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住民税の滞納があるとどうなるのか・時効・会社|差し押さえ

Author nopic icon袴田未来
税金 / 2018年03月31日
住民税の滞納があるとどうなるのか・時効・会社|差し押さえ

住民税の滞納に時効はあるのだろうか

日本国憲法に定められている「国民の三大義務」の内、一つは納税が該当します。税金にはたくさんの種類があり、生活をする上で身近なものと言えば、消費税が挙げられます。

税金には国税と地方税があり、消費税や所得税などは国税なのですが、住民税などは地方税に該当します。今回はその地方税である『住民税』こちらについてまとめていきます。

そもそも住民税ってなんだろう

住民税とは、都道府県が徴収する都道府県民税と、市町村が徴収する市町村民税(東京23区は特別区民税)です。住民税を徴収する目的としては、自治体における教育や福祉、ゴミ処理業務などの行政によるサービスをおこなうための資金確保により発足されました。

地域での行政活動をおこなうには資金が必要になります。まず地域に住んでいる皆が分け隔てなく教育を受けたり、福祉関連の補助を受けるにはお金がかかります。自宅で個人が消費したゴミの処分をおこなうことにもお金がかかります。燃料代や処理場で就業している人の人件費など、サービスでできるほど世の中は甘くありません。

人が生活をしていく上でゴミを出さないことは不可能です。あなたが食べた食料品の包み紙や容器、飲料の缶や瓶、ペットボトルなど挙げればきりがありません。処理にも膨大な手間や費用がかかるため、個人の代わりに行政がおこなっています。

住民税の支払いが遅れると

住民税の支払いが遅れることを滞納と呼びます。この滞納と呼ばれる状況に陥ると、延滞金が発生するようになります。本来支払わなければならない住民税プラス延滞金が発生するようになるのですが、告知を受けても支払いをおこなわないと、利息が発生し、最終的に膨大な金額を支払わなければならない状況に陥ります。

サラリーマンとして就業をしていれば、会社が住民税の納付を代理でおこなってくれるようになるのですが、個人事業主やフリーランスなど自ら納付をしなければならない人は住民税の納付を忘れがちです。滞納をして後悔しないためにも、住民税の支払い納付書が届いた際には、すぐに支払いをおこなうようにしましょう。

滞納したけど時効はあるの?

結論から言いますと、住民税にも時効があります。地方税法の18条により5年で時効を迎えます。

地方税法 第一八条 条文

地方団体の徴収金の徴収を目的とする地方団体の権利(以下この款において「地方税の徴収権」という。)は、法定納期限(次の各号に掲げる地方団体の徴収金については、それぞれ当該各号に定める日)の翌日から起算して五年間行使しないことによって、時効により消滅する。

時効があったとしても

住民税は先に書いたように滞納をしていても、時効が発生して期間を過ぎると打ち消しとなるのですが、例外もあるので注意が必要です。そもそも支払わないということ自体がルール違反のため、住民税の支払いから逃げることを考えるよりも支払いをおこなうように努力をするべきです。

時効は基本的に消滅しない!

滞納の流れをご紹介させていただきます。

市税納入通知書の発行⇒本人へ届く⇒納期限が過ぎる⇒滞納が判明⇒市税の納入を口座振替でおこなっている場合は振替不能通知が自宅へ届く(こちらで支払いをおこなうことが可能となります)⇒支払いをおこなわない⇒督促状の発送(一度限り)

ここで時効が発生します。ここから5年間役所からの連絡がなかったり、通知書が届かない場合、時効が成立して滞納分の請求が帳消しとなります。

ここからがポイント!

督促状は納期限から約20日程度が過ぎると本人の手元へ郵送にて届くようになっています。それでも支払いをおこなわない場合は、支払催告書というものが随時届くようになります。督促状は法的に一度限りしか送られてこないのですが、支払催告書についてはその限りではありません。

ちなみにこの支払催告書が役所からの通知の代わりとなるため、督促状が届いてから5年間のうちに一度でも支払催告書を受け取った時点で、再度時効の期間がリセットされるようになります。

さらに、支払催告書の発行をおこなっている時点で、差し押さえが可能な状況となっているため、就業を開始すると差し押さえの連絡が就業している企業に入るようになっています。基本的には仕事もせずに素性を隠して暮らしていない限り、住民税から逃れることはできなくなっているのが現状です。

住民税の滞納があるとどうなるの!?

