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情緒不安定か診断するためのチェック項目・症状・接し方

情緒不安定ってどんな状態?

最近では、些細なことですぐにイライラして不機嫌になったり、逆にひどく気持ちが落ち込んでふさぎがちになるといった、日頃から感情の浮き沈みが激しく、心の平静を保つのがむずかしいことで悩んでいる人が非常に増加しており、社会的にも問題となっています。

こういった「常に感情の起伏が大きく、心理的なコントロールが困難」という、日常生活に支障となる精神的な問題を抱えている人や、気持ちが動揺して常におぼつかない精神状態の事を「情緒不安定」と呼びます。

本人以外の誰にもわからない情緒不安定のつらさ

情緒不安定は本人だけにしか理解できず、そのため、つらい気持ちを無意識に外に出してしまうことから、情緒不安定な人と接する周囲の人は余計な気を遣い、次第にコミュニケーションが困難となり孤立してしまうなど、情緒不安定は社会生活において深刻な問題です。

さらに情緒不安定の人は感情のコントロールが困難なため、本人がおかしいと気づいても上手く対処することができず、余計に苛立ったり、或いは気持ちが深く沈み込み生きているのがつらいとさえ考えてしまいます。そんな情緒不安定の特徴や、診断方法、原因とその対処方法などを紹介していきます。

情緒不安定か診断するためのチェック項目

近頃、つまらないことですぐ感情的になり声を荒げてしまったり、または些細な失敗をしてもすぐにクヨクヨしてしまい、いつまでも落ち込んでため息ばかりついているという、日頃から気持ちが動揺して落ち着かないと悩んでいる人は、情緒不安定に陥っていると考えられます。

そんな時に便利な「情緒不安定セルフチェック表」をご紹介します。これを使って現在の心の状態を診断することで、あなたの情緒不安定度がわかります。

情緒不安定セルフチェック表

以下の50項目に当てはまる人は全てチェックを入れて下さい。

□1.仕事や家庭など現在の生活に将来の不安を感じている。

□2.些細な事をすぐ気にしてしまう。

□3.悩み事があっても誰にも相談できない。

□4.物事をネガティブ(悲観的)に受け止めてしまう。

□5.常に周囲の人の目が気になる。

□6.マイペースで仕事ができない(上司や周りのペースに合わせてしまう)。

□7.誰かに問題点を指摘されるとすぐに動悸が激しくなる(心臓がドキドキする)。

□8.職場などで孤立しがち(自分の居場所がない)。

□9.自分に関係がないことで不安やリスクを考え、よく口にする。

□10.愚痴をこぼすとつい長くなる。

□11.人をあまりほめず、悪口をいう事が多い。

□12.日頃からあまりよく眠れない、熟睡できない。

□13.就寝前に嫌な事ばかりが頭に浮かぶ。

□14.仕事に集中するとつい休憩も取らずにやり続けてしまう。

□15.何をしても満足感がない(完璧主義)。

□16.自分なりの仕事のルールを持っていない(家庭に仕事を持ち込まないなど)。

□17.よく「自分はなんのために生きているのか?」と考える。

□18.どちらかといえば運動不足。

□19.睡眠時間が短い(7時間以下)。

□20.食事の栄養バランスに無頓着。

□21.趣味といえるようなものが何もない。

□22.読書をしない、読むことがわずらわしい。

□23.がんばった自分に対してご褒美をあげる習慣がない。(欲しいものを買う、好きなものを食べるなど)

