根に持つ人について
人から嫌なことをされたり、不愉快な経験をすると忘れられず、ずっと覚えている人がいます。そういう人の事を”根に持つ人”と言います。この場合、相手はその出来事を忘れているのに、自分はずっと覚えているということが多くあります。”根に持つ”という言葉にあるように、長い年月忘れないことを意味します。なぜ、人によってこのような性格の違いが起こるのでしょうか。
ここでは、根に持つ人・持たない人の特徴と、根に持つ人との上手な距離の取り方についてご紹介します。
根に持つタイプの人の特徴や性格とは
“根に持つ”という言葉は、良い思い出に対しては使いません。悪い感情に対して使います。そして、軽い感情ではありません。「嫌な事があった。ちょっと不愉快だなー」という類のものではなく、もっと深い”恨み”のような感情です。嫌な事があっても、それを長い年月覚えていると、”根に持つ”ということになります。
人からされた嬉しかったことや良かったことは、さらっと忘れるのに、嫌な事を言われたり、侮辱されたりするとずっと自分の中に残っています。これはどうしてかというと、いいことは頭の中にショックを受けず記憶が定着しないからです。代わりに、自分が傷ついた時は、潜在意識が衝撃を受けて、深く定着してしまうからです。
これは誰にでもあることです。しかし、ここで根に持つようになってしまう人と、持たない人の違いがあります。根に持つ人はどんな人でしょうか。
記憶力が良い
記憶力が良いことは、本来とてもいいことです。試験で好成績を取れたり、友達の誕生日をキチンと覚えていたり、人がしてくれた有り難いことを覚えていることは、社会で生きていく上ではプラスになる才能です。
しかし、これが悪い方向に進んでしまうこともあります。記憶力が良いと、嫌な事をされたことを詳細に覚えていてしまうことにもなります。そういう時、根に持つ人になってしまいがちです。
他人に期待している
「他人にこうして欲しいな」というほのかな期待を抱いているのが、根に持つタイプの特徴です。だから、自分の期待通りに振る舞ってくれないと根に持ちます。他人は自分とは違うので、いつも自分の事ばかり考えてくれるわけでもなく、それどころか自分を傷つけてきたりします。社会や他人にこうであったらいいなという高すぎる理想を抱くと、裏切られるという気持ちになります。
深く考えすぎる
何事も深く考えるタイプは、嫌な事があった時も、追求してしまいます。特に嫌なことは、どうしてこうなったんだろうと、頭の中で解決策をたくさん探ろうとするので、無駄に時間を費やしてしまうことになります。頭がその出来事に衝撃を受けて、次に同じことが起きた時、同じ間違いが起こらないようにしようとしてしまいます。
深く考える人は、その事に費やすエネルギーが他の人より多くなり、結果として根に持つ状態になってしまうのです。
プライドが高い
根に持つ人は、プライドが高い人が多いです。「こんなすごい私にどうしてこんな扱いするの?」という思いで、ずっと忘れずにいて覚えています。自己愛が強く、自意識過剰なので、人からのマイナス評価や指図、ネガティブな態度が受け入れられません。強すぎる自己愛が物事の認知をゆがめてしまっています。
日記を書く
日記を書くという行為は、根に持つ要素になりやすい傾向があります。日記はその日あった出来事を思い出して書くので、記憶が定着しやすくなるのです。寝る前に何度もその出来事を反芻すると、記憶に結びついてしまうと言われているように、嫌な出来事を寝る前に思い出す作業は良くありません。
人間関係が狭い
人間関係が広く豊かだと、たとえ不愉快な経験があっても、その人にされたことを忘れてしまいます。ところが、人間関係が狭く密だと、一人の人に対する依存心が知らず知らずのうちに深くなってしまいます。
また、子供の時から、様々な人間関係を経験しておくと、不愉快な経験に対する適応力が強くなります。しかし、あまり人付き合いをしてこなくて、嫌な経験をすると、対応の仕方が分からず、根に持つ人になってしまうことがあります。
無趣味
