Search

検索したいワードを入力してください

アルコールの沸点一覧・カルボン酸やアルカンとの違い|揮発性

Author nopic iconpoorchem
カテゴリ:学習

初回公開日:2018年02月21日

更新日:2020年03月10日

記載されている内容は2018年02月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

アルコールの沸点一覧・カルボン酸やアルカンとの違い|揮発性

意外と知らない?アルコールの沸点と融点!

アルコールの沸点や融点についてお話しする前に、まず、「沸点」、「融点」、「アルコール」という言葉について書いておきます。「沸点」、「融点」や「アルコール」という単語自体は、高校化学などで習う単語ですので、今はあまり詳しく覚えていないという方もいることでしょう。

沸点や融点、アルコールとは?

沸点というのは、液体の表面からだけでなく、液体の内部からも気化が起こる(沸騰する)ときの温度のことです。一般的に水の沸点は100℃です。水に限らず、物質の沸点は温度と圧力(蒸気圧)の関係によって変化します。

融点というのは、固体が溶けて液体に変化するときの温度のことです。一般的には氷の融点は0℃です。これも同じように物質によって固有の値があります。

また、アルコールと言うのは、分子中に-OH(ヒドロキシ基)を持つ有機物の総称を指し、アルコールとして一般的に知られているのがエタノール(CH3CH2OH)という物質です。エタノールを圧力が掛からない容器で加熱すると、約78℃で沸騰が始まります。この温度が沸点となり、エタノールの沸点は78℃ということになります。

ランプの燃料として使われるメタノール(CH3OH)の沸点は64℃です。

アルコールとカルボン酸の沸点、どっちが高い?

カルボン酸とは、カルボキシル基を含んでいる有機物を指し、R-COOHで表されます。酢酸(酢)などもCH3COOHで表され、カルボン酸の一種となります。

それらのカルボン酸は同じ程度の分子量のアルコールよりも沸点が高くなります。これは、多くのカルボン酸が水素結合して二量体を形成するためです。

先ほどのエタノール(CH3CH2OH)と炭素鎖が同じ2である、酢酸(CH3COOH)ではエタノールの沸点が78℃であることに対して118℃と高い沸点となります。

似てるようで全く違う。アルカンとアルコールの違い

アルカンとは、一般式 CnH2n+2 で表される有機物の総称で、先ほどのアルコールやカルボン酸とは違い-OH基はありません。

カルボン酸の話からも分子の構造は沸点にも大きく影響を与えていることがわかります。また、先ほども比較したエタノール(CH3CH2OH)と炭素鎖が同じ2あるエタン(C2H6)で沸点の比較を行うと、エタノールが78℃に対してエタンはー89℃と大きく下回ることがわかります。

これは水素結合を行わず、分子間に結合がないためで、同じ炭素鎖であっても沸点に大きく差が出ています。エタノールが常温で液体であることに対して、エタンが常温で気体であることもそのことに起因しています。

なんとなくアルコールの直鎖が長ければ沸点は高そうだけど…

アルコールは直鎖が長ければ長いほど沸点は高くなります。これは先ほどまで出てきていた水素結合とは別に分子間力(ファンデルワールス力)が関わってきます。

炭素鎖が2であるエタノール(CH3CH2OH)の沸点が78℃に対して、炭素鎖が3のプロパノール(CH3CH2CH2OH)の沸点が98℃と高いのはそのためです。

分子間力(ファンデルワールス力)って?

先ほどまでは、分子間の間には水素結合が生じることにより分子間の結合ができ、沸点に影響を与えるということをお話ししました。そのほかにも分子間には分子間力という弱い結合も働いています。

分子間力(ファンデルワールス力)とは、電荷を持たない中性の原子あるいは分子(この場合炭素を指す)が、分子間に働く引力のことを指します。この力は、分子量が大きいほど、(分子量が同一の時は)表面積が大きいほど強くなります。

これによって炭素鎖が長い方(分子量も表面積も大きい方)が分子間力が強くなり、分子間がより結合することにより、沸点が高くなります。

異性体と沸点

先ほど分子量が同一の時は表面積が大きい方が分子間力が強くなるというお話をしました。同じ種類の原子を同じ個数持っている(同じ分子式で表せる)物質が複数存在する場合があります。それらの物質のことを異性体と言います。

