人は誰でも罪悪感を感じる
本記事では、罪悪感とはどういった感情なのか、またそれらが消えないとき心理状況や、罪悪感を感じる原因、そしてその罪悪感を手放すための方法などについて具体的に解説しています。ぜひ参考になさってください。
罪悪感とは
人は、例えば犯罪を犯した場合に、罪は償わなければなりません。そのため逮捕されたり、裁判にかけられるなどという形で、罪を犯した人は罪を償うことになります。
また、犯罪ではなくとも、だれかを傷つけてしまったり、だれかの大切なものを奪ってしまったときにも、わたしたちは罪を償わなければならないと感じます。その、罰せられなければならないという感情が、「自分は幸せになってはいけない」という自分の中での制限を生み出し、結果、罪悪感を持っていることによって人は幸せな感情を受け取ることができなくなります。
わたしたち人間は、罪悪感を持っている以上、幸せに生きることはできないということです。
罪悪感が消えないときの心理状況
辛い
苦しい
吐き気
よく胃炎や腸炎などの消化器系の疾患は、ストレスなどの精神的な症状が引き起こしていると言われますが、そのようにして罪悪感を感じ続けるという精神的なストレスと、罪悪感を持っていることにより幸せになることを避けるという苦しさから、吐き気や嘔吐という症状につながることもあります。
ストレス
罪悪感から生まれる行動
自分への攻撃
他者への攻撃
罪悪感を持つということは、自分の中でジャッジしながら生きるということであるため、自分以外の人たちもそのようにあるべきと感じ、ものごとやできとごとが正しいか正しくないか、悪いのか悪くないのかというように、極端に白黒はっきりさせようとします。これはある意味、罪悪感から自分を守るための防衛手段でもあります。
このように罪悪感の補償行為として、その攻撃が他者に向きさらにエスカレートしていくと、犯罪や子どもへの虐待のような方向に進んでいくこともあるため注意が必要です。
逃避
罪悪感を感じるときの原因
浮気
恋愛
一方、罪悪感から相手に尽くすことを、愛情と勘違いしているケースもあります。相手に奴隷的に尽くすことで、罪悪感によって自分の心に空いた穴が埋まるように感じる場合です。その場合自分の心を埋めるという見返りを期待していることになりますし、いつまでたっても自分の心が埋まることはありません。それは恋愛における愛情であるとは言えません。
仕事
人よりも長い時間、また責任の重い仕事を、やりこなしていくことで、自分の罪が償われるかのように感じることができます。そしてさらに仕事にのめり込んでいきます。しかしワーカホリックから罪悪感が消えることはなく、仕事の忙しさから家庭で過ごす時間も減っていき、それがまた新たな罪悪感を生みます。
そして、異常なほどに仕事を続け、最終的には身体も心もボロボロになるまで、働き続けてしまうことになります。
罪悪感を感じたときの対処法
ものごとやできごとに対するとらえ方は人それぞれであるため、罪悪感も人によって感じる度合いが異なります。それらは、その人の日々の生活習慣や育ってきた環境にもよって異なりますし、国民性や宗教とも密接にかかわる感情です。自分が罪悪感を感じるような行動でも、人によっては全く感じないということもあるでしょう。
まずは、罪悪感がこれだけ人を苦しめる感情であるということを学ぶことが必要です。罪悪感の渦中で苦しんでいる人たちは、罪悪感がこれだけ自分を苦しめている原因だというころすら分かっていない場合があるでしょう。生きづらさや、日々の苦しさの原因が、罪悪感なのではないか、と自分で感じることがまずは対処法の最初のステップです。
罪悪感を解消する方法
まずは自分への許しを
そうは言っても、はじめはなかなか難しいでしょう。ある意味自分の感情パターンどおりに、罪悪感を感じ続けるほうがその場は楽です。しかし罪悪感に支配される人生を変えたいのであれば、少しずつ、自分を許していくために最大の努力をしていく必要があります。
人は、悪いことをしようと決めて、人を傷つけたり大切なものを奪ったりするわけではありません。不可抗力であったり、まだ自分が未熟であったことが原因だったり、自分を許すために、当時のことを思い出してください。それは罪から逃れようとするためのいいわけではなく、そのときの自分を許していくために必要なステップです。
そして相手への感謝を
こうして、少しずつステップを繰り返していくことで、時間はかかっても、かならず罪悪感から解放される日はやってきます。
罪悪感を手放すために必要なこと
しかし、ここに来るまでの育ってきた環境や、親から教えられた生き方、友人たちから影響されたこと、先生たちから教えられたこと、さらには仕事で学んできたこと、そういったすべてのことからさまざまな影響を受けて生きているのが人間です。
また政治のような国民に影響を与える大きなものや、もともとの国民性のようなより広い範囲のものも、人間ひとりひとりの人格形成に大きな影響を与えています。
そのような異なる要素をもつ人間ひとりひとりが、自分が幸せになるための生き方を日々それぞれ模索しています。
軸を他者から自分に戻す
多くの人が周りから与えられてきた要素を元に自分のルールを設定しているため、常に行動の基準が周りからの評価と連動する形になってしまっています。
自分の生きる基準を他者のような外側に設定するのではなく、自分の内側に戻してみませんか。人にどう思われようと、自分がやりたいことをやる、自分が食べたいものを食べる、というように、周りからのパワーに押しつぶされるのではなく、少しずつ自分を自分の元の世界に引き戻していきましょう。
そうすることで、他者からの評価が基準となって自分に生まれていた罪悪感も、自分が基準となって生きていくことでだんだんと解放されていくことになります。
落ち込みたい時は落ち込む
罪悪感から解放されるためには自分への許しと、相手への感謝が必要であるとご紹介しましたが、始めたその日からうまくいくわけがありません。そのように、ときにはうまくいかない自分のことも許しましょう。
ダメだと分かっていてもどうしても罪悪感を感じてしまうとき、それは自分が今罪悪感を感じたいんだととらえて、飽きるまで罪悪感に浸ってみるのもひとつの方法です。
思いっきり暗い映画を見て、暗い部屋の中でジャンキーな食事をとり、これでもかというほど罪悪感にあふれた日を何日か送ると、そんな生活にも飽きてきます。そろそろ次のステップをと自然に思えて少し前向きになってきたときに、また自分を見つめ直してみればいいのではないでしょうか。
人はいつでも軌道修正できる
罪悪感だけではなく、人がマイナスに感じる感情のすべては、人生において軌道修正していくべきことに気づかせてくれることに他なりません。苦しい思いや経験は、一見辛さしか見えないように感じます。しかし、そのときにすべては最善のために起きているということを思い出すようにしましょう。
罪悪感を感じているあなたが、いつかそこから解放され、すばらしい人生の一歩を踏み出すことができるよう、応援しています。