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陰険な人の特徴・陰険な上司との付き合い方・陰険な性格の特徴

「陰険」ってどういう意味?

その字面から、見るからに嫌な感じが漂う「陰険」という言葉、なるべく無縁に生きていきたいものですが、人生そうはいきません。世の中にたくさん存在する陰険さにうまく対処していくためにも、「どういうことを陰険というのか」を知らなくてはなりません。

まずは言葉の意味から確認していきましょう。

心に悪意を隠しているさま

「陰険」とは、表面的にはよく見せていても心の中に悪意を隠していたり、陰でよくないことをしたりするような腹黒いさまを表します。また、暗く不愛想に見える際にも「陰険」と言います。

よくアニメやドラマに一人くらいは登場する、一見爽やかな雰囲気で主人公に近づく曲者を想像してみてください。表面ではいい人のように振る舞いながら、陰では主人公の足を引っ張るために画策していたり、主人公を陥れるためにとんでもない計画を進めていたりするはずです。そのような人物はまさに、「陰険」というにふさわしいでしょう。

陰険な人物の厄介なところは、パッと見ただけでは悪人であることがわかりにくいということです。陰の険しさと読む字の如く、人のよさそうな顔をしている陰で冷たい悪意を滾らせているのが陰険な人物です。

「陰険」の対義語とは

心に悪意を隠しているさまや暗く不愛想なさまを表す「陰険」の対義語には、どのようなものがあるでしょうか。

善良

「善良」とは、素直で正直なさまや、品質がよいことなどを言う場合に用いられます。字面からして、すでに「陰険」とは対極的な雰囲気を醸し出している言葉です。

人柄を表すときにも用いますが、「うちで扱っている玩具は、材質からこだわり抜いて作られた善良な商品ばかりだ」などのように物に対しても使われます。

以下にいくつか「善良」という言葉を使った例文を紹介します。

・善良な精神は健康的な生活によって養われる。
・彼女の善良さの前では、どんな悪人も心を入れ替えてしまうほどだ。
・彼は善良そうな顔つきをしているが、実は冷酷な一面の持ち主だ。
・毎日口に入れるものだからこそ、善良な食材を使うように心がけている。
・あの人は善良さの塊のような人だ。

良心的

良心に従い誠実にしているさまを「良心的」といいます。人の性質や行動はもちろんのこと、会社や店などの組織にも用いる言葉です。自分の利益だけを考えて利己的に動くのではなく、相手の立場から物事を考えて行動する場合などを指してよく使われます。

以下にいくつか例文を挙げます。

・このスーパーのお惣菜は、あちらの店に比べると良心的な価格設定だ。
・もしも君があのとき良心的な行動をとっていたなら、こんな事態に陥ることは避けられただろう。
・良心的な人間は、自分の行動によっていちいち人から感謝されようなどとは思わないものだ。
・あそこの会社は、顧客と従業員双方の満足度の引き上げを試みているだけでなく、CSRにも積極的に取り組んでいる良心的な企業だ。
・彼女の良心的な決断が、多くの人を救った。

「陰険」と「陰湿」の違い

「陰険」と「陰湿」、どちらも見た目はよく似ていますが、「陰湿」には「陰険」にはない意味が含まれています。

「陰湿」とは、日陰で薄暗くじめじめとしている場所の状態や、陰気でしめっぽい人の性質などを表します。人の性質に関する意味は「陰険」と重なる部分がありますが、「陰険」にはじめじめとした場所を表す意味はありません。そのため、前後の文脈によっては意味合いが異なる場合があるといえます。

「よくもあんな陰湿なことができるものだ」と言えば、それは人の性質を意味していることになりますし、「あの陰湿な場所で植物を育てるなんてどうかしている」とすれば、「陰湿」とは場所の状態を指していることになります。

このように「陰湿」は、人と場所、二つの状態を表す言葉として使うことができます。

陰険な人の特徴って?

もしも陰険な人に出くわしたら、単なる嫌な人以上に気をつけた方が良いでしょう。まずは、どんな人のことを陰険というのか、陰険な人の特徴について紹介していきます。

誉めているのに目が笑っていない

「いやー、さすが○○さんだな。できる人は違うな」などと褒められて、「ありがとうございます」とお礼を言って顔を見た途端、相手の目が笑っていないことに気づいたなら要注意です。目だけでなく、笑おうとしているものの笑えていない、誉め言葉に全く感情が感じられないという場合も同様です。

そのような人は大抵、誉め言葉を言いながら胸の内では「気に入らないな」「なんでこんな奴が評価されるんだ」などと怨み辛みをこぼしています。評価されている人の努力や成果を認められず、また我が身を反省することもなく、心の中でひどい言葉を言うことでしか感情を発散できない人は、鬱屈した態度が目や表情に如実の表れます。

このような陰険な人に対しては、鉄壁の笑顔で当り障りのない返答を心がけ、話の切れ目を見計らってするりと遠ざかるのが一番です。

周囲から距離を置かれている

陰険な人というのは、周囲の人々から一歩距離を置かれていることが多いです。

どれだけ内側の悪意を見せないように努めても、何らかの形で滲み出てしまうのが負の感情です。言葉の節々やちょっとした態度などから違和感を感じた人たちは、「なんだか怖いから深く関わるのはやめよう」と防衛本能が働きます。その結果、陰険な人とその周囲の人々の間には、どことなくよそよそしい雰囲気や妙な距離感があるものです。

