聞く力を養おう
聞く力を高めることによって、さまざまな利点が生まれます。聞く力がある人は信頼関係も良好なタイプです。コミュニケーションもはかどり相手の懐に入るのが上手になれるからです。また聞く力があると集中力を鍛えることができます。聞いた内容のポイントを要約する能力も高まります。
では、具体的に「聞く力」について詳しくご紹介します。どのような方法で聞く力を養えるのかについても言及していきます。
聞く力とはすなわち傾聴
では聞く力とはいった何のことでしょうか。実際に誰かの話を聞く時の体制や態度については、いくつかの種類があります。それは「黙って耳を傾ける」「話の論点を掴む」「質問をする」の2種類に分けられます。
いずれにしても、相手の話に対して自分は聞き入れる体制を整えていなくてはなりません。その聞き入れ体制のことを「傾聴」と呼びます。
傾聴する際の注意点
聞く力そのものと言える「傾聴」を実施するためには、以下の二つの心がけが大切になってきます。まずは「相手が話している最中には、横から口を挟まない」そして「相槌を打って、聞いている態度で表す」ということです。ごく当り前な行動に思えますが、この2つが上手な人は、意外と少ないとされています。
聞く力があるとこのような利点が生まれる
自分のことばかり話してしまうと相手が煙たがる可能性が出てきます。一方、聞き上手な人は、話の本質や核心を捉えることに卓越です。それは常に聞く姿勢を維持しながら進化しています。聞く力がある人は、大概において仕事や作業内容に無駄がなく要領も良い人が多いです。
また聞き上手な人は、集中力や忍耐力があるのもメリットです。要点を掴むのも上手いので、レスポンスも的を得ています。周囲から好かれやすく信頼されるのが聞く力のある人の利点です。
聞く力に関する本
では、聞く力について書かれている主な書籍についてご紹介します。聞く力とはコミュニケーション能力やコンサルタント、カウンセリングなどのスキルとして欠かせません。書籍の中にも、それらの分野とも関連したものが目立ちます。
人を動かす聞く力&質問力
仕事ができる人のほとんどは「聞く力」を磨きながら、「質問力」を駆使しているということが書かれています。相手の本音を引き出して正しい情報を得る、そこから気づきを得て、会話を盛り上げるというのが自然な流れです。コンサルタントによる会話術およびコミュニケーション術として聞く力に着眼した一冊です。
プライベートなことを聞く時には先に自分のことを話せとか、イエスと3回言わせろとか、すぐにできそうな、しかしあまり知らないことも多く、聞き方の基本で知っておくべきことが満載。
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R15TVNACT3HK08
聞く力の教科書
元局アナだった魚住りえさんのシリーズ書籍です。「どんな聞き方をすれば、人に好かれ、会話が盛り上がるのか」「頭のいい人ほど気をつけるべき「注意点」は何なのか」といった聞き方をテーマに解説、今からすぐに役に立つような分かりやすい構成で、「最高の聞き方」について語られています。
話をよく遮ってしまう癖があったので、気をつけようと参考になった。否定をしない。無言で頷くなどの聞き方を実践するだけでも本当に相手の印象がかわった気がする。
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3K5JNAOZF9Y9Z/
プロカウンセラーの聞く技術
臨床心理士の著者がカウンセリングの中で活用している「聞く」技術を、分かりやすく紹介している本です。対人関係や仕事などにも役立つ、より良い人間関係を築くための「聞く」ことの重要さが分かります。
この本の中での「聞く」とは、理解する力であり、「話す」より膨大な努力を要することだと著者は語っています。実際のカウンセリングの現場で培った聞く力によって、人生そのものも活かされていきます。
話すことより、人の話をうまく聞きたい、聞いてあげたいそのためにはどうすればいいかという技術がわかりやすく書かれています。
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/RY8OUGZHCF1OC/
社会人として必要な「聞く力・話す力」の高め方
本書は、論理力、表現力、理解力、対応力という「会話4力」と名づけたスキルを中心に展開している話し方と聞き方についての指南書です。仕事でのシーンはもちろんのこと、日常の生活の中でも浸透できる方法として紹介しています。
総合的な会話力アップのために必要な「会話4力」を提唱するのは、元アナウンサーという経歴の持ち主です。話し上手になって能力開発に開示したい方へです。
この本は大学生、特に就職活動をしている学生にとっては非常に役立つのではないかと思います。面接で自己PRや志望理由などを話す際に、説得力があり、相手が理解しやすい話し方をするにはどんな点に気を付けるべきかの参考になります。
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2U0OY5UQ16KV5/
阿川佐和子・聞く力―心をひらく35のヒント
累計170万部突破のベストセラーとなった話題の本です。メディアでもお馴染な阿川佐和子さんによる「聞く」ことについての持論が展開されています。長年数々のインタヴュをこなしてきた経験で蓄積されてきた「聞く力」のノウハウがこの一冊で分かります。
内容も分かりやすい構成なので、中学生でも理解できると評価が高い一冊です。
ベテランインタビューアーの引き出す力を書いた本。
人の話を引き出すプロが大事にしているメンタルが書いてあります。
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3485I63L5FV8F/
聞く力と話す力のトレーニング方法
聞く力を養うには、それ相応な経験や実践が不可欠です。なにごとも理論だけでは成り立ちません。頭で覚えたり理解していることは、現場でやりくりして失敗を重ねながら磨いていきます。では聞く力に加えて、話す力についても言及したトレーニング方法をご紹介します。
