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いい人ぶる人の心理・いい人をやめる方法・参考になる本

いい人ぶる人の心理

どんな人からも嫌われないように気を使い、いつも笑顔で、大変なことでも引き受けてしまう。そういういい人、あなたの周りにはいませんか。もしかしたら、あなた自身がいい人を演じている可能性もあります。いい人ぶる人には、どのような心理があるのでしょうか。

八方美人で拒絶されるのが怖い

いい人ぶる人は、八方美人でどんな人にもいい顔をしようとします。それは、いい人ぶる人が、どんな人からも好かれたいと思っているからです。

世の中100人の人がいたら、自分と気が合う人は1割いるかいないかくらいでしょう。また反対に、自分と気が合わない人も同じ程度いるのが普通のことです。自分と気が合わない人の中には、自分が何を言ってもどう行動しても、必ず難癖をつけてくるような人がいます。

いい人ぶる人は、こういった難癖をつけてくるような人からも好かれたいと思っています。誰からでも好かれている自分を、自分自身だと思い込んでいるからです。そのため拒絶されたり否定されることを恐れ、人に合わせようとします。

我慢することが美徳だと思っている

いい人ぶる人の中には、小さい頃から親等に、我慢することが美徳であると教え込まれている人もいます。また自分が多少損をしてでも、他人のために尽くすように言われていることもあるでしょう。

確かに忍耐強い人は、最後まで自分の目標を遂げられることも多いはずです。また、自分を顧みずに他人に尽くしてあげることで、他人から大きな信頼を得られることもあるでしょう。

けれども我慢しているというのは、結局自分を偽り、無理をしているということです。いつの日か鬱積したその気持ちが、爆発してしまうことも十分あり得ます。我慢強いことは必ずしも美徳とは限らないことを、いい人ぶる人は心に留めておく必要があります。

頼まれごとを断るのが苦手

いい人ぶる人は、ただ単に頼まれごとを断るのが苦手なだけということもあります。頼まれごとを上手に断るのは、ある意味技術が要ります。また、非常に気を使います。断り方を間違えると相手からの印象を損ねてしまいますし、何度もしつこくお願いされたりすると、断り続けるのが面倒くさく感じてしまうこともあるでしょう。

いい人ぶる人は、いつも他人からのお願いを引き受けてしまいがちなので、相手の機嫌を損ねずに上手く断った経験が浅くなりがちです。そのため、上手に断り切れずに嫌な思いをしたりして、結局引き受けることを選択します。しかし、引き受け続けることによって自分の首を絞め、苦しい思いをしている人もいます。

平和主義

いい人ぶる人は、派閥を好みません。どこかの派閥に与したりすることなく中立で、平和な立場でいたいのです。そのためいい人ぶる人は、誰かの悪口が話される場面では当たり障りのない返答をしたり、時に悪口を言われている人の肯定的な側面を口にすることで、悪口を言われている人の評価を持ち上げようとします。

悪口を言っている人からすると、「いい人ぶっちゃって」といけ好かなく感じることもあるでしょう。いい人ぶる人の中には人間を性善説で見ている人もおり、自分が相手を嫌いにならなければ、相手からも嫌われるはずが無いと単純に信じている人もいます。そういう点でいい人ぶる人は擦れておらず、素直な人とも言えるでしょう。

他の人から「いい人」と言われたい

どんな人でもどうせ人から何か言われるのであれば、「いやな人」よりも「いい人」と言われた方が良いと思うでしょう。いい人ぶる人は他の人から「いい人」と言ってもらいたいがために、無理を押してでも他人のお願いを聞いてしまうことがあります。

いい人ぶる人が「いい人」と言われたいその心理の裏には、承認欲求の強さが隠されています。いい人ぶる人は、自分で自分を中々認められないところがあったり、世の中の人からもっと自分を認めて欲しいという気持ちがあります。

他人から感謝されると、心のある部分がじんわり温かくなるでしょう。そうなると、自分の存在意義を強固なものにしてくれます。いい人ぶる人はそうやって、自分の存在を確認しているのです。

いい人をやめると楽になる?

