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「こないだ」は方言?書き言葉の場合や日本語として正しいのか

Author nopic iconmuzina630
言葉の意味 / 2017年09月09日
「こないだ」は方言?書き言葉の場合や日本語として正しいのか

「こないだ」は方言?

何気なく使っている「こないだ」

普段、気にしないで使っている言葉なのに、実は方言で、違う地方に行くと全く通じない、という経験ありますよね。本や新聞で見かけない言葉は、実は方言かもしれません。

会話で数日前のことを「こないだ」と言ったりしないでしょうか。でも、本などでは「この間(このあいだ)」と書かれています。本に書かれているくらいですから、「このあいだ」が正しい使い方かもしれません。でも、身近な人も「こないだ」を使っているのをよく聞きます。もしかしたら、「こないだ」はこの辺の方言なのでは、と思えてきませんか。

方言にもいろいろなタイプがある

一口に方言と言っても、実は幾つかのパターンがあります。例えば、ある狭い地方で昔から使われている言葉。これは、その地方では年配の人から子供まで普通に通じますが、他の地方では全く通じません。

また、昔は日本中で使われていた言葉だったのに、長い年月が経つうちに使われなくなり、特定の地方に残った言葉。これは、九州と東北といった距離が離れた地方で、同じようなことば使われていたりします。また、最近特定の場所で使われるようになった言葉でなどもあります。

また、方言の中には、かつては特定の地方で話される言葉だったのに、テレビや映画の影響で、日本中で話されるようになった言葉もあります。実際、「こないだ」はテレビのバラエティやドラマでは聞いたりします。「こないだ」はこうやって広まった方言の1つなのでしょうか。

広島弁など

以前は、吉本興業の芸人さんがテレビに出ると、流暢な関西弁を駆使した面白い話で人気がありました。いまでは、関西弁を東京で生まれ育った人が真似するくらい一般的です。

また、昔流行った任侠をテーマにした映画では、広島弁がストーリーや映画の雰囲気にぴったりでした。映画を見た多くの人が真似をしたものです。

メディアの発達で、ある地方でしか通じなかった言葉でも、みんながいいなと思えば、日本中が真似する時代です。小さいころに気にしないで使っていた言葉が、これまで行ったこともないような地方の方言だった、なんてこともあるかもしれません。もしかして、「こないだ」もそんな方言の1つなのかな、と思ったりしませんか。

実は日本全国で使われている

方言かもしれない、と思える「こないだ」ですが、よくインターネットの掲示板にどこの方言か、といった質問が出ています。しかし、それに対して日本各地で使っているとのコメントが寄せられています。そんな、日本中で使われることばは、方言とはいえません。

実は、「こないだ」と同じように文章では見かけないものの、よく口にすることばがあります。たとえば、相手の話を否定するとき、「けど」という言葉を使います。しかし、これば文章では見かけません。そういう場合は、「けれども」と書かれています。日本語には、こんな風に音を短縮することばが幾つもあります。「こないだ」は、「このあいだ」の音を縮めた話しことばであって、方言とは言えません。

「こないだ」は話しことば?

インターネットで調べると、「こないだ」が方言かどうかの質問や記事が幾つも見つかります。そして、そのコメントを見ると日本各地で普通に使われている言葉で、どうやら特定の地方の方言ではなく、一般的な日本語だと解ります。

この「こないだ」はかなり以前から広辞苑にも載っている、日本全国で使われる一般的な言葉です。本などで見かける「この間(このあいだ)」が日本語の正しい使い方ですが、同じように会話で使われています。よく「このあいだ」は書きことばで、「こないだ」は話しことばと言われます。「こないだ」は全国的に使われている一般的な日本語の話ことばなのです。

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「こないだ」は広辞苑によると「コノアイダ」の約とありますね。
「こないだ」はもう随分前に固定している模様です。思えば私も言っていました!

「こないだ」は正しい日本語なのか

「こないだ」は辞書にも載っている

「こないだ」は、かなり以前から広辞苑にも載っているくらい定着している、一般的な日本語です。そのため、つい最近刊行された小説の中の会話でも使われています。ただし、「こないだ」は話し言葉なので、基本的に会話の中でしか使われません。正しい日本語は「このあいだ」です。

日本語には、書きことば話しことばとが違う、ということがあります。例えば、「物がいっぱいある」の「いっぱい」は、話しことばです。書きことばでは「多く」を使います。また、「でも、〇〇したい」の「でも」は、話しことばで、書きことばでは「しかし」や「だが」を使います。

「こないだ」のような話しことばは、くだけた表現が好まれるLINEのようなソーシャルメディアやブログではよく使われています。しかし、それを真似してビジネスメールで使うと失礼にあたるので、注意しなければなりません。

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こないだ〔こなひだ〕
出典:デジタル大辞泉
《「このあいだ」の音変化》
1 先日。先ごろ。副詞的にも用いる。「此間はお世話になりました」「此間会ったばかり」
2 近ごろ。最近。
「―は薩張 (さっぱり) お見限りですネ」〈二葉亭・浮雲〉

「こないだ」と「この間」はどっちが正しい?