色々な趣味があると、嫌な出来事があっても、好きな事をしているうちに忘れてしまいます。記憶は反復することで、定着しやすくなります。ですから、打ち込める趣味や、高い目標を仕事に見出していると、過去の嫌な出来事は自然と忘れられるようになります。無趣味な人でいると、根に持つ人になってしまいます。
マイナス思考
根に持つ人は、マイナス思考です。状況にもよりますが、意外と相手は深い意味があってしたわけでないこともあります。あなたを傷つけようと悪意があってしたわけでなく、誤解や物事の捉え方の違いによるものかもしれません。相手が悪いことをしたと考えてしまうと、根に持ちやすくなります。
同じように、過去の事をクヨクヨ考えてしまう人も根に持つ人になりがちです。
根に持つタイプとそうでないタイプの違い
根に持つと、心が苦しくなり、恨みの時間が長くなります。それは心身に影響を及ぼします。できることなら、根に持たない生き方をしたいという人は多いのではないでしょうか。不愉快な出来事があっても、根に持つ人と根に持たない人は、どう違うのでしょうか。
楽観的
物事を楽観的に捉えられると、多少嫌な事があっても、すぐ気持ちが切り替えられます。深く考えないと、「まあ、いっか。」で済ませて、次の事に進めます。
忘れっぽい
忘れっぽい人も根に持たない人の特徴です。元々、忘れっぽい人は努力しなくてもすぐ忘れられますが、記憶力がいい人はこの事が出来なく、なかなか難しいところです。そのため、意識して忘れるようにします。
“1,2日考えたから、これからはやめておこう。”などマイルールを決めて思い出さないような工夫をするといいでしょう。記憶が定着しないように、出来るだけ考えないようにします。
ストレス発散方法がある
誰でも嫌な事があります。そこで、自分のストレス発散方法がある人は、嫌な出来事もすぐ忘れられるので、いつまでもグズグズと根に持ったりしません。例えば大声を出す、愚痴を聞いてもらう、カラオケに行く、ペットと遊ぶなど、自分に合ったストレス発散方法を確立しているので、上手に嫌な記憶を手放しているのです。
マイペース
他人と自分を分けて考えられると、根に持つ事がなくなります。逆に、自分と他人を同一視してしまう人は、根に持つ人になってしまいがちです。自分の価値観が絶対で、他人の生き方を認められないと、理解できずムカムカしてしまいます。
「自分は自分。人は人。」と思うと、相手が何を言ってこようが、相手の問題なので、自分は関係ないと思えます。マイペースに生きると、自分の感情を乱されなくなります。相手と同じ土俵に立って、相手の不愉快な攻撃にいちいち反応しなくなります。
すぐに対応する
不愉快な事をしてきた人が、信頼関係のある人なら、そうされた時、”すぐに対応する”と、後々引きずらなくて済みます。「どうしてそういうことするの?」や、「そういうことして欲しくない。」とはっきりと相手に言います。
そうすると、そこで相手も態度を変えてくれるかもしれません。相手も悪気がなくしていたのかもしれないので、自分が不満に思っているなら、言葉に出して言うと、問題が早く解決します。
そうせず、「ネガティブな事を言うのは嫌だし」と思いながら、頭の中では、不愉快な感情がずっと残っていると根に持つ人になってしまいます。問題点は早めに解決した方が、お互いいい人間関係を築くことが出来ます。
根に持つ人との上手な付き合い方
根に持つ人が身近にいる場合は、あまり指図したり、批判的な事は言わないようにします。もし仕事などで言わなければならない場合は、いい方に気を付けます。「こうしてくれると嬉しいんだけどな」や、「○○さんなら出来るよ」と相手を立ててあげるとうまくいきます。
そして、礼儀を反しない限りで、ほどほどに付き合います。深く関わると、トラブルに巻き込まれがちです。
明るく前向きに考える
いかがでしたでしょうか?根に持つ人は、重く考えがちです。そこで自分のそういう癖を認識して、軽く捉えるようにするとうまくいきます。根に持つことは、楽しいことではないので、出来るだけ早めに解消するようにします。そうすると、もっと別の楽しいことが人生に起こってくるはずです。今回の記事を参考に楽しく前向きな生活をくりましょう!