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「唯我独尊」の本当の意味と使い方・数珠の特徴・読み方

Small 36c80735 a9a9 468c 86b2 fcc1ced17f0a樽瀬川
言葉の意味 / 2018年06月04日
「唯我独尊」の本当の意味と使い方・数珠の特徴・読み方

唯我独尊の読み方

「唯我独尊」の本当の意味と使い方・数珠の特徴・読み方

唯我独尊は「ゆいがどくそん」と読み、「唯一、我(自分)独りだけが尊い」という意味でよく使われています。

暴走族やヤンキーを扱った漫画で、特攻服(暴走族の衣装)に「天上天下唯我独尊」と刺繍されているのを良くみかけます。そんなイメージも手伝ってか「わがまま」や「うぬぼれている」というようなネガティブな意味で使われがちです。

しかし本来の意味は、一言では言い表せないような、深い成り立ちや意味があります。

唯我独尊の意味の由来

「唯我独尊」の本当の意味と使い方・数珠の特徴・読み方

唯我独尊は、正しくは「天上天下唯我独尊」と言います。これは仏教の祖であるブッダ(釈迦)の言葉と言われています。しかも言ったのは生まれた瞬間です。

ブッダは生まれると同時に右手で天を指さし、左手に地面を指さして七歩歩きました。そして東西南北の四つの方向に向けて「天上天下唯我独尊」と言ったという伝説があります。「釈迦七歩」や「四方七歩の宣言」と言われています。

もちろん、生まれたばかりの人間の赤ちゃんがいきなり歩き、言葉を発することはありえないと言い切って良いでしょう。この伝説自体も、仏教の説法の一つです。

ブッダとは何者か

ブッダ(仏陀)は本来、人名ではありません。悟りの中でも最高の「仏の悟り」を開いた人と言う意味です。そしてその仏の悟りを開いたのは、歴史上でただ一人、釈迦牟尼(釈迦族の聖者)こと「ゴーマタ・シッダールタ」です。

つまり、ブッダも釈迦も同じ、ゴーマタ・シッダールタという男性を指す尊称です。ではゴーマタ・シッダールタは何者かというと、紀元前5世紀ごろ、古代インドにあったコーサラ国の豪族、釈迦族の王子でした。

当時のインドの身分制度は現代よりも、もっと厳しいものでした。そんな中シッダールタは王子の身分を捨てて修行をし、仏の悟りを開いて仏教の祖となりました。

何故7歩なのか

仏教は今や世界三大宗教の一つです。そんな宗教の開祖だからこそ、生まれた瞬間から尊いのだという事で、「天上天下唯我独尊」の伝説が作られました。

伝説は作られたものですが、内容にはひとつひとつに仏教の教えに基づいた深い意味がつけられています。まずブッダが生まれてすぐ歩いたという7歩ですが、これは「7歩」である事に意味があると言えるでしょう。

6歩でも8歩でもなく、7歩なのは仏教の「六道輪廻(りくどうりんね)」という教えに基づいています。この世界は、「この世」「あの世」を含めて6つの世界があります。生を受けて、徳の高い生き方をすると、次のレベルの世界に生まれます。これが「輪廻」です。

仏教は悟りを開けば、この輪廻から脱せられるという教えがあります。ブッダが7歩歩いたのは、悟りを開いたブッダは、輪廻を終えて、この6つの世界の外にいるという意味が込められています。

「唯我独尊」の本当の意味と使い方

「唯我独尊」の本当の意味と使い方・数珠の特徴・読み方

では、肝心の「唯我独尊」の意味はというと、やはりブッダの言葉なので、深い意味があります。

「唯我独尊」は「この世で私だけが尊い」という意味です。このままでは「聖人とはいえ、なんてうぬぼれた人だろう」というように見えてしまいます。

しかし実は仏教徒の中でも、これはブッダ自身が言ったのではなく、周りの人が感嘆してそう言ったのが、いつしかブッダ自身が言った事になったという説があります。

天上天下唯我独尊の意味

正しくは「天上天下唯我独尊」と先ほども紹介しましたが、「天上天下」は、天上(宇宙)と天下(地上)という、この途方もなく広い世界そのものを指す言葉です。そしてこの言葉の後にも続きがあります。

大唐西域記の解釈

7世紀に成立した「大唐西域記」では、ブッダの誕生時の言葉を「天上天下 唯我独尊 今茲而往 生分已尽」と紹介しています。これは「この広い世界で、私だけが尊い。今ここにこうして生まれてきましたが、再び転生することはないでしょう」という意味です。