インターネットの掲示板でも「こないだ」と「この間」はどっちが正しいのか、といった質問をよく見かけるのは、気になっている人が多い証拠とも言えます。結論から言うと、使い方次第でどちらも正しいのです。なお、紙やメールなど残る文章で使う場合は、書きことばの「この間」を使いましょう。また、話しの最中で使うなら、言い易い「こないだ」を使うのがおすすめです。

なお、「この間(このあいだ)」という言葉は、日本語の古典では「このあひだ」という言葉が元になっています。この言葉はかなり昔から使われている日本語なので、歴史的には「このあいだ」が正しい日本語と言えます。

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この-あひだ 【此の間】
名詞:①近ごろ。このごろ。
出典末広がり:狂言
「このあひだのあなたこなたの御参会」
[訳] 近ごろの、あちらこちらのご会合。
②先ごろ。先日。このあいだ。
③近いうち。近日中。◆中世以降の語。

縮約形の言葉

「こないだ」に似たような言葉として、縮約形の言葉が挙げられます。日本語には話しことばと書きことばがあり、話しことばには、縮約形が多いのが特徴です。この縮約形とは、ことばの途中の複数の音を縮めて、短くしたことばのことです。日常の会話でも何気なく使われており、テレビ番組でも注意して聞いていると、普通に使われています。

縮約形というと何か難しいもののように感じるかもしれませんが、いずれもよく聞くことばです。例えば、書きことばの「けれども」は、話しことばでは「けど」と言います。この場合、「れ」と「も」の2つの音を省略しているのです。

また、書きことばでは「そういうものだ」となるところ、書きことばでは「そういうもんだ」と言ったりします。この場合、後者の方がくだけた感じがして、親しみ感が持てます。「こないだ」も書きことばの「このあいだ」の縮約形と言えるのです。

「こないだ」の書き言葉

「こないだ」は話しことばで基本的に紙に書く文章には使われませんが、くだけた表現が好まれるケースでは、よく使われる表現です。例えば、小説の中の会話。親しい仲なら、「このあいだ」とするよりは「こないだ」とした方が自然です。

また、ブログでは、会話がそのまま文章になっていた方が表現が柔らかくなるので好まれます。さらに、LINEなどのソーシャルネットワークでは、会話がそのまま文字で送られます。そんな場合は、もちろん、「こないだ」をそのまま使って構いません。使う場所さえ気を付ければ、「こないだ」を書き言葉として使っても問題ないのです。

「こないだ」の敬語表現

LINEなどのソーシャルネットワークでは、話しことばを文字にして送るのが普通です。しかし、ビジネスにも使われるEメールでは、そうはいきません。ソーシャルネットワークと同じ感覚で話しことばを文字にして送ると失礼にあたることもあります。特に気を付けたいのは、お客様や目上の方に送るメールです。そういった場合は、敬語表現に気を使わなければなりません。

会話で何気なく「こないだ」と使っているからといって、メールにそれを書くのは失礼にあたります。「こないだ」をメールに書くなら、「この間」を敬語表現にしなければなりません。比較的使い易いのは「先日は」です。また、より丁寧な表現にしたいなら、「その節は」とか「その折は」といった言葉を使うといいでしょう。

Eメールに使う例

例えば、会話で次のような話をしたとします。「こないだのあの件、今どうなったか教えてよ。」これを、仕事の取引先にビジネスメールを送る場合、「こないだ」ではなく、「この間」を使います。「この間打ち合わせした件、今どうなっているか教えてください。」

さらに、お客様や目上の人に対して返答を依頼する場合は、敬語表現を使います。「先日伺った際に打ち合わせさせて頂いた件について、現在の状況の御連絡をお願い致します。」なお、ビジネスメールでこんな書き方は失礼にあたるので、注意しましょう。「こないだの件について、今の状況のご連絡をお願いします。」

「こないだ」のアクセントや発音

「こないだ」は、方言ではなく話ことばなので、アクセントや発音に注意することはありません。話の流れの中で言い易い言い方で構いません。とはいえ、この「こないだ」と方言を組み合わせた方言があります。

例えば、近畿地方では、「こないだうち」という言い方があります。これを漢字で書くと「この間内」で、ここ数日の中で、といった意味です。関西では、女性が自分のことを方言で「うち」と言いますが、これとはアクセントが違います。もしかしたら、「こないだ」と地方独特の言い方とを組み合わせた言葉があり、そのアクセントは他の地方の人には真似できないものだったりするかもしれません。

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こないだうち
但馬方言 こないだうち
共通語 ついこの間
用例 こないだうち市民会館で由美子さんに会ったで。元気げぇしとんなった(元気そうにされていた)。

場面に合わせて「こないだ」を使いこなそう

親しい人との会話でよく使われる「こないだ」という言い方について、まとめてみました。いかがだったでしょうか。「こないだ」という言葉は、日本全国で使われており、方言とは言えません。日本語には、会話でよく使われる話しことばと、本や紙に書かれた文章などで使われる書きことばとがあります。

話しことばの多くは、書きことばの音を省略した縮約形の言葉がよく使われるので、「こないだ」も元になった「このあいだ」の縮約形とも言えます。「こないだ」という言葉は、くずした感じが親しみを感じさせるので、会話以外でもLINEなどのソーシャルネットワークや、ブログではよく使われる表現です。

しかし、書きことばは会話の中で使われることばなので、ビジネスメールで使ってしまうと失礼にあたります。また、「こないだ」に無理やり敬語を付けても、変な表現になってしまい、これも失礼にあたるので気をつけましょう。「こないだ」は方言ではないので、使っても恥ずかしくありません。使う場面に合わせてうまく活用してみてください。

話しことばと書きことば

同じ意味でも話し言葉と書き言葉があります。
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