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自衛隊でのモールス信号の覚え方・日本語・数字

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雑学 / 2019年01月17日
自衛隊でのモールス信号の覚え方・日本語・数字

モールス信号を知っていますか?

モールス信号というのを知っているでしょうか。一般の人は、モールス信号という言葉は知っているけれど、どのようなもので何に使われるのかを、あまりよく知らないという人がほとんどでしょう。

モールス信号とは、短点「・」と長点「-」という2つの符号を使って、文字や文章、数字などを表す信号のことです。短点を「トン(ト)」長点を「ツー」といい、「トントントン ツーツー」といったように、この2つの符号だけを組み合わせて文字や数字を表します。そのためモールス信号は「トンツー」と呼ばれることもあります。

モールス符号で表すのは和文、欧文、数字、記号などです。和文モールスにはイロハやアイウエオといったカナや、0から9までの数字、コンマや疑問符などの記号があります。英文モールスにはABCなどのアルファベット、数字、記号などが含まれます。モールス信号は、これらを組み合わせて文章を送ります。

モールス信号で「SOS」

モールス信号を打つ装置は「電鍵(でんけん)」といいます。実際モールス信号をどのように打っているかは、言葉で説明するより映像で見た方がわかりやすいでしょう。

Youtubeでは、「SOS」をモールス信号で打っているところの映像です。SOSはモールス符号で「・・・ --- ・・・」(トトトツーツーツートトト)と表します。SOSは遭難信号としてSとOとSの3文字ではなく、1文字扱いとされるため、短点と長点の間は空けないことになっています。これは世界共通の遭難信号でもあるので、覚えておくといいでしょう。

SOS信号は、有名な「タイタニック号」遭難の際にも使われました。近くの船はSOSに気づかず、93キロ離れたところの船がようやく遭難信号を受信しましたが、救助には間に合いませんでした。このことがきっかけとなり、救難信号の有効性が整備されていったということです。

日本でのモールス信号の歴史

日本で初めてモールス信号が使われたのは、ペリーが2度目の来日をした1854年といわれています。「エンボッシング・モールス電信機」というものが、当時のアメリカ大統領ミラード・フィルモアから幕府への贈り物として、ペリーの手によって渡されました。これによって電信による通信が、日本で初めて行われました。

エンボッシング・モールス電信機とは、送信側が電鍵でモールス符号を打つと、受信側の電信機の紙テープに凹凸がついて信号を送るしくみになっています。

その後20世紀初頭に、現在のような電波を断続してモールス符号を送受するという、無線電信が行われるようになりました。

モールス信号を発明した人は、サミュエル・フィンリー・ブリース・モールスというアメリカの画家であり発明家だった人です。その人の名前からモールス信号、モールス符号と名付けられています。

自衛隊でのモールス信号の覚え方

自衛隊には‎陸上自衛隊 、海上自衛隊 、‎航空自衛隊 とありますが、モールス信号はどの自衛隊でも使われています。主に通信関係の訓練として使われています。

自衛隊では、モールス信号はどのようにして覚えるのでしょうか。具体的にどのようにして覚えているのか、またコツのようなものはあるのかなど、自衛隊でのモールス信号の覚え方について詳しく紹介します。

日本海軍のモールス信号

自衛隊のモールス信号の覚え方についてお伝えする前に、まずは実際に戦争でモールス信号を使用した海軍のについてお伝えします。

「ニイタカヤマノボレ一二〇八」というのは海軍が開戦の時に用いた暗号文で、「ヒノデハヤマガタ」は陸軍が使用した暗号文です。これをそのまま平文(ひらぶん)でモールス信号を送ったのではなく、さらにこの文を「1534 2678」といったような4桁の数字に暗号化して送られました。これらは開戦の日時が決まったことを伝えるものでした。

このように海軍などの通信手段として、モールス信号は大いに使われていました。海軍のモールス信号の覚え方は、合調法(ごうちょうほう)といわれるもので、語呂合わせのようなものでした。

合調法とは

合調法とは、同じリズムを踏んで覚える語呂合わせのことです。海軍式といわれるモールス信号の覚え方は、イロハ順で暗記する覚え方でした。例えばイであれば、モールス符号は「・-」となり「伊藤(イトー)」、ハは「ー・・・」で「ハーモニカ」といった覚え方です。

ノという字のモールス符号は「・・--」で「乃木東郷(ノギトーゴー)」というように、乃木は乃木稀典吏陸軍大将、東郷は東郷平八郎海軍大将のことです。この二人を語呂合わせにしているところに、いかにも軍隊らしい覚え方が表れているといえるでしょう。

自衛隊での覚え方は?

