uranaru [uranaru]

有能な怠け者か診断できるチェック項目・由来・特徴|無能

有能な怠け者か診断できるチェック項目

リーダーにふさわしい資質に有能な怠け者というものがあります。普通はリーダーというのは働き者であるというイメージを持たれることも多いのですが、有能な怠け者というのはどういうことでしょうか。有能であることは間違いがないのですが、上手に手を抜くことを知っているということです。

まずは自身が有能な怠け者であるかどうかを以下の項目でチェックしてみましょう。

スケジュールは常に頭に入っている

まずはこれから行うべきことをきちんと把握しておかなければなりません。いつ、どこで、何の予定があるのかを理解した上で優先順位をつけていきます。

無能な人は得てしてこの順番がぐちゃぐちゃになってしまっています。それも全てはスケジュールをきちんと把握していないことに由来します。

観察力に優れている

有能な怠け者は観察力に長けています。上司や同僚、部下のそれぞれの特性を知っていることで、その場やその人ごとにふさわしい対応ができるようになります。

「目端が利く」というのはまさに要領のいい人を表す言葉で、そのためには絶えず周囲に気を配り自分がどう動くべきかを計算する必要があります。

人に使われるより人を使うほうが好きだ

いわゆる「いい人」では有能な怠け者にはなれません。有能な怠け者の真骨頂は上手に人を使えるところにあります。人の下で働くことで満足するようではよくてNo.2止まりです。

また完璧主義が過ぎて、何事も自分で全部やらなければ気が済まないタイプの人もいます。こうした人も有能な怠け者にはなれません。時には人に任せる、人を使うといった手を用いることの重要性を知る必要があります。

細かいことには興味がない

無能な人ほど、どうでもいい細かいところに気を使います。出来上がりの品質には影響のないところにいくら気を使っても自分の評価が上がることはありません。むしろ仕事が遅い人間だ、無駄な作業をしている人だと低い評価を受けかねません。

有能な怠け者は細々としたところよりも、もっと大局的な位置から物事を俯瞰します。より簡単にいうと力の使いどころを知っているということになります。無駄なところにリソースはかけないということです。

課程よりも結果のほうが大事だ

いくら頑張っていたとしても、結果が出なければ評価はされません。よく営業マンで頑張って見込み客を訪問しているが、まったく成果を出せない人がいます。そして「いまは種を蒔いている時期です」という言い訳をよくします。

しかし有数にとって興味があるのはその種からどの程度の収穫量があるのかという点です。どんな実がなるのかやいつ発芽するのかはその都度報告すれば良いことです。問題はどれだけのものを得られるかという結果を具体的に伝えられるかどうかです。

目的のためなら手段は選ばない

前項でもお伝えしたとおり、結果が非常に大事です。そこで結果を得るために有能な怠け者は手段を選びません。もちろん法律に違反するようなことはご法度ですが、必要であれば敵を作ることも厭わず、その時自分がなすべきことに集中しています。

中途半端にいい人でいたいがために、徹底できない人は無能の烙印を押されても致し方ありません。有能な怠け者は優先事項はなんなのかということをしっかり抑えているということでもあります。

物事を逆算して考える傾向がある

スケジュールの管理にも共通することです。無能な人は一つひとつの事柄を積み重ねていくことにしか頭が回りません。それに対して有能な怠け者は完成形をイメージして、そこから逆算してその時その時必要な作業を行います。

たとえば1ヶ月後が締め切りの場合、有能な人は締め切りから逆算して2週間前にはここまで、1週間前にはここまでと区切りを入れます。そうすることで今日やるべきことが見えてくるのです。

「有能な怠け者」の名言の由来

そもそも有能な怠け者という言葉はどこからきているのでしょうか。この言葉を言ったといわれるのはドイツ軍の上級対象として軍の再建に努めたハンス・フォン・ゼークト(1866年4月22日〜1936年12月27日)です。ゼークトは軍人のタイプを4つのタイプに分類しました。

