Search

検索したいワードを入力してください

師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

Author nopic iconEMIMO
言葉の意味 / 2018年06月05日
師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

師走の意味と読み方は?

師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

12月が近づくとテレビやラジオなどでも耳にするようになる「師走」という言葉。よく、「師走の街は慌ただしい」などと言います。でも、「師走」という言葉は一体どこからきたのでしょうか。意味や使い方はわかっても、由来までは知らないという人も多いでしょう。

由来についてご説明する前に、ここでは「師走」の正しい意味や読み方を確認していきましょう。

「しわす」が一般的

「師走」は「しわす」または「しはす」と読みます。

師走の由来には諸説あり、語源とされる言葉によっては「しはす」と読む場合もあります。しかし、一般的なのは「師走」=「しわす」という読み方です。

師走は12月の意味

師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

「師走」は、12月のことをいいます。

もともとは太陰暦(旧暦)の12月の異名でしたが、新暦が使われるようになってからは新暦の12月が「師走」と呼ばれるようになりました。

旧暦の12月は新暦の12月下旬から2月上旬ごろなので、1ヶ月ほどズレが生じます。しかし現代では、年末の慌ただしさの出てくる11月末から大晦日の前までを「師走」と呼ぶことが多くなっています。

なお、それぞれの月の呼び方は、以下のとおりです。それぞれに由来が諸説あります。

・睦月(むつき)/1月

・如月(きさらぎ)/2月

・弥生(やよい)/3月

・卯月(うづき)/4月

・皐月(さつき)/5月

・水無月(みなづき)/6月

・文月(ふみつき)/7月

・葉月(はづき)/8月

・長月(ながつき)/9月

・神無月(かんなづき)/10月

・霜月(しもつき)/11月

・師走(しわす)/12月

師走の別名・異名は?

「師走」には別名・異名がたくさんあります。それぞれの読み方と意味をご紹介しましょう。

・晩冬(ばんとう):冬の終わりという意味

・三冬月(みふゆづき):冬の三番目の月という意味

・梅初月(うめはつづき):梅が咲き始める月という意味

・春待月(はるまちづき):旧暦では次の月は春なので、春を待つ月という意味

・歳極月(としはすづき):1年の最後という意味

・苦寒(くかん):厳しい寒さの意味

師走の意味の由来は?

師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

ここでは、諸説ある「師走」の意味の由来をご紹介しましょう。

広辞苑

広辞苑によると、「師走」は陰暦12月の異称、冬の季語であり、「極月(ごくげつ)」のことを言います。

また、広辞苑には「師走」の関連用語がいくつも記載されています。「師走油(しわすあぶら)」という言葉は、その意味として「師走に油をこぼすこと。火にたたられるとして、こぼした人に水をあびせる習俗があった。」とされています。日本には、昔から新しい年を気持ちよく迎えるためにお祓いをする習慣があるので、このような言葉が生まれたのでしょう。

他に、歳末にお布施がないため落ちぶれた様子の坊主や、落ちぶれて姿のやつれている者の例えとして「師走坊主(しわすぼうず)」や「師走浪人(しわすろうにん)」などという言葉もあります。

師が走り回るほど忙しい

師走の意味の由来として最も一般的なのが、「師が走る」説です。俗には、「先生が廊下を走るほど忙しい月だから師走」などといわれています。

「師」と聞くと、現代では「師匠」や「師範」などを連想するので、それが「先生」となり、現代になってからこの説が生まれたというのが有力です。たしかに学校の先生にとって12月は2学期の終わりごろとなり、成績表を付けたりといつも以上に忙しい時期になります。

「しわす」という言葉自体は平安時代からあるため、先生が忙しいというのは後付けだという説もあります。

お坊さん・坊主が忙しい

師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

以前は年末になると、お坊さんに家に来てもらいお経を唱えてもらうという習慣がありました。都会ではほとんどなくなりましたが、地方に行くと時々見かけることがあります。

また、本堂のお掃除や宗派によっては特別な法要があることがあります。そのため、お坊さんの年末はお盆の時期より忙しいと言われています。

年末にあちこちから呼ばれ、東西を馳せる師僧(お坊さん)の様子から、12月を師が馳せる月=師馳月(しはせづき)と呼ぶようになり、これが変化して「師走」になったという説があります。

この説は、平安末期の「色葉字類抄」にも記載があり、現在の師走の意味とも近いため有力な説の1つとされていますが、言語学的な根拠のない民間語源ということです。

1年の終わり

ここまでの説には「忙しい」という意味合いがありましたが、他の意味を持つ言葉が語源だという説も多くあります。その中でも、何かが「終わる」という意味を持つ語源をいくつかご紹介しましょう。

その1つが「年果つ(としかつ)」説です。「果つ」には終わる、修了するという意味があります。1年が終わるという意味で12月のことを「年果つ(としかつ)」と言っていたのが、「としかつ」→「としはす」→「しはす」→「しわす」というように変化したということです。

仕事の終わり

もう1つが、きちんと仕事を終えるという意味の「仕極つ(しはつ)」という言葉から来ているという説です。12月は締めの月なのでこのように呼ばれていたものが、いつのまにか変化して「師走(しわす)」になったと言われています。