□24.月曜日がいつも憂鬱(週の仕事始め)。

□25.仕事をする前の日から重圧を感じてつらくなる。

□26.現実主義者でロマンティックな夢想はしない。

□27.周囲の人をうらやむ気持ちで卑屈になりやすい(どうせ私なんて)。

□28.誰かといる時と、一人の時ではまるで別人。

□29.周囲からいい人と思われるように常に演技をし、本当の姿を見せたくない。

□30.考えがあっても心の中にしまってばかりで、とても言い出せない。

□31.誰かといるより、一人で過ごす時間が多い。

□32.胃腸が弱く下痢気味、または下痢と便秘を繰り返している。

□33.朝起きるのがつらい。

□34.わけもわからず泣いてしまうときがある。

□35.現在持っている全てのものを捨てて、遠い所へ行きたい。

□36.結果を出せないとすぐ落ち込む。

□37.つらいことがある時、恋人や友人、親兄弟にも甘えることができず、すぐに大丈夫と言ってしまう。

□38.仕事に追われたりストレスを感じると皮膚にじんましんができることがある。

□39.自らに対して求める理想が高く、負けず嫌い。

□40.思い込みが激しく、何でもすぐにそうと決めつける。

□41.環境の変化を嫌い、職場の部署だけでなく座席の移動でさえ気分が動揺する。

□42.本当はできるのに、できないふりをする。

□43.やらなくてもいい仕事もしてしまう(他人の仕事まで)。

□44.「自分らしく」よりも「女性らしく」ありたいと考える。

□45.誰かにしつこく質問したり、納得がいくまで問い詰める。

□46.自己評価があまりに低い(自分はダメな人間だとすぐ考える)。

□47.物事をとらえる基準が極端すぎる(白か黒かで判断する)。

□48.経済的不安や結婚へのあせりを紛わそうと仕事に没頭する。

□49.何事もすぐに真に受ける(冗談が通じない)。

□50.嫌な事があると食欲、飲酒欲、購買欲を抑えられない。

診断結果:あなたの情緒不安定度は?

あなたの情緒不安定度を診断するために、全てのチェック項目を読み、その中から7つ以上の項目に当てはまるという人は、間違いなく「日常的に情緒不安定の傾向」が現れています。該当する項目の数が多いほど、より簡単に情緒不安定に陥りやすく、また20個以上のチェック項目に思い当たる人は、重度の情緒不安定と考えられるため注意が必要です。

でもご安心ください。これらのチェック項目を180°反対の方向に解釈しますと、全て「情緒不安定への対処法」に変わります。

趣味といえるようなものが何もない

日常生活で少しでも興味があることを見つけたら、それを少しだけ深く追求してみます。するとやってみたいと考えるものにめぐりあえる可能性が高いです。

自分は何のために生きているのだろうと考える

仕事や家庭など毎日の生活を今一度見つめなおし、世の中に対して何ができるのか可能性を探ってみます。そうすることで生きるために心強い支えとなる、人生の理念が見えてくることがあります。

わけもわからず泣いてしまうときがある

泣くことは決して悪い事ではなく、何かに葛藤していた心を開放し、それまで気づかなかった解決法が急に見えてくることがあります。時には好きなだけ泣くことも大切です。

睡眠時間が短い

普段の生活を見直し、睡眠が長くとれるよう生活サイクルを改善したり、睡眠に良い寝具や音楽などを使用して健康的な睡眠がとれるように工夫する、病院の睡眠外来を受診するなど、現在、睡眠を良くとるための方法がたくさんあります。

読書をしない、読むのがわずらわしい

文学に触れることは想像以上に有意義なことです。ただパソコンなどの端末や、書籍をひらいて見るだけですから、それほど面倒な事もありません。優れた作品にめぐりあえたら人生が変わることもしばしばあります。ロシア文学などです。トルストイやチェーホフなどは少しもかたくるしいものではなく、楽しめる作品です。
など、情緒不安定を改善し、心を安定させる方法が50項目もあるということです。これらの方法は、すぐにでも実践できる最も簡単な方法です。なんとなく「情緒不安定」かなと考え始めたら、ぜひ実行してみましょう。

メディシナル研究所の音楽療法科では、情緒不安定を始め、ストレスなど人の心に関する問題をチェックして診断し、その人に最適なヒーリング音楽などを紹介しています。興味のある方はこちらもぜひ利用してみましょう。

情緒不安定の人の症状

情緒不安定な心理状態では、何も特別な根拠はないにもかかわらず、将来に起こる可能性を頭に浮かべて、例えば病気になったり、事故にあったり、仕事で失敗したりといった不幸に対して、必要もないのに深刻に悩みます。

情緒不安定に陥った人は何の理由もなく、とにかく心配になったり、動揺したり、不安に考えてしまう気持ちが無意識に発生し、やめたくてもやめられない状態になります。そのために情緒不安定な人が悩みとする内容は、他の人の目から見れば意味のない事としか考えられません。

しかし情緒不安定な人のように、常時、心配事や不安事を抱えている状態では、精神的に大きなストレスとなります。いつでもイライラしたり、落ち込んだりしてとてもリラックスできません。

情緒不安定では心のみでなく身体的にも異常が現れる

このような状態が長期間続くと、精神的にはもちろん、肉体的にもさまざまな不調が現れます。ストレスによって全身の筋肉が常にし緊張し、ひどい首肩の凝りや緊張性の頭痛、手足のけいれん、腰や背中、関節の痛みなどとてもつらい症状が発生します。