・有能な怠け者は指揮官にせよ
・有能な働き者は参謀に向いている
・無能な怠け者は下級兵士が務まる
・無能な働き者は銃殺するしかない

というやや過激なものです。その真意というものはどこにあるのでしょうか。

前線指揮官

前線で指揮をとる指揮官は多くの任務をこなさなければなりません。作戦立案、兵士の士気を高める施策、食料の調達、偵察、全体の戦況把握など。その決断一つで多くの人の命がかけられ、また結果によっては国の命運さえも左右します。

そこに有能ではあるが怠け者を配置するというのは、日本人の感覚としてはなかなかわかりづらいものがあります。日本では勤勉であることが尊ばれ、怠け者は低い評価を受けるからです。

司令官など

日本の高度経済成長期やバブル期などは猛烈に働く社員が尊重されました。しかし日本の生産性は実はそれほど高くなかった、というのがここ最近の定説です。

日本の経済成長は効率や生産性を無視した個人個人の「頑張り」に依拠していました。もちろんリーダー自身もそのように働いていました。

しかし効率の高い働き方には権限委譲や分担などの有能な怠け者式の働き方が必要です。特に司令官などのリーダー層になればなるほどこのような考え方で仕事に臨まなければなりません。

有能な怠け者と有能な働き者

もちろん有能な働き者の存在も必要です。彼らは有能な怠け者が描くビジョンを実行に移す実務家といったところでしょうか。多くの成長企業では優れた参謀がいることがわかります。

歴史を見ても同様です。秦王朝を倒し数百年続く漢王朝を興したのは劉邦です。ライバルの項羽に比べれば、家柄や個人的な技量では劣っていました。しかし劉邦が最終的に天下を取れたのは彼が有能な怠け者だったからです。

そして有能な働き者である参謀の張良や蕭何、将軍の韓信などをうまく使いこなしました。ここが自分でなんでもやらなければ気が済まない項羽との大きな差でした。

有能な怠け者は、有能な働き者を見つけ重用することができればそれだけで成功したも同然だといえるでしょう。

有能な怠け者が上司から嫌われる理由

しかし有能な怠け者はまだ地位が低い頃には、いろいろな障害に直面することがあります。たとえば上司は有能な怠け者のことを積極的に評価したがりません。

時には本意でない仕事を押し付けられることもありますし、冷遇されることもあるでしょう。最悪の場合、有能な怠け者はその有能さゆえに組織から追い出されることもありえます。

ではなぜ、上司は有能な怠け者を嫌うのでしょうか。そのわけを探ってみましょう。

部下は使い潰すもの?

かつての管理職の仕事は与えられたセクションをうまく管理することと、下の人間を育てることでした。しかし成果を強く求められる時代にあって部下を辛抱強く育てる余裕が徐々になくなってきました。

そこで上司の中には、部下を使えるだけ使って潰してしまう人間も出てきました。こうしたタイプの人は「代わりはいくらでもいる」と嘯きます。そして上司の言葉には絶対的な服従を求めます。そのため自分自身を確立している有能な怠け者タイプを疎ましく思うようになります。

目標に終わりはない

有能な怠け者は一定の成果を出せば、あとは遊んでても良いと考えています。ここがその他のタイプとの大きな違いです。有能な働き者ははたとえば期限内に与えられたノルマをこなしたら、さらに上乗せするために働き続けます。

しかし有能な怠け者は「自分の仕事は果たした」と考えます。部下に目標を持たせ常に追い込みたい上司からすると、こうした考えは「甘い」と映ってしまいます。ノルマは果たしているにもかかわらず評価が低くなるのはそのためです。

有能な部下は地位を脅かす?