自衛隊でのモールス信号の覚え方は、合調法ではなく、いわゆる音感法という覚え方をしている人が多いとのことです。音感法とは音を聞いてパターンとして覚える方法ですです。合調法は暗記するための覚え方としてはいいのですが、スピードを重視する場合は、最初から音感法で覚えた方が受信スピードが速くなります。

音感法は、短点と長点の組み合わせとして覚えるのではなく、「トツー」イ、「トツートツー」ロ、「ツートトト」ハというように、繰り返し音のパターンで覚えることで瞬間的に反応できるようにする覚え方です。

合調法の覚え方だと、一度合調語に変換してから符号にしてという経緯をたどるので、その分理解するスピードが遅くなります。音感法の覚え方のほうがより実践的になります。

自衛隊での覚え方は、「トツー」をひたすら繰り返して暗記する、という覚え方をするとのことです。

海上自衛隊では探照灯がモールス信号に

海上自衛隊の護衛艦などでは、船にある探照灯(たんしょうとう)でモールス信号を送ることがあります。短く照らしたり長く照らすことで、短音と長音を表します。探照灯とはサーチライトのことです。

探照灯を使ってモールス信号を送ることを、発光信号といいます。これを行なうのは航海科に所属している人たちです。

実際に船から発光信号を送っている映像があるのでご覧ください。

リズムで覚える「モールスミュージック」

モールス信号の覚え方のひとつに、音楽で覚える方法もあります。リズムを音楽に変えて覚えるという覚え方です。音楽のリズムは、身体で楽しく覚えることができます。とくに音楽の好きな人には、ピッタリの覚え方といえるのではないでしょうか。

日本語のモールス信号の覚え方

日本語のモールス信号の覚え方はどんなものがあるのでしょうか。日本語はひらがなをイロハ順と五十音順に、それぞれ合調法で暗記する覚え方があります。どちらで覚えてもいいのですが、イロハ順の覚え方だと、同時にアルファベットのモールス符号も覚えることができます。

イロハ順で覚える合調法

イロハ順の覚え方にすると、アルファベットのABCと、同じ符号が割り振られているものがあることがわかります。わかりやすくするために、一部を一覧表にしてみました。

一覧表を見ればわかるように、イロハ順に対してアルファベットも、ほぼ順番どおりになっています。イのモールス符号は「・-(トツー)」でAでもあります。Bはイロハ順でいくと一つ飛んでハの「ー・・・(ツートトト)」となります。因みにHの次の「I」は、記号の濁点「〝」と同じでモールス符号は「・・(トト)」となります。

モールス符号のひらがなとアルファベットには、このような規則性があるということがわかれば、ひらがなとアルファベット両方を一緒に暗記することも可能となるでしょう。

ひらがな(和文)合調語合調音モールス符号アルファベット(欧文)
伊藤イトー・-A
路上歩行ロジョーホコー・-・-
ハーモニカハーモニカー・・・B
入費増加ニューヒゾーカー・-・C
報告ホーコクー・・D
E
特等席トクトーセキ・・-・・
地下騰貴チカトーキ・・-・F
流行地リューコーチーー・G
塗物ヌリモノ・・・・H
ルール修正すルールシューセースー・--・
和尚焼香ヲショーショーコー・---J

モールス信号の数字の簡単な覚え方

モールス信号の数字の覚え方は、合調法で覚える方法もありますが、数字はすべて5つの符号からなり規則性があるので、合調法を使わなくても比較的簡単に覚えることができるでしょう。

数字のモールス符号

数字は1から0までの数字を、すべて5つの符号で表します。1から5までは、1は短音が1つと長音が4つ、2は短音2つと長音が3つというように、順番に短音が増えて長音が減るという規則性があります。5になると短音だけ5つになります。

6は長音1つと短音4つから始まり、7は長音が2つ短音3つというように、6から0までは長音が増えていき、短音が減るという規則性で進み、0は長音だけとなります。

この規則を覚えれは、数字のモールス符号の覚え方はとても簡単になります。数字のモールス符号を一覧表で表すと、規則性がよくわかります。

数字符号
1・----トツーツーツーツー
2・・---トトツーツーツー
3・・・--トトトツーツー
4・・・・-トトトトツー
5・・・・・トトトトト
6ー・・・・ツートトトト
7ーー・・・ツーツートトト
8ーーー・・ツーツーツトト
9ーーーー・ツーツーツーツト
0ーーーーーツーツーツーツーツー