いい人でいることは、常に周囲に対して気を使っている状態で、疲れてしまうこともあります。いい人ぶるのをやめると、他人の期待を背負い込む必要がなくなるので、楽な気持ちで過ごすことができます。また自分の気持ちを偽らず、自分らしく生きていくことも可能になるでしょう。

けれども、何がしかのメリットがあるからこそ、いい人ぶる姿勢を選択しているのだということが言えます。いい人でいるのには、どのようなメリットがあるのでしょう。また、デメリットとしてはどのようなことが挙げられるのでしょうか。一緒に見てみましょう。

いい人でいるメリット

いい人でいるメリットは何と言っても、「あの人はいい人だよ」と多くの人から言ってもらえることです。自分が知らないところでも他人があなたのことを宣伝してくれ、初めて会う人からも、肯定的に接してもらえることが多いのではないでしょうか。

またあなた自身も、自分を肯定的に捉えられるようになるでしょう。自分が他人のために何かをしたお陰で人の役に立てる喜びを感じ、日々の生活が希望と光に満ち溢れたものになります。物事のポジティブな側面を意識する機会が増えるので、様々なことに感謝できるようになる可能性があります。

もちろんデメリットも

いい人でいるデメリットは、人から利用されやすいということです。自分に近づいてくる人が、必ずしも皆悪意を持たない人ばかり、というわけにはいかないでしょう。中にはあなたのやさしさにちゃっかりと付け込んでくる人もいて、いい人ぶっていると他人の思惑に気が付きにくいということが言えます。

また、「偽善者だ」という言われの無い非難を受ける可能性もあります。あなた自身頼まれごとを抱え過ぎて、全く首が回らない状況に追い込められるようなこともあるでしょう。頼まれすぎてどれも中途半端にしかできず、最終的に相手からの信頼を損ねてしまったら、これこそ本末転倒です。やりきれるか算段した上で、引き受けるようにましょう。

いい人をやめる方法

あなた自身にいい人ぶる癖があったとしたら、あなたは普段、周囲の人とも大きな問題にもならず、良好な関係を保ち続けることができるでしょう。それは、いい人ぶる人が常に周囲に気を使い、適度な距離感を保っているからです。けれどもそれが続くと、時には辛くなってしまうこともあるのではないでしょうか。

ここではいい人でいるのが辛くなったあなたに、いい人をやめたいと思った時の、いくつかの方法をご紹介致します。

物理的に断らなければ仕方ない状況を作る

いい人ぶる人は「断ったら嫌な思いをさせるかも」と思い、人から頼まれた時につい断るタイミングを失ってしまいがちです。そして、自分が無理をすれば何とか大丈夫なのではと考えて、無理を重ねてしまいます。

いい人ぶる人にとって、何も予定が無いのに断るのは難しいものです。いくらそんなに気が向かないことであっても無下に断るのも悪い気がして、結局引き受けてしまうことが多いでしょう。

大事な先約など物理的に断らなければならない状況にあると、確固とした態度で断れる他、断ることに対する罪悪感が薄くなります。もしも中々断れなくて困っているのであれば、断らざるを得ない状況を、自分自身に作ることをお勧めします。

自分からもお願いしてみる

人間はギブ&テイクで成り立っているものです。自分だけが与え続ける関係でも、与えられ続ける関係でも、いつかそこには無理が生じることでしょう。

いい人ぶる人の中には、自分が他人から頼まれるのは良いのに、自分が他人に頼むのは苦手という人が結構います。そのような人は2つしかない両手に、抱えきれないだけ一杯のものを抱えて、がんじがらめの状況に陥ってしまいがちです。

人が生きている中で、本当に自分にしかできないような仕事というのは、実は驚くほど少ないものです。自分にしかできないようでいて、実は代わりになる物や人が見つかるものは、一杯あります。時には他の人に、あなたの抱えているものをお願いしてみましょう。

断る時には早い段階で断る

曖昧に返事をして返事を待たせてしまうと、相手もあなたが引き受けてくれるものだと期待してしまうこともあるでしょう。また直前に断られても、別の手段が見つからなくて、結局相手を困らせてしまう可能性もあります。

