に乗れるようになると、状況判断しながらおべっかが使いやすい環境になります。
「嬉しいです」「おっしゃる通りです」「こんなの初めてです」は、好印象に持っていける言葉ですが、感情が入りやすくなってしまうので使い過ぎに気を付けましょう。同じことをしてもらって、同じ言葉は通用しないので、そこの所は気を付けて使いわけていきましょう。
いちばん大切なことは、その場の雰囲気です。おべっかで言っているのではなく、本心からそう思えて、相手の気分まで良くしてしまうような言葉が自然と出ることです。周りの人から自分はおべっかを使っていると思われていても、そんなことが関係ないくらいの良い人間関係を築けることが理想だと思いませんか?
おべっかを使うタイミング
おべっかは、瞬間的アドリブと言ってもいいほど、その時のタイミングが重要です。「ああ、この人おべっか使っているな」と見極められても、「しょうがないな…」と許されたり、希望が叶ったりすることもあります。「君には適わないよ」とスッキリと一本取ってしまうようなおべっかもあります。
相手の気分を損なわないように、気持ちの良いおべっかを使うことは、難易度が高いです。人間関係の経験を積み、自分が相手に言われても嫌じゃない言葉を選んでタイミングよくおべっかをつかいましょう。
おべっかと上手く向き合って幸せな日常を…
人は、おべっかを使う時と、使われる時があります。おべっかを使われた時は、自分がおべっかを使った時の心情を思い出すと良いでしょう。
まだ、おべっかを使ったことがないと言う人は、おべっかだと捉えない方が良いです。おべっかと言うと、ズルいイメージを抱いてしまう方もいますが、そう思わずにコミュケーションの一つだと考えた方が良いです。
本当にズルいものであるならば当人同士の問題なので、その会話の中で何か答えが出てきます。子供の頃に知らないお友達の仲間に入るのに、子供ながらに気を使ったという経験がある人は多いと思います。「おべっかとはそんなものだ」と思っていた方が、ストレスもたまらず世間が広く見えてきます。
おべっかを使っているうちに、自分の性格がプラス思考になってきたという人もいます。プラス思考の癖がつくことにより、者になって以前と比べると運が良くなったそうです。また、おべっかが苦手だったので、挨拶だけは爽やかにしていて、上司に可愛がられていると言う人もいます。
色んな意味で関わっている人たちに好印象を与えるおべっかという行為は、実はとても大切なのです。「ゴマをすったら春が来る~」なんて昔の歌がありましたが、みんなに春が来るような場面に持っていけるコミュニケーションは、とても素敵な事です。