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執着心をなくす・手放すときの方法と心理|捨てたい/診断

「執着心」と「依存心」の違いとは

「執着心」と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか。ただ何かに対するこだわりが強すぎるというイメージがありますが、具体的な意味を知らないという方は多いのではないでしょうか。また、執着心はたびたび「依存心」と混同されてしまいがちです。

ですが、この2つは似ているようで全く違う性質を持っています。この項目では、執着心と依存心の意味をそれぞれわけてご説明し、この2つがどのように違っているのかをご紹介いたします。

執着心の意味

執着心とは、何か1つの対象に強くとらわれて、なかなか手放すことができない心の状態を指しています。執着する対象は人によって違い、人間や物、体験など、さまざまな種類があります。例えば、人間なら家族や恋人など、物なら普段使っているものや趣味にしているものなど、体験なら旅行や仕事をすることなど、その人の環境や思考によって大きく変わってきます。

何に執着心を持っていたとしても、大抵の場合、悪い意味で使われることが多いです。人間に対して執着心を発揮した場合、その傾向は特に強くなります。ですが、1つの物事にこだわる性質は、職人や専門家などに向いていますので、対象が人間でなければむしろ歓迎される場合もあるでしょう。

依存心の意味

依存心とは、誰かへ強く頼ってしまう気持ちを指しています。執着心とは違い、依存心を向ける対象は人間のみであることが特徴として挙げられます。家族や友人、恋人に同僚など、誰かに頼ろうとすることが問題ではなく、その気持ちが強すぎるせいで相手へ一方的に甘えてしまい、自分で頑張ろうとしない点が問題視されます。

また、依存心が強すぎると、相手によっては都合の良い存在とみなされ、利用されやすいという面もあります。あまりにも相手に依存しすぎて、嫌われることを恐れ、相手の言い分を鵜呑みにしたり、何でも言うことを聞いてしまったりするからです。また、その状態に慣れてしまうと疑問すら持てなくなっていきます。

執着心を表す色

執着心を持っていると一口にいってもその表れ方はさまざまです。何かに執着していることを、隠す気のないわかりやすい人がいる一方で、自身の強い執着心を恥ずかしいことと考え、できるだけ隠そうとする人もいます。

そのような執着心の強い人を見分ける方法の1つに「色」を見るというものがあります。色には多くの意味があり、特定の色を好む人の心理を知ることができます。

執着心を持つ人が好む色として、イエロー、オレンジ、レッドなどが挙げられます。イエローは好奇心旺盛で知識欲が強い、オレンジは温かさを感じたい、レッドはエネルギーに満ち溢れているなどの意味があります。

執着心があるかどうかの診断

執着心を持ち続けていると、いつしか自分でも持て余してしまうほどに強くなる人もいれば、何かのきっかけで徐々になくなっていく人もいることでしょう。ですが、そもそも執着心が自分にあるかどうかがわからないという人もいます。

身に覚えがないけれど人に指摘されてからなんとなく気にしている、でも、なにをもって自分に執着心があると判断すれば良いか分からないといったことで悩んでいませんか。この項目では、執着心が自分の中にあるかどうかを確認するための診断を紹介します。

診断チェック項目

・自分から相手へメールや手紙を送る際は毎回長い文章になる
・思いどおりにいかないとイライラすることが多い
・自分自身に自信を持つことができず、そのことがコンプレックスになっている
・悲しいことや腹が立つことがあっても、湧きあがった感情を抑えつけて我慢してしまうことが多い

・恋人や友人など、特定の相手のことを常に考えてしまう癖がある
・交友関係が非常に狭く、そのことをとても気にしている
・どう言葉にしていいかわからない不安を心の隅でいつも感じている

以上のチェック項目に当てはまった数が多ければ多いほど、あなたは執着心を持っている可能性が高いです。

執着心が強い人の心理って?

人が行動を起こす時、その行動は何かしらの心理が働いた結果として起こります。簡単に言うなら「お腹が空いたから、料理をしよう」「最近は時間がなくて運動不足だから、走ってこよう」など、人によってさまざまな心理があります。

それでは執着心の強い人の場合、行動の裏にはどのような心理が働いているのでしょうか。この項目では、執着心の強い人の心理について、3つを紹介します。

愛情違い

執着心の強い人の心理として、愛情の違いが挙げられます。例えば誰かを好きになった時、心の中には相手に対する強い感情が芽生えています。多くの場合、それは愛情と呼ばれますが、中には相手に対する執着心を愛情と勘違いしている人もいます。

愛情は相手の幸せを願い、相手の意思を尊重しようとします。そして、相手が幸せならそれだけで、自分も幸せな気持ちになることができます。それに対して、執着心は相手よりも自分のために動きます。自分の抱えている不満や寂しさなどといった問題が解消できればそれでいいと考え、相手や周囲への迷惑を顧みようとしません。

