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文章力がない人の特徴・改善方法とトレーニング方法・おすすめ本

文章力を上げたい時に何をすればよいのか

小学生の時に作文や読書感想文が得意だった方もいれば、当然苦手だった方もいらっしゃるでしょう。文章力というのは、そんな小さな頃から差が付いてしまっているのです。文章を書くことが苦手だった方は、学生時代にはレポートや論文、社会に出てからも書類仕事が苦手だったりするのではないでしょうか?

TwitterやLINEといった、近年良く使われているSNSツールでは長文を余り書かないためか、全体的な文章力は年々衰えてきているといえるでしょう。

そもそも文章力とはどういうもので、文章力に乏しいと思った時に何をすればよいのでしょうか。今回はそんなお悩みに応えるべく、文章力アップのためのコツやトレーニング法を解説していきます。

文章力の基本

そもそも「文章力」とはどのようなものを指すのでしょうか?辞書で引いても「文章力」の確固たる意味は見当たらないのです。

「文章」だけでみると以下のような意味があります。

1 文を連ねて、まとまった思想・感情を表現したもの。主に詩に対して、散文をいう。
2 文法で、文よりも大きな単位。一文だけのこともあるが、通常はいくつかの文が集まって、まとまった思想・話題を表現するもの。
3 威儀・容儀・文辞などとして、内にある徳の外面に現れたもの。

コトバンク/デジタル大辞泉より

https://kotobank.jp/word/%E6%96%87%E7%AB%A0-623293#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88

ここでの大きなポイントは、「文章はいくつかの文が集まって、まとまった思想・話題を表現するもの」という部分です。

そこで文章力を「文章」+「力」と考えると次のように考えることが出来ます。

文章力は文章を書く力であり、語る力でもある

文章というと書くというイメージが強いですし、それは間違っていません。よって文章力の意味合いの一つは「いくつかの文をまとめて、まとまった感情・思想・話題を書くことで表現出来る力」といえるでしょう。

ですが文章とは書くためにのみ使われる力ではありません。文章は書くだけでなく、口に出して語り、表現することにも使われているのです。

普段そこまで文章を意識して話をする方は多くありませんが、よくよく話を聞いてみると話が上手な人と下手な人ではその内容の伝え方・伝わり方に大きな違いがあるのに気が付きます。よって文章を分かりやすく語る力も文章力としてとらえられるでしょう。

文章力がない人の特徴と改善方法

文章力がある人は、意外と本人が意識していない内に文章力が身に着いているという場合が多いです。努力をしていることもあるのですが、一体どうしてそうなれたのでしょうか?

逆に文章力のない人は、文章力のある人に比べて少し特徴があります。それは本人の苦手意識とはあまり関係がないため、これから改善出来る余地がたくさんあるのです。

それではまず文章力がない人の特徴を見ていきましょう。

文章力がない人の特徴

文章力がない人の共通点の一つとして、「書くことも苦手だけれど、読むことも苦手」というものがあります。書く以前にどうして読むことが苦手になってしまったのか、というのは、書くことが苦手なことにも繋がりを持ちます。文章力がない人のうち、書く・読む共通して苦手な人の特徴について解説していきます。

言葉が出てこない・言葉の意味が分からない

文章力がない人の特徴として、語彙力のなさがあります。文章を綴る・読むためにはまず言葉を知らなくてはなりません。それが不足しているため、文章を作りたくても思ったような内容にならず、思っていることを上手に伝えることが出来ないのです。

また言葉の意味を正しく知っているということも大切です。いくら言葉を知っていても意味が分からなければ正しい表現が出来ず、文章の内容がきちんと相手に伝わらないため、もどかしくなってしまいます。

便利になった弊害・長い文章への苦手意識

SNSを利用している人数がここ数年で爆発的に増え、使用する媒体も増えました。ですが共通して言えることが「綴る文章・読む文章が短い」ということです。

ブログは写真を入れたとしても、ある程度の長さの文章の組み立てがある程度必用ですが、TwitterやLINEといったツールでは長い文章はそれほど必要としません。インスタグラムに至っては写真がメインで文章はあまり必要がありません。TwitterもLINEもとても便利なツールですが、文章力といった点で見るとあまり長い文章を書かない・読まなくなってきている原因の一つと言えるでしょう。

短い文章に慣れてしまっていると、本を読む場合、一冊読むのも億劫になりがちです。長い文章を読めないということは、文章への理解力が少々乏しく、文章力がないということになります。

