人生の目標はどうやって設定すればいいの?
なぜ夏休みの目標はすぐに立てられたのに、人生の目標となると行き詰るのでしょう。その理由は、ただ単純に年をとったからというだけではありません。
夏休みの目標を立てるときは、誰しも「こんな夏休みを過ごしたい」という気持ちで計画を立てていたはずです。それと同じように生の目標も、「こんな人生を過ごしたい」という理想や夢があれば、自ずと方向性は定まってきます。もしくは、「こんな人生は嫌だ」というマイナスの視点から考えてみるのも一つの手です。
夏休みの目標が毎年変わるように、人生の目標も一つきりに絞る必要はありません。時には追加や変更をしながら、柔軟に設定していきましょう。
ためになる人生の目標例
四字熟語
率先躬行
前例のないことや取るに足らない小さなことは、ついつい誰かがやるのを待ってしまいがちですが、そういった手を出すのがためらわれるようなことこそ、いの一番に取り組むことで多くのことを得られます。たとえその結果が失敗であろうとも、誰よりも先に行動に移したことで、二番目以降の挑戦者とは比べものにならないほどの自信と気づきを手に入れるでしょう。
たとえば、自分は日頃からフットワークが重い方だという人や、人がやることに口を出してばかりで自分は動かないことが多いという人は、自戒の念を込めてこの言葉を人生の目標にしてみるのも良いでしょう。
あるいは、ある分野のパイオニアともいうべき存在を目指している人や、行動力を強みにしていきたいという人にもぴったりの目標になるのではないでしょうか。
正正堂堂
卑怯なことをせず、邪道にそれず、常に真っ直ぐに物事に取り組むことは、言葉でいうほど簡単なことではありません。
年を重ねるほどに、困難なことにぶつかるとそれを回避したくなったり、正攻法では成功率が低いように感じて裏で根回しをしたりなど、よく言えば知恵を絞って、悪く言えばずる賢く立ち回ることを覚えていきます。正面から取り組めば、それだけ傷だらけになるリスクが大きくなってしまうので、当然といえば当然です。
しかし、愚直なまでの正正堂堂さは周囲を惹きつけ、意識せずとも味方を増やします。苦労が多い分、真の理解者や仲間も多く得られるでしょう。
小さい頃、正義の味方に憧れたことのある人や、嘘やごまかしが何よりも嫌いな人の人生の目標としては、ぴったりです。
ことわざ
自彊、息まず
何かに取り組むとき、ある程度の形になるまでには時間がかかります。わずかであっても希望が見えれば努力するのも苦ではありませんが、手探り状態で一進一退の日々を努力し続けるのは並大抵の精神力ではかないません。
それでも、休むことなくコツコツと積み重ねた人にだけ見える景色があります。また、そのような人の頑張りを目にすることで、周囲の人も勇気づけられる場合があるでしょう。
自分は大きなことをするには時間がかかるが、粘り強く取り組むことにはこだわりをもってやり抜くようにしているという人や、一日に少しであっても成長したいと考えている人にとっては、人生の目標とするにふさわしい言葉です。
当たって砕けよ
仕事でも恋愛でも、安全なところからただ眺めているだけでは、本当に欲しい成果は手に入りません。
勇気をもってぶつかったときに初めて、何かしらの答えを掴むことができます。もちろん、砕けないように自分自身を鍛えたり準備をしたりすることはある程度必要でしょうが、考え過ぎて動けないでいるよりは挑戦した方が、たとえうまくいかなかったとしても次につながる手がかりを得られるはずです。
何事に対しても勇気をもって恐れずに取り組みたいという人や、後のことをくよくよ考えない前向きさを身に着けたい人などに目標です。
人生の目標がないときの見つけ方とは
人生の目標を見つけるためには、まず、それまでの道のりを振り返ってみてください。自分がどんなことで泣き、どんなことで笑ってきたかということや、どんな人物に憧れを抱いてきたかということなどを頭に思い浮かべ、実際に紙に書き出してみましょう。こうすることで、日頃意識することのない自分自身の価値観を改めて見直すことができます。
その上で、自分が人生に何を望んでいるのかを考えます。バリバリと仕事をしたいのか、穏やかな家庭を望んでいるのか、趣味に没頭したいのかなど、やってみたいことを片っ端から挙げていきましょう。それらを実行するために必要な行動や心構えが、一番身近な「人生における目標」になり得るはずです。
年代別人生の目標の立て方
ここからは、年代別に人生を考える上でのポイントを見ていきます。
30代の人生の目標
