内助の功とは
「内助の功」と言う言葉を聞いたことがあるでしょう。
外で働く夫を支える妻の働きを表す言葉で、ポジティブな意味を持つ慣用句です。
女性がまだ社会に出て働かず、家庭内で夫を支える時代に生まれた言葉で「内助の功のおかげで出世した」などと使用します。類語に「縁の下の力持ち」が上げられます。決して自分は表に出ませんが、夫の働きを影で支援し時にはアドバイスもする賢く控えめな妻に使われる言葉です。
読み方
続いて基本の読み方から見ていきましょう。内助の功は「ないじょのこう」と読みます。内助の功は会話やニュースのなかでもよく登場する言葉です。それ以外の読み方はありませんので、読み間違いのないように気をつけましょう。
意味
「内助」とは呼んで字のごとしで「内側からの助け」「中からの援助」を意味し「功」と言う漢字は「手柄」や「すぐれた働き」と言う意味を持ちます。漢字どおりのシンプルな意味を持つ慣用句が「内助の功」です。
決して表には出て来ず、しかし必要な支えであったり影で重要な働きをする妻に対して使われる言葉です。
女性に対して使う言葉
「内助の功」は女性、特に家庭内で働く妻に対して使う言葉です。男性に対して「内助の功」とは言いませんので注意が必要です。男性に対して、影の働きを賞賛する場合は「縁の下の力持ち」などが良いでしょう。
昔は女性が家庭内に入り、男性は外で働くと言う夫婦の形が当たり前だったので内助の功は女性のみに使われる言葉となりました。現代でも言葉の意味は変わらず、女性のみに使用します。
内助の功の特徴
外で働く男性を賢く支える妻、と言うのは昔の日本女性に多い夫婦の形でした。結婚後も共働きの夫婦が増えた現代でも、内助の功と言う言葉にはどこか奥ゆかしさや憧れを感じる人が多いでしょう。
共働きや自立した女性であっても、内助の功を目指すことはできます。内助の功の特徴を知り、家庭内では賢く控えめな妻を目指してみるのも良い夫婦関係を築くためのコツと言えます。
特徴1:さりげない
一般的に内助の功と称される妻は、さりげなく自然に夫を支えています。自分の助けがあってこそと大っぴらに夫にアピールすることもなく、その夫が世間から賞賛されていても自分が注目されることは良しとしません。
夫が困難に見舞われた時などにはさりげなく自分の意見を伝えたり、アドバイスを伝えたり必要とあらば経済的な援助もできる賢い妻です。
特徴2:押しつけがましくない
内助の功と称される女性は決して自分の意見を押し付けたり、「こうしなさい」と行動を強制したりすることはありません。援助やアドバイスも「もしあなたが良ければ」や「〜してみても良いんじゃない」と言った相手に委ねるスタンスを貫きます。
決して「〜しなさい」と押し付けることなく控えめで、しかし尋ねれば的確なアドバイスを提供してくれる頼りになる存在の妻が内助の功と言われるでしょう。
特徴3:思いやりがある
押し付けがましくなく、さりげなくアドバイスをくれる良妻はとても思いやりのある性格です。ただ優しいと言うだけではなく、場面によっては相手を思いやるからこその厳しい言葉を言うことも少なくありません。
しかし、厳しい言葉の裏には多大な愛情が必要だということを忘れないようにしましょう。「夫を信じている」と言う気持ちも大切にしています。夫に対して厳しい言葉を言うだけでは、内助の功とは言えません。
特徴4:夫の意見も尊重してくれる
「内助の功」と称される妻は、決して夫の言いなりになる大人しい妻と言うわけではありません。夫の意見を尊重しながらも、さらに夫が良い方向へ進めるようにアドバイスをします。自分の意見をしっかりと持ちながらも夫の考えを受け入れ、双方にとって最良の道を選ぶことのできる頭の良い妻です。
特徴5:優しい
良妻が優しい心の持ち主であることはもちろんですが、先述したように時と場合によっては厳しい意見を言うことも大切です。夫を諭すような厳しい意見は優しさの一種と言えるでしょう。夫のプライドを傷つけないような優しく厳しいアドバイスが大事です。