聞く力をつける重要なトレーニング
聞く力にとって、必要不可欠になる能力は「集中力」および「要約力」です。まず集中力がなければ相手の話に根気よく付き合えないからです。
聞くというのは作法です。相手の話が終わるまで横やりを入れないことがマナーです。そのためには集中して聞き入れることを作法として学ばなければなりません。その後で相手の話について返答するのであれば、要約力がなければ論点が理解できません。
集中力と要約力のトレーニング方法として、会議や講演などの内容を要約するというのがです。長くて退屈な会議や講演にて、自分なりな「議事録」を作ってみましょう。論点は何かを書き出してみるのも良い方法です。
幼児の聞く力を伸ばす方法
幼児期の子の聞く力を伸ばすには、会話の楽しみを教えることが先決です。会話がはずめば聞く力が高まっていくのは、大人の世界でもあることです。最初は親が子供の話を聞いてあげることから始めてみましょう。自分の言っていることを聞いてもらえる喜びと反応をしてくれたという喜びを実感させることが重要です。会話とはキャッチボールです。
他にも、幼児期にたくさん「読み聞かせ」を行うことで、聞く力が高まる機会が増えていきます。本を読んだあとには必ず感想を話し合うといいでしょう。
子供の聞く力を伸ばす方法
最近の子供は、人の話を聞かない傾向だと言われています。そうなった原因の一つは、親の考え方に歪みがあるからです。つまり「聞く」ことよりも「言う」ことに重点を置き過ぎて、その環境で育ててしまった欠点でもあります。「ハッキリものを言いなさい」とガミガミ言いすぎてしまうと、子供の聞く力はますます億劫な気持ちになって弱くなります。
そこで子供の聞く力を伸ばすためには、幼児と同じように親が聞く耳を持つということから始めて、子供からの些細なことにもしっかり対応してあげる習慣をつけましょう。「学校でこんなことがあった」「友達のA君がこうだああだ」という、とりとめのない会話に向き合ってください。
聞く力がない人の特徴
聞く力が弱い人も世の中にはいます。そのような人にはある特徴が見受けられます。聞く力がない人の主な特徴について述べていきます。
①最初から集中力がない
集中力がない人も世の中にはいます。それは性格上でそうなった人もいれば、発達障害などのメンタル的な症状の人もいます。集中力が欠けていることで最後まで相手の話を聞けないことから、コミュニケーション・ブレイクダウンと化しています。
また、会話の最中なのにスマホのチェックをはじめるような人が最近増えています。そもそもの集中力がないか途中で切れてしまい飽きてしまうからです。
②話の腰を折りたがる
せっかち、もしくは偏執的な人に見受けられる傾向として、相手が話をしている最中に話題を遮断して自分の意見を言ってしまう人がいます。大凡そのような人は、相手の話を最後まで聞く能力がなく表面的な部分でしか判断できないため、コミュニケーションが成立しません。 最終的に嫌われてしまうタイプです。
③対面恐怖症の人
会話をする相手の目を見ることができず、どこかぎこちなくてそわそわしているタイプの人がいます。おそらくそのような人は、対面する相手を勝手に選んでいるか、対人恐怖症で悩んでいる方と見受けられます。そのような症状なので、相手の話は右から左へと消えて行ってしまうのが特徴です。
聞く力を鍛えるゲーム
聞く力をつけるための役立つゲームがあることをご存知でしょうか。もし聞く力を養いたいと考えているのでしたら、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
リレースピーチ
聞く力をつける最適な方法として「リレースピーチ」と呼ばれるトレーニング法があります。3~4人のグループで行えるゲーム感覚なところが特徴的です。
方法は、まず1人ずつ順番に、あるテーマに沿った話をしていきます。時間制限1分間、テーマは何でもいいのですが、1分経ったら次の人がその話の「続き」から始めて繋ぎ合わせていきます。結果グループ全体で即興のストーリーを作るというトレーニングです。
リレースピーチを行うことで、自分よりも前の順番の人の話をしっかり聞く訓練が可能です。理解をしておかないと自分のストーリーが作れません。そのため自然と聞く力が養われていきます。
聞く力や話す力を育てる教育をしている小学校
子供たちの話す力や聴く力を養いさらに伸ばすための工夫は、近年では学校教育の中でも真剣に取り組み始めているところが増えています。聞く力や話す力について、本気になっている学校の場合、ネット上にそのレジュメや教育概要などを発信しているところが目立ちます。とくにPDF化して、閲覧者がプリントアウトしやすいよう配慮している学校や教育委員会もあります。
ビジネスでの聞く力の重要性
ビジネスの世界では、どちらかと言えば「伝える力」の重要さが謳われている場合が多いのですが、実は聞く力があるビジネスマンのほうが、優秀な成果をあげているという噂もあります。これはとても大切なスキルです。顧客の望んでいること、希望や考え方に寄り添う姿勢に繋がることで、信用を勝ち得ることができるからです。
例えば、ある営業マンがやってきたとします。その営業マンが自社製品をめいっぱいアピールばかりしてきたら、大概の人は嫌がるのがオチです。まずは相手が心に持っている悩みや要求について聞いてくれる営業マンだから安心します。
聞く力は人間関係を改善させる
聞く力を身につけておくためには、集中し要約する習慣を持つことがコツです。会話を集約するのがうまい人は、聞き上手であることが分かります。聞く力を高めることによって、交流関係、コミュニケーション能力のアップが期待できます。やがて人間関係において信頼や評価が上がることになります。
もし自分に自信がない、あるいは何をしたらいいのか分からないと嘆いているのなら、まずは相手の話を聞く力について、自分なりに工夫してみるといいでしょう。きっと人生そのものが改善されていくはずです。