あくまでも相手がどうおもうかではなく、相手が自分に何をしてくれるかの方を重要視します。そのため、幸せよりも息苦しさを感じている時の方が多いです。

精神面が弱い

執着心の強い人の心理として、精神面の弱さが挙げられます。執着心は先述したように、特定の人や物に対して、強烈にこだわることを指しています。そのため、むしろ精神面は強い方なのではないかと考える人は多いことでしょう。ですが、強気に見えるのは自分の弱い心を守るための防衛行動だからです。

心が弱い人は、自分が傷つくことやショックを受けることなどを酷く恐れています。自分の心を守るために防衛本能が働いて、傷つく前に自分から相手を傷つけたり、大事なことから逃げたりするような行動に走ってしまいます。

例えば、誰かに嫌なことを言われる前に自分が相手に言う、責められるのが嫌だから責任を誰かに押し付けるなどです。このように誰かから攻撃される前に、弱い自分を守ろうとする意識が強いです。

変化に対する恐怖

執着心の強い人の心理として、変化に対する恐怖が挙げられます。執着心が強い人は「これまで何かに対して執着してきたからこそ、今の自分がある」とどこかでおもっている面があります。つまり、執着している現在の自分に慣れてしまっている状態であり、そこから変わってしまうことを恐れています。

なぜなら、今まで執着していることこそが普通だったため、変化によって執着できない状況に追い込まれた時、どう行動すれば良いのか分からなくなるためです。

赤ちゃんに執着心はあるのか

執着心があると指摘される人の多くは、学生や社会人、お年寄りなど、自分である程度物事を考えられる人ではないでしょうか。しかし、赤ちゃんも大人に負けず劣らずの執着心を持っている子が多いです。例えば、ひたすらハイハイでお母さんの後をついて回る子もいれば、毛布やタオル、ぬいぐるみなど、特定の物に対して強いこだわりを持っている子もいます。

前者の行動は、赤ちゃんがお母さんと他人との区別がつくようになった証です。いつも一緒にいてくれる人が離れたことで不安を感じ、お母さんのそばに行こうとします。後者の行動は、発達心理学でいうところの「移行対象」と呼ばれているもので、赤ちゃんの不安を和らげたり、お母さんから自立していくなどの役割を持っています。

執着心をなくす・手放す・捨てたいときのやり方とは

人や物事に執着していく中で、相手や周囲の人たちに迷惑をかけてしまったという経験のある人は多いことでしょう。自分にそんなつもりはなく、仮に相手や周囲の人たちもそれを理解してくれたとしても、特定の対象に執着心を持ち続けている限り、同じことを何度も繰り返してしまうのではないでしょうか。

あなたが執着心を手放したいと強く望んでいるとしても、具体的な形のない執着心をどのようにして手放せばいいのか分からず、困っている人は数多くいます。この項目では、執着心を捨てたい時はどうすれば良いか、具体的な8個のやり方を紹介します。

紙に書き出す

執着心を捨てるやり方として、紙に書き出すというものがあります。あなたがこだわっているのは何か、人ならどんな所に執着しているか、物ならどんな所を気に入っているかなど、自分の感情や考えをできる限り掘り下げて、情報を視覚化します。そうすると自分の感情を客観視しやすくなるので、冷静に自分自身を見つめ直すことができます。

他にも、執着しているのが人だった場合、相手の悪口を書くのも良いです。思いつく限りの悪口を書き出していく内に、「なぜ、そんな人にこだわっているのだろう」と冷静になったり、不満の解消になったりして、書く前よりも心が軽くなりやすいです。

目標を設定する

執着心を捨てるやり方として、目標を設定するというものがあります。もちろん、執着している対象とは一切関係ない内容の目標です。執着心を持っている人は、自分に自信のない人が多いことも特徴の1つです。自信がないから自分以外の何かに執着してしまいます。それを捨てるためには、自分で自分に対して達成すべき目標を立てましょう。

目標を立てる時は、自分にとって興味のあることや自分が理想とおもう状態などを基準にするとイメージがしやすいです。そして目標を立てた後は、それを達成するためには何をすべきか考え、自分のできることから順番にちょっとずつこなしていきます。こうして目標に向かうため、頑張っているうちに自信が積み重なり、執着心が消えていきます。

自分の失敗を素直に認める

執着心を捨てるやり方として、自分の失敗を素直に認めるというものがあります。人は執着心を持っているか、いないかに関わらず、自分の失敗や欠点を素直に認めることが難しいです。特に年を重ねていけばいくほど、その気持ちは強固なものになっていき、自分の失敗を直視することはさらに困難なものとなるでしょう。

執着心を持つ人の場合、自分が間違っていたと素直に認めることで、相手から嫌われてしまうのを恐れる傾向にあります。執着心を捨てるには、その恐れに打ち勝って失敗を素直に認める必要があります。

