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昆虫の蛹の中身はドロドロ?中身を混ぜるとどうなるのか

Small b696facf c3c2 4b1d 8aae c0f7dd9919f4スナチョーさん
雑学 / 2017年11月11日
昆虫の蛹の中身はドロドロ?中身を混ぜるとどうなるのか

蛹(さなぎ)とは一体

蛹(さなぎ)は昆虫類が成虫になる前の最終段階の状態を指します。幼虫と成虫の中間にあたり手足は固まっているので当然動きません。エサも食べません。これが蛹です。それでは生命の神秘、蛹の中身について考察していくことにします。

蛹の中身を混ぜるとどうなる?

昆虫は幼虫から成虫になる時、その間に蛹の期間があります。蛹の中身はどうなっているのでしょう。蛹は成虫になる前の本当におおまかな外側の形だけがスケッチされたものとされています。そして21世紀の現在でも、昆虫が蛹から成虫へと劇的な変身を遂げるメカニズムは解明されていません。

蛹の中身は、生命を維持するために必要な神経組織、呼吸器系を除いたほかの組織はドロドロになっています。蛹に激しい振動を与えると死んでしまいます。ですから、蛹の中身を混ぜると蛹のまま。いくら待っても成虫にはなりません。

ウィリアムズ博士の実験

昆虫の蛹の中身はドロドロ?中身を混ぜるとどうなるのか

昆虫が幼虫から蛹を経て成虫へと姿をかえる「変態」の謎を解き明かそうとしたのはカーロル・ウィリアムズ博士でした。博士はハーバード大学の生物学者でした。1942年、博士はヤママユガを使って研究を開始しました。

そして変態を指令する組織が頭部にあることを発見します。蛹を前後に切り離したところ前半部分からは半分の蛾になり、後の半分は蛹のままでした。ウィリアムズ博士は後ろ半分の変態を制御する物質の研究を進めます。

関連している異なる2つのホルモンを分泌する中心が、蛹の中身の脳と頭部に近い胸部にあることあることを発見します。さらに温度を高くすると休眠中の蛹が変態を開始することも解明していきます。その温度は春の暖かい一日と同じくらいだったそうです。

蛹の中身はドロドロ?

カブトムシの蛹

カブトムシの蛹は蝶や蛾とは若干異なります。蛹化(ようか=蛹になるための課程)するまで2段階のステップを踏みます。カブトムシの幼虫は蛹になる前に蛹の時期を過ごすための「蛹室(ようしつ)」を自分で作ります。色が黄色くなってエサを食べなくなります。自力で部屋を作ります。この段階を前蛹と言います。

蛹室ができ上がるとあお向けになり次第に固まって蛹になります。カブトムシの蛹の中身もこの時が最も弱くデリケートで、持ったり落としたりしたら死んでしまいます。ウィリアムズ博士のヤママユガを使っての実験のとおり、中身はドロドロです。

アゲハチョウの蛹

アゲハチョウは曲のタイトルや楽曲の歌詞に度々登場します。幼虫、蛹を経て美しいチョウとなって飛び立つ姿を人間の成長過程に置き換えるからでしょう。しがらみや殻を脱ぎ捨て新しい自分の門出を祝う歌になります。

アゲハチョウの蛹の中身もウィリアムズ博士のヤママユガと同じ、それぞれの組織・器官が混ざり合ったドロドロのクリーム状になっています。そして蛹の期間に少しずつ各器官が整理され成虫になるための身体作りが開始されます。

ドロドロの状態の蛹の中では幼虫の時期に何本もあった脚が壊され、飛び立つための羽根が新たに作られていきます。ドロドロのクリーム状の中身がアゲハチョウに変化していきます。羽化が近づいたころ良く観察すると成虫になる模様が殻の上からも確認できます。

モンシロチョウの羽化

春になり小川の水もぬるみ陽射しが柔らかくなるとモンシロチョウがヒラヒラと舞い始めます。自然の美しい光景ですが、これを人工的に行うマニアの方が結構いらっしゃいます。その手順は次のようになります。

キャベツや小松菜の苗をホームセンターで購入してきて庭先に植えておきます。やがてモンシロチョウが卵を産み付けにきます。キャベツ、小松菜は幼虫のエサになるのでそのまま放っておきます。幼虫は脱皮を繰り返し1ヶ月もしないうちに蛹になります。蛹は胸と尻の部分を糸で固定していますので、ピンセットを使って慎重に葉から外します。