先に書いたように、住民税の滞納をおこなうと役所から支払いの催告がやってきます。連絡を無視して支払いを拒否していると、利息や延滞金が発生するようになります。

利息や延滞金が発生する前に、差し押さえがおこなわれるではないか?と疑問に思う方もいるのでしょうが、逃げ上手な方は、その差し押さえすら逃れていることも事実です。どういった場合、差し押さえがおこなわれないのかを、まず例として紹介させていただきます。

差し押さえがおこなわれない状態とは

住民税の支払いは自分が居住している地域の役所から通知がくるようになっています。本籍地から転居をする場合、通常であれば役所に赴き(インターネット経由、郵送でも可能)転出届を管轄の市役所へ提出します。証明書の発行をしてから、新しく住居を構える地域で管轄の役所へ転入届の提出をおこないます。

これでひととおりの手続きを完了するのですが、この転出および転入届を出さない状態で転居をおこなうと役所からの通知が一切入ってこない状況になります。『仕事をしないで』この状態を継続していれば、役所からの通知が一切入ってこないため、住民税の滞納をしていたとしても5年間の時期がすぎれば時効が成立するようになります。

転入、転出の手続きや仕事をすると?

滞納をしている状態で転入、転出届を提出すると現住所が判明するため、すぐに催告書が送られてくるようになります。二十括弧で強調させていただいたのですが、転入・転出の手続きをせずとも仕事を始めればいつかは、所在が判明してしまうでしょう。

会社には税金を納める関係で役所に提出する書類が多くあります。扶養控除申告書に住民票を置いている住所の記載をおこなったり、年末調整の際に同様の住所で申告をしたり、マイナンバーなどからも所在が判明することでしょう。マイナンバーの提出が義務化されている現在では、逃げることなど不可能です。

延滞金は利息ではない

延滞金のことを利息だと勘違いしていることが多くありますので、まず利息という言葉について説明させていただきます。

利息とは

利息とは利子と同じ意味で使用されます。利息や利子とは、貸借した金銭などに対して、ある一定利率で支払われる対価であるため、滞納に付随して請求されるものは、貸借しているものではないため利息ではありません。滞納により発生するものは延滞金であるため注意が必要です。

延滞金について

延滞金は、年度毎に変動します。平成30年現在の延滞金についてですが、納期限の翌日から1月を経過する日までの期間は、原則として年2.6%の延滞金が発生します。その日以降については、年8.9%の割合で延滞金が発生します。

1月が経過すると高い理由

銀行などの預金利子などより割合が高い理由についてですが、これは納付期限までに住民税を納めた人との公平性を保つために決められたものであります。滞納をすることそのものが悪いことだと言っても過言ではありません。正直なところ割の低い1月の猶予期間を設定してくれているだけでも、ありがたいと考えなければいけないでしょう。

平成22年から現在までの延滞金の変動

【平成22年から平成25年まで】
納期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間:年4.3%
納期限の翌日から1ヶ月を経過した日から完納の日までの期間:年14.6%

【平成26年】
納期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間:年2.9%
納期限の翌日から1ヶ月を経過した日から完納の日までの期間:年9.2%

【平成27年から平成28年】
納期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間:年2.8%
納期限の翌日から1ヶ月を経過した日から完納の日までの期間:年9.1%

【平成29年】
納期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間:年2.7%
納期限の翌日から1ヶ月を経過した日から完納の日までの期間:年9.0%

【平成30年】
納期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間:年2.6%
納期限の翌日から1ヶ月を経過した日から完納の日までの期間:年8.9%

延滞金の計算方法

【延滞金】税額×上記の1ヶ月までの割合×(納期限の翌日から完納の日または1ヶ月を経過する日までの日数)÷365+税額×上記の1ヶ月を経過した日からの割合×(納期限の翌日から1ヶ月を経過した日から、完納の日までの日数)÷365

このように計算されます。年々割合は低くなってきている現状ですが、それでも8.9%は高いです。滞納している人は、早急に支払いをおこないましょう。

差し押さえの発生

先に書いたように、住民税の滞納をしていると最終的には差し押さえに発展します。役所側からするとこれが最終手段です。本来であれば、滞納の開始による督促状の発送から数日が経過した時点で差し押さえが有効となるのですが、その後も支払い催告書を送付したり、本人の自宅まで訪問し支払いのお願いをしています。

これでもかとお願いにお願いを重ねているのにもかかわらず支払わない不届者がいるため、そういった者に対しては本格的に差し押さえをおこないます。

差し押さえの流れ

財産調査をまずおこないます。国税徴収法により、滞納処分に必要な範囲で勤務先や金融機関などに調査を行います。財産が見つかった時点で差し押さえをおこない、取立をして税金に充てる形となります。ここでいう財産とは会社からの給与、不動産、自動車、金融機関の預金、貴金属などが挙げられます。