断る時には相手に期待を持たせないように、早い段階で断るようにしましょう。早い段階で断れば、相手はすぐに別の方法を探し始めることができます。それによって、相手が受ける被害も最小限のものになるでしょう。また、そうすることで、あなた自身に対する評価が下がるのもごくわずかにとどまるはずです。早めの行動が、相手に対する思いやりの気持ちや、誠意となるのです。

我がままと意見を伝える事の違いを知る

我がままというのは、周囲のことを顧みず、自分の都合だけで勝手気ままにすることを言います。これは自分本位の行動であり、相手を思いやる気持ちなどは微塵も無いでしょう。その一方で、自分の意見や思いを伝えることは、相手に「こうして欲しい」というビジョンを伝えることです。

この2つは「自分を出す」という点で似通ったところがありますが、いい人ぶる人の中にはこの2つを、明確に区別できない人もいます。そのため何か不満があったとしても、「自分のわがままだ」と勘違いして、自分の中に押しとどめてしまう人もいます。自分の意見や思いを伝えることは、我がままとは違います。自分の思いは周囲に伝えるようにしましょう。

いい人をやめるのに参考になる本

いい人ぶるのをやめたいので、もっと本格的に本を読んで、いい人ぶるのをやめる方法を見つけたいという人も、いるのではないでしょうか。ここでは、いい人ぶるのをやめたい人に参考になる本を、いくつか紹介します。

『いい人をやめる本』 伊庭正康著

ごきげんビジネス出版から2012年に出版された本です。著者はいくつかの雑誌でストレスのプロとして紹介され、注目されている人物であると言えます。「自分らしく生きる」ということが大切にされるこれから先の時代、他人につい気を使ってしまういい人は、中々自分らしく生きることが難しく感じてしまうのではないでしょうか。

本著では有名アイドルグループなど誰でも知っている例を挙げ、いい人をやめるための心の持ちようを、わかりやすく解説しています。35個提示されたレシピの中には、あなたにピッタリ合ったものも見つかるでしょう。副題の「素敵な大人になるための」というタイトルも、前向きな気持ちにさせてくれます。

『「いい人」をやめてスッキリする話】』 心屋仁之助著

性格リフォームカウンセラーとして、テレビや講演会などで引っ張りだこの、心屋仁之助さんの著作です。三笠書房から2016年に発売されました。

心屋仁之助さんの著作を読むと、何故か心が軽くなるような感じがする方も、多いのではないでしょうか。「努力は隠れ蓑」「そのままですばらしい」など目から鱗で、ページが進むたびに心が洗われた気持ちになること間違いなしの本です。

どんな人も、社会で上手に立ち回るには、仮面をつけていないとできないことも多いでしょう。けれども仮面をつけ続けていると、それが本当の自分の顔なのか、仮面なのかわからなくなる時がくるはずです。そんな心が苦しくなった時、ぜひ本著を手に取って下さい。

『「いい人」をやめる7つの方法』 緒方俊雄著

主婦の友社から2017年に発売された本です。「いい人は性格ではなく、病気です」という言葉には、ハッとする人もいるのではないでしょうか。著者は心理カウンセラーとして数百人の心の闇を見てきました。その結果、著者は「いい人」が個人が持ったただの性格というよりは、人格的な心の病であることを発見するのです。

本著の中では数人の例を出して、わかりやすく解説されています。例に出ている人たちは傾向性が強調されているので、極端に感じるところもあるかもしれませんが、誰しもが持つ傾向であると言えます。一見ごく普通に気遣いのできる「いい人」だけど、何か苦しそう。そういう生きづらさを持った人を、テーマにした本です。

もっと自由な自分でいこう

今回はいい人ぶる人の心理や、いい人をやめるための参考になる本等を紹介させてきましたが、いかがだったでしょうか。

いい人であること自体は元々、自分にとっても周囲の人にとっても、ポジティブなことであると言えます。けれどもその度が行き過ぎると、自分自身に辛さが生じてしまいます。自分自身に辛さが生じるのは、自分の心の中からのSOSのサインです。自分自身の心を知るバロメーターとして、辛い気持ちも上手く使えると良いですね。

また、どんなことでも、極端よりは中庸が良いでしょう。自分を抑え過ぎず、あなた自身の気持ちが自由に外に出せると良いですね。

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