協調性がない人の特徴と付き合い方・診断するチェック項目

「人は一人では生きてはいけない」という言葉があります。多くの人はそのことを生きて行く上で、あらゆる経験から知ることになります。それは学校生活、そして社会に出てからも学び、培われていくことでしょう。

学校や社会生活において団体として同じ目標を持ち、そこに向かって協力し合うことは仲間としての団結力を生み、目標達成の近道にもなるでしょう。これは、スポーツなどのチームといった団体活動にも同じことがいえます。

ところが、そういった団体やチームの中の一部に、協力し合って何かを成し遂げるということを拒む協調性がない人が、少なからず含まれていることがあります。極端にコミュニケーションをとることを嫌がったり、他人に全く興味を示さなかったりするというのが、協調性がない人の特徴です。

仕事というのは、需要と供給から成り立っています。誰かの役に立ち、誰かを助けることを売りとし、それを誰かが買うことで成り立ちます。ですが、時給・日給・月給という報酬体制ということもあるのか、その時そこにいれば報酬を得られるものだと、誰とも協力をする意欲がない人がいることも事実です。

そのような人がいると、仕事の効率も低下し、団体・組織・会社の利益も低下し、そこに属する人々の士気にも影響を与えることも懸念されます。ただし、団体活動での仕事を行う場合、協調性がない人はすぐに周りからは、そういう人というレッテルを貼られ敬遠される傾向にあります。

まず、職場で協調性がない人がいればすぐに周りは感じ取り、早い段階で孤立することもあるでしょう。「あの人は協調性がない人だから」と距離を置かれる存在となります。そのため、職場で協調性がない人はいつも一人で行動することが多く、信頼する仲間や、友人をつくることが非常に難しくなることも事実です。

しかし、そういった協調性がない人だからといって、悪人というわけでもなく、根は善人である可能性も多分にある可能性もあるため、周りの好意により協調性がない人が、協調性を持つようになることもあります。このような場合は協調性がない人と思われていた人は、実はただの極端な人見知りであった可能性もあります。

協調性がない人というのは、そのほとんどが団体生活の始まる幼少時代から、すでにその傾向が表れます。この頃の経験と周りの対応というのが、本人にとってはその後の人生に大きな影響を及ぼすといってもいいでしょう。

もし、自分がもし協調性がない人であるならば、子供の頃の一歩踏み出す勇気を持てたか、持てなかったかは大きな差となっているはずです。なぜなら、友人をつくる最初の経験は幼少期にあるからです。そして子供は残酷な面があり、協調性がない人と感じると完全に孤立させることもあります。

幼少期のこのような経験が、特に内気な人はそのトラウマから本当は周りと仲良くしたいのにできない、といった悩みを抱くキッカケとなる可能性もあります。

人生で最も多感な時期ともいえる思春期。十代後半のこの時期に、人間関係の形成の仕方というものを学び、経験するといってもいいでしょう。この時期の経験が後々の人生に大きな影響を及ぼすことも考えられます。

周囲と積極的にコミュニケーションを取り、多くの友人をつくり、恋人をつくるということはとても大切なことであり、学校で教わる勉強より重要な面もあります。ところが、こういった、周囲と上手くコミュニケーションをとることができない、協調性がない人は少数派として必ずといっていいほど存在します。

中には、コミュニケーションは取ろうとするものの、周囲を困らせるようなコミュニケーションの取り方をしてしまう人もいます。自己中心的な人や、人の意見を受け入れないといった、わがままな人というのも、協調性がない人の特徴です。

先述したような特徴を持つ、協調性がない人とも付き合っていかなくてはいけないケースもあります。仕事などでは、付き合う人を選ぶことができないこともあるからです。では、協調性がない人と上手く付き合っていくにはどうしたらいいのでしょうか。

協調性がない人にも、それぞれ違う個性があり、その個性や特徴に合わせた付き合い方を心掛けるようにしなければいけません。これは協調性がない人との付き合いだけに限ったことではありませんが、自分が相手に上手く合わせていくことが大切です。

そもそも協調性がない人というのは、誰かに合わせることができないのですから、そこは割り切って、その場だけでも自分が相手に合わせて、付き合っていくようにしましょう。

協調性がない人には、自己中心的な人というのがいますが、相手にしなければならない人として、迷惑なのがこの自己中心的な人ではないでしょうか。プライベートでは、このような人は相手にする必要もないのでしょうが、仕事面においてはそうはいかない場合もあるでしょう。

この自己中心的な人と上手く付き合うには、自分に不利益が及ぶこと以外は、決して反論や自分の意見を相手に言わないことです。必要最小限のコミュニケーションだけで済ませましょう。時には悔しい思いをすることがあるでしょうが、深い付き合いをする必要もないのですから、我慢して相手に合わせておきましょう。