季節が終わる

師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

また、「日本歳時記(にほんさいじき)」という季節ごとの民間の祭礼、農事、衣食などが書かれた書物の中では、12月のことを「四極月(しはつづき)」と呼んでいます。

旧暦では10月、11月、12月が冬で、12月は冬の最後の月になります。12月に四季が終わるという意味の、四季が極む ( 終わる)=四極(しはつ)がいつのまにかなまって、「しわす」になったという説です。

当て字

最後は、「師走」は当て字ではないかという説です。国語大辞典にも「師走は当て字」と表記されており、こちらも有力な説の1つとなっています。

7世紀後半から8世紀後半にかけてのさまざまな身分の人が詠んだ歌を集めた、日本に現存する最古の和歌集である「万葉集」、この中で、12月のことを「十有二月(しはす)」というような数字の表現の呼び方をしていました。

この「十有二月(しはす)」という呼び方に、後に「師走」という漢字が当てられ、表記も「しわす」となったという説です。ちなみに、「師走」という漢字が当てられるようになったのは江戸時代からとされています。

師走の漢字の意味は?

師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

では、次に「師走」の漢字に焦点を当てて、語源を探ってみます。「師」と「走」の、それぞれの漢字の意味を詳しく見ていきましょう。

師走の「師」とは?

師走の「師」とは誰のことを指すのでしょうか。ただの当て字という説もあり、はっきりとはわかっていませんが、先生やお坊さんの他にも神社やお寺の職員、兵隊、師匠のことを指すなどいくつかの説があります。

学校の先生

師とは教師を指している、というのが一番ポピュラーな説です。または孔子や儒学の先生の意味だとも言われています。

しかし、一方では「師走でいう「師」は師団の「師」であり、教師の意味ではない」という説もあります。師というと師匠や師範などを連想するために、その繋がりから教師になったのではないか、と言われています。

お坊さん

師とは師僧のことをである、という説です。

法要の際、中心になる僧侶を「導師」、人の師となるほどの仏教、経典に関しての学識・経験のある僧侶のことを「法師」と呼ぶため、出家したばかりの僧侶というよりは、経験を備えた師僧という意味合いになります。

神社やお寺の職員

師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

神社やお寺で働き、参詣者を案内したり、参拝・宿泊などの世話をする人のことを御師(おし・おんし)といいます。「師」とはその御師を指すのではないかという説です。

年末になると参拝客が増えて忙しくなるため、この説が生まれたのでしょう。

兵隊さん

先述のように、「師走でいう「師」は師団の「師」である」という説があります。

この師団とは軍隊の小さな部隊の意味です。多くの陸軍では、この師団がいくつか集まって軍団・軍などを構成します。つまり、師とは兵隊さんのことを指します。

年末は兵隊さんさえも忙しかったということでしょうか。

師匠

師とは、何かの偉い師匠という説です。学校の先生に近い意味になりますが、師匠とは学問や武芸、芸術などを教える先生のことで、弟子を従えどっしりと構えている印象です。

日頃はどっしり座っている師匠も、年末になれば忙しく走り回るということなのでしょう。

師走の「走」は走るの意味?

師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

「走」はそのままずばり「走る」という意味があります。ですから漢字の意味から語源を探るとすると、「師」が走り回らなければいけないくらい忙しい月だから、ということになります。

しかし、「走」という漢字はただの当て字で、「そもそも誰も走らない」という説が多数存在するのも面白いところです。前項でご紹介した、1年の終わり説、仕事が終わり説、季節が終わる説、「十有二月(しはす)」という呼び方に「師走」という漢字が当てられたという説がそれにあたります。

師走の候の使い方は?

師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

最後に、「師走の候」を使った季節の挨拶文の作り方をご紹介しましょう。

一般的に「師走の頃」は12月の上旬~中旬に使う言葉です。歳の暮れが押し迫った20日以降にはあまり使いませんので、使用する時期に注意しましょう。

書き出し

「師走の候」を使って挨拶する場合、書き出しは「師走の候、」となり、それに続いて相手の様子を気遣う文章を入れるようにします。

〈例〉

・師走の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。

・師走の候、ますますご清祥でご活躍のことと存じます。

本文

本文には特に形式はありませんが、季節の挨拶のため、丁寧な言葉使いを心がけましょう。日頃の感謝の気持ちや、相手に伝えたいことを書いていきます。

結び

最後の締めくくりにも、相手の体調を気遣った文章を入れることで、相手のことを思いやる気持ちを伝えます。

〈例〉

・年末ご多忙の折ではございますが、風邪など召されませぬようご自愛ください。

・年の瀬を迎え、何かと御多用とは存じますが、何卒お気をつけて年末をお過ごしください。

あなたはどの説を信じますか?

師走の意味と読み方・漢字の意味と由来|忙しい/お坊さん

今回は、師走の意味や由来についてご紹介しました。「こんなにたくさんあったのか」と思った人も多いのではないでしょうか。一般的に言われている説をもとに、自分なりの仮説を立ててみるのも楽しいでしょう。

言葉の歴史を知ることは、日本の歴史を知ることでもあります。「師走は忙しくてあちこち走り回っている」という人も、ちょっと手を休めて、昔の日本の暮らしに思いを馳せてみませんか。

関連記事

Related