強い緊張状態の継続は、さらに呼吸や睡眠にも大きく影響し、動悸が激しくなる、呼吸が浅くなって息苦しい、寝つきが悪い、眠りが浅い、睡眠障害などを引き起こす原因となります。これら情緒不安定によって起こる症状について具体的に説明していきます。

情緒不安定の症状①すぐに泣く

情緒不安定の症状で最も多いのは、すぐに泣くことです。子供と違って、成人になると通常は泣く機会は非常に少ないはずです。ですが情緒不安定の人は、些細なことが原因ですぐに感情が高ぶって、泣き出してしまいます。仕事でミスをして上司にとがめられた、彼氏にちょっと冷たいことを言われた、友達からつまらないことでダメ出しをされたなど、他愛のないことですぐに泣きます。

また情緒不安定の人は、職場や人ごみの中など公の場所でわんわんと泣き出してしまうのが特徴です。情緒不安定の人は人目もはばからず泣くことで、無意識に心に溜まったガス抜きをしていると考えます。誰でも泣きたくなるほどつらい時がありますが、それが頻繁に起こるのが情緒不安定です。

②すぐに怒り出す

情緒不安定な人の症状で次に多いのが、つまらないことですぐに本気になって怒り出すという症状です。人前ですぐに感情をむき出しにして怒り出すというのは、非常に大人げないという他にありません。それなのに、いつでもすぐ声を荒げて怒鳴り散らしてしまうというのは、間違いなく情緒不安定が原因です。

会社で、上司が部下に対して毎日のように怒りを露わに激しくこき下ろしたり、満員電車の中で見知らぬ人と口論してしまうというのは、情緒不安定の状態です。きっと日常的に大きな不安や悩みを抱えていると考えます。これがあまりに酷い人は精神疾患を患っている可能性もあります。こうして見方を変えると、すぐに怒る嫌な上司も労いの対象に見えなくもありません。

③感情の起伏が大きい

情緒不安定な人の特徴として、感情の起伏が大きいというものがあります。さっきまであんなにしょんぼりしていたのに、気がつくと急にハイテンションになったりします。ですが時間が経つとまた急激に気分が沈み込んで、黙りこくったりと気分がコロコロ変わっていきます。感情の起伏があまりにも激しい場合は、躁うつ病などが考えられるので、一度心療内科を受診すべきと考えます。

躁うつ病の場合に気をつけなければならないのは躁状態の時です。気分の落ち込み方が激しすぎると、その分ハイテンションになった時に何をするか分からないという危険があります。躁うつ病では気分の落ち込みが激しい時には自殺などの心配があり、注意すべきですが、感情の起伏の高低差が大きすぎる場合はより気をつけて観察すべきだと覚えておきましょう。

④自分の事で考え込みすぎる

情緒不安定な人は、常に必要のない不安や悩みを抱えていて、すぐ無意識に考え込んでしまいます。そんなつらい気持ちをつい外に出し、周囲にいる人を戸惑わせてしまいます。情緒不安定の人は時には悲しんだり、苛立ったり、また可笑しくなったりと色々な感情が心の中で揺れ動いています。その気持ちを言葉に表すのが苦手な人も多く、感情的な態度として表に出てしまいます。

情緒不安定な人の気持ちは他の誰にも理解できないため、周りで見ている人は、なぜイライラしているのかと不思議に感じます。本人はあくまで自分に対して感情的になっており、決して誰かに怒っているわけではありません。感情の起伏が大きすぎる時は精神疾患の可能性がありますが、少し気持ちの揺れが目立つ程度なら、そっとしておいてあげるのが良いでしょう。

⑤深夜に電話をしてくる

情緒不安定な人は、心の中にいつでも不安や悩みを抱えています。職場などで人と話したり、接する時間が長いと、自宅に戻ってから昼間のにぎやかさを思い出して、家で一人でいる静かさに不安を覚えます。やがてその不安が最大まで高まって、知り合いに片っ端から電話を掛けて話をしようとします。

それがたとえ深夜であっても、心の不安や寂しさで息が詰りそうになり、どうしても電話を掛ける手を止めることができません。相手の迷惑もお構いなしに、あちこちに電話を掛けてしまいます。

⑥パニックになりやすい

情緒不安定の人は、不安や悩みによるストレスで常に心が圧迫され、非常に複雑な心理状態に置かれています。周囲の人からすれば、どうしてそうなるのと考えることが、情緒不安定な人自身もなぜそうなったのか、見当がつきません。そのため仕事などで些細な失敗や、誰かから言われたなんでもない言葉にすぐ感情的になり、泣き出してしまいます。