上司が有能な怠け者を嫌うもう一つの理由は、その有能さにあります。というのもいずれ自分の地位を脅かされるのではないかという疑心暗鬼に駆られます。

ほとんどの経営者や管理職は自分の部下は自分より少し劣ってるくらいがちょうどいいと考えています。そのため要領よく物事をこなす有能な怠け者に脅威を感じ、出る食いは打っておこうということになります。

有能な怠け者と無能な働き者の違い

有能な怠け者と無能な働き者の違いはどういったところにあるのでしょうか。言葉のイメージだけでいうと無能でも働き者であれば、使いどころがあるのではないかと考えがちです。しかしゼークトは無能な働き者は銃殺したほうが良いと過激な言葉で存在を全否定しています。

有能とは?

有能とはいうまでもなく、必要な時に必要なことができることです。つまり余計なことをするのは有能とはいえません。何をするべきか、あるいは何をやるべきではないかの区別が明確になっているということです。

無能とは

これに対して無能とは物事の順序や意味を深く考えません。そのためしなくていいことをしたり自分の能力では無理なことをやった結果周囲を混乱に陥れます。多くの人にとって無能とは「何もしないことが無能ができる最高の仕事」であると思わせる存在です。

働き者と怠け者

働き者は一見すると美徳です。怠け者は反対に悪徳と感じられます。しかし結果を出せることを美徳、成果が出せないこと悪徳とすると話は変わってきます。

たとえばサラリーマンで一生懸命に動き回っても成果を出せない人と、適度に手を抜くが与えられた使命は果たす人どちらが貢献度が高いでしょうか。長時間働けば誰でもそれなりの成果は出せるものです。しかし時間がかかるということはその分コストもかかっているということになります。その意味では有能な怠け者の方が高く評価されるのも当然ではないでしょうか。

有能な怠け者の特徴

有能な怠け者になるにはどうすれば良いのでしょうか。以下に特徴をあげますので、意識して行動するようにしてみると良いでしょう。

自信家である

まず有能な怠け者は自己に絶対の自信を持っています。もちろんその裏付けとなる知識や経験は必要ですが、何よりも「自分ならできる」と自分自身を信じる気持ちが大切です。

動きが速い

普段は怠け者に見えても、有能な怠け者は一旦動き出すと恐ろしく速いです。常に全力疾走をする必要はありません。必要な時に必要な力を発揮できるように蓄えているともいえるでしょう。

ポイントを見抜く力がある

前述したように、有能な怠け者は観察力に優れています。たとえば営業で売り込みをかけるにあたって、無能な人は決裁権のない人に必死に話をします。

しかし有能な怠け者は誰が決裁権者かを考え、その相手だけに集中します。どこを攻めれば得点できるのか、ポイントを見抜く力が求められます。

即断即決ができる

優柔不断ではリーダーには向いていません。遅効よりも拙速が尊ばれます。なぜなら拙速の結果失敗しても軌道修正すれば良いからです。しかし遅効では時期を逸してしまう可能性があります。

また即断即決ができるのは日頃からしっかりとした準備をしていることの証拠でもあります。準備ができていれば、いざという時にあれこれと逡巡することもなくなります。

報酬の意味をよく知っている

有能な怠け者は報酬というものがなんなのかをよく理解しています。ある面では非常にシビアでドライですが、その分甘えや妥協もありません。

自分の報酬分の仕事はきちんとします。そこが無能な怠け者や働き者との大きな違いです。彼らはたとえ報酬分の仕事ができなくても、言い訳をして甘えます。

報酬分の仕事しかしないのは、決して甘いことではありません。報酬分は何がどうあってもきっちりと責任を持って遂行するということでもあります。

怠け者こそ最高の働き者

有能な怠け者が、怠け者でいるためには必要な時にしっかりと仕事ができるよう、日頃から訓練をしていることを忘れてはいけません。適度にメリハリをつけつつ人を動かす。有能な怠け者というのはこのように高度な働き方を実践する人のことを指します。

時間や組織に縛られず、自分らしく生きる、仕事をすることができるのが有能な怠け者であり。最高の働き者だといえるのではないでしょうか。

モバイルバージョンを終了