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写経の願い事・般若心経の書き方|日付/名前/為/供養

Author nopic iconきちゃぴん
文化 / 2019年02月19日
写経の願い事・般若心経の書き方|日付/名前/為/供養

写経の願い事・願文の書き方

写経の願文(願い事)は、写経の最終行の次の行に書きましょう。その書き方は、まず一字下げて「為」と書き、一字空けて願い事を書きます。また、「為」を使うだけでなく、願い事を書いた後、同じように一字空けて、「也」を書くという書き方もあります。

願い事には大きく分けて供養と祈願の2つがありますが、いずれの場合も「為 ○○」または「為 ○○ 也」という形で書きます。

「為」の意味は?

願文の最初に書く「為」は、漢文の書き方に由来しています。たとえば「為 ○○ 安産祈願」を例に見てみましょう。この願文には、「○○の安産を祈願して、このお経を写しました」という意味が込められているため、「○○ 安産祈願 為」と書き下して読むことができます。

また、願文の最後に「也」をつけて書くときも、「為 ○○ 安産祈願 也」は、同じように「○○の安産を祈願して、このお経を写しました」という意味が込められるため、「○○ 安産祈願 為 也」と書き下して読みます。

供養のための写経の書き方

供養のための書き方の代表的な例として、「為 □□霊位菩提」があります。□□には、供養する対象を書きます。たとえば、先祖供養をするときは△△家先祖代々、水子供養をするときは△△家水子、故人を供養するときは戒名または故人の姓名を書きましょう。

また、供養の対象となる個人などがいる場合の願文には、△△家や故人の姓名や戒名など、必ず供養の対象となる個人などの名前を書きます。これは、名前がないために、誰のための願い事なのかわからないということを防ぐためです。

なお、供養のための願い事の書き方には、「霊位菩提」のほかに、「霊位供養」「一回忌」「三回忌」などがあります。

祈願のための写経の書き方

祈願にはさまざまなものがありますが、書き方の例として「安産祈願」を見てみましょう。安産祈願の場合、「為 □□ 安産祈願」のように書きます。□□には、これから出産する人の姓名を書きます。

安産祈願のように祈願の対象となる個人などがいる場合は、供養のときと同じく、誰のための願い事なのかわからなくならないよう、祈願の対象となる人の名前を書き忘れないよう気をつけましょう。

また、祈願のための願い事の書き方には、「安産祈願」のほかに、「商売繁盛」「家内安全」「求児成就」「良縁成就」「道中安全」「交通安全」「心身健全」「無病息災」「除災招福」「開運厄除」「心願成就」「事業繁栄」「試験合格」「学業成就」「家運隆盛」「息災延命」「手術成功」「病気平癒」など、さまざまなものがあります。

中には「一切衆生招福消災」のような長文のものもあります。

写経で「般若心経」が選ばれる理由とは?

写経とは、経典を選んで書写することを言います。数ある経典の中でも、「般若心経」は、経文が短い経典です。しかし、経文が短いにもかかわらず、仏法の大意はきちんと述べられているため、書写しやすい経典でもあります。そのため、一般的に写経と言うと「般若心経」を書写することが多く、宗派を超えて用いられています。

では、写経の般若心経は、どのように書くのか、その書き方を見ていきましょう。

写経の般若心経の書き方

写経の般若心経の書き方は、次のとおりです。

①写経用紙の1行目を空け、2行目に内題(最初の表題)を書く。

②3行目から1行17文字で経文を書く。

③経文の後、奥題「般若心経」を書く。

④奥題の後、1行空けて願文、日付、氏名、住所などを書く。

写経の書き方の由来

経文を1行17文字で書くことや、内題の前、本文と奥題との間、奥題と願文との間などの空行は、古来の書き方の様式です。17という文字数には、般若理趣経に、「17は清浄の本有を示す」とあるため、1行17文字で書くようになったと言われています。また、空行については、古来の書き方の様式というだけでなく、見た目が美しいという効果もあります。

字を誤ったときや、脱字があったときは?

一字一字丁寧に写経をしていても、間違ってしまうことがあります。そのようなときは、初めから書き直すのが一番ですが、脱字の場合は、そこに黒点をつけ、行末に脱字を書きましょう。一字脱字のときは一点、二字脱字のときは二点をつけます。誤字の場合は、誤字の右肩に黒点をつけ、その行の上かそばに正しい字を書きます。

写経の書き方が違うこともある?