現在は夫婦関係においても女性が強い場合が増えたと言われていますが、内助の功を目指すなら夫には優しくしながらも良い方向へと導いてあげるような器の大きさが必要です。
特徴6:無駄がない
夫に献身的な妻は発言や行動に無駄がありません。自分の中に「夫を支える」と言う信念があるためブレにくく、外で活躍する夫の求めるものや夫に必要なものにとても敏感です。日々夫を観察し、ニーズに答える黒子のような働きをするのが良妻と言えるでしょう。
必要な時に必要な意見や物をさりげなく与えてあげられ、夫が外で奮闘するモチベーションの高さを保つことができるのが献身的な「内助の功」の姿です。
内助の功の類語
内助の功のような意味を持ち、女性のみに使う類語は存在しません。中から夫を支える妻を表す言葉は内助の功がぴったりです。しかし、男女ともに使うことができ、似たような意味を持つ言葉に「縁の下の力持ち」が上げられます。その意味や使い方を理解し、語彙を広げて行きましょう。
縁の下の力持ち
「縁の下の力持ち」は決して目立つ存在ではないけれど、大切な働きや動きをする人たちに向けて使う言葉です。隠れた功労者と言い換えても良いでしょう。スポーツの世界でも、会社での活躍でも表に立つ人が目立ちますが、影には必ずその目立つ人を支えている「縁の下の力持ち」が存在します。
もちろん褒め言葉ですが、人によってはネガティブな受け取り方をする人もいるでしょう。使う相手を選ぶことが大切です。
「内助の功」に憧れるあなたにアイテム
「内助の功」「良妻賢母」に憧れる女性はぜひこの「賢い女は男を立てる」を読んでみてください。男女平等の現代ですが夫婦間において夫を信用することや、ある程度は夫に家庭の舵を取らせることの大切さなどがシンプルに書かれています。
著者がアメリカ人ですので古い日本の考え方ではありませんので現代の自立した女性でもすんなり受け入れられる良書です。夫を立てて、賢く生きたい方にぴったりの本です。
内助の功の語源
実は内助の功には語源とされる女性がいます。
江戸時代中期にはすでに有名な話であったとされる内助の功の語源は、土佐河内藩主の山内一豊の正室、千代の取った行動だと言われています。
歴史に名を残した武将や近現代でも成功を収めた経営者の影には賢い妻が隠れていることが良くあります。それほど、妻の支えは夫の外での働きと関係があると言えるでしょう。語源とされる山内一豊の妻の例を見ていきましょう。
山内一豊の正室千代
織田信長の家臣であった山内一豊はある日開かれる「馬揃え」へ呼ばれますが、経済的な問題で立派な馬を購入できません。
「馬揃え」とは、所持する馬を一豊の言わば上司にあたる織田信長がチェックする会で、弱々しい馬で行くのを悩む一豊に千代は持参金で立派な馬を買い与えます。その馬が織田信長の目に止まり、良い馬を持っていると目をかけられ出世街道を進んで行きます。
このエピソードが「内助の功」の語源と言われています。
内助の功の意味を知り夫を支える妻になろう
内助の功の意味を深く理解できたでしょうか。
語源やその意味を知ることで、夫を支える妻への第一歩を踏み出してみましょう。
優しく、時に厳しく接してくれる良妻は夫のモチベーションにも繋がります。外で仕事をする夫を支える賢い妻に憧れる女性も多いでしょう。昔の日本人女性はそのような「影の功労者」がたくさんいました。厳しい時代を生きた女性たちの姿は、内助の功を目指す人にとってとても参考になります。
お互いに家族を大事にして仲良し家族になろう
家族の仲が良いと言うのは人生で一番の幸せです。経済的に恵まれていても、家族中が悪いと決して幸せとは言えません。夫に大事にされ、自分も夫を大事にする妻を目指し幸せな毎日を送りましょう。
まずは夫の話を聞き、共感してあげることが大切です。夫婦間の会話はとても大事ですので、できるだけ話をするように努めましょう。内助の功の語源、一豊の妻千代のように賢く優しい妻は必ず幸せな家庭を築くことができるでしょう。