数字の合調法での覚え方

数字も合調法を使った覚え方があります。暗記の得意な人は、こちらの方が覚えやすいという人もいるでしょう。いろいろな合調法の言い方がありますが、よく使われているのを一覧表にしてみました。

数字符号合調語
1・----飛行操縦法
2・・---二十(フタジュウ)メーター
3・・・--三月(ミツキ)有効
4・・・・-四谷区長(ヨツヤクチョウ)
5・・・・・五目飯(ゴモクメシ)
6ー・・・・ロ-ソク立て
7ーー・・・なあもう七つ
8ーーー・・やあやあもう来た
9ーーーー・空中航空機
0ーーーーー冷凍法良好

瞬きのモールス信号の覚え方

瞬きでモールス信号を伝えることもできます。瞬きを短くしたり長くすることで、短音長音に表すことができます。短点と長点の比率は1:3、長点は短点の3つ分の長さということになります。

また符号を作っている長点または短点の間は1短点分空けます。文字と文字の間は3短点分(1長点分)、単語と単語の間は、7短点分空けるという決まりがあります。これらの決まりをしっかり覚えてから、目を閉じる長さを変えてモールス信号を表します。

以前イスラム国によって拘束された日本人フリージャーナリストの後藤健二さんが、インターネット上で映像が公開された際に、不自然な瞬きをしているのが映っていたことがありました。

これが、モールス信号で「助けるな」「見捨てろ」という隠しメッセージだともいわれて、話題になったことがありました。これについては違うとの意見もあり、真相は明らかになっていません。

隠しメッセージとしてのモールス信号

ベトナム戦争の時、捕虜になったアメリカ兵が「TORTURE(拷問されている)」というメッセージを、瞬きのモールス信号で送っている映像が残っています。兵士自身が母国を批判する様子を、ベトナム側が撮影したプロパガンダ映像です。話している内容とは違うということを、兵士は瞬きのモールス信号を使って、隠しメッセージとして訴えています。

タペストリーにモールス信号

ナチスドイツの捕虜だった英国のカサダリ少佐は、自分が作ったタペストリーの中に、隠しメッセージとしてモールス信号を使っています。長く縫い付けた糸と短く縫った糸で、モールス信号を使って表したメッセージが、模様として隠されています。

その内容は「FUCK HITLER(くたばれヒトラー)」や「GOD SAVE THE KING(神よ王を守りたまえ)」といったものでした。直接言うことのできない気持ちを、隠しメッセージとしてタペストリーで表現しています。このメッセージはナチス軍に解読されることなく、食堂にそのまま飾られていたとのことです。

常にモールス信号を意識する覚え方

身の回りには、常に文字や数字が溢れています。文字としてのモールス符号を覚えたら、今度は目についたものをモールス符号にしてみるなど、常に意識する覚え方もモールス信号を確実に覚える方法の一つといえるでしょう。

散歩しながら、コーヒーを飲みながら、目にした看板の文字やアルファベット、メニューに書いてある値段の数字などをモールス符号で表す練習をすれば、いつでもどこでもできる覚え方になります。外国語を習得するときの学習法と、同じような覚え方です。

またモールス信号を楽しく覚えるという意味で、ジブリ映画の「天空の城ラピュタ」を見るといいでしょう。モールス信号を使う場面が、何度も出てきます。

過去のものではないモールス信号

メールや携帯電話、衛星通信などの情報技術が発展し、モールス信号は一般の業務においてはあまり使われなくなりました。現在でも使っているのは一部のアマチュア無線家や自衛隊の訓練ぐらいだといわれています。

けれども地震や災害など何が起こるかわからない今、万が一電気系統が一切使えなくなれば、用をなさないものばかりになってしまいます。そういった非常事態の時にでも役に立つのが、これまで紹介してきたシンプルなモールス信号ということになるのではないでしょうか。

自衛隊で今なお訓練として使っているのは、きっとこういった時に備えてのことなのでしょう。暗号や隠しメッセージというイメージの強いモールス信号ですが、いざという時の通信手段として必要なものであり、一般人の我々も覚えておくに越したことはないといえるでしょう。

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