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返報性の原理・コミュニケーション/人間関係の返報性の例

Author nopic iconkuritch
人間関係 / 2017年08月31日
返報性の原理・コミュニケーション/人間関係の返報性の例

お返しの文化「返報性」が成り立っている日本

返報性の原理と日本人

昔から日本のカルチャーとして根付いている心理の一つに「返報性」と呼ばれるものがあります。

毎日の暮らしの中で、人は全く一人で誰とも顔を合わさずに生きることなど、おそらく不可能に近いはずです。知り合いであろうと見ず知らずの他人であろうと、一日の中で人と人とが交錯し続けながら、世の中は成り立っています。返報性の原理も人と人同士の関わり方の中から、次第に習慣化していったものなのです。

返報性の原理はアイデンティティ

昔の日本人の多くには返報性の原理が働いていました。誰かに物を頂いた場合や困っている時に何かをしてもらい助けてくれた場合には「恩」を感じます。

ゆくゆくはその「恩返し」をするという良い習慣がありました。それは日本人のアイデンティティとして、美徳の一つになっています。返報性の原理によって育まれてきた文化や風習は、徐々に歴史の流れの中で希薄にはなってきましたが、今現在も残っています。

返報性の原理についての概要

元々ある義理や人情こそ返報性の原理

返報性の原理とは具体的にどのようなものかご存知でしょうか?人から何かしら親切な施しがあると、受け手は当然感謝をします。やがてその分の「お返し」をいつかしようという心理が働きます。お礼のお返事や行為をする心理作用のことを「返報性」といいます。

人が本来持っている義理人情というものも返報性の原理と同様です。日本人は特にこの返報性の原理によって築き上げた文化が成り立っている面が多く、それが良さでもあれば欠点でもあります。

日常会話の中にある返報性の原理

有形のものに限らず無形な場合も返報性の原理は働きます。例えば近所や知り合いとの何気ない会話、その内容の濃さというのも関係しているのです。

よく、話のネタがなくその日の天気の状況から会話をし出すというケースは多くの方が経験しているでしょう。それは会話の内容が希薄なので、とりあえず無難なネタを振っているという現状です。天気ネタには天気で返してしまうでしょう。もっと深い内容の会話なら、相手のほうも真剣に聞くものです。

言葉や会話は生活に関わる大切なものです。相手の立場を考慮し、見返りやお返しに翻弄されない、本当の付き合い方こそ健全です。

恋愛コミュニケーションで働く返報性の原理と事例

恋愛関係の中では返報性の原理が顕著に現れます。パートナーと幸福な人生を歩めるかどうかは、返報性の原理をいかに働かせて日常で活かせるかにも関係があります。ここでは恋愛に関わる返報性の原理について解説いたします。

年間行事の中にある返報性の原理

恋愛の関係で身近にあることが、毎年の行事と化しています。それは「バレンタインデー」「ホワイトデー」といったイベントがそれに該当します。

例えばバレンタインデーで、近年では義理チョコのほうが主流になっているのは、どちらかと言えば普段お世話になっている方々へのほんの気持ちとして、ホワイトデーはチョコレートをもらったお返しをするルールとして成立しているからです。

恋愛にて返報性の原理を働かせるには?

上記のようなバレンタインやクリスマスなど、イベントに絡んだプレゼント攻撃を相手にするというのは、返報性の原理を応用した方法です。これは結構な度合いで恋愛感情のある人は積極的に行えるはずです。躊躇せずまずは好意を抱いた相手にプレゼントをあげてみましょう。その上で相手の反響を確認することをおすすめします。

恋愛での返報性の原理、その注意点

しかし、返報性の原理を恋愛の中で使う際は注意しなくてはならないことがあります。

必ずしも相手の気持ちに「見返り」「お返し」の心境が芽生えるとは限らないということです。100%成就するとは言い切れないことを自覚し行動する。これをはき間違えてしまい近年起っているのがストーカーなどのトラブルです。

相手の心までは変えられない場合があります。見返りを求めず自分が楽しむ程度で、相手を喜ばせるよう考えて行動しましょう。

その他人間関係にて働く返報性の原理と事例

お中元やお歳暮は昔から返報性の原理を応用している

人間関係やコミュニケーション全般で返報性の原理が影響していることの一つは、お歳暮・お中元の時期での贈り物のやり取り、年賀状などがあります。

いずれも「頂いたら、頂きっぱなしは相手に失礼」という考えが働くからです。慌ててお返し・お返事をするという習慣が延々と繰り返されています。これは善し悪しもあって、きりがないという人もいます。そのようなお返し合戦にあえて参戦しないご家庭なども増えてきています。

スーパーの試食コーナーの人員配置

スーパーやデパート等で行われている試食コーナーは、もはや当然のように設けられています。無料で食品提供し、その味を確かめてから購買を判断するやり方です。

その試食コーナーに店員配置をするか否かでも結果が違ってきます。店員配置した場合は声掛けをしたり直接食品を手渡すなどの営業行為をすると、顧客は商品を買わなければいけないという気持ちになることがあります。

逆に無人にした場合、単なる試食だけで素通りされてしまうケースが目立つようです。返報性の原理は人同士が何かアクションを起こして成立します。

SNSこそ返報性の原理で成り立つ

FacebookやTwitterでメッセージやコメントや「いいね!」をもらうと、その相手へのコメント返しや、投稿そのものにも「いいね!」を押してあげるという心理が働きます。これも返報性の原理です。SNSが拡散している理由は、まさに返報性の原理を利用した戦略だからです。