決して、泣いて見せればこれ以上言われないだろうという狡猾な考えではなく、心が動揺してどうすればいいのか分からなくなって、パニックを起こしてしまうため泣いてしまいます。もしあなたの身近に情緒不安定だと考えられる人がいたら、気持ちを落ち着けるためになるべく優しく声を掛けてあげましょう。

⑦メールの返事や電話が来ないと極度に不安がる

情緒不安定な人は、来るはずの連絡が来なかった場合はすぐ極度の不安に陥るため、注意が必要です。またメールの返事などはその内容についても必要以上に敏感なため、言葉の使い方に配慮が不可欠です。

情緒不安定な人は、自分が送ったメールが良くなかったのかと真剣に悩んでしまいます。返ってきたメールに対しても不要な思案を頭に巡らせて、いろいろと解釈してしまう事が多くあります。

通常よりもずっとマイナス思考な情緒不安定な人

基本的にマイナス思考の強い情緒不安定な人は、メールの文章が短すぎたり、絵文字が入っていなかった場合は「冷たい」とか「自分を避けている」と考えてしまうこともあります。また、頻繁に連絡を取れていた人が、忙しくてあまり連絡が取れなくなると、「自分の事を忘れてしまったのか」なんてすぐに悲観的になってしまいます。

情緒不安定な人は人とのつながりがなくなることを非常に恐れていて、誰かが離れていってしまうような気配が少しでもあると、ひどく不安になります。

⑧決断力に欠ける

情緒不安定な人は、あらゆる物事について考えが定まらず、なかなか決められません。そのためいろいろな場面で、決断するのにひどく迷います。これからどこへ行くのか、何を食べるのかといったプライベートな事ですら、やたらと迷い続けて決めかねてしまいます。これではとても大切な決断などできるはずがありません。

情緒不安定な人は自分のすることに自信が持てないため、決断ができません。もしそれが悪い結果になったらどうしようと考え、不安の余りにまともな思考が働きません。他人から見れば他愛のない事でも、情緒不安定な人は大真面目に、どうすればいいのか判断ができません。

情緒不安定な人には周囲のサポートが重要です

情緒不安定な人はまともな判断力が失われているため、些細な事でも容易に決断できません。ですので周囲の人たちが支えとなって、優しく助けてあげることが大切になります。また情緒不安定な人は、心にのしかかるストレスのせいで、何かにつけあせってしまう傾向が強いです。

気持ちの焦りは、思わぬ事故やけがの原因となるため注意してあげましょう。情緒不安定な人が乗り物に乗る時や、危険な場所に行く際には誰かが付き添ってあげるととても心強いです。

情緒不安定の彼女への接し方

情緒不安定な彼女と上手に付き合うには、男性に比べて女性が身体的な理由から情緒不安定になりやすい性質を持っていることを知っておくことが重要です。元々女性はホルモンバランスが周期的に変調します。ホルモンの分泌量が変化することでイライラしたり、気持ちが沈み込んだりと心理的に大きく影響を受けてしまいます。

男性は、そういった女性特有の性質から、意味もなく不機嫌になることがあるのを理解してあげましょう。そんな情緒不安定な彼女に上手く対応し、楽しく恋愛をする方法をご紹介します。

出来るだけそばにいてあげる

情緒不安定な女性は、信頼できる彼がただそばにいるだけで安心でき、心がやすらぎます。可能な限り時間を作り、彼女に会ってあげましょう。

わかりやすい言葉で愛情表現をする

情緒不安定な女性は、彼氏がいつでも自分の事を好きでいると信じていたいと考えます。けれど情緒不安定ゆえのマイナス思考がはたらいて、気持ちが休まりません。そんな彼女には単純で分かりやすい言葉で、はっきりと「好きだ」と言ってあげましょう。まっすぐな彼の言葉を彼女はどんなにか幸せに感じることでしょう。

君は素敵だとほめてあげる

情緒不安定な女性は自己評価が低く、魅力がないと考えている人が多いです。そんな彼女にはあなたがとても良く知っている、彼女の良いところ、素敵だと感じるところを言葉にして何度も伝えてあげましょう。あなたの言葉できっと彼女は明るくなり、人生に希望を見出して、情緒不安定から抜け出せます。

君のことならすべてを受けとめるという心を見せる

情緒不安定な女性は、他人からどう思われているのかが常に気になり、不安によるストレスからいつも心が揺れています。そのため信じているはずの彼の事が、急に信用できなくなったりすることがよくあります。