蛹の中身はドロドロですから用心してください。外し終わったらアイスクリーム用の木のスプーンに両面テープを使って貼り付けます。10日ほどすると羽化します。春に成虫になるモンシロチョウと夏、秋に成虫になるものもいます。秋から冬は気温が急激に下がりますから、時期をみて蛹を暖かな室内に取り込みます。

羽化したモンシロチョウは部屋の壁にじっと留まっています。砂糖水を含んだ綿を近くに置いておくと時々吸いにきます。そしてまた壁でじっとしています。素敵な壁紙です。モンシロチョウにとっては甚だ迷惑です。

クワガタの蛹

昆虫が幼虫から蛹になることを蛹化(ようか)と言います。クワガタも幼虫飼育を始めて一定期間が過ぎると蛹室を作り蛹になります。カブトムシの蛹と一緒で蛹の中身は大変衝撃に弱いので注意が必要です。

個体差や温度の関係がありますが、1ヶ月~2ヶ月で羽化して自力で這い出してきます。羽化したては身体がフニャフニャなので無理やり掘り起こしたりしないでください。羽化後3~4週間経過したら成虫用の飼育ケースに移しましょう。

蚕の繭(まゆ)の中身は食用?

絹の原料は皆さんご存知、蚕(かいこ)の繭(まゆ)です。蚕の蛹は2重構造をしていて繭玉の中で蛹化します。チョウは枝や葉の裏に自らを固定します。カブトムシやクワガタは蛹室を作りその中で蛹になります。蚕は繭という防護壁を作りその中で中身の蛹になります。

中華街へ出かけると、カイコとかサナギといったメニューを目にします。ただし、多くの中華料理屋のカイコは厳密に言うとウィリアムズ博士が実験につかったヤママユガ科の仲間、柞蚕(さくさん)という蛾の蛹です。

蚕はカイコガの幼虫でタンパク質がたっぷりです。炒めたり焼いたり揚げたりと、さまざまな料理に使うことができます。Amazon紹介のサナギは柞蚕ではなく正真正銘のカイコガの蛹の中身です。蚕の蛹には独特のニオイがあります。駄目な人は本当に臭く感じます。一方、大好きな人にはこたえられない極上の香りになります。

完全変態について

昆虫の蛹の中身はドロドロ?中身を混ぜるとどうなるのか

姿・形を変えることを変態と言います。その過程で蛹の状態を経るものが完全変態です。蛹の期間が無いものを不完全変態と呼びます。完全変態の昆虫類は幼虫の体つきと成虫のそれとは全く違っていて別の生き物です。

見た目は全く違いますが、多くの昆虫は幼虫の時に既に成虫になるための準備を始めています。多くの昆虫が有する羽根(翅)も幼虫の段階で有しています。蛹の期間に大きく膨らみ成虫になっていきます。

不完全変態について

カブトムシ、クワガタ、チョウ、蛾などは、卵➡孵化➡幼虫➡蛹化➡蛹➡羽化➡成虫という「完全変態」という過程を辿ります。成虫になる直前の運動能力を著しく欠いた蛹の形態をとるのが完全変態の特徴です。

このプロセスは昆虫類の中で最も進化した種族と考えられています。一方、不完全変態のカゲロウは脱皮のみで成虫になります。これを退化と呼ぶ昆虫学者もいます。カゲロウは口が退化してしまっています。

幼虫の時はアリジゴクとして蟻を食していますが、羽化して成虫になると1日で死んでしまいます。1日の寿命を本能的に知っているために食べ物を摂る必要がない。そのために口が退化してしまっています。ホタルも幼虫期間に蓄えた栄養で成虫を迎えるそうです。

蛹の中身を入れ替えるとどうなる?

昆虫の蛹の中身はドロドロ?中身を混ぜるとどうなるのか

蛹の中身を入れ替えるとどうなるのでしょう。チョウの蛹と蛾の蛹の中身から10ccずつ抜き取って入れ替えたらどんな成虫になるのでしょう。これは蛹の中身がドロドロであるがゆえ試したくなる実験です。人間界では「品種改良」というもっともらしい言葉を使いますが、迷惑な話です。

蛹(さなぎ)って凄すぎ!

極論を述べると、蛹になるハエの方がセミやバッタ、トンボより進化していることになります。昆虫学的にはそう位置付けられています。完全変態する昆虫の幼虫の中身には羽根の元、脚の元、各臓器の元一式が揃っているからです。神秘に包まれた蛹の中身の特集でした。

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