文章の組み立て方が分からない・主語と述語

5W1Hという言葉を耳にしたことはないでしょうか?
いつ(When)
どこで(Where)
誰が(Who)
何を(What)
何故(Why)
どのように(How)
の頭文字を取った言葉です。

これは話を相手に分かりやすく伝えるポイントとしてよく使われていますが、文章はこれに「どうする、どんな状態であるか、どんなだ」といった述語を加えることで成り立っています。その中でも特に主語と述語が大切で、述語は文末に置かれます。文章力のない人はまずその順番が曖昧です。

例えば上を例に取ると「家でリンゴを食べた」という文があるとします。この場合「リンゴ」が主語で、「食べた」が述語です。この順番が「食べたリンゴを家で」といった風に変えると、なんとなく意味は伝わるかもしれませんが、上手な文とは言えないでしょう。

文章の組み立て方が分からない・接続詞の使い方

文章力がない人は「てにをは」といった接続詞の使い方が間違っている場合も多いです。

例えば「私は新幹線に乗るために東京駅まで行きたいです」という文章があります。それが「私が新幹線に乗るための東京駅まで行きたいです」となると、少し違和感を感じないでしょうか?物事をきちんと伝えるためにも接続詞の使い方はとても大切なのです。

先に挙げた主語と述語、そしてその間の接続詞を上手に使えないことが、文章力のない人の特徴と言えるでしょう。

文章力がない人の改善方法

ここまで文章力のない人の特徴を挙げてきましたが、いかがでしたでしょうか?一つひとつをよく見てみると、努力次第で挽回が可能なものが多く潜んでいます。努力と言ってもいきなり難しいことから始めなくても大丈夫です。日常的に出来ることもたくさんあります。

次からは文章力をアップさせるための改善方法を見てみましょう。

文章を読む~映像やラジオでもOK

文章力がない人の特徴の一つとして「文章を読む力に乏しい」という点を挙げました。こちらを解消する方法は非常に簡単です。文章を読むことです。

どの程度の文章がよいかというと、それほど長いものから始めなくても大丈夫です。本が第一候補ではありますが、「いきなり新聞や小説!」というのはハードルが高いでしょう。その場合は文体の柔らかい絵本や児童文学からでもOKです。むしろ子ども向けに書かれている分、文章の情報がすっきりしています。また漫画というのも一つの手です。楽しく読めますし、よく見てみると漫画の台詞やモノローグにも文章の流れがあることに気づきます。

また映像やラジオで文章を聞くという方法でも構いません。特に文章の組み立てがきちんとしてあるのはニュースです。ニュースは何が起こってどうなったかという結論に至るまでを、短い時間で簡潔に分かりやすく伝えるという目的を持っているため、内容がまとまっていて良い文章が多いのです。更にラジオは音声のみで話の内容を伝えるという点で、文章力が非常に優れている媒体となっています。

文章を書く〜短い三行日記から

文章を読むことに慣れてきたら、自然と語彙力がアップしていることに気づくでしょう。「こういう場面はあの言葉を使えば伝わる!」という感覚を得られているのではないでしょうか。上手な文書に触れ、使える言葉が増えてきたら、次は自分でも文章を書いてみましょう。

これもいきなり長い文章を書こうとすると難しいので、オススメしたいのは三行日記です。方法はその日にあったことを箇条書きでたった三行書くだけです。例えばこのような感じです。

・今日の仕事は同僚との折り合いが悪くて効率が悪かった
・凄く天気が良かったので、洗濯がはかどった
・夕飯に食べた焼肉が美味しすぎて、また明日にでも食べたくなった

文章は例より短くても構わないのですが、意識したいのは文章の意味がきちんと通っているかどうかです。出来れば手帳など振り返りやすいものに書くようにして、後に振り返った時に自分でその文章が理解出来ていれば文章力はアップしているといえます。

日常に起こったことは文章にしやすく、書いた文章を振り返りやすいという点でも三行日記はオススメです。

辞書を引く癖を付けて語彙力アップ

意味が分からない言葉が多いことも文章を苦手にしている原因の一つです。本を読んでいる間などに分からない言葉が出てきたら、なるべく早く辞書を引いて調べてみましょう。辞書はアプリやネット辞書で構いません。

更に欲を出すならその時に類義語なども覚えられると語彙力アップに繋がります。例えば「食べる」という単語一つとっても、「口にする」「頬張る」といった違う言葉に置き換えることも可能なのです。