そんな彼女にはあなたの持つ大きな心で、やさしく包むように愛してあげましょう。君のことなら何でも受け止めてみせると、言葉と態度の両方で示します。そうすれば、彼女の不安は自然に和らぎ、安心してあなたの手に身を任せるでしょう。

一緒においしいものを食べる

食事は生きるために最も重要な事の一つです。おいしくて体にもいい料理は、情緒不安定な気持ちを治すのには素晴らしい効果を発揮します。二人でレストランに出かけるもよし、あなたが料理を作ってあげてもよし、きっと彼女はこの上ない幸福に包まれるでしょう。

決して無理をしない

情緒不安定な人に限らず、女性はホルモンの影響を受けやすい性質から、わけもなく気持ちが沈み込む時が良くあります。そんな時は、大好きな彼に誘われても、どうしても前向きな気分になれず、部屋でじっとしていたいと考えます。

そんな時にも、あなたは大きな心で彼女を包み、無理しないで大丈夫だと言ってあげましょう。彼女に無理をさせないことで、いつも彼氏に対して負い目を感じたりせず、安心した気持ちでいられます。

情緒不安定の原因

情緒不安定の原因のひとつは、日常生活における慢性的なストレスだと考えられています。しかもその原因は一つでなく、たくさんの原因が複雑に絡み合うことで、情緒不安定を発生させるといいます。それがある特定の原因により起こることもあれば、特別な原因がなく起こる場合もあります。

また風邪や睡眠不足、疲労の蓄積といった肉体的な不調をきっかけに情緒不安定になることもあり、はっきりした原因を特定しづらいのが現状です。このため、いつ起きたのか分からない事も少なくありません。ですが、最近の研究によって、情緒不安定の原因は脳内で起きるいくつかの脳の機能障害だと判明しつつあります。

不必要な心配事をするのをやめられない

これは脳の前帯状回が過剰に活動してるために起こる心理現象です。帯状回とは上の画像の白い部分の事で、大脳の内側で脳梁の縁を前後に走っています。帯状回の機能は感情を作り出し処理することで、学習や記憶にも深くかかわっています。

前帯状回の活動が激しすぎると感情の収拾がつかなくなり、やがて思考が止まってしまい、本来の情報伝達が不能となることで心配を繰り返します。これには脳内の幸せ物質であるセロトニンの不足が大きく影響しています。

ネガティブ思考になってしまう

これは脳内の神経伝達物質のバランスが崩れるのが原因です。ノルアドレナリンが多すぎ、セロトニンが不足すると、脳の活動がアンバランスになり、ネガティブな心配ばかりが頭に浮かんできます。

やたらと不安になる

こちらも脳内の「幸せ物質」と呼ばれるセロトニンの不足です。セロトニンが不足したり、または脳神経細胞間のセロトニン伝達が上手く働かない場合は、不安な気持ちをコントロールできなくなり情緒不安定に陥ります。

情緒不安定は性格ではなく脳内のセロトニン不足が原因です

情緒不安定を引き起こすのは、脳内のいくつかの神経細胞で機能障害が起きているためです。その主な原因は脳内の幸せ物質と呼ばれるセロトニンの分泌が低下しているためにおこります。情緒不安定な人が身近にいる場合は、単純に性格の問題ではなく、脳内で何らかの機能障害が発生しているということを知っておきましょう。

情緒不安定な男性への接し方

男性は、女性に見られるホルモンバランスが心に影響するという身体的性質はありませんが、それでも、いつもイライラしていたり、訳もなく気持ちが沈んだりといった情緒不安定な男性がいます。

もし会社の上司や同僚が情緒不安定な男性だったら、周囲の人は普段の何気ない会話でも、相手の気持ちを害するのではないかと気が気ではありません。そんな事が日々繰り返されれば、こちらまで情緒不安定になりそうな気がします。そんな情緒不安定な男性と上手に付き合う方法をご紹介します。

自分を見失わない

情緒不安定な男性と接すると、なぜか相手の感情に飲み込まれ、こちらまで気持ちが沈んでしまうことがあります。そうならないために、初めから情緒不安定な相手と関わるという心構えをして置きましょう。そうすれば自分を見失うことなく、心の平静を保ったまま接することができます。

普段よりも大らかな気持ちで接する

情緒不安定な人と接するときのコツは、相手が感情を乱すような場面に出くわしても決してうろたえず、仕方がないのだと気持ちを強く持って、大きな心で見守ってあげることも大切です。そういうあなたの態度を見れば、情緒不安定な上司や同僚もきっと気持ちを落ち着けて、あなたの前ではあまり心を乱さなくなります。

