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上の書き順は変わったのか・行書・草書・楷書での書き順

Author nopic iconおこめ。
カテゴリ:マナー

初回公開日:2018年02月05日

更新日:2020年05月20日

記載されている内容は2018年02月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

上の書き順は変わったのか・行書・草書・楷書での書き順

「上」の書き順が変わった?

私たちが普段目にしている漢字。小学生の頃、その漢字を習うときに同時に書き順も習いました。さて皆さんにとって、「上」という字の書き順はどこが一画目でしょうか。学校で「横棒から書く」と習った人もいれば、「縦棒から書く」と習った人もいるのではないでしょうか。これは、多くの場合世代によって異なっています。

なぜこのような違いが起こっているのでしょうか。今と昔では、「上」の書き順は変わってしまっているのでしょうか。

実は書き順はひとつではなかった

書き順の正解はひとつしかない、と思われがちですが、実は一部の漢字には複数の書き順があります。「上」もそんな複数の書き順がある漢字のひとつで、漢字の書き順を定めた書物『筆順指導の手びき』では「広く用いられる筆順が、二つ以上あるもの」という項目があり、「上」という字もそこに含まれています。

つまり、書き順が変わってしまったのではなく、そもそも書き順が複数あった、ということになります。そこで今回は、書体別にさまざまな「上」の書き順をご紹介します。

楷書での「上」の書き順

楷書とは、漢字を崩さずに一点一画を正しく書く書体です。最も基本的な書体であり、学校で習う漢字もこの書体です。分かりやすく真面目な印象を受け、読み間違えも少ないため、ビジネスシーンや目上の人に宛てた手紙など、誠意を見せたいときに向いている書体と言えます。

では、この楷書での「上」はどのような書き順になるのでしょうか。

一画目は縦棒から

楷書での「上」の書き順は、まず一画目は長い縦棒から書き始めます。次に短い横棒、最後に長い横棒を引きます。

現在の小学校では、この書き順で教えています。小学校の勉強としての正しい書き順、ということになるでしょう。

なぜこの書き順が基本になったの?

書き順に関して公的に定められたものは、1958年に文部省が著した『筆順指導のてびき』しかありません。その中で、似たような漢字である「止」が縦棒から書く書き順のため、統一するために縦棒から書く書き順とする、とされています。また、縦棒から書くことで、縦棒と短い横棒が交差してしまったり隙間が空いてしまったりするのを防ぐことができます。

ただし、あくまでも教育する際の基準であり、縦棒以外の画から書くことが間違いであるということではありません。

行書での「上」の書き順

行書とは、先ほどの楷書を少し崩した書体のことです。いくつかの画を続けて書いたり、省略したりします。楷書よりは読みにくくなりがちですが、楷書よりも無駄なく早く書けるのがメリットです。また、個人の特徴が表れやすく、親しみやすさを感じます。現代では、一般的な日本語の筆記体として使用されています。

では、この行書での「上」はどのような書き順になるのでしょうか。

一画目は短い横棒から

行書での「上」の書き順は、短い横棒を初めに書き、縦棒から線を続けて横棒を引きます。

楷書と違い、短い横棒から入っています。手書きで書きやすい書き順のため、手書きで文字を書く場合には、書体に限らずこちらの書き順を使う人が多いでしょう。

行書ではこのように、楷書と書き順が違うことも多いです。行書は素早さ、また書きやすさを重視しているため、書き順が異なっています。

行書はただ崩すだけではない

行書は楷書を崩して書いた文字ですが、ただ崩せばいいというものではありません。書き順やバランスを考えなければ、ただ雑で読みにくいだけの文字になってしまいます。書き順をしっかり覚え、筆の動きをマスターしてかっこよく崩しましょう。

「上」という字を崩す場合には、短い横棒から縦棒に移動する流れ、縦棒から最後の横棒に移動する流れを意識して書くと美しくなります。

草書での「上」の書き順

草書とは、行書よりさらに字画の省略が行われている文字で、独特な字の形をしています。文字ごとに決まった形を覚えなければ、読むことも書くことも非常に難しい字です。また、崩し方も多くの種類があります。

古い書物にもこの草書が多く使われており、読み書きするのは大変ですが、見た目が美しく非常に芸術性が高い文字です。

では、この草書での「上」はどのような書き順になるのでしょうか。

一画目を縦棒から書くパターン

草書は多くの崩し方があるため、草書なら必ずこの書き順、というのはありません。

「上」の一画目を縦棒から書くパターンでは、まず縦棒をレ点のように書き、次に短い横棒を斜め下に引きます。その流れで最後に長い横棒を引いていきます。形としては、カタカナの「ソ」の下に棒が一本横に引かれているような形です。

また、他にも点を打つように縦棒を書き、そのまま筆を離さずに横棒を引き、斜め下に筆を滑らせ、そのまま左から右に向かって長い横棒を引く書き方もあります。こちらはひらがなの「と」に似た形をします。

一画目を短い横棒から書くパターン

「上」の一画目を短い横棒から書くパターンでは、短い横棒を右から左へ引き、そのまま下へいき、長い横棒を引く書き方があります。カタカナの「コ」を反転させたような形です。

また、行書のように短い横棒を書いたあと、筆を離して縦棒を引き、続けて横棒を引く書き方もあります。

書道での「上」の書き順

書道では書く書体によって書き順が異なります。楷書なら縦棒から、行書なら短い横棒から、草書ならその崩した形によってさまざまです。自分が「上」という字を書くとき、どのような書体で書きたいのか、その書体での「上」の正しい書き順をよく確認する必要があるでしょう。また、書道では流派があり、それによっても変わる場合があります。

どうして書き順が複数あるの?

書き順が書体によって違うのは、その書体で書きやすい書き順があるからです。その書体で字を表現するにあたり、自然で筆運びがしやすく、またバランスの良い字を書くことのできる順番となっています。書き順を覚えることは、綺麗な字を書くことにもつながっていきます。

昔は書き順がなかった

日本に漢字がやってきたのはとても古い時代までさかのぼりますが、書き順というものは、1958年に『筆順指導のてびき』が作成されるまで正しいものというのは存在しませんでした。書き順とは多くの人たちが何度も漢字を書くにあたっての経験から生まれたものであり、さまざまな種類があって当然のものと言えます。

「上」という漢字にもさまざまな書体、つまりは形があり、それらを美しく表現するために、書きやすくするために複数の書き順が生まれていきました。書体による書き順の違いを考えることで、自然と字もバランスよく綺麗になっていきます。

複数の書き順があるのは「上」だけではない

「上」以外にも「取」「必」「発」など、複数の書き順がある漢字は多く存在します。それらにも指導をする上での基準というものはありますが、その書き方だけが正解であとは間違い、などということは決してありません。それらの漢字にも書体によって美しく書ける書き順が存在しています。

どの書き順も間違いではない

今回「上」という漢字のさまざまな書き順をご紹介しました。縦棒から書くもの、短い横棒から書くものとありましたが、どの書き順も間違いではありません。書き順の標準を定めた『筆順指導の手びき』においても、「本書に掲げられた以外の筆順で、従来行われてきたものを誤りとするものではない」と注意書きがされています。

書き順とはあくまでも基準であり、書きやすい方法で書いたとしても決して間違いではありません。漢字を書く大原則として「上から下」「左から右」というものがあるので、それにさえ従っていればよいとも言えます。

しかし、書体によって美しく書ける書き順というものがありますので、それを知り、意識することでバランスのよい美しい字を書くことができるようになります。ぜひとも今後は意識して書いてみてください。