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方言「じゃん」の地域別の意味と使い方|愛知/静岡/山梨/九州/北海道

Author nopic icon橘ケイ
方言 / 2018年02月28日
方言「じゃん」の地域別の意味と使い方|愛知/静岡/山梨/九州/北海道

地域別の方言「じゃん」のあらわす意味と使い方

「じゃん」には諸説言い伝えがあるのはたしかです。しかし有力なのは、もともと三河付近の言葉だったのが、徳川家康が三河武士を引き連れて東、浜松・駿府・江戸あたりへ移動していくにあたって、言葉も移動していったという説です。

これによると三河地方、(名古屋方面)の言葉であったことが分かります。現在でも横浜を始めとし、三河・遠州・駿州あたりでも使われている言葉です。

今回は、そんな「じゃん」という方言を各地ごとに調べてみて、各地のもつ「じゃん」という方言の意味についてご紹介していきます。「じゃん」っていったいなんなの、とおもった方はぜひこの記事を読んでいってください。また、普段から「じゃん」を使用している皆さんも、本来の意味を知ったり、方言であることを知るきっかけにしていってください。

愛知の方言「じゃん」

愛知での方言の「じゃん」は一風変わった使われ方をします。それはある会話でのワンシーンです。愛知出身のAちゃんと別の都道府県出身のBちゃんの会話をみてみましょう。

Aちゃん「きのう、わたしんち、すきやきだったじゃんね〜」

Bちゃん「いや、知らないよ」

はい。これは三河弁あるあるです。このばあいの「じゃん」は方言の「じゃん」です。意味は「〜なんだけどね」。つまりこの会話を標準語に訳すと、

Aちゃん「きのう、わたしんち、すきやきだったんだけどね」

Bちゃん「へぇー、そうだったんだ。いいなあ」

となる訳です。これは分かっていないと通じません。過去のことを話すときによく使われます。

静岡の方言「じゃん」

静岡でも同じ方言があります。そして使い方も同じです。これは愛知県と静岡県の距離が近いことから、あまり変化が起きずに広まっていったからだとおもわれます。それではまた、静岡出身のAちゃんと、他の都道府県出身のBちゃんの会話をのぞき見てみましょう。

Aちゃん「私って静岡出身じゃんね。」

Bちゃん「え、初耳だけど。」

と言った幹事で、また行き違いのような会話が生まれてしまっています。これは大変です。標準語に変えてみましょう。

Aちゃん「私って静岡出身なんだけどね。」

Bちゃん「え、そうなんだ。初めて知ったよ〜。」

はい、自然な会話にすることができました。

山梨の方言「じゃん」

山梨の甲州弁という方言で使用されている「じゃん」は、またひと味違った「じゃん」です。山梨の人達は東京や神奈川に出て来たとき、「なんだ、こっちのひとも【じゃん】使ってる」と安心します。しかし使っていくにつれて、何かが違うことに気付いていきます。

山梨出身のAちゃん「明日みんなお祭りいくじゃんね?」

他の都道府県出身のBちゃん「え、まだ聞いてないよ?」

山梨の「じゃん」は勧誘の言葉です。「でしょう」「よね」にも似た使い方をします。二人の会話を標準語に治してみましょう。

山梨出身のAちゃん「明日みんなお祭りいくよね(いくでしょう)?」

他の都道府県出身のBちゃん「そうそう、なん時に待ち合わせる?」

これで方言と標準語の違いがよくわかります。

九州の方言「じゃん」

九州では「じゃん」はあまり使われる方言ではありません。福岡の地方では「ちゃん」というものは使われますが、「じゃん」は現代語としてできあがった、語尾に付ける「でしょ」という意味で使われていることが多いです。

北海道の方言「じゃん」

北海道ではこの「じゃん」という方言は、テレビで「コギャル」が使っている姿をみて真似するようになったことがわかっています。むしろ「だべや」「だべ」などの北海道独特の方言を使っているのは今から60年くらい昔の、とくに男性だけで、女性ではよほどの田舎でない限り使用されていませんでした。

30年ほど前には小学生たちの間ではすでに「〜じゃん」は普及していたそうです。意味は現代語と同じく「でしょう」という意味です。「言ったじゃん」ですとか、「やったじゃん」この場合は丁寧語で言うと「やりましたよ」となります。

千葉の方言「じゃん」

千葉では三河発祥の意味で使われる方言の「じゃん」は、普及しなかったそうです。千葉での方言の「じゃん」とは、現代口語でしようされる「でしょう」や「ましたよ」などの意味です。

名古屋の方言「じゃん」

名古屋では三河での使われ方とは違った方言として使用されています。名古屋まで都会になると、テレビの文化で入って来た「じゃん」が多く使用されます。三河の方言で使われる「じゃん」は、「なんだけど」や「だっだんだけれど」という過去の事柄をあらわす言葉ですが、名古屋ではそんなつかいかたはしません。

むしろ名古屋では三河弁として田舎の言葉として認識されており、同じ愛知県でもかなりの差があります。実際に名古屋市内出身のAちゃんと三河地方出身のBちゃんの会話を見てみましょう。

