様になる人の特徴
まず何をしても「様になる」人がいます。その「様になる」人というのはどのような特徴があるかというと、見た目が優れた人や、何でもそつなくこなす人ということが挙げられます。見た目が優れた人というのは、いわゆるルックスが良い人であり、何でもそつなくこなす人というのは、器用で要領が良く、何事にも平均以上の能力を備えている人のことです。
このような特徴がある人に対し「あの人は何を着ても様になる」や「あの人は何をやっても様になる」という表現を用いることがあります。それでは、そもそも「様になる」というのはどういう意味なのでしょうか。
「様になる」の意味
そもそも良く見えるという意味があり、何かを真似た場合に、本物に近づいた姿に思えるという意味もあります。また、とてもある程度のレベルには到達していない人が、工夫によって、それらしく・それっぽく見えるという意味でも用います。
そういう意味でいえば、その人の努力や成長から「様になってきた」といった意味での使われ方もします。
「様になる」の使い方
何かを行ったとしても「様になる」人としての特徴がある人は「あの人はどのようなスポーツをしても様になる」といった使い方ができ、これは小中学校のときに誰でもクラスに一人はいた覚えがある、スポーツ万能な人に用いることがあります。
これ以外にも、その人の姿がそれっぽく見える場合には「様になる」を使うことがあります。逆にそのように見えない姿には「様にならない」という使い方もされます。
「様になる」というのは失礼なのか
「様になる」というのは、それっぽく見えるという意味や、それらしく見えるという意味があることから、上目線で使っているようにも捉えられてしまう場合があります。例えばプロのミュージシャンに対し「様になっている」という使い方をすれば、当然のように皮肉を言われていると捉えられてしまうことでしょう。
このように、相手によっては「様になる」を用いることで失礼となってしまうケースがあります。
「様になる」が失礼になるケース
そういう意味からも「様になる」は、もし好意的に使ったとしても、使う相手や使い方を誤ると、使われた相手の捉え方によっても失礼になってしまうケースもありますので気をつけましょう。
「様になる」とは褒め言葉なのか
褒めるというのは、親が子に対して、先生が生徒に対してというふうに、年長者や目上の立場の人が、年少者や立場が下の人に対して行います。すなわち、劣っている者が優れている人に対して褒めるということは失礼に当たります。下の者が上の者に対して表現する場合は、称賛するという表現を用います。
そのことからも「様になる」は使う相手と使い方というのが、人間関係においても大切です。
褒め言葉としての「様になる」
単純に「様になる」は、決して本物ではないが、それに近く見えるという親しい間柄での、一種のコミュニケーションとして褒める場合もあります。格好が良いということだけを表現する場合には「様になる」も褒め言葉として成り立つでしょう。
「様になる」の目上の人への使い方
まず目上の人に対しても何かを教えるといったケースがあります。そのような場合においても、目上の人を敬う気持ちは忘れてはいけませんし、その言葉遣いにも気をつけましょう。相手の受け取り方というのが重要になってくることもあり、あえて使う必要もありませんが、親しい間柄であった場合などでは、気分を乗せる意味でも有効なこともあります。
目上の人に教える場合の「様になる」の使い方
そのような場合には「様になる」を成長に応じて「様になってきましたね」といった敬語表現に置き換えて上手く使っていくと良いでしょう。くれぐれも皮肉にした意味で使ってはいけません。教えている分野に関して優れているといっても、目上の人には、その他の分野で勝っていることが自分より多くあることを忘れないようにしましょう。
「様になる」と「板につく」の違い
この「板につく」という表現の意味、そして「様になる」という表現との違いについてご紹介しましょう。
「板につく」の意味
その地位や立場に、調和してきたということや、しっくりしてきたといった意味で表現されています。これは、それまでに培ってきたことに対して用いる意味での表現であり、経験の浅い人にはあまり用いることはありません。
使い方としては、役者が経験と努力によって演技に磨きがかかってきたことに対し「役者として舞台に立つことが板についてきた」といった表現となります。
「様になる」との違い
「様になる」の類語
「様になる」の敬語
敬語を用いるべき相手が親しい間柄である場合には「様になっています」で通用することもあるでしょう。ですがさらに丁寧に「様になっております」などの表現を用いるべき相手である場合には、最初から「様になる」という表現そのものを、違う表現に言い換えて使うことも必要となるでしょう。
「様になる」の言い換え表現
姿や行動が「似合っている」と表現することも「様になる」を遠回しに言い換えた表現でしょう。場面によってこれらを敬語として用いることもできます。
相手によって使い分ける「様になる」
「板につく」という程には達していない人にも、気持ちを向上させ、やる気にさせるという手段に「様になる」を用いても有効でしょう。何事も目的と使い方が大切です。