また使えそうだけど覚えておく自信のない単語に関しては、意味別にメモなどを作っておくと文章を書くときに非常に役に立ちます。

読み手・聞き手を意識する

文章は、自分は勿論、誰かに読んでもらう・聞いてもらうことを目的とすることが非常に多いものです。そこで意識したいのが「今綴った文章は相手に伝わるかどうか?」ということです。

まずは自分で理解できることが大前提となりますので、一旦自分の中で文章を読み返します。それで筋道がたっていると思ったら文章として書いたり口に出したりしてみましょう。書いたものはすぐ反応が返って来ない場合もありますが、会話の場合は何らかの反応が返ってきます。その時のやりとりがスムーズにいったならば、文章が上手に伝わっているということになります。

書いたものについても読み手の反応があり、良いにしろ悪いにしろ感想が返ってくれば何かしら伝わるものがあったということです。これは少し難易度の高い改善方法となりますが、独りよがりな文章ではなく誰かに伝えるということを意識するだけで、自然と文章は分かりやすいものになっていくでしょう。

文章力向上のコツ

ここまでは文章力の上げ方の基礎として、文章力がない人の改善方法を解説してきました。それを踏まえつつ、ここからは文章力を更に上げていくコツを見ていきます。

起承転結を意識する

少し長い文章を書く際に大切になっていくのが「起承転結」です。

まず「起」は文章の書き出しです。序文、とも言われます。文章のはじめですので、文章全体がどういった内容なのかという簡単な説明や、どうしてこの文章を書き始めたのかといった理由など、その後の文章で何が起こるのかを想起させるようなものが適切です。ここで先に結論を提示しても構いません。

次に「承」です。「起」で書いたもののに対し、更に具体的な内容を書き連ねていきます。結論を先に書いた場合は何故そうなったかの理由を書いていきます。

「転」では「承」に対する問題点を挙げたり、関連はしているものの少し違うアプローチからの話題などを書きます。

そして「結」では文字通り文章全体をまとめる内容を書きます。「結」で大切なのはそこで文章がきちんと終わりを迎えていることであり、中途半端なまま終わらせないよう気を付けていきます。

このように起承転結を考えるだけで、文章全体の構成がしやすくなります。

伝えたいテーマからぶれない

起承転結がある程度理解できたら、次は具体的に書きたいテーマを考えていきます。文章の中で伝えたい目的やキーワードがあるならば、そこからぶれていかないことが大切になります。

例えば「パソコン」をテーマにして文章を書くことにしましょう。なのに途中でパソコンではなく、料理や石けんの話が出てきたらどうでしょうか?パソコンに関連した文章であれば良いのですが、全く関係のない余談であるならば必要のない文章と言えます。

何かしら目的を持って文章を書く際には以下の方法から始めてみると書きやすくなります。

見出しを上手に使って内容を分かりやすく

まずは伝えたいテーマやキーワードを箇条書きで書きだします。最初に大きなテーマを一つ決めて、それに関連したキーワードを考えていきます。キーワードはいくつあっても構いません。多ければ多いほど文章が書きやすくなります。

次に書きだしたテーマやキーワードで見出しを考えます。はじめは何も考えず文章の中で扱ってみたい内容を箇条書きでどんどん書いていきましょう。そしてどの見出しが必要で、どの見出しが必要ないかの取捨選択をします。最後に見出しの順番を起承転結に合わせて考えると、テーマに沿った文章構成がある程度出来上がっていることでしょう。

見出しが出来上がったら、それぞれの見出しの中で書きたい内容を箇条書きにしていきます。そこまでいくと文章の概ねの道筋が決まってくるので、あとはそれをどこまで文章として膨らませていけるかという話になってきます。

いきなり冒頭から文章を書き始めてもテーマの軸がぶれがちです。自分の書きたいことが何だったのか迷ってしまわないよう、見出しを上手に利用していきましょう。

視点・語尾は統一する〜視点の統一

ここからは小さなテクニックをご紹介します。まずは視点と語尾についてです。

視点については一人称(私・自分・僕)や三人称(一般的な視点・主語が私などにならないもの)があります。これは特に必要がなければ統一していきましょう。これは特にブログや小説などを読みやすくするテクニックです。