情緒不安定は決して性格の問題とは違い、脳の中で何らかの病理的な変化が起きていて、感情の制御が困難な状態です。それには、まず相手を安心させてあげることがなにより必要な事です。

相手の良いところをみつけてあげる

情緒不安定な人が上司だったり、同僚にいたりと、毎日接する機会がある場合は、会話ひとつにしても余計な気を遣うなど、時には疲れてしまうこともあります。けれどもそんな情緒不安定な人たちにも、普段は隠された意外な良いところがあります。ほんの小さなことでも、その人の良いところを見つけることができれば、なごやかな気持ちになって、一緒に居るのが楽になります。

あまりにひどい場合は専門の医療機関への受診を勧めてあげましょう

同じ情緒不安定の男性でも、あまりに感情の浮き沈みが酷く、異常な剣幕で怒鳴り散らす、感情が高ぶって人目もはばからずに泣き出す、突然、信じられないほどうつになり喋らなくなるといった症状が見られる人は、「全般性不安障害」という精神疾患の可能性があります。

その場合は脳内のセロトニンの分泌異常など深刻な脳機能障害が考えられますので、周囲の人と相談するなどして、専門の医師の診察を受けるよう勧めましょう。放置すれば取り返しのつかない事態となる可能性を否定できないので、本人のためにもぜひそうしてあげましょう

情緒不安定な人の恋愛の特徴

恋愛は人の心を最も豊かにしてくれるものの一つですが、誰かを好きになりお付き合いを始めると、それまで以上に相手の気持ちが信頼できるのかで悩み、自然と情緒不安定になります。

元々情緒不安定な人とお付き合いする場合は、相手の気持ちが信用できない、自分の気持ちに自信が持てないといった、お付き合いを始めた当初に頻繁に起こる心の葛藤が、より強く現れ、それが感情的に外に出てしまいます。そんな情緒不安定な人の恋愛の特徴を見ていきましょう。

些細なことですぐにクヨクヨする

たとえば相手に送ったメールが既読無視されている、そんな小さなことでも情緒不安定の人は必要以上に悲観的に考えます。すぐに自分に対する気持ちは偽りではないのかと、頭の中で悲劇的な結論を出してしまいます。

普通の人なら恋愛中でもある程度の自立心があるため、相手に対する疑惑が心に生まれても、別の事をしたり考えたりで克服できますが、感情の制御が困難な情緒不安定な人は、ひたすら不安になるばかりで克服できません。

相手に対して常に苛立ちを露わにする

恋愛をしていると、恋人の行動が予想と少し違っただけで、友達や他の人を相手では見られない怒りを覚えることがよくあります。これは愛情の裏返しでもあり、あなたが恋人にはこうあってほしいという無意識の期待があり、それが少し裏切られただけで気持ちが乱れ、苛立ってしまいます。それだけ恋人に対して強い関心を持っている証拠です。

情緒不安定の人の場合は感情の制御ができないために、あからさまに怒りを露わにして、恋人に対してヒステリーに感情をぶつけたり、感極まって急に泣き出したりと始末に負えません。

恋愛しているのに落ち込んでばかり

恋愛するにおいて大切なことは、自分の気持ちに確信を持ち、相手を信頼することです。恋愛中はたとえ何事もなくても、相手に対する疑惑は自然と生まれます。そんなときにできることはただ一つ、相手を信じることの他には何もありません。

しかし情緒不安定な人は不安と動揺によるストレスから容易に自己を見失い、恋人を信じるどころか、愛されていないのだとすぐに悲劇的な結論を出して深く落ち込んでしまいます。

情緒不安定な人は感情の制御が難しいため、せっかく恋愛をしているのにもかかわらず、楽しい顔よりもしょんぼりした顔をしている方がずっと多くなります。そればかりか、場合によっては感情の乱れから、心とは裏腹のとんでもない行動に出てしまうこともあるため、注意が必要です。

情緒不安定な人とお付き合いするには、そんな恋人でも温かく見守り、優しく包んであげるしかありません。

情緒不安定なのを治す方法

情緒不安定は自覚するのが難しく、知らない間に発生している場合がほとんどです。ですので情緒不安定と考えられる人を見つけたら、周囲の人がそれとなく気づかせてあげることも重要な事です。

また同じ情緒不安定でも感情の起伏が激しすぎ、症状があまりに酷い人は「全般性不安障害」の可能性があります。できるだけ早期に心療内科などを受診したり、臨床心理士のカウンセリングを受けるなど、専門家に相談することが必要です。