返報性の原理の実験例

デニス・リーガン博士の実験

美術鑑賞に行った二人一組のうち片方をサクラにします。休憩時間にサクラが席を立ち、飲み物を買って戻って来るのが実験のおおよその流れです。1つ目のパターンとして、サクラは「自分の飲み物だけ」買ってきます。そして2パターンめでは、サクラは「被験者の分の飲み物も」買ってきます。

その後、被験者へサクラが宝くじの購入を持ちかけます。すると、1パターンめでの被験者の宝くじ購入枚数は平均1.0枚だったのに対し、2パターンめでは平均1.9枚になりました。これは相手の分の飲み物を買ってきた場合、自分の時だけよりも約2倍の差が出ているということです。

この実験で見えてくる返報性の原理とは?

この実験にて、サクラは被験者の意志とは無関係に、一方的に飲み物を買って手渡しています。

もしかしたら被験者は飲みたい気分じゃなかったかもしれないのですが、そこにはお構いなしに購入しています。しかしその場合でも、被験者からすれば自分を気に掛けてくれたという好意的な判断をしたことになるのです。

その為お返しをしようという心理が働き、宝くじを買っています。返報性の原理の面白い点は「一方的な意思で恩を着せても、その何倍もの見返りが期待できる」ということです。

返報性の原理を利用したマーケティングについて

返報性の原理は応用されて日常生活に溢れています。多くの消費者は無意識にそれを利用し、または利用されています。社会は今や返報性の原理と併行している部分が多いのです。

返報性の原理はテクニックであると自覚しよう

返報性の原理は商品の購買意欲を駆きたたせる、ある種のテクニックとして応用されています。特にマーケティング戦略の要素として、「フロントエンド商品」と呼ばれるものがあり、最初に無料で支給し、その見返りを待って顧客を集めるというものがあります。

ネット上の人気集めも返報性の原理

他にもブログやメルマガの読者集めや、SNSの友達集めにも同じような事をする傾向があります。投稿内容に関わらず「いいね!」を付けまくってみたり、読者登録をしまくって、先に恩を売るようなことをする人達もいます。

このような傾向を感じたら、是非考えていただきたいのは、お返しを前提にした賞賛が果たして本当の評価とは言えないということなのです。見返り目的でのいいね的な褒め言葉に付き合うほど、今のあなたは虚しさを覚えてはならないということです。

返報性の原理の対策

返報性の原理を突き動かす力は「見返り」というものが働くからです。その為、あらゆる営業テクニックの中で応用化されているのも事実です。必要に応じていたり、健全なものであれば問題はないでしょうが、悪意があってその隠れ蓑として返報性の原理を使う輩も存在します。ここでは返報性の原理の手口に引っかからない心構えや対策についてご説明いたします。

相手の好意は受けつつ、真に受けない

どうしても日本のカルチャーはお返しお返しの連続で成り立つことがあります。必要もしくは程度の差を考慮して返報性を利用することは大事ですが、どう見ても関係性が薄いことには、返報性の原理を深く考えないほうが適切です。つまり何でもかんでも「お返ししなくては」という気持ちを無くすようにしましょう。

強い意志で最初から断ること

もし相手から貰いものや贈り物をいただいたとしても、その人との関係性が把握できないようであれば、思い切って無視しておきましょう。「お返しをしなくては」という気持ちをぐっとこらえて封じ込めるのです。

しかしそれが難しいというのなら、すべて公平に頂き物は最初からしないというポリシーを確実に相手へ伝えるほうがいいかもしれません。そのような一貫性を持つことは、返報性の原理の悪用から身を守ります。

返報性の原理についての書籍

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

姑息な営業テクニックなどについ騙されやすかった著者が、人の購買意欲に関して言及した名著と呼ばれています。

元々は騙されやすい人たちへの警告の意味で発行したものの、逆に世のマーケッター達に称賛され、商品サービスのマーケティングを謳った指南書として読まれ続けている人気の本です。この本にて返報性の原理に関する詳しい内容も盛り込まれ興味深いことが書かれています。

他の生物にも返報性の原理が働いている

見落とされがちなのが、返報性の原理は人間だけのものではないということです。実は動物や植物にも返報性を働かせる特徴が備わっているのです。

例えば、ペット(特に犬)は飼い主に忠実で彼らのほうから裏切ることはあり得ません。

仮にライオンなどの猛獣でさえ、子供の頃に可愛がってくれた人間のことを覚えていて、運命の再会をし無邪気にじゃれているシーンなどをテレビの特番でも視たことがありませんか。

返報性の原理は、人に限らず自然界すべてのなかで健全に活かされていくと、必ず恩恵をもたらしてくれます。

返報性の原理を理解し正しく実践しましょう!

以上が返報性の心理についての解説でした。お返しや見返りを求めるのが人の心理です。そこを応用して戦略的にしている商品なども結構出回っています。

自分にとって必要最低限なものであればいいのですが、過剰に考え過ぎてしまうと大変なことに陥ってしまいますので、返報性の原理は程々に取り入れましょう。むしろそのほうが円滑な人間関係が作れます。