あえて人とのコミュニケーションを拒む、協調性がない人がいます。周囲からすれば特に害はなくても、極端に割り切った態度のため、あまり職場でも好かれることはありません。しかし本人も誰かに好かれようとはおもっていないため、こういった人と無理にコミュニケーションを取ろうとするのは控えたほうがいいでしょう。

こういう人は、最初にうちは人見知りで、環境に慣れないだけだと思われていても、何年経っても変わらない傾向があり、仕事の時間だけ職場で仕事をし、最低限のコミュニケーションで済まし、仕事が終われば早々に帰宅するため、飲み会や食事に誘ってもまず断られます。

協調性がない人といわれる人の中には、性格が極端に内気な人もいます。このような人はコミュニケーションを取らないのではなく、取りたくても上手く取れないだけという可能性もあります。それこそ極度の人見知りか、対人恐怖症、或いは一歩踏み出す勇気が出せない人であることも考えられます。

このような人の場合、周囲が手を差し延べることにより、徐々に周囲の人との関係に変化が表れ、改善していく可能性が見出せます。重要なのは、その人の人間性を見極めるということになるでしょう。今まで協調性がない人と思われていた人が、意外に明るく愛すべき人だったということもあります。

これまで協調性がない人だと言われた人が、何かのキッカケで周囲と良好な関係を築いていけることもあります。このような人は、本来は協調性がない人というわけではなく、内向的な性格のため、コミュニケーションを取りたくても、取れないだけであった可能性があるでしょう。

このような人は、コミュニケーションを取る気がない人とは違い、正面から会話をしようとすれば何らかの返事してくれるはずですし、慣れてくれば会話も成立するでしょう。そして段階を踏めば食事などにも誘えば、顔を出すようになっていくでしょう。ただしこのような人に対しては、慣れない段階から無理な誘い方をすると逆効果になる可能性もあります。

協調性がない人かどうかを見極めるためのチェック項目として、周りの空気を読めるかどうか・コミュニケーションが取れるかどうか・ルールが守れるかどうか、というのが診断の目安といえるでしょう。

それぞれ、空気が読めない人が自己中心的な発言をしてみたり、コミュニケーションが取れない人が、周囲との付き合いを拒んだり、ルールが守れない人が周囲を困らせたりすることが、協調性がない人と言われる要因となるからです。

案外、他人のことばかり陰口を言っている人が、実は周囲から協調性がない人と思われている可能性もありますので、注意が必要です。相手に合わせて思いやることも協調性です。

自分自身が、協調性がない人かどうかを考えるチェック項目として、現在自分が置かれている環境も考慮する必要があります。例えば職場ですが、その職場が自分に合った環境かどうかも重要です。

どのような人にも合う、合わないというものがあり、人間関係においても相性の良い人とそうでない人がいます。これは努力では補えない面もありますので、環境や人間関係の相性が良くない職場に置かれた人は、必然的に協調性がない人となってしまう恐れもありますので気をつけましょう。

協調性がない人というのは、基本的に自分のことしか考えていないということが考えられます。そもそも協調性とは、周囲や相手に歩調を合わせ、協力し合うことです。しかし、周囲の人や相手のことを考え、思いやることができないため、その人は周囲の人から協調性がない人と言われるようになります。

協調性がない人の心理は、自分中心で物事を進め、他人との接触を極端に嫌い、自分のペースを守ることにあるため、自分の都合に反すると、周囲の人や環境の足を引っ張るケースもあります。また、自分の責任を、周囲の人や環境のせいにすることもあります。

協調性がない人は、チームや周囲の人と協力し合って何かを行うといったことに向かない傾向にあります。そのため、協調性がない人に向いている仕事は、なるべく一人で行うことができ、他人とのコミュニケーションが少なくて済む仕事になるでしょう。

例えば工場での流れ作業の仕事や、長距離トラックの運転手といった仕事が挙げられます。もし才能があるのであれば、作家や画家といった仕事も向いているといえます。ですが、これらの仕事は最低限のコミュニケーションで済むというだけで、必要ないというわけではありません。

協調性がない人というのは、生活していくなかで、どのような団体にもごく一部存在します。協調性がない人が全くいなかったということは珍しいことでもあります。大切なことは、極力疎外しないということです。

必要以上にコミュニケーションを取る必要もなく、最低限のコミュニケーションで済ませ、あとはそういった人のペースを守らせてあげる寛容さが必要です。もしも協調性がない人による害が及ぶ場合には注意し、話し合いも必要ですが、そうでなければ無理に、協調性がない人を協調性がある人にする必要もありません。

協調性がある人、そして協調性がない人というのは、それまでその人が生きてきた環境や経験によって培われてきた影響が大きく、その性質を変えることは並大抵のことではありません。

どのような人でも大切なことは「さまざまな個性を持つ人とどれだけ上手く付き合い、豊かな人生にするかということ」であり、協調性がない人もそれを個性のひとつであると認めてあげることも人としての器であるといえます。協調性がない人に協調性を求めるのではなく、そう人として上手く付き合っていくことが、協調性がある人であるといえます。