情緒不安定から脱出するための、簡単にできるセルフケアの方法がありますので、日頃から不安や悩み事などで心にストレスを感じている人は、ぜひ実行してみましょう。

起床時に毎朝深呼吸をする

日頃から不安や悩みで心にストレスを感じている人は、毎朝、ゆっくりと深く息を吸い込んで深呼吸をしてみましょう。一日のはじめに行うことで、ささくれ立った心をなじませて気分を落ち着かせましょう。また起床時に限らず、気分が重くなったときはいつでも深呼吸をすれば、心が自然と安らいで、情緒不安定を防ぐ効果が期待できます。

感じたことをその都度メモしておく

感情の乱れは文字にして書きだすことで、意外なほど気分を静める効果が期待できます。仕事の合間などに少しずつメモして、後で読み返してみるのも自己診断が容易にでき、感情を上手に制御するために有効です。時間が取れる人は、就寝前など一日の終わりに日記をつけるみたいにして書き連ねてもOKです。

楽しいと感じる趣味を見つけて熱中する

仕事や家庭でのストレスが原因で情緒不安定になりがちの人は、趣味などに没頭することで、脳が不安を感じる暇を与えないようにして、感情の乱れを克服しましょう。趣味がないという方は、仕事や勉強でも構いません。何かに集中することで、自然と感情が制御されます。

その他規則正しい生活を心がけるようつとめる

その他に情緒不安定を克服するために、毎日の生活で気をつけると良いことがあります。

・起床と就寝の時間を定め規則正しい生活サイクルを心がける
・栄養バランスのとれた食生活を心がける
・睡眠時間を十分にとる(6~7時間以上)
・ストレッチやウォーキングなど軽い運動を行う
・入浴やアロマテラピーを使用して気分をリラックスさせる

以上の気持ちを安定させるために有効なセルフケアを実践することで、情緒不安定な状態を予防することができます。しかし情緒不安定は人により、あるいは症状の違いによって効果的な対処方法が違ってきます。間違った方法を行うと、かえって症状を悪化させることもあるので、信頼できる医師やカウンセラーのアドバイスを受けながら、改善していくことが重要です。

また情緒不安定を始めとした精神不安を克服するために焦りは絶対に禁物です。心のケアを継続的に行うことで再発防止にもつながります。

情緒不安定な彼氏への対応方法

付き合い始めた彼氏が情緒不安定の場合、その人は感情の起伏が大きいため、あなたは何を考えているのか分からずに戸惑ってしまうことも多いでしょう。情緒不安定な彼は優しいと思えば急に冷たくなったり、ある時はひどい自己嫌悪に陥っていたりとコロコロと態度が変わります。そんな彼氏を上手に扱う方法をご紹介します。

彼氏の発言に惑わされない

情緒不安定な彼氏は感情のコントロールが困難なため、恋愛して楽しいという気持ちがあるのに、それを素直に受け入れる勇気を出せないため、すぐに恋人に対して不必要な疑惑を抱き、どうせすぐに嫌われてしまうといったふてくされた気持ちになってしまいます。

まるで小さな子供です。そんな彼は、時にあなたが傷つくような言葉を言ったりします。かと思うと、急に罪の意識にさいなまれ、申し訳ないといった態度を見せたり、もうわけがわかりません。

明るく優しくをモットーに

あなたはそんな彼氏の発言をできるだけまともに受け止めない事です。大好きな彼の言葉だけに、中々難しいですが、情緒不安定な彼と付き合うには大らかで広い心が必要です。ひどい嫌味を言われたとしても、明るく優しく「どうしてそんなことを言うの」と彼の不安な気持ちをそっと探ってあげます。そうすれば彼はあなたの前では安心して、情緒不安定から抜け出せます。

とにかく話を聞いてあげる

情緒不安定な彼氏は、不安や悩み事で常に心がストレスを受けているため、時にはそんなつらい気持ちをあなたにぶちまけることがあります。ですが話の内容は些細な事だったり、明らかに被害妄想的な解釈だったりとほとんどが他愛のない悩み事でしかありません。

そんなときに「そんなつまらないことで悩んではダメ」などとアドバイスすれば、情緒不安定な人は余計に傷ついてしまい、愚痴やボヤキが止まらなくなってしまうでしょう。

全てを肯定してあげることが大切

情緒不安定な人に必要なのは、とにかくただ話を聞いてあげることです。どんなにくだらない悩みでも、そうだね、つらいよね、と全て肯定的に受けとめてあげることが大切です。面倒くさい事ですが、相手は子供なのだと考えて、ここはあなたの持つ包容力を存分に発揮しましょう。そうすればきっと彼は情緒不安定から抜け出し、しっかりした大人の男性になります。