仕事をしている人は役職がつき始め、多くの後輩を指導する立場になるなど、自分のことだけでなく周りのことにまで細かい気配りが求められるようになります。子育てをしている人は、慣れない子どもの行事や育児の壁にぶつかって、疲れが出てくる時期でもあります。
このように30代は、自分のことに気を回す時間や余裕が限られ、会社や家庭の運営に貢献することでしか外部からの評価が得にくくなってきます。
だからこそ、人生の目標として一つでも、自分個人に関することを組み入れるよう意識しましょう。「日曜日の朝にこだわりの珈琲を飲む」というようなささやかなもので構いません。どれだけささやかでも、自分のためのご褒美を自分で用意できれば、それだけで怒涛の30代という時期を自分を見失わずに立ち続けられるはずです。
40代の人生の目標
仕事を中心とした生活をしていない人でも、40代ともなると親の介護や子どもの受験が始まったり、自分自身の身体の衰えを感じたりする、いわばターニングポイントともいうべき時期でしょう。そのため、正社員として働いていない人、主婦として家庭を支えている人もやはり、日々の生活を見直す必要があります。
そんな40代が人生を見直す上で忘れてはならないのが、お金と、そして他人との関わりです。徐々に老後のイメージを固めて最終的な貯金額の目標を設定したり、次世代や上の世代とのコミュニケーションをとって意識的に人と関わったりなど、今までの経験を将来に橋渡しするための目標を考えることが大切です。
50代の人生の目標
しかし、不思議と自分で動きたくなるのもまた50代という時期です。
人生自体が後半戦に突入し、徐々に忙しさから解放されて自由な時間が増えてくる人が出始める一方で、介護が本格化したり、子どもが自立のときを迎えたりして身辺が慌ただしい人もいるでしょう。
そんな時期を豊かに楽しく生きるためには、多少わがままに思えることでも、思い切って人生の目標に加えてみてはいかがでしょうか。
「年に二回は旅行へ行く」や「好きなものを中心に食べる」など、素直に自分がしたいことや嬉しいことを増やして、人生を楽に考えてみるのも手です。経験がある分人の世話を焼きたくなる時期でもありますが、まず真っ先に自分が人生を楽しむ姿勢を見せることで、周囲を明るくしていきましょう。
人生の目標を見つけたい人に本
「16歳。死ぬ前にしてみたいこと」ジェニー・ダウンハム
それらの全てが清く正しいものではありませんが、だからこそ、テッサは生きている実感を得て、残り少ない時間の中でかけがえのないものを見つけ出していきます。大切な親友、見守ってくれる家族、大好きな恋人と関わりながら生を全うしていくテッサの姿を通して、読者もまた人生で経験してみたいことを思い浮かべるはずです。
人生の目標とはと考えて難しい顔になっている人に読んでほしい、自分の生き方をシンプルに考え直すきっかけをくれる一冊です。
「見えない誰かと」瀬尾まいこ
校長先生や生徒、教員の後輩など、それぞれの話を通してそれぞれの人生が垣間見られ、それらの人々と関わる著者の人生もまた感じられます。人生とはこのようなもので、目標はこのように立てるべきだと形式ばった考え方に疲れてしまった人でも、人生をちょっと良くするための考え方がストンと胸に落ちてくるはずです。
これまでの人生で出会った素敵な人たちのことを思い出す、読みやすくわかりやすい一冊です。
【カスタマーレビュー】
肉体的にも精神的にも困憊し,すべてにおいて閉塞感を感じていた時に,ふと手に取った一冊でした。(中略)私の折れかけていた心を健康な状態に戻してくれた救いの本でした。
そもそも人生の目標っている?いらない?
あえて目標を考えずともすでに充実した生活をおくれている人や、目標を考えることでかえって気が滅入ってしまうという人は、無理に人生に目標を作る必要はないでしょう。しかし、ただ何となく毎日を過ごしていて生きている実感が乏しい人や、将来が全く見えないという人に関しては、人生の目標を設定した方が良いはずです。
目標が決まれば、自ずとそこに至るまでのプロセスも整理されます。また、目標を達成するために努力したり行動したりすることで、生活に張り合いが生まれ、さらなる目標や夢ができる場合もあります。
まずは難しく考えずに、人生をより楽しむための第一歩だと考えて、小さな目標を立てるところから始めてみてはいかがでしょうか。
夢や憧れを素直に表現しよう
目標のない人生は気楽で、それはそれで良いのですが、目標があるからこそ経験できることもたくさんあります。たとえ初めはささやかな目標であっても、それがしだいに次の目標や新たな夢へと導いてくれる鍵となることでしょう。