名古屋市内出身のAちゃん「昨日の宿題やった?」

三河地方出身のBちゃん「昨日出かけたじゃんね、だからやっとらん」

これを名古屋市内のひとの言葉に置き換えてみましょう。

Aちゃん「昨日の宿題やった?」

Bちゃん「昨日出かけたからやっとらんよ」

三河弁は通じないと言っても過言ではありません。

埼玉の方言「じゃん」

埼玉では現代口語として使われることが多く、方言としては使われるのが珍しい方です。そのため、三河地方方言を使用されても埼玉の人はわかりません。通じないと言っても過言ではありません。

関東地方では、三河からの移動で「じゃん」は伝わりましたが、その正しい意味までは伝わりませんでした。そのため、もし三河の人が三河弁の「じゃん」を使っても、通じないでしょう。

しかし、関東地方には関東地方の「じゃん」の方言があります。それがなにかは、このあと詳しくお教えしていきます。

横浜の方言「じゃん」

「じゃん」は一時期、ただの若者言葉だとおもわれていました。しかしそうではなく方言です。どこの方言かは、諸説ありますが、こちらも三河弁と同じく有力な根源があります。それは神奈川の相模か湘南、横浜辺りの方言ということです。

語尾に付けて「〜じゃん」、「暑いじゃん」、「辛いじゃん」、「楽しいじゃん」、と使用します。方言的というよりは、意味はそのまま、現代口語訳と同じく「よね」です。

理由を説明するときには、「〜からじゃん」と使用します。たとえば「暑いからじゃん」、「眠いからじゃん」といった感じです。意味は「からだよ」という説明文になります。「暑いからだよ」、「眠いからだよ」となります。

島根の方言「じゃん」

島根では「じゃん」を特殊な意味で使います。まさに方言と言った感じです。その意味は「たくさん」、「おおく」という意味です。響きからだけではまったく伝わってきません。

漁師さんなどが「いおが、じゃんこと、とれた」とつかいます。意味は「さかなが、たくさん、とれた」となります。これぞ方言と言ったあたたかみのある言葉です。他の方言の「じゃん」とは一線を画しています。後世にまでのこしたい言葉です。

栃木の方言「じゃんぼん」

「じゃんぼん」とはとくに栃木県の北、南、中部地方や群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、山梨県、長野県などの一部で使われている方言です。意味はなんだとおもいますか。当てられる人はかなりの「じゃん通」です。

せいかいは「お葬式」です。お葬式に出る「じょうよう饅頭」のことも「じゃんぼん饅頭」と呼ばれます。なぜ「じゃんぼん」と呼ばれているかはさだかではありませんが、地方や地域によっては「じゃんぽん」と濁らない音で呼ばれる場合もあるそうです。

青森の方言「じゃんぼ」

青森にも「じゃん」から派生したように捉えることのできる方言があります。それは「じゃんぼ」です。これがなにを意味するかわかりますか。きっとほとんどの人が語尾に付ける物だと勘違いしているのではないでしょうか。

それはちがいます。この「じゃんぼ」とは名詞として使われているのです。その正体は、誰もが生まれながらにもっている「髪の毛」のことです。なぜ「髪の毛」のことを「じゃんぼ」というかは分かっていませんが、今は青森の中でも田舎の、さらにはお年寄りしか使わない、とても古い方言です。なくなってしまわないように、大切にしていきたい言葉です。

方言「じゃん」の起源

「じゃん」発祥の地は「甲州」です。どの文献をひもといても、一番古くから「じゃん」を使用しているのが山梨県です。その起源は100年以上も前です。長野県、静岡県には明治以降の大正や昭和時代から広まったので、甲州弁の「じゃん」よりはあとということになります。

しかし三河弁の徳川家康説があるので、口頭で伝わっている歴史的には東三河地方が最古の「じゃん」となることになります。

方言にはさまざまな伝来があり、諸説その歴史も語られるので、それを詳しく図書館などで調べてみるのも、一興です。各地には方言の伝来や歴史を教えてくれる資料館などもありますので、旅行の合間やついでに立ち寄ってみると、そこの土地の歴史が知ることができて楽しむことが出きるでしょう。

三河の方言「じゃん・だら・りん」とは

三河の方言「じゃん・だら・りん」とは「〜じゃん」、「〜だら(だらあ)」、「〜りん」という語尾に付く、その言葉自体にはとくに意味の無い方言のことです。

例えば「昨日祭りだったじゃん」は「昨日お祭りだったんだけど」という過去を表す言葉になりますし、「だら」は「おまつりきょうだらあ?」「お祭りって今日だよね?」という疑問文によく使われます。最後「りん」は「食べりん」と言う風に使われ、「食べなよ」という誘いの言葉になります。ほかにも「座わりん」は「座ったら?」という意味になります。

三河地方の人達はいまでも自然とこの言葉を使用しています。すたれていない、現役ばりばりの方言です。

方言の魅力じゃん!

いかがでしたか。「じゃん」という方言のさまざまな意味や、使われ方を、ご紹介してきました。少しも知らなかった意味をもっている「じゃん」もあったのではないでしょうか。このように、同じ「じゃん」という方言でも、地方や地域によって、意味が全く異なってきます。

「じゃん」は方言の一部にしかすぎません。日本にはまだまだたくさんの方言があり、使われる場世や地域の特色を表しています。方言を学んで、その魅力を楽しみましょう。