男女別、結婚前の貯金の平均額は?
人生においてまとまったお金が大きく動く、数少ないタイミングともいえる結婚。でも、結婚に関するお金は人それぞれです。やりたいことを全部実現させたいこだわりさんから現実堅実派さんまで、結婚の数だけ状況はあります。
ここでは、人に聞きにくい結婚にまつわる貯金事情を見てみます。
男性の結婚資金の貯金額は?
現在の貯蓄額を教えてください。 100万円未満……6.4% 100万円以上~200万円未満……11.8% 200万円以上~300万円未満……32.1% 300万円以上~400万円未満……26.8% 400万円以上~500万円未満……17.2% 500万円以上~600万円未満……3.0% 600万円以上……2.7%
女性の結婚資金の貯金額は?
「現在の貯金額を教えてください」という問いに、「100万円以上〜300万円以下」が29%で最も多く、次いで「10万円以上〜50万円以下」が20%と、多い結果となった。調査結果から、全体の約80%の貯金額が300万円以下であることがわかった。
参考:初婚の年齢は?
厚生労働省の人口動態調査の平成27年人口動態統計確定数の概況データによると、平成27年の初婚の平均結婚年齢(婚姻年齢)は男性が31.1歳で、女性が29.4歳となっています。このデータに基づくと、結婚する前の貯金額、つまり結婚する時点での貯金額は男性は31歳、女性は29歳の平均貯金額が近いということになります。
結婚資金の貯金の方法
ここでは、挙式や披露宴、新生活などの結婚資金が目標に達していない時、どうやって貯金を増やすのか、結婚資金を準備する方法についてみていきましょう。
結婚をする際に、「貯金がない」「結婚式をしたいけどお金がない」ということはカップルの懐事情として、めずらしくありません。だいじょうぶ、みんなが通る道です。結婚費用が足りないのであれば、ふたりで貯めるか、結婚資金の援助を受けるか、あるいは予算を見直すかして、お金を準備する方法があります。
結婚資金の準備の方法3つ
○自分たちで貯金する:結婚式まで短期集中で貯金する、同棲して節約
○援助してもらう:親から援助してもらう、ご祝儀
○結婚費用を抑える:挙式・披露宴、結婚関連の費用を抑える、新生活の費用を抑える
(1)自分たちで貯金する
今の時点で足りていなくても、これから結婚式までの間に貯金を増やすことは可能です。いくらのお金がいつ頃にいるのか、まずはリストアップして、時間を逆算してみましょう。二人が大人になるという意味合いもある「結婚」。ふたりの結婚資金が足りないのであれば、まず自分たちで貯金を貯めることが大切です。
結婚式までの時間を計算し、逆算してお金を貯める
また、結婚までの間は必死に働いて、支出も節約で切り詰めるということが大切です。結婚したら自分のお金は自由に使えなくなります。二人共同で目標に向かって貯金するという作業は、家計管理のいい練習機会になるでしょう。
結婚式までの間にボーナス(賞与)が見込めるようであれば、まとまった金額を貯金に回すことができます。結婚式までボーナスの時期が何回か来るならばさらに安心です。その場合、予算によってはふたりのボーナスだけで結婚式などの結婚費用を準備できるような場合もあります。
結婚前に一緒に住んで結婚資金を貯める
行ったり来たりする手間や時間だけでなく、単純に「部屋の賃料」「光熱費」など、ダブルでかかる大きな固定費をひとつにすることができ、大幅な節約がかないます。浮いた分の「住居費」「光熱費」をまるまる貯金に回すことができれば、結婚資金の貯金スピードもグンとアップするでしょう。
この場合注意しなければいけない点は、万が一結婚に至らなかった場合のリスクがあるということです。どちらかの家具や家電を処分し、ひとつの住居で同居していた場合また住まいを借りて出て行くことになります。また、同居の際は契約書を見直し、居住人数が増えることをオーナーや管理会社に知らせて許可を得ておくことが必要です。
