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世帯主とは・住民票上の定義|実家暮らし・1人暮らしの場合

「世帯主」とは

「世帯主」という言葉は一家を構えると嫌でも関わりが生じる言葉です。結婚して世帯を持った人はあらゆる手続きの中で「世帯主」という言葉に接することが多いでしょうが、一人暮らしや実家暮らしの人は「世帯主」を身近に感じることが少ないので、なかなかイメージが付きにくい場合も多いでしょう。

では、まずは世帯主とは何なのか、基本的な意味を確認しましょう。

「世帯主」の意味と読み方

まず、世帯主とは「せたいぬし」と読み、世帯の中心となる者を意味します。世帯は、親から独立して生計を立て、親と住民票が別になったときに誕生します。一人暮らしであろうと、結婚して家を出ようと、親と生計を別にして住民票が別であれば、世帯持ちということになります。

1世帯何人いるかは世帯ごとに異なりますが、その世帯の中心となる者が世帯主となるので、日本の家庭では父親や夫が世帯主になるケースが一番多いです。

世帯主は住民票で確認できる

世帯主が誰なのかは住民票で確認することができますが、普通に住民票の写しを取っても世帯主は記載されません。住民票に世帯主の記載をしてもらうためには、交付申請書にその旨を記入して申請し取得する必要があります。それによって手数料が増額することはありません。

また、世帯主は変更することもできます。必要書類と一緒に世帯変更届を提出することにより、簡単に変更することができます。

世帯主と戸籍の筆頭者は同じか

世帯主と戸籍の筆頭者は同じではありません。戸籍は夫婦または夫婦とその子ども2代で形成される家族を示すものなので、夫と妻のどちらかが筆頭者となります。結婚し婚姻届を提出した際に、名字が変わらない人が筆頭者となります。筆頭者は亡くなっても変わりません。

一方で世帯は親族を表わすものではなく、同じ住所に住んでいる人を表わします。家族であっても、単身赴任などで住む場所が違う場合などは、別世帯となります。

世帯主は誰なのか

「世帯主」は「世帯の中心となる者」と説明してきましたが、では、具体的に世帯主は誰になるのでしょうか。同じ住所に住むといっても、一人暮らしの場合や2世帯住宅などあらゆる形態があります。同棲やシェアハウスなど、親族でない場合もあります。

ここでは、世帯主が誰なのかを詳しくみていきましょう。

実家暮らしの場合の世帯主

実家暮らしの場合、基本的には父か母のいずれかが世帯主となっています。親に養ってもらっているときはもちろん、働いて収入があっても生計が同じであれば、父母と同一世帯です。

ただし、ただ単に実家を出ていない、というわけではなく、婚姻後に2世帯で一緒に住んでいる、といった場合もあります。このような場合は上記の場合と世帯主の扱いが異なります。

生計同一の家族が一つの世帯

基本的に、世帯は生計が同一である者同士を表わします。ですので、2世帯で親と同居、という場合でも、生計が別である場合は、別世帯として考えます。

例えば、結婚して夫の両親と一緒に住んでいるが、生計は別という場合があるとします。この場合、夫の両親のいずれかと、自分たち夫婦のいずれかの二人の世帯主が存在することになります。

世帯主は世帯の代表者

世帯主はその世帯の中心となる者、その世帯の代表者のことを指します。日本では父親が一家の大黒柱という考えがまだ根強いので、家族の中では父親や夫が世帯主となるケースが非常に多いです。

ですが、代表者について特に細かく定められているわけではないので、母親や妻が世帯主になってもなんら問題はありません。

主に生計を支える人であることが多い

世帯主は、その世帯の中で主に生計を支える人である場合が多いので、昔は父親や夫がなるケースばかりでしたが、今日では女性も働くのが一般的で、女性の方が収入が多いことも多々ありますので、母親や妻が世帯主になることもあります。もちろん、収入が多い方が世帯主という決まりはありません。

ですが、世帯主は男、という風潮はまだ根強いので、母親や妻の方が高収入であったとしても、世帯主は父親や夫であることが多いです。

父親・母親のどちらでもよい

先ほども述べたように、世帯主の設定には性別も収入も関係ありませんので、世帯主は父親でも母親でもどちらでも問題ありません。日本ではまだ世帯主は父親になりがちですが、世帯主に関しては特に細かく決められているわけではありませんので、母親が世帯主でも全く問題ありません。

母親が一家の中で重要な役割を担っていたり、公的手続きなどを率先してやるようなら、母親が世帯主になってもいいのではないでしょうか。

同一住所に複数の世帯主がいることも

2世帯住宅のように、同じ住所に住んでいても生計が別、という場合は、同一住所に世帯主が複数存在することになります。生計が別の場合、世帯も別と考えますので、例え同じ住所に住んでいたとしても、別世帯として扱います。

そのため、同一住所に世帯主が何人かいる、という場合があります。2世帯で住んでいる場合は、それぞれの世帯に一人ずつ世帯主がいることになります。

世帯主の変更が必要な場合

世帯主が死亡したり転居した場合は、世帯主の変更が必要です。例えば、世帯主である夫が死亡し、その家には残された妻と長男が住む、という場合、世帯主を妻と長男いずれかに変更する必要があります。

ただし、世帯主である夫が死亡し、その家には残された妻しか住まない、という場合は自動的に世帯主は妻となりますので、変更する必要がありません。

1人暮らしの世帯主

一人暮らしでも1世帯としてカウントしますので、居住する本人が世帯主となります。ですので、書類などで「世帯主との続柄」を書くことがあれば、そこには「本人」と書くことになります。

しかし、1人暮らしをしていