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労働契約法の契約社員5年ルールの問題・いつから改正されるか

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転職・就職 / 2018年06月01日
労働契約法の契約社員5年ルールの問題・いつから改正されるか

労働契約法の契約社員5年ルールの問題は?

最近の日本は労働力の流動性を上げるために契約社員を活用する事を推奨しているのですが、契約社員には5年ルールなるものが存在します。この5年ルールは、「契約社員は契約が5年を超過した時点で会社側に申し込む事によって無期労働契約に転換する事ができる」という内容になっており、2013年4月の労働契約法改正に伴い制定されました。

この5年ルールにより今までは比較的不利な立場にあった契約社員が、公平な立場で労働を行えるようになったのですが、最近になって幾つかの問題や抜け道が指摘され始めています。そこで今回は契約社員における5年ルールについて色々な視点からご紹介していきます。

5年以上でも5年ルールが適用されない場合がある?

同一の職場に5年以上契約社員として勤務していたとしても無条件で5年ルールが適用される訳ではありません。というのも5年ルールの対象になっているのは、2013年4月1日以降に締結された有期労働契約のみです。つまり、それ以前に締結された有期労働契約は対象外であり、同じ職場で5年以上働いても通算契約期間にカウントされる事はありません。

そして契約社員が5年ルールによって転換すると無期契約社員になるのですが、この無機契約社員が実質的に登場するのは2018年4月1日以降となっており、つい最近の事です。

契約社員は雇止め対策が不十分?

契約社員の雇用期間満了時に契約を更新せずに辞めさせる事を雇止めと言います。この雇止めは労働紛争の原因によくなる程深刻な問題だったため、労働契約法の改正に伴い雇止め法理の法定化が行われ最高裁判例で確立された雇止め法理が、そのまま法律として規定されました。

ただし雇止め法理が法定化された以降でも、雇止めの理由が不当でない限りは原則的に違法にはなりませんし、雇止めが無効になるのも非常に限定的です。そもそも雇止めの理由を雇用側がでっち上げたとしても労働者がそれを証明する事は難しく、以前として契約社員に対する雇止めが横行しているのが現状でしょう。

契約社員は産休や育休を取る事が難しい?

契約社員でも産休や育休を取得する事は可能なのですが、雇用期間が上限の5年と決まっている場合には産休や育休の期間が実質的に2年間になります。

なぜなら最初の1年間は同一の事業主に1年間以上雇用されていないので産休や育休を取得する事ができませんし、最後の2年間も子供の2歳の誕生日の前々日までに労働契約の期間が満了する事が判明しているため同じです。

つまり雇用期間の取り決めによっては産休や育休が真ん中の2年間しか取得できず、想定外の負担に繋がる事も十分にありえるので注意しましょう。

応募内容と実際の業務内容が全く異なる可能性も?

5年ルールは先行きが不透明な契約社員にとっては非常に魅力的な制度ですが、逆にそれを利用して応募内容と全く異なる業務を強制する会社も中には存在します。例えば、応募には記載されていた研修制度が用意されていなかったり、事前に説明されていた勤務時間を大幅に上回る労働や残業をさせられたりといった事が契約社員の場合にはありえます。

こういった事は雇止めと同じで中々証明する事が難しく、労働基準監督署や社会保険労務士に相談しても証拠の提示を求められる事が多いです。なので契約社員になる際は、求人票のコピーを取った上で、しっかりと労働契約書の内容を確認する事が重要になってくるでしょう。

契約社員5年ルール廃止後でも正社員になるのか?

仮に契約社員5年ルールが廃止されたとしても、契約社員から正社員になれる可能性は十分にあります。ただ、多くの会社は契約社員や派遣社員から正社員になるための正社員登用制度を用意しており、それに合格しないと正社員になれません。

正社員登用制度の具体的な内容はそれぞれの会社によって異なりますが、基本的には筆記試験や小論文試験、面接試験などを実施している所が多く、それに普段の勤務態度や業績を加えて総合的に判断しています。

契約社員にとって普段の言動は重要?

いずれにせよ、契約社員が正社員登用制度を利用して正社員になるためには普段の言動が非常に重要になってきます。基本的に会社側からすれば人件費が安く済む契約社員を無理に正社員にするメリットはありませんし、正社員登用制度において人格面やコミュニケーション能力を重視する会社は多いです。

なので、普段の言動から意識がけて上司や周囲の人達に仕事の面以外でも高く評価されていると正社員登用制度を利用する際に有利になれるでしょう。

5年満期終了でも失業保険は適用されるのか?

失業中の生活維持や再就職活動を容易にするため支給される失業保険ですが、契約社員が5年満期を終了した場合でも受給する事ができます。ただ失業保険は退職理由などによって支給期間や支給金額が異なってくるので、ある程度事前に把握しておく必要があるでしょう。

例えば怪我や病気、もしくは両親の介護などの自己都合で退職する場合は自己都合かつ正当な理由ありと判断されるので最大90日間は失業保険が支給されます。一方、自己都合による退職であっても転職や起業など自発的な離職の場合は正当な理由なしと判断されるので注意しましょう。

会社都合の場合は?