住民税の滞納は会社にバレるのだろうか

そもそも会社で勤めている方は、住民税が最初の一年間を除き、給与から控除されているため、滞納そのものがないでしょう。住民税の滞納を気にしなければならないのは、勤め先を退職してから期間が経過したのちに中途採用で就業先が決まった方や、個人事業主などです。

住民税の支払いを給与から控除しない状態であれば、会社側にはわかりません。ただし年末調整をおこなった時点で滞納があれば、すぐに管轄の市役所から連絡がくるでしょう。普通の企業に勤めているのであれば、年末調整の際に住民税の納付を会社からおこなうか個人でおこなうかのチェック欄で会社からの納付を選んでいるはずです。

年末調整をおこなった際に上記のとおりに進めて、給与から控除をした時点でわかってしまうことなので、支払いを済ませていない人は済ませてから就業を開始しましょう。

役所からの通知

滞納をしている方で、勤め先はわかっているが居住地がわからない場合は市役所の税務課から勤め先に『個人名で』支払い催告書の通知が届きます。会社側は個人名で税務課から通知が届けば、滞納をしているとすぐに判断するでしょう。

さて会社側から支払い催告書が本人の手元に届くのですが、この時点で役所側へ早急に連絡をすれば差し押さえを免れることができます。これを無視していると、勤め先に電話連絡がきます。会社側が本人へ伝えて、連絡をするように促します。さらにこれを無視していると、いよいよ財産調査の通知が会社へ届きます。

ちなみに財産調査などの内容を個人に伝えることは基本的にありません。役所側から固く口止めをされますので、差し押さえをするタイミングも唐突にやってきます。

役所側へ相談をすると

中には生活費の工面でいっぱいいっぱいだという人もいるでしょう。そんなときはすぐに管轄の市役所へ相談をしましょう。住民税の納期限から6ヶ月以内の申請をすると、1年以内の期限で猶予が認められる可能性があります。

猶予が認められると、猶予期間中の延滞金が一部もしくは全て免除されます。さらに財産の差し押さえや換価(取立した財産の売却)が猶予されます。

差し押さえが発生しても

例え差し押さえが発生したとしても、必ず市役所に足を運び相談をしましょう。本来は猶予してくれないのですが、担当さんによっては親身に相談にのってくれる方も中にはいます。一度に差し押さえる金額の緩和や分割の支払い、支払い方法を分割にして勤め先に相談をかけてくれる可能性もあります。

住民税の滞納に気がついたら、まずは管轄の市役所に必ず相談をしましょう。相談をすることで解決に向かって進むことができるでしょう。

住民税の滞納は各種ローンに影響するの?

どちらでもないが正解でしょう。金融機関のローンについては『税金』が審査の対象に入っているかどうかで変わってきます。住宅ローンや事業関係のローンについては、納税証明書の提出を求められることがほとんどです。この時点で住民税の滞納をしているのであれば、まず審査には通らないでしょう。

クレジットカードや消費者金融、銀行ローンについては『税金』が審査の対象に入っていないので通る可能性があります。

滞納した住民税の支払い方法

滞納をしていることがわかった場合、期限切れの納付書がある方はその納付書を持って、管轄の市役所へいって支払いを済ませましょう。金融機関からの引き落としの場合についても同じく窓口での相談をしましょう。支払いの金額や、延滞金の金額が大きい場合についても、その場で相談をすれば、対応をしてくれるので、窓口の支払いが確実です。

住民税を滞納できる期間

住民税を滞納できる期間ははっきりいってありません。もって1年~2年が関の山でしょう。身元不詳かつ仕事すらしていない人であれば住民税の滞納は可能でしょう。

早めに対処しないと後悔する住民税の滞納

住民税の滞納はデメリットだらけです。延滞金の発生や、住宅ローンの審査も通らないでしょう。勤め先にも滞納がわかってしまいますし、処分を受けることはないにしても、白い目で見られることには違いありません。

最終的には差し押さえに発展して、財産を根こそぎもっていかれることにもなり兼ねません。
住民税を滞納していたとしても、管轄の市役所へ相談をおこなえば、猶予を与えてくれたり、支払い金額の緩和などもしてくれるはずです。まずは、相談をしてから支払いを開始することが解決の糸口になることでしょう。

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