先ほどお話ししたプロパノール(C3H8O)には、正確には1-プロパノール(CH3(CH2)2OH)と2-プロパノール(CH3CH(OH)CH3)があり、この2つは異性体同士です。1-プロパノールは直鎖状構造であり、2-プロパノールは-OH基が枝分かれした構造となります。

構造に枝分かれした部分があると、分子間の接触面積が落ちて分子間力が弱まります。そのため、直鎖で枝分かれがない1-プロパノールの沸点は98℃、2-プロパノールの沸点は82℃と直鎖状の方が沸点が高くなります。

熱燗とアルコール

さて少し話はずれますが、お酒に含まれているエタノール。先ほどまでにお話しさせていただいたエタノールの沸点は78℃ですが、それを利用したものとして熱燗があります。

熱燗は一般的に50℃前後で温めるので沸点には到達していません。しかし、温度を上げることにより蒸発をしやすくし、アルコール分を飛ばすことなくお酒の風味を楽しむことができます。

ぬる燗は40℃、上燗は45℃前後です。人肌程度の温かさで心もあたたまる気分になれます。他にも、日向燗や飛び切り燗などの種類もあるみたいですので、気になる方は調べてみるのも楽しいかと思います。

アルコールの沸点はどう計算する?

最初に、「物質の沸点は温度と圧力(蒸気圧)の関係によって変化します。」とお伝えしました。よって沸点は、一定の外圧のもとでは、その物質に固有の値となります。たとえばエタノールの沸点は常圧では、さきほどから何度かお話しさせていただいてるように78℃となります。

アルコールに限らず物質の沸点は理論上、計算式で計算することができます。

気圧

沸点は気圧に関係しており、蒸気圧p(mmHg)、温度T(℃)とすると、下記の計算式で表すことができます。

log P = A + B/(T + C)

ここから分かるように外圧(蒸気圧)が変われば同じアルコールでも沸点は変わります。圧力が高ければ、その分沸点も上げることができます。またこの式のA、B、Cは物質と蒸気圧と温度の単位に依存する定数であり、アントワン定数といいます。

この圧力の差を利用したものとして一般的に用いられているものが、圧力鍋です。圧力をかけることにより、より温度をあげて調理をすることを可能にしています。

炭素数

ある程度の炭素数の違いによって物質の性質が大きく変わってきます。炭素数が多く、分子量が大きいアルコールのことを高級アルコールと言います。例えば、C12H25OHなどです。

目安としては、C5個以下は、低級アルコールで、C6個以上は、高級アルコールと言います。高級アルコールであるほど、沸点は高くなります。

価数

アルコール中の-OH基の数を価数と言います。エタノールなどの-OH基が1個のときは、1価のアルコールと言います。また、エチレングリコール(HO-CH2-CH2-OH)は、2個-OH基があるので、2価のアルコールです。

価数が大きくなるほど、分子間の水素結合の数が増えるため、分子間の結合力が増し、沸点は高くなります。

沸点とは違う?揮発性のアルコール

アルコールが蒸気になるには沸点までの温度が必要かというとそういうことでもありません。エタノールなどの分子量の小さい分子などは一般に揮発性という性質があります。

揮発性とは、常温常圧においても、容易に蒸気になりやすい性質のことをいいます。分子量が小さく、軽い分子であるほど揮発性は高く、常温常圧下でも蒸気になりやすくなります。

これでアルコール博士!

ここまでお読みいただきありがとうございます。今回は、アルコールの沸点について詳しく触れてみました。「価数」「揮発性」などの専門的な表現に戸惑った人もいるでしょう。これを機に、もう一度高校の教科書を振り返ってみるのもおもしろいでしょう。

また、アルコールは引火性が高い物質でもあります。よって発火の危険が常にありますので、取り扱う際には火器には十分に注意して扱ってください。実験などをされる方はアルコールが危険物であることを頭にいれ実験などを行っていただけると幸いです。

また、危険物は危険物取扱資格などの資格もあるので、興味がある方は調べてみてください。