契約社員として5年満期を終了して、その労働契約が更新される予定だったにも関わらず打ち切りになった場合は会社都合の退職となるので最大180日間は失業保険が支給されます。それ以外にも解雇や倒産、退職勧奨によって非自発的に離職すると会社都合の退職として認定されます。

ただ会社都合で退職した上で失業保険の適用期間内に再就職が決まった場合には、その時点で失業保険の給付が終了するので注意しましょう。再就職をするにしても色々とお金が必要になってきますし、場合によっては住居を移さなければいけないので、失業保険の一部を貯金しておくと良いでしょう。

失業保険が支給されない場合も?

基本的に失業保険は誰でも加入する事ができるのですが、会社側も一部費用を負担しないといけないので、悪質な会社によっては失業保険の加入手続きを行っていない場合もあります。当然これは雇用保険法に違反しているので、判明すると6ヶ月以下の懲役や30万円以下の罰金が科せられます。

ただ会社側が加入届けを提出していないからといって、即座に罰則が適用されるわけではなく、労働局が調査をした上で指導や勧告を繰り返し、それでも改善が見られない場合にようやく罰則が適用されます。

なので会社側に全てを任せるのではなく、在職中に給与明細を見て自分が失業保険に加入しているかどうかを確認する事が重要です。また会社住所の管轄元であるハローワークに行けば、自分が失業保険に加入しているかを教えてもらえるので覚えておきましょう。

会社都合の退職が自己都合に変えられる場合も?

5年満期に限らず契約社員が退職する際に、会社都合の退職が勝手に自己都合に変えられる場合があります。というのも、会社都合で解雇すると労働者側から損害賠償請求や不当な解雇の撤回を求めて訴えれる可能性があるので、それを未然に防ぐために会社側が勝手に退職理由を変えるケースが現状では横行しています。

そして、会社都合が自己都合に変えられている事が退職後に判明した場合は、ハローワークで異議の申し立てを行う必要があります。当然、色々な手続きをしなければいけませんし、時間もかかるので、退職する際にはしっかりと離職届の内容を確認しましょう。

5年ルールはいつから10年に改正されるのか?

契約社員の地位を向上させるために制定された5年ルールですが、それによって私立大学や大手企業が契約期間が5年になる前に契約更新を打ち切りにし始めたので、最近になってこの5年ルールを10年以上に伸ばす方針が固められました。既に大学機関などの一部においては、2013年4月1日に施行された大学教員任期法によって期間が5年から10年に延長されています。

また、この特例で期間上限が5年から10年に伸びるのは大学の教員や研究者のみだけでなく、公認会計士や税理士などの指定された高度専門職も含まれます。

5年ルールが無期限になる可能性も?

契約社員に関する5年ルールは、制定前から雇止め対策などが不十分だとして多くの批判の対象になってきました。また2018年以降は5年ルールによって無期契約社員が出始めるため、近年になって再度、国会や諸会議においてその正当性や効果が問われています。

そこで、中には5年ルール自体を廃止して、一部の専門職を契約社員として雇用する際は無期限でしか雇えない事を義務化する動きもあります。仮に実現すれば、大学の教員などを含む高度専門職の人達が雇止めや契約更新の中止で困る事はなくなるでしょう。

契約社員5年ルールの抜け道とは?

5年ルールは会社側からすれば人件費の負担増の原因になるので、多くの会社が5年ルールを回避するために雇止めを利用しています。5年ルールが適用される直前に契約を終了すれば、契約社員に転換権が発生せずに済みますし、よほどの事がない限りは雇止めが無効になる事はありません。

ただ労働者が雇止めを言い渡された際のメールやメモに加えて、業務内容や勤続年数が記載された書類などを証拠として労働基準監督署や弁護士に雇止めの撤回を相談した場合は、何らかの捜査や訴訟に繋がるでしょう。

会社が労働者に5年ルールを告知する義務はない?

労働契約法の改正に伴い制定された5年ルールにはあまり法的な強制力がないので、雇止め以外にも抜け道が多く存在しています。例えば、契約社員の総契約年数が5年以上になった際に、5年ルールに従い転換権を行使するかどうかを告知する義務は会社側にはありません。

つまり、その契約社員が5年ルールに詳しくなければ転換権を行使せずに、その後も有期契約社員として勤務する事になります。いずれにせよ、5年ルールに限らず制度や法律は知らなければ活用する事はできないので、契約社員の人はしっかりと5年ルールの内容を把握しておきましょう。

5年ルールを上手く活用しよう

まだまだ問題が多い契約社員の5年ルールですが、上手く活用すれば不安定な待遇や雇用の改善に繋がりますし、より公平な立場で働く事ができます。ただ現状では、法的な拘束力や強制力がないので、会社側がやろうと思えば合法的に5年ルールを回避する事は十分に可能です。

そうなった時には、自分で労働基準監督署や弁護士に働きかけないといけないので、日々契約社員に関する制度や法律の情報収集は怠らないようにしましょう。また勤務記録や契約書類は問題が発生した時に証拠になるので、大切に保管する事が重要です。

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