(2)親から援助してもらう・ご祝儀をもらう
周りに目上の方や親戚が多い場合、ある程度まとまった金額になることもあります。結婚資金が足りない場合、このご祝儀や親からの援助が助けになるケースもたくさんあります。
親から援助を受ける
特にきちんとした挙式・披露宴を双方もしくはどちらかの家が希望している場合、両親が結婚式を強く希望している場合や、結婚式に何らかのこだわりがある場合には、結婚式の費用を双方もしくはどちらかの実家が一定程度負担するということは比較的よくあります。
データで見てみると、結婚資金を援助する親の割合については、国立社会保障・人口問題研究所の第5回全国家庭動向調査(2013年7月)では、結婚している子(18歳以降)に結婚資金を援助した子の親の割合は、男性の子の場合50.0%、女性の子の場合45.2%とほぼ同割合で全体の半分となっています。
結婚式参列者のご祝儀に期待する
出すだけでなく、自分が主役のときには周りの方々にいただけるのが「ご祝儀」ですが、結婚資金を準備する方法として比較的まとまった金額になり頼りになるのも事実です。結婚式に招待する同僚や友人が多い場合には比較的期待ができると言ってよいでしょう。
ただし、ご祝儀を結婚資金として計算に入れる場合、結婚式の支払いに充てる予定であれば結婚式場への支払いは当日払いか後払い(後日払い)にする必要があります。結婚式の費用を前払いや先払いで契約している場合はご祝儀をもらう前に一度貯金から負担しなければいけないことに注意が必要です。
(3)結婚費用を抑える:結婚式・新婚旅行
結婚式の費用を抑える
規模を縮小する具体例として、大掛かりな披露宴をやらないでおく、結婚式を簡素なものにする、身内や親しい友人だけの食事会や披露パーティーにする、写真撮影だけにしておく、などの方法が考えられます。
また、遠方で挙式・披露宴をすると交通費や宿泊費などもかさみますので、招待しやすい場所に変更したり、思い切って地元の式場で結婚式をする、といった工夫も資金の面では有効な方法です。
ただ、いずれの場合もふたりの実家とよく相談し、了解を得ておくことが大切です。両家とも、思い描いている結婚式がある場合も少なくなく、金銭的な理由で結婚式をしなかったということになると、両親をがっかりさせてしまう可能性がありますので注意しましょう。
新婚旅行をおさえめな内容にする
この新婚旅行を節約することで結婚資金の不足をカバーすることができます。新婚旅行の費用にはホテル代、往復の交通費だけでなく、各所に配るお土産の費用も見ておかなければいけません。
海外に1週間前後滞在するとかなりの金額になってしまうことがあります。滞在日数を減らす、行き先をヨーロッパから近場にするといった事が考えられるほか、海外旅行ではなく国内旅行にするという方法もありますし、新婚旅行自体を見送って行かないようにするか、お金が貯まってから行くようにするという方法もあります。
(4)結婚費用を抑える:新生活
必要なもの、今まで使っていたものをそのまま持っていくもの、今は要らないものなど、賢く取捨選択をして結婚資金をおさえていきましょう。
どちらかの住まいで新生活を始める
広い部屋に引っ越すと家賃や管理費、電気代などの光熱費も上がる可能性があります。新居に合わせて家具や家電などを新調すると、それだけで数十万円になってしまうこともあります。
夢いっぱいの新生活ですが、欲しいものすべてを揃えていたら貯金はすぐに底をついてしまいます。結婚費用を抑えるという意味では、あえて新居に引っ越さないで、ふたりのどちらかの住まいで始めるということも選択肢のひとつになります。
家具や家電は買わないであるものを使う
結婚してしばらくした頃に家族が増える可能性があるので、新婚時に家電や家具などを揃えても、また買い替えが発生する可能性もありますし、引っ越しをして間取りや広さが変わる場合も考えられます。新生活スタートと同時に焦ってすべてを買う必要はありません。
結婚後の貯金の目安は?
