「理不尽」とは?
生きているとこのような「理不尽」だと思うことで怒られたり、注意をされる経験をすることも少なくないでしょう。そのような時にどのような態度をとったらいいのか、どのようなフレーズが望ましいのかを順を追ってみてみましょう。
理不尽だと思うことで怒られた経験はありますか?
「なぜ、自分だけがこのような事で怒られるのか」と考えると我慢できないほど悔しさや怒りが湧いてくると思いますが、どこにでも起こる可能性があり誰もが経験している事だと思うだけで少し客観的に状況を見ることができるかもしれません。
その時どんな対応をしましたか?
また上司や先生など目上の人から理不尽なことで怒られたり注意をされた場合には反論することもできずに強いストレスとなってしまうこともあります。そんな経験はありませんか?
理不尽なことで怒られたり注意されたりしたときの反応にはいくつかのパターンがありそうです。「反論する」「黙ってしまう」「不本意ながら謝る」などです。
では、実際にそのような場面ではどのような対応をするのが一番望ましいのでしょうか?上記の3つの対応意外にはどんな対処の方法があるのでしょうか。
相手別、理不尽なことで怒られた時の対処法
親
どちらにしても、親の気持ちがある程度落ち着くまで話を聞くというのもひとつの対処のしかたではないでしょうか。親の言葉が途切れたところで、こちらは冷静な言葉を返しましょう。
もし親が自分で理不尽な事を言っていると自覚があるようなら、今親が言っていた内容をオウム返しに聞き直してみるのもいいでしょう。「お母さんは○○と言ったけど、本当にそう思っているんだよね」という確認です。親の気持ちが落ち着いていたら、冷静に「自分は○○の部分は言い過ぎた」と言ってくれるかもしれません。
「エゴ」については後述します。
上司
⓵利害関係が絡んでいる場合⓶上司のプライドに関わる問題が絡んでいる場合⓷仕事の責任を相手に押し付けるための確信犯的な場合、などです。
⓵「利害関係が絡んでいる」と考えられる場合にはその利害関係が何であるかを推理する必要があります。その上で上司が触れて欲しくない「人」や「キーワード」を避けた上で冷静に事実を伝えるのが望ましいでしょう。
⓶「上司のプライド」に関わると判断した場合は、形だけでも「上司の忠告」への感謝の気持ちを最初に表すことで上司のプライドを傷つけない配慮が必要です。
⓷上司が自分に責任を押し付けようとしていると感じた場合は、その場は無難な態度で納めて信頼できる同僚やその他の人物に客観的な解決方法を相談してみるのも一つの方法です。
客
たとえ理不尽と思われることで客が怒っていても、⓵しっかり話を聞くという意思を示す、⓶最優先で対応する、⓷不安を与えてしまった事への謝罪をする(クレーム自体への謝罪は真相がはっきりしてから言う)、という丁寧な対応をしましょう。
顧客への対処を間違うと後の仕事へ悪影響を及ぼしかねません。「ただ謝罪する」というのも良い対処とは言えません。上記のポイントをふまえた上で一人一人の顧客の個性に合わせた丁寧な対応を心がけましょう。
自分中心の考えで怒る人にはどうしたらいい?
「あの人には何を言っても無駄」と周りからさじを投げられてしまう事もあるでしょう。でも、相手が家族の場合や仕事上どうしても関わらなくてはならない相手の場合には対処を考える必要があります。
「エゴ」を辞書で引くと「他人の利益を考えず、自分の利益を中心に考える思考」という説明があります。ここに、相手のエゴとつきあうヒントがあります。
「エゴ」から理不尽な事を言う相手には「相手の利益になる事」を提示してみてください。いくつか提示するうちに表情から「相手の心が動く条件」がわかるでしょう。その条件をきっかけにこちらの正論を少しずつ伝えるようにしましょう。
理不尽なことで怒られたときに言うべきフレーズは?