自力でやるのが難しい場合は第三者に頼ってください。対象が恋人だったなら共通の友人、対象が友人だったなら別の友人といった具合に、第三者を間に挟むことで言いやすい状況を作り出します。

家の中を片付ける

執着心を捨てるやり方の1つとして、家の中を片付けるというものがあります。自分の中にある執着心を捨てたいのであって、家の中の物を捨てたい訳じゃないとおもう人もいることでしょう。ですが、家の中を片付ける行為というのは、人の心に影響を与える行為でもあります。

家の中が散らかっていると住んでいる人はもちろんのこと、他人から見ても良い気分にはなりません。ですが、家の中の物をいる物と要らない物に分け、捨てるべきものは捨てて、整理整頓を行っていくことで、家の中だけではなく、心の中もすっきりとした気分になります。

これで執着心が薄れている自分に気付きます。なぜなら、特定の対象に執着していた今までとは違う環境に変わったことで、自らの価値観や考え方にも変化が起きやすくなるからです。

夢中になれるものをたくさん見つける

執着心を捨てるやり方の1つとして、夢中になれるものをたくさん見つけるというものがあります。1つの対象に執着していると、暇さえあれば対象のことだけをひたすら考えることに時間を費やします。また、そのせいでより深く執着の度合いを深めてしまう結果につながります。

そうならないためには、特定の対象以外にも夢中になれるものをたくさん見つけましょう。夢中になれるものがアウトドア系なら友達ができやすく、インドア系なら暇な時間を減らすことができます。

そうすることで、特定の対象以外を考える時間が増えるだけではなく、意識を向ける相手も多くなるので、特定の対象のみに気を配ることが減っていきます。このようにして、執着心はいつの間にか薄くなり、次第に消えていきます。

目の前のことに全力で取り組む

執着心を捨てるやり方の1つとして、目の前のことに全力で取り組むというものがあります。執着心をいつまでも捨てることができないのは、捨てた後の自分がどうなってしまうのか分からず、想像するだけで不安な気持ちが強くなるからです。

ですが、現在の自分の行動が未来の自分にどのような影響を与えるのか、それを知ることは誰にもできません。それがわかっていても、やはり考えてしまうという人は考える時間や余裕があることが問題と言えます。

それなら、目の前のことに全力で集中して取り組むということをやってみるのはいかがでしょうか。そうすることにより、余計な情報や考えをシャットアウトできるので、悩んで無駄な時間を消費することがなくなります。そして他のことを必死でやっているうちに、執着心も薄れていきます。

自分の力で新しいものを作り出す

執着心を捨てるやり方の1つとして、自分の力で新しいものを作り出すというものがあります。先述したように、執着心を持つ人は自分のことしか考えていない自己中心的な部分を持っており、執着している対象から幸せを与えてもらおうとするため、結果的に執着が強くなります。

ですが、欲しがるばかりで自分からは何も与えようとしないのは間違っていますし、そのままの状態が続くと、本当に何もできない人になっていきます。そこでたまには消費する側ではなく、何かを作り出す側に回ってみましょう。

作り出すものは何でも良いです。絵や工作などのような物体的な物だけではなく、仕事で普段しないような気配りをしたり、ボランティア活動をして誰かの手助けをするのも良いでしょう。そうすることで、新しい何かを作り出すことの素晴らしさに気付くことができます。

距離を置く

執着心を捨てるやり方の1つとして、執着している対象から物理的に距離を置くというものがあります。執着の対象が人間でも、物でも、自分の手の届く距離にいると、どうしても手を伸ばしたくなってしまいます。このままではいつまでも執着心を捨てることはできないでしょう。

そこで、執着の対象が自分の視界に絶対入らないような場所まで、自分から離れてみてください。手段は長期にわたる旅行でも、遠方への引越しでも良いです。そうすることで、執着心を育ててしまう環境を自ら壊すことができます。

最初は、どこにいても何をしていても、ついつい執着している対象のことを考えてしまい、落ち着かない日々が続くことでしょう。しかし、段々と気持ちが落ち着き、他のことも考えられるようになります。

焦らずゆっくりといきましょう

いかがでしょうか。この記事では、執着心を手放す方法や執着心が強い人の心理などについて紹介しました。先述したように執着心は、多くの場合マイナスの面が大きく出ます。そのため、迷惑を被る周囲の人たちだけではなく、執着心の強い当人が手放したいと考えている場合も多くあります。

しかし、気を付けていただきたい点として、執着心を手放すことを焦ってはいけません。急いで執着心を何とかしようとしても、返って当人の心に負荷がかかり、余計悪化する可能性があるからです。したがって、焦らずにゆっくり1つずつ手放していく感覚でいきましょう。

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