しかし、これはあくまで平均額です。これ以上の世帯もあれば、当然ゼロ円の世帯もあります。
結婚するのに必要な貯金額は?
100~200万円未満が最も多く、平均額は313.6万円となっています。400万円以上の人たちも24%います。
■結婚費用(結納、挙式、披露宴・披露パーティ、二次会、新婚旅行)のための夫婦の貯金総額(結婚費用として貯金をしていた人/単一回答) 100万円未満 10% 100~200万円未満 22% 200~300万円未満 20% 300~400万円未満 13% 400~500万円未満 13% 500~600万円未満 11%
http://bridal-souken.net/data/trend2015/XY_MT15_report_06shutoken.pdf
結婚までにいくら貯金できたらいいの?
また、婚約指輪や結納など、婚約に約160万円、新婚旅行に約75万円などがべつにかかってきます。それにプラスして、新居の契約にかかる初期費用や家具家電などの新しく購入するものなどを含めた新生活にかかる費用は約72万円が相場です。
合計するとかなりまとまった金額になっています。他のカップルはこんなに貯めてるの、と恐るるなかれ。結婚はお祝い事ですので、周囲から「ご祝儀」をいただけます。こちらも結婚式や披露宴の有無などに左右されますが、ご祝儀の平均は約232万円となっています。ご祝儀と親からの援助(ある場合)を引いた額が二人で準備する結婚費用となります。
貯金ゼロで結婚はできる?
入籍だけして結婚式や新婚旅行は余裕ができたらというカップルもめずしくはありませんし、間違っているわけでもありません。その場合は、まとまって出て行くお金が大幅に少なくなります。
とはいえ、新生活に貯金は当然あるに越したことはないです。結婚前の貯金がほとんどない場合には、結婚までに貯金を少しでも増やすことが必要になります。なくても結婚はできるけれどもゼロでは不安なスタートになることは間違いありません。
女性は結婚資金を貯めている?
これは、「貯金」はしているけれども「結婚のための」貯金と決めている訳ではない、という理由などがあげられるのではないでしょうか。
Q.あなたは、結婚資金を貯めていますか?
貯めている……16.4%
貯めていない……83.6%貯めている女性は、なんと16.4%! かなり少ないですね。
結婚する時貯金はどうする?
女性には結婚後に共働きであっても妊娠出産などで働けない期間が必ず発生します。そのときのためにある程度貯金を持っておくことは安心にも繋がります。結婚後の貯金はふたりの財産なので、共有していくということで問題はありません。
口座はわけるのが正解?
では、なんのために自分のお金の総額を知っておく必要があるのでしょうか。それは、「自分のお金」=自動的に「夫婦ふたりのお金」ではないからです。民法では、結婚前から持っていた自分の財産は基本的に自分のものと定められています。ですので、結婚前の財産をおおまかにしか把握していない場合、結婚後に一緒に貯め始めた2人の貯金とごちゃ混ぜになってしまいます。
結婚後に夫婦ふたりで貯めたお金は「共有の財産」となり、自分ひとりだけのお金ではなくなります。ふたりで共有とする財産とは別に、「自分の口座とお金」を整理して、きちんと把握しておくことが大切です。
幸せな新生活は余裕を持って
結婚資金を集める場合には自分たちで貯める、援助してもらうという方法が、また結婚費用を抑える場合には、結婚式の費用や新婚旅行の費用、新生活の費用を抑えるといった事が考えられます。
二人で新しい生活を始めるための結婚です。この機会に二人でしっかりとお金の話をし、共通の目標をいっしょに立てることができれば結婚後も安心です。また、結婚してからも病気やケガなど不慮のことがありますので、ある程度の備蓄(貯金)をもって新婚生活をスタートさせたいところです。
二人の生活は始まったばかりです。しっかりとした計画をたて、ふたりで支え合って良い家庭を築き、幸せな結婚生活を送りましょう。