謙虚さとは具体的にどんなことか?
謙遜な人は、自己主張したりすることなく、他の人の話や意見に耳を傾けます。そのような人は、周りの人から頼りにされ、信頼されます。他の人を引き付ける魅力を持っています。
謙虚と似た意味で、謙遜という言葉があります。謙虚な人は、控えめで、他の人の意見を素直に受け入れます。謙遜な人は、自分の価値や能力を実際よりも低く評価します。どちらの語にも、自己過信しない人という点では、ほぼ同じ意味合いがあります。
謙虚さがない人の特徴とは?
謙虚さがない人は、自分が周囲に不快感を与えていることに気付いてない場合が多いです。謙虚さに欠けた言動は、人間関係を破壊する危険性があります。それを避けるために、謙虚さがない人の特徴を知っておくのは大切です。
謙虚さの反対語とは?
謙虚でない人は、自分について過大な評価をしています。自分の容姿の良さ・地位・経済力・能力ゆえに、自分が他の人より優れているという優越感を抱いています。自分に対して過度の自負を抱いています。
他の人の意見を受け入れない
高慢な人は、自分に過度の自信を持っているため、他の人の話を聞くことすらしません。また他の人の失敗を許さず、とがめます。問題が起こると、人のせいにします。
ですから、謙虚でない人は学ばない人ともいえます。あらゆる角度や視点から物事を見る人や、他の人の意見やアドバイスに耳を傾けて受け入れる人は、人として成長します。そのような人は、仕事の面でも学んで業績を上げます。謙虚でない人は、自分の狭い考えに固執しているので、新しいことを学ぶ機会を逃していることになります。
友達が少ない
謙虚でない人は、自慢話ばかりするので、周りの人達は不快感を味わい、イライラさせられます。他の人のことを気遣ったり、関心を示したりしないので、当然他の人は寄り付きたがりません。
それでも謙虚でない人の友となる人は、不快感は感じていても、なんらかの益を得ることを目当てにして、関係を保っているということが考えられます。金銭的な面や社会的立場の面で、優遇してもらうことが目的の場合もあります。そのような関係は、真の友人関係ではなく、利己的な目的のために利用している表面的な関係に過ぎません。
謙虚さがなくなる原因とは?
環境はどのように影響するか?
子供の頃に、親から欲しいものは何でも買い与えてもらったり、自分の欲しいものは何でも手に入る環境で育ったりした人は、社会に出ても何でも自分の思いどおりにならないと気が済まない傾向があります。そのような人にとって謙虚であることは難しい場合が多いです。
もしくは大人になって社会的地位や経済力を得た人・高い教育を受けた人も謙虚さを失う可能性があります。
また親自身が高慢な人であるならば、子供が謙虚な人間になる可能性は非常に低いでしょう。子供は親の態度や言動を真似て育つからです。
自分の立場に関する認識不足なのか?
なぜなら、謙虚でないということは、自分が知らないことが世の中にはまだまだあるということを認識していないということになるからです。また、世界には自分より優れた人がたくさんいるという事実を無視していることにもなります。
しかし、逆の見方もできます。謙虚でない人は、実は自分に自信がない、弱い人間である場合もあります。その自信のなさを隠すために、自慢話をして、自分をひけらかそうとしている可能性もあります。自分の弱さを人に見られたくないゆえに、高慢な態度を示す人もいます。
謙虚さがあるか診断するチェック項目
・人の話をよく聞く
・自分のことばかり話したり、自己主張したりしない
・間違いをしたときには謝る
・問題を他の人のせいにしない
・他の人の意見や訂正を素直に受け入れる
・常に努力を怠らず、向上心がある
・他の人の良いところを目ざとく見つけ、よく褒める
・他の人を批判しない
・自分の能力や成功をひけらかさない
・人がやりたがらない仕事や目立たない仕事を進んでする
・自分の立場をわきまえ、客観的に自分を見ている
・感謝することを忘れない
謙虚さに関する名言・格言
謙虚であるべきことを教える格言に「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉があります。これは、稲が実を熟すほど穂が垂れ下がるように、人間も学問や徳が深まるにつれ謙虚になることを意味しています。逆に言えば、物事を知らない小さな人間ほど、尊大に振る舞う傾向にあることを示しています。
これは真実です。学識が深まり知識が増えるほど、自分には知らないことがまだまだたくさんあるということを認めざるを得なくなります。謙虚でない人は、このような知識・学識の探求に欠けています。無知ゆえに自分は何でも知っている、自分は正しいと思い違いをしていることになります。
謙虚さとは美徳なのか?