愛を告げる言葉はストレートに

情緒不安定な男性は自尊心がもろく、恋人に対する気持ちに自信が持てないため、些細なことで相手にすぐ疑惑の目を向けてしまいます。そんな彼氏の事が時にはうっとおしく感じることもしばしばあるでしょう。

そんな時にもあなたは頭を切換えて、相手は幼い子供と同じだと考えます。あなたは子供をあやすように「ごめんね、愛してるわ、好きよ」といったまっすぐな言葉で愛を伝えましょう。

女性は男性に比べて羞恥心が強いため、ストレートな言葉を口にするのは中々難しいですが、そこは勇気を出して言ってあげることです。はっきりとした言葉で愛を告げられると、男性なら誰もが安心して自信を身に着けます。あなたの勇気が必ず良い結果につながります。

美しいダイヤの原石かも?

あなたは、こんな男性で将来大丈夫なのかと悩んでしまいますが、情緒不安定な人が社会的に能力が不足しているという事は決してありません。ただ感情のコントロールが困難なだけで、一般的な男性よりもずっと優れた能力を持つ人もたくさんいます。

そんな情緒不安定な恋人を持ったあなたは、素晴らしいダイヤの原石を手に入れたと思い、今は大変でも、あなたの扱い方次第で将来必ず頼りになる男性になると考え、希望を胸に膨らませつつ、情緒不安定な彼との恋愛を楽しみましょう。

情緒不安定な人をサポートして安心できる社会を実現しましょう

現在の日本はストレス社会、過敏社会といわれ、仕事や家庭などで日常的に精神的な重圧がかかりやすい環境にあるとされ、それが原因で情緒不安定に陥る人が増加しています。職場や学校などで情緒不安定な人がいると、コミュニケーションの困難さから周囲から孤立し、社会的にも大きな問題となります。

情緒不安定は本人が気づいていない場合も多く、そのため自主的な改善が難しく余計に孤立の度合いを深める結果となります。また情緒不安定のつらさは本人以外の誰にも理解できないため、そのつらさを無意識に周囲にぶつけてしまい、大きなトラブルの種にもなります。

情緒不安定がひどい場合は専門医の診察を

情緒不安定の人の最大の特徴は、感情の起伏が非常に大きい事です。さっきまで声を荒げて怒鳴り散らしていたのに、急に気分が沈み込み黙ってしまうなど、気持ちがコロコロと変化し、周囲の人は戸惑うばかりです。また感情の起伏があまりにもひどい場合は、「全般性不安障害」という精神疾患にかかっている可能性があり、専門の医療機関への受診が必要なため注意すべきです。

情緒不安定の原因は性格的なものとは違って、脳に明らかな機能障害が起きることで発症します。周囲に情緒不安定な人がいる場合は、そういった面を理解してできるだけサポートしてあげることが、本人を始め、周囲にも不安を解消し安心して過ごせる環境が得られます。

情緒不安定な恋人には大きな心を持ちセルフケアを一緒に考える

恋人など最も身近な人が情緒不安定に陥った時は、大きな心で見守ってあげることが何より大切です。情緒不安定な恋人と上手に付き合うのは骨が折れますが、出会いの奇跡を信じて懸命にサポートしてあげることで、あなたの将来はきっと華やかなものとなります。

情緒不安定な恋人のために有効なセルフケアの方法があります。運動をしたり、深呼吸をしたりと恋人と一緒になって考えてあげることで必ず改善につながります。また情緒不安定を克服するには、規則正しい生活を行うことが最も効果的です。早寝早起きを心がけ、食生活を改善し、軽い運動をするなど心身ともに健康に良い生活をしましょう。

周囲のサポートで情緒不安定な人が安心して生活できる環境を作りましょう

情緒不安定な人たちは決して社会的に欠陥があるダメな人間ではありません。ただ感情の制御が難しいだけで、恋人や家族を始め周囲の人のサポートや、継続的な心のケアで必ず改善します。情緒不安定から脱出すれば本来持っている優れた能力を発揮でき、社会で活躍できることは間違いありません。

情緒不安定な人は純粋な心を持った誠実な人です。何事にもまじめに取り組んで、仕事でも家庭でもよりよき存在であるために懸命に努力をするでしょう。

情緒不安定は誰もがならないとは限らない心の不調です。情緒不安定な人を周囲のひとりひとりが理解してあげることで必ず良い結果が得られます。情緒不安定の人が安心して生活できるような社会を実現しましょう。

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