ブログの大半は自分の視点で書かれていますので基本は一人称となりますが、「私」で書き始めたのならばなるべくその後も変えない方が読みやすいでしょう。

小説では主人公の視点で進んで行くものは一人称が使用されるケースがあり、また物語の途中で視点が切り替わっていくものについては三人称、例えば「太郎は○○した」「花子は○○だった」となりますが、それらが混ざると読みにくくなってしまいます。

視点・語尾は統一する〜語尾の統一

語尾については「です・ます」と「~だ・~である」が代表的です。

「です・ます」は柔らかい印象を持たせる文章、今お読みいただいている文章のようなものに使うと丁寧で親しみを持ってもらいやすいイメージになります。

「~だ・~である」はどちらかというと断定的な語尾となりますので、レビューなどはっきりした根拠がある文章に向いています。

こちらも例えば「このパソコンは非常に使いやすいです。だがキーボードは打ちにくくて困るのだ」という文章はいかがでしょうか?意味こそ伝わりますが、統一感がなく少し読みにくく感じます。

語尾についてはもう一つ読みやすくするポイントがあります。それは同じ語尾を繰り返さないということです。「私は潔癖気味である。だから私は掃除が好きである。中でもトイレ掃除が大好きである。」という文章を例にとります。全て「~である」が語尾の文章です。これでも意味は通りますが、ここは次のように変えてみましょう。

「私は潔癖気味である。だから私は掃除が好きだ。中でもトイレ掃除が大好きである。」二つ目の「~である」を「~だ」に変えただけなのですが、それだけで文章の読みやすさが変わってきます。

このように視点や語尾についても書く内容に合わせて予めどうするか決めておくと、読みやすい文章が書けるようになります。

同じ言葉や表現をなるべく繰り返さない

文章中で同じ言葉や表現を繰り返さないことも文章力を上げるコツの一つです。

例を挙げますと、「私は具合が悪く、私は特にお腹の調子が悪いです」という風に主語を繰り返すのは少しくどい印象があります。これは「私は具合が悪く、特にお腹の調子が悪いです」とまとめてしまうとスッキリします。

またこのような例もあります。「私はお腹が痛くて病院に行きたかったけれど、お腹が痛くて病院に行くほどの痛みではないと思った」と同じ事柄を繰り替えす場合です。こちらは「私はお腹が痛くて病院に行きたかったけれど、それほどの痛みではないと思った」といった風に、二度繰り返す意味のない言葉や文章は消して整理してしまったり、類義語に置き換えてしまうと読みやすさがアップします。

長すぎる文章は短く区切る

文章を書くのに慣れてくると、ついつい文章が長くなってしまいがちです。こちらも例文を見てみましょう。

「私は仕事から疲れて帰ってきたのに、弟がゲームで遊んでくれとせがんてきて、今日は疲れていてゲームで遊ぶ気になれないからまた明日と頼んでみたけれど、今日じゃないとクリア出来ない部分があるから、絶対遊んで欲しいとお願いされてしまった。」

意味はきちんと通っていますし、文章として読めないことはありません。ですが一文としては少々長い印象を受けます。こちらは次のように直してみましょう。

「私は仕事から疲れて返ってきたのに、弟がゲームで遊んでくれとせがんでくる。今日は疲れていてゲームで遊ぶ気になれないからまた明日と頼んでみた。でも今日じゃないとクリア出来ない部分があるから、絶対遊んで欲しいとお願いされてしまった。」

長い文章には必ずどこかに意味の区切りを付けられる部分があるのです。そこを見つけて上手に区切ってあげるとテンポの良い文章になります。小難しく長い一文を書くよりも、短くても意味の通じるものの方が文章力が高いといえるでしょう。

文章力のトレーニング方法

ここまで文章力がない人の改善方法と、文章力を上げるコツを見てきました。次は実践編ということで、改善方法やコツを元にして実際にどんなトレーニングをしていけば文章力を高めることが出来るのかをみていきましょう。

本や新聞を読む

改善方法と重複しますが、やはり本や新聞を読むことが文章力を上げるための第一のトレーニング法になります。電子書籍を利用されている方も増えているので、媒体はアナログ・デジタルを問いません。

本を読むことで文章の書き方の基礎であったり、表現力や語彙力といった文章を膨らませる部分にも触れることが出来ます。

また本の内容は文章のお手本になります。文章を書いてみる時に、読んだ本から真似をしてみることからスタートしても構いません。プロの書いた文章はどんなテキストより勉強になります。ただ真似しすぎると作者独特の癖が自分にもついてしまう場合があるのです。自分のオリジナリティが消えてしまう可能性があるため、真似は文章を書くことにに慣れるまでにしておくのがよいでしょう。