上の謙虚さに関するチェック項目にあげたように、謙虚な人は他の人のアドバイスや意見を受け入れます。これには勇気が求められます。自分の間違いを認めたり、改善するために固定観念を拭い去る必要があるからです。ですから真に謙虚な人というのは、内面の強さを持つ人だといえるでしょう。弱い人間は勇気がないので、自分を変えようとしません。
謙虚な人は他の人の良い点や優れた点を認め、嫉妬したり、そねんだりしません。そのような人と一緒にいると、他の人は爽やかな気持ちにさせられ、引き付けられます。結果として、良い人間関係を保ち、周囲の人に安心感・信頼感を与えます。ですから謙虚さは美徳といえます。
謙虚さを取り戻す方法は?
今まで謙虚さに欠けた態度を示してきた人が、一夜にして自分の欠点を改善して、謙虚さを身につけるよう自分に期待するのは現実的ではありません。人格の変化には時間と自己鍛錬が必要だからです。
一度に多くのことをしようとするのではなく、毎日チェック項目の一つに注目して、改善できるように努力してみるのはいかがでしょうか。1週間、1ヶ月過ぎた頃には、自分の精神状態が変わっていることに気付く方もいるでしょう。周りの反応も変わってくるはずです。これは努力する価値のあることです。
謙虚さを自己PRする方法は?
しかし、ここで注意点があります。自己PRするといっても表面的に体裁をつくろって、謙虚ぶるという意味ではありません。見せかけの謙虚さはすぐにばれてしまいます。鋭い人や敏感な人は、わざとらしい謙虚さを見抜きます。ですから、普段の生活で心の内面から謙虚になるように自己訓練する必要があります。
客観的に自分の考え・行動・言動・態度を分析しましょう。以下の記事を参考に謙遜さを示す方法を身につけて下さい。
他の人の良いところを探し褒める
自分が苦手なタイプの人でも、その人の短所に注目するのではなく、長所に注目できるように継続的な努力を払いましょう。最初は欠点ばかりが気になって、難しく感じるのは当然です。しかし一歩引いて、その人の全体像を見て「あの人には私にはないどんな長所があるだろうか。あの人から何を学べるだろうか。」と考えるようにすると、次第にその人の欠点も気にならないようになります。
自分の失敗について正直に話す
それに対し謙虚な人は自分の失敗について話すことをいといません。これは自分を卑下しているとか、自尊心がないという意味ではありません。本当に謙虚な人は、人間は失敗からも教訓を学べることを知っています。
謙虚な人は、時には自分の失敗や間違いを面白おかしく話します。そうすると周囲の雰囲気は和み、安心感が広まります。他の人は「自分もそんな失敗をしたけど、頑張ろう」という気にさせられ、力が湧いてきます。謙虚な人は、他の人に勇気や励ましを与えることができます。
謙虚さを身につけ素敵な人になろう!
それに対照的な人として、謙虚でない人の特徴についても説明しました。謙虚でない人は傲慢なので、一見強い人に見えますが、実は知識や認識に欠け、自分の弱さを隠しているにすぎないということがわかりました。
謙虚な人の魅力について考えると、身に付けるために努力する価値のある人格特性であるということも学びました。心からの謙虚さを身につけるなら、素敵な上司・同僚・父親・母親・夫・妻・恋人・友人になれるでしょう。そして周りの人にも、謙虚さの魅力を感化していきましょう。