写経の書き方には、お寺や地域、指導者によって多少の違いがあることがあります。たとえば、①②は共通する書き方ですが、③については、本文の後、1行空けて書くという書き方もあります。

また、④については、順序が異なる書き方もあります。たとえば、奥題の後、1行空けて願文、日付、住所、氏名という書き方もあれば、日付を最初にして、日付、願文、住所、氏名という書き方や、日付を最後にして、願文、住所、氏名、日付という書き方もあります。

「右の為」の意味は?

般若心経の写経をするとき、願文は「為 家内安全」または「右為 家内安全」と書きます。「右為」も「為」とほぼ同じであり、「右為 家内安全」は、「右のお経は、家内安全を祈願して書きました」という意味を持つため、「右 家内安全 為」と書き下すことができます。

なお、般若心経には、化け物や浮幽霊など、あらゆる霊を引き寄せる力があると言われています。なぜなら、これらの霊も、浮かばれたい、成仏したい、何らかの特殊能力を身につけたいなどの願いを持っているからです。そのため、願い事をかなえるために、お経を欲しがって、近寄ってくると言われています。

信じる、信じないはあなた次第ですが、「為」または「右為」を忘れずにつけて、願文を書きましょう。また、寺院によっては、願文がないと写経として見てもらえず、奉納できないこともあります。写経したものを寺院に奉納しようと思ったときは、願文を忘れずに書きましょう。

写経の最後の書き方

写経の最後、つまりお経の本文を書き終えたら、日付と願文と住所と名前を書きます。

写経の日付の書き方

写経の日付は、写経の本文の後、一行空け、さらに最初の一字を下げて書きます。そのとき、平成三十年二月六日のように、和暦と漢数字で書くことに気をつけましょう。また、日付は奉納の日付ではなく、書き終えた当日の日付にします。なお、日付の選び方として、書き終えた当日の正確な日付のほかに、平成三十年二月吉日と「吉日」を用いて書く方法もあります。

写経の住所の書き方

写経を寺院などに奉納するとき、同姓同名を考慮し、仏様に、どこに住んでいる人の願い事なのかを知らせるために、名前だけでなく住所も書きます。しかし、住所は、あくまでも奉納のためのものなので、市区までで十分であり、番地まで書く必要はありません。

また、お寺などで写経を行う場合、お寺や地域、指導者によっては、写経をした場所の住所を書くこともあります。

写経の名前の書き方

写経の名前は、住所を書いた後、一行空けて「願主」と書き、その下に一字空けて姓名を書きます。このとき、名前は本名を使いましょう。名前を書いたら、末尾に「謹写」や「謹書」、「敬書」と記します。

また、写経はその性質上、雅号(書家や文人、画家などが本名以外に使う風流な別名)を使ったり、落款印(書道や日本画に、自分の作品であることを示して捺される朱色の印)を捺したりはしません。

なお、住所と同じく、写経に名前を書き忘れると、奉納したときに、仏様が、誰が書いたものなのかわからなくなってしまいます。自分の願い事を仏様にきちんと届けるためにも、名前を書き忘れないようにしましょう。

真言宗の写経の書き方

写経をする前に、手洗いや口をすすぐなどして身を清めます。そして、お香をたいて室内を清め、墨をすって心を静めます。心が静まり落ち着いたら、合掌礼拝のうえで、「般若心経」や「懺悔文(さんげもん)」、「開経偈(かいきょうげ)」などのお経を唱えて、書き写し始めます。このとき、一字一字に心を込めて丁寧に書くことを忘れないようにしましょう。

経文を書き終えたら、最後に願い事を書きます。誤字・脱字がないことを確かめ、書き写した経文を読んで合掌し、南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこうんごう)などを唱えて、さらに合掌礼拝します。これで写経はおわりです。写経したものは、近くの寺院に奉納すると良いです。

なお、お寺や地域、指導者により、書き写す前に読むお経や書き終えた後に唱える言葉などに多少の違いがあることがあります。そのため、実際に写経をする場の様式に従って、写経を行うようにしましょう。

写経をして、徳を積もう

写経には、ある程度書き方が決められています。しかし、お寺や地域、指導者によって、その書き方に多少の違いがあることもあります。そのため、写経の書き方にこだわり過ぎず、一文字一文字に意識を集中させ、丁寧に書くことを心がけるようにしましょう。

写経をすることは「徳積み」になるとも言われています。徳積みとは、徳を積むこと、つまり善い行いをするということです。善い行いは、巡り巡って自分に返ってきます。

一度に全部を書くことができなくても、何回か、何日かに分けて行う、という写経の形もあります。時間があるときに、一文字、二文字でもいいので、継続することを意識したうえで、写経を始めてみませんか。きっと、多くの徳が積み上げられることでしょう。

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