人と会話する

人に自分の言いたいことを伝えることもまた、文章力の一つということは先にも説明しました。人と話すのが苦手という方もいらっしゃいますが、文章力を上げるためにも会話は良い機会となります。

自分の考えを正しく伝えられる文章を考えて話すことも大切ですが、相手の話を聞くことも大切です。話すのが上手だと思う人がいたら積極的に話を聞いてみましょう。話が上手な人ほど起承転結がしっかりしていたり、内容が簡潔にまとまっていたりするのです。そうして互いに会話を繰り返していくことによって、自然と文章力を上げていくことが出来ます。

毎日ブログ・日記を書いてみる

改善方法の項目で三行日記というものをご紹介しましたが、上級編へステップアップしてみましょう。

まずブログについてです。ブログは実はWEB-LOG(うぇぶ・ろぐ)というものの略で、WEB上で書かれる日記というのが原点となっています。ブログをオススメする理由としては、他人に見て貰うことを意識することによって、ブログを書く時に、より人に伝えやすく書こうと考えやすいからです。

しかしここで大事なのは内容ではなく、「毎日書く」という点です。はじめは三行日記より少し長いぐらいで構いません。日記に限らず、買ったものについて感想を詳しく書いてみたり、ブログに掲載した写真について解説してみても良いです。大切なのはそれよりも「毎日文章を綴る」という行為そのものなのです。

人に見られるのが恥ずかしいという方は、日記帳を一冊買ってみて日記を付けてみましょう。とはいえこちらも内容は日記に限定しなくて大丈夫です。例えばその日のプロ野球の結果について思う事を書いても良いでしょう。書きたいことを書きたいだけ思いっきり、でも毎日書いてみます。

続けるということは日々勉強と同じこと。最初の頃は何を書いたらいいか迷うこともあるでしょう。はじめは下手でも仕方のないことです。しかし日々の鍛錬は確実に文章力を付けてくれます。

テーマを決めて記事を書いてみる

ここまでのトレーニングを進めていると徐々に文章力が付いてくるのが実感出来てきます。そこで実力を測る意味も含め、長い文章に挑戦してみましょう。記事といっても難しく考える必要はありません。テーマに対するレビューといった内容でも大丈夫です。

テーマも身近にあるもので充分です。いつも使ってる家具であったり、行ったことのある観光スポットであったり、自分の書きやすいテーマを選びます。文字数としては3000字~10000字程度を目安に、短いものからチャレンジしてみましょう。

記事の書き方としては、「伝えたいテーマからぶれない」の見出しの作り方が参考になります。見出しは7~10個程度からはじめると良いでしょう。起承転結に気を付けた見出しが出来上がったら、各見出しに対して300字~500字程度の文章を書いていきます。すると気が付けば3000字程度の記事が出来上がるのです。

これは見出しを特別作らない文書にも流用出来て、見出しを文章の区切りとして書き直すことにより、一つの長い文章として組み立てることが可能になります。あとは一つの記事の文字数を徐々に増やしていき、10000字程度の文章が楽に書けるようになったら、自分に文章力がないとは思わなくなっていることでしょう。

誰かに読んでもらって感想を貰う

文章力向上のトレーニングの最後の仕上げは、自分以外の人、出来れば直接感想を貰える知人に文章を読んでもらうことです。いくら「自分で文章力が付いた!長い文章も苦手じゃなくなった!」と思っていても、書いた文章の内容が他の人に上手く伝わらなければ本当に文章力が付いたとは言えないでしょう。

読んでもらう文章はブログでも良いですし(このため先ほどトレーニング法にブログを挙げました)、レポートや記事、書ける方であれば小説といった物語形式のものでも構いません。とにかく書いたものを読んでもらい、感想をもらうということが大切です。

その際、感想はなるべく細かく、更に言うと厳しめに貰えると良いです。自分で見えていなかった文章の問題点が見つかるでしょう。感想はメモを取っておき、それを元に文章を見直します。見直したものも再度読んで貰えると効果的です。書いた文章の内容が相手に正しく伝わっていれば、確実に文章力が上がったといえるでしょう。

文章力はどんな場面で使える?