相手の話を聞くときに言うべきフレーズ
上司なら「ありがとうございます」、家族や友人なら「自分の事考えてくれて嬉しい」というような言葉です。そして次に相手が自分に言った言葉を確認するように繰り返しましょう。
「○○という事ですね」「○○と思ってくれていたんだね」というように、相手が言う言葉をオウム返しに言ってみてください。あくまでも「私はあなたの話をちゃんと聞いています」という態度を示します。
相手は何度も自分の言葉を確認するうちに少し落ち着いてくることが多いものです。
自分の主張を話すときに言うべきフレーズ
言葉は「私は○○のように考えます」「私は○○だと感じます」というように、一人称で事実を中心に主張します。決して「あなたは~」という二人称を使わないこともコツのひとつです。「あなたは」と言われただけで、相手は批判されたとかん違いすることもあるからです。
そして大切なことは、「完全に自分が正しい」と思う部分に関しては卑屈になったり、謝ったりしないということです。相手の主張が「理不尽」なのですから、堂々と主張しましょう。
決着をつけるときに言うべきフレーズ
相手がなかなか話を止めようとしない時は月並みですが時計を気にする様子を示して「○○時に予定が入っていますので、また後日お願いします」とその場を離れます。そのタイミングも難しそうなら、「トイレに行ってもよろしいでしょうか?」「一本だけ緊急の電話をしなければならない」など、中断するための用事を作り会話を強制終了させるのもひとつの方法です。一度会話が5分でも中断すると、人はそれ以前の熱量を保てなくなるものです。
クレーマーへの対応はどうしたらいい?
クレーマーへ行うべき行動
クレーマーが店に来て大きな声で理不尽だと思える苦情を並べ立てる行為は、他の客や周囲の人へ迷惑になりかねません。クレーマーが直接来たときに、まず行うべきことは「場所を移動する」ということです。周りの人の目の届かない場所へまねいてから落ち着いて対応しましょう。そして持ち込まれた「苦情」を把握します、それがとても理不尽だと思っても一度受け止めましょう。
店や会社の場合には、事前にクレーマーが来た時のマニュアルを用意して、「どこで対応するのか」「誰が対応するのか」を決めておくべきでしょう。クレーマーの連絡先、名前を記録しておくことも重要です。
クレーマーに言うべきフレーズ
⓵場所を移す、担当が来るまで待ってもらうなどこちらの望む行動をとってもらう時に使うフレーズは「差し支えなければ」「恐縮ですが」「お手数をおかけします」
⓶理不尽な要求に反論する前のフレーズは「ご意見はなるほどと思いますが」「おっしゃることはわかります、でも」
⓷帰ってもらう際には「お役に立てず申し訳ありません」「ご期待にそえず申し訳ありません」
クレーマーの連絡先と住所は必ず控え、自宅に来て謝罪することを要求されても断固拒否しましょう。
自分が理不尽なことで怒って人を傷つけないために
感情に流されて理不尽なことを言ったりしないよう、2つの点を確認してみましょう。
感情が落ち着くまで待つ
もし、仕事上で怒らなければならない事態が生じたり、家族やその他の人間関係で怒らざるおえない状況が発生しても、まず自分の感情が少し落ち着くまで待ちましょう。感情を鎮めるのは人間にとってとても難しい事ですが、コーヒーを一杯飲むだけでもずいぶん落ち着いてくるものです。
感情が少し落ち着いたら考えてみましょう。自分はなぜ腹が立ったのか、怒るべきなのは「今」なのか、誰に話をするべきか。一歩立ち止まって考えることが大切です。
怒らなければならないポイントをはっきりさせる
そうすることで、相手の話が脱線しても元に戻すことができますし、何より一番言いたいポイントの方向へ話を繋げやすくなります。感情的にならずに冷静に話をしやすくなるということもあります。
理不尽なことで怒られたときは冷静に対処する
人間関係の中にある限り、職場で、家庭で、友人関係で「理不尽な事を言われる」という場面はなかなか無くならないのが現実です。きっと誰もが経験することでしょう。
もし、そんな場面の当事者に自分がなったときには、できればダメージを少なく短い時間で終わらせたいと誰でも思うでしょう。そんな「理不尽な怒られ方」をした時にこの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。