つまり、誕生時に「私はもう輪廻転生を終えたので、この生を最後に再び生まれ変わる事はない。輪廻を終えたのは私だけです」という宣言です。仏教上で唯一仏の悟りを開いた人だから、この世で一番尊いのだという教えです。

修行本起経の解釈

他の本には「天上天下 唯我独尊 三界皆苦 吾当安之」と書かれています。これは「三界にいる悩める人を、助けに来ました。だから私はこの世で一番尊い」という意味です。

「三界(さんがい)」とは、輪廻する世界を、3つに分類したもので、欲望(特に淫欲・食欲)のある世界「欲界」に六道輪廻の世界があります。

六道輪廻を解脱し、欲から離れると「色界」に入ります。そしてさらに進むと、物質的なものから離れ、精神の世界である「無色界」に入ります。

いずれの世界も、生きている以上は「苦悩」があります。それを救うために生を受けたと宣言するブッダは、三界を超越した存在なので、一番尊いという意味です。

四字熟語「唯我独尊」の意味

「唯我独尊」の本当の意味と使い方・数珠の特徴・読み方

仏教の教えとして使われる「唯我独尊」には、このような「ブッダは尊い」という意味ですが、普段使われる四字熟語としての「唯我独尊」は、やはり「傲慢」「うぬぼれている」という意味で使われていて、辞書にもそのように書かれています。

仏教から見ても、一番尊いブッダだからこそ「唯我独尊」に当てはめる事ができるので、それ以外の人にあてはめて使う事は、やはりうぬぼれているという事になりかねません。

結局「唯我独尊」はいい意味なのか

しかし、近年ではこの言葉を「我は、自分と言う意味ではなく、我々という意味」という解釈し、生きとし生けるすべての人は皆尊いとする場合もあります。

また、この言葉自体ではなく、ブッダが「自分の宿命を宣言した」事に意味を見出す解釈もあります。人はみんな、意識的にも無意識的にも誰かと比べて生きています。こう書いてあるのを読んで「自分は誰かと比べてない」と思ったとしても、そう思った時点で「比べてる人」と自分を比べています。

しかし、ブッダの「唯我独尊」は誰かと比べなくても、自分を尊いと思える事の大切さを説く話です。「唯我独尊」は本来、「いい意味」「悪い意味」もなく、どう解釈するかを自問自答する言葉でもあります。

「唯我独尊」の例文

「唯我独尊」の本当の意味と使い方・数珠の特徴・読み方

とはいえ、「唯我独尊」は現在「悪い意味」で使われている言葉です。紹介する例文も、うぬぼれていたり、傲慢な態度を揶揄する意図で使われています。

唯我独尊の態度

よく使われるのが、人物の行動に対する批判です。他人を顧みず、自分の損得だけを考える傲慢な態度に対して「唯我独尊」と使われます。

特に、その行動によって迷惑を蒙った側が使います。ただ「傲慢だ」「うぬぼれている」と直接的に使うよりも、揶揄を込めて皮肉的に聞こえる効果があります。

唯我独尊的な人

こちらも、傲慢な人やわがままな人に使われる表現です。「唯我独尊な人」に曖昧さを表現する「的」を付けて、より湾曲的に傍若無人な態度を批判しています。

唯我独尊の数珠の特徴

唯我独尊はゲームでも使われます。その代表的なのはカプコンのRPG「大神」に出てくる「唯我独尊の数珠」です。これは装備すると攻撃力が10倍になり、体力や術が使い放題になるという無敵のチートアイテムです。

入手はとても困難で、世界中に散らばる「はぐれ珠」とよばれるアイテムを100個あつめる事が条件です。そのうちの1個はゲームをクリアする事が条件なので、1回目のプレイでは絶対に入手できません。

ほかの珠の場所も、攻略情報ナシではかなりやり込まないと解らないでしょう。何度も周回して、諦めずにトライしたものだけが手にできるアイテムです。まさしく輪廻を繰り返し修行を収め、悟りの境地に至ったブッダが言った「唯我独尊」を冠するにふさわしいアイテムでしょう。

自分なりの「唯我独尊」を極めよう

「唯我独尊」の本当の意味と使い方・数珠の特徴・読み方

唯我独尊は、現在は「うぬぼれ」や「傲慢」を意味する、ネガティブな言葉ですが、本来の意味には色々な解釈が存在します。

また「うぬぼれ」は言い換えれば「自信」や「自己肯定」に繋がりますし、「傲慢」も好意的に見れば「行動力がある」事にもなります。

一つの意味や、一つの解釈に捕らわれずに、自分なりの意味や解釈を見つけてみましょう。

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