ここまで文章力を付ける方法を解説してきました。ではその上がった文章力はどんな場面で有効に使えるでしょうか?具体的な例をいくつか見ていきます。

社内文書・資料作成・プレゼンテーションの場でも

まずは文章力をビジネス面で活用出来る場面を見ていきましょう。基本的な所では社内及び社外向けの文書作成です。今まで迷っていた部分も文章力があれば書きやすくなるでしょう。

そして会議などで使用する資料作りやプレゼンテーションの場でも文章力は大いに活躍してくれます。まず筋道の立った良い資料を作ることが出来るようになります。そしてそれを実際に発表する場で、相手に内容が伝わるような文章力を持って発言することが可能です。

ブログ・レビュー・小説の執筆

続いてブログやレビュー記事の執筆です。仕事だけでなく趣味でも活用することがあるものですが、文章力があるとより相手に伝わりやすく読みやすい文章で執筆することが出来ます。

また小説の執筆にも文章力は欠かせません。小説は登場人物や物語を自分で産みだすという点で少々ハードルの高い文章となります。しかし基本的な文章力があれば登場人物や物語をスムーズに動かすことができるようになるのです。

人との会話・コミュニケーション能力の向上にも

文章力は人との会話でも大切であるというのは先にもお話しましたが、文章力があれば筋道を立てた話し方が出来るようになります。会話が弾むことにより円滑な交流を図ることが出来て、コミュニケーション能力の向上も可能です。文章力が向上すればするほど相手の話をよく聞けて、こちらの話もよく聞いてもらえるようになります。

文章力が身につく本

文章力について色々解説してきましたが、本としてしっかりとしたものが読みたい!という方にオススメのものをいくつかご紹介します。

~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~ 

マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~  前田 安正 (著)

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%82%B8%E6%96%87%E7%AB%A0%E6%9B%B8%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%93%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%A9-%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E3%83%99%E3%83%86%E3%83%A9%E3%83%B3%E6%A0%A1%E9%96%B2%E8%A8%98%E8%80%85%E3%81%8C%E6%95%99%E3%81%88%E3%82%8B%E4%B8%80%E7%94%9F%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%81%AE%E6%96%87%E7%AB%A0%E8%A1%93-%E5%89%8D%E7%94%B0-%E5%AE%89%E6%AD%A3/dp/4479795863/ref=sr_1_6?ie=UTF8&qid=1500860920&sr=8-6&keywords=%E6%96%87%E7%AB%A0%E5%8A%9B

こちらは文章のプロである新聞社の校閲記者さんが書かれた文章講座の本です。基本的な文章の書き方から実践までを総合的にフォローされています。軽めのノリのタイトル通り、文章が苦手な人に非常に読みやすい構成で書かれています。

就活生にエントリーシートの指導をする物語仕立てで書かれているので、就活をしている方にもオススメです。

言いたいことが伝わる上手な文章の書き方

言いたいことが伝わる 上手な文章の書き方  安藤 智子 (著)

https://www.amazon.co.jp/%E8%A8%80%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E4%BC%9D%E3%82%8F%E3%82%8B-%E4%B8%8A%E6%89%8B%E3%81%AA%E6%96%87%E7%AB%A0%E3%81%AE%E6%9B%B8%E3%81%8D%E6%96%B9-%E5%AE%89%E8%97%A4-%E6%99%BA%E5%AD%90/dp/479804492X/ref=tmm_hrd_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=1500860920&sr=8-3

こちらはタイトル通り「文章を相手に伝えること」を重視しています。単純に文章を上手に書くだけでなく、相手にいかに伝えるか…つまり文章力を上げるためにはピッタリの一冊です。

インターネット時代、特にSNSにおける文章力にも注目している点は、普段SNSを利用していても「反応がイマイチ…」と思っている人には非常に効果的です。「誰かに自分の文章を読んで欲しい!」と思っている人にオススメの一冊となります。

様々な場面で応用が効く文章力を身に着けよう!

「文章力がない…」「文章が苦手…」と自信を失っていた方でも、文章力は様々な方法で上げることが出来ます。そして一度身に着けることが出来た文章力はそう簡単には衰えないものなので、あなたの貴重な財産となってくれるでしょう。

文章力を上げることが出来た方は文章を書くことが楽しくなってきているはずですので、それを発揮できる場面を見つけることが出来れば大いに活躍することが出来ます。文章を書くことから人との会話まで、様々な場面で応用が効く文章力。少しずつ身に着けて活躍の場を広げていきましょう。

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