新しい職場で、「なんかあの人に話しかける人少ないな」「飲みに誘われたけど、あの人には誰も声をかけていなさそうだな」などと感じることがあったら、その人は周囲から陰険な人と認識されている可能性もあります。慎重に様子を見ながら見極めていく必要があるでしょう。

陰険な性格の特徴とは

傍から見て、人を褒めるときに目が笑っていない人や、周囲から距離を置かれている人は陰険な人である可能性が高いと述べました。

それでは具体的に、陰険な人の内面に焦点を当てた場合、その性格にはどのような特徴があるのでしょうか。いくつか紹介していきます。

言いたいことは基本的に陰で

どれだけ腹黒いことを考えていても、表面的にはいい人と見られるように振る舞うのが陰険な人の特徴です。そのため、意見や苦情は真正面から相手に伝えず、陰で発散します。

ごく一部の気を許した人や、自分より弱い立場の人を相手に、その場にはいない人のことを徹底的にやっつけます。直接話せる人がいない場合は、SNSなど匿名の世界で言いたい放題に悪口を言います。このように、本人がいないところでは強気でいられるものの、いざ本人を目の前にすると急に態度を変え、肯定的な意見しか口にしなくなるのも陰険な人の特徴です。

ターゲットにされる側は、面と向かって言われていない分反論のしようがなく、ただじわじわとストレスを感じるばかりでいいことがありません。

他人の成功や幸福が許せない

陰険な人は、他人の不幸は大好きですが、他人の成功や幸福は許せません。そのため、他人の吉報を耳にしても「なんでこいつが」としか思えず、腹の中でその人の悪いところをネチネチとあげつらうようなことをします。

たとえば、「彼氏/彼女ができた」と報告すると一気に不機嫌になるのに、「別れた」と言うと目を輝かせて食いついてくる人などは、陰険さの片鱗があるでしょう。もっとあからさまな例で言うと、子どもが難関大学の受験に成功したと話したら、近所中に「あそこの家は子どもを裏口入学させるらしい」と根も葉もない噂が広まったなどの場合も、相手はまさしく陰険な人だったといえるはずです。

このように他人の幸せを許せないのは、自分の状況に不満があるからこそともいえます。陰険な人は、自分自身の問題を解決するための労力を他人の粗探しに向けがちです。

陰険な上司とはどう付き合えばいいの?

表面的には部下を想っているように見えても、言動の裏に腹黒さが見え隠れしている陰険な上司もいるでしょう。そんな上司とうまくやっていくためには、こちら側の接し方を工夫するしかありません。

上司である以上、部下は逆らえません。そのため、「陰険な上司をぎゃふんと言わせてやる」などという危険な思想は捨て去った方が身のためです。それよりも、いかに上司と接する時間を短くし、ストレスがかからないようにするかを考えた方が建設的です。

そのために気をつけるポイントが以下の三つです。

①言葉遣いや態度をとにかく丁寧にして接する。
②話を真面目に聞いているふりをする。
③報告事項や質問事項を簡潔にまとめるなどして、可能な限り接する時間を減らす。

どんな人でも、丁寧で礼儀正しい相手にはそこまで噛みつきません。嫌いな人にこそ笑顔で丁寧に接することで、説教などに時間をとられる無駄を省くことができます。

陰険な性格か判断するためのチェック項目とは

「この人は注意が必要かも」と感じても、陰険かどうかを判断するには難しいものがあります。そこでここからは、これに当てはまったら陰険な人である可能性が高いという判断基準を紹介します。

嫌がらせをする

気に入らない相手、仲が良くない相手に対して、裏で嫌がらせをしたり陥れようと画策したりしている人を目撃したら、まず間違いなくその人は陰険であると考えて良いでしょう。

嫌がらせでしか人の気を乱せないのは小物の証ともいえます。陰険な人は正面切って相手に挑む勇気がないため、コソコソと汚い方法をとることでしか相手との接触を図れません。

もしも職場で誰かの足を引っ張ろうと試行錯誤している人を見かけたら、そっと距離をとりましょう。

人の不幸が大好き

陰険な人の大好物は、人の不幸です。ミスをして上司に叱られた、恋人にフラれた、遅刻をしたなど、どんな内容であれ、人が困ったり悲しんだりしていると、格好の娯楽として食いつきます。

その反面、人の幸福には興味を示さないのも陰険な人の特徴的な性格です。いつもゴシップネタばかり話す人や、不幸話になると途端に興味津々といった体で話に参加してくる人には注意しましょう。

安全なところから相手を攻撃する

陰険な人は、なるべく自分の手を汚さずに人を攻撃しようとします。また、誰かを陥れたことが周りに知れて自分の立場を悪くするのを避けるため、自分は傷つかずにすむ安全なところからしか喧嘩を売れません。

やたらとSNSに他人の悪口を書き込んでいる人や、食事などの席でその場にいない人のゴシップネタを嬉々として披露する人などは、陰険な性格をしている可能性が高いでしょう。

陰険な人は刺激せずに放っておこう

ここまで、表面的にはいい人のように振る舞っていても、心の内に悪意を隠しており、裏で他人を陥れようとするのが陰険な人の特徴であることを紹介してきました。

我儘な人や自分勝手な人ともまた違い、陰険な人と良好な関係性を保つのは一筋縄ではいきません。必要以上に下手に出ると、向こうにとって都合の良い存在に成り下がってしまう危険もあります。

もしも身近にそこはかとない仄暗さを感じる人がいたら、その人に対する周囲の接し方をよく観察した上で、必要以上に距離を縮めないようにしましょう。陰険な人に対しては、他の人よりもだいぶ遠めに心の距離を設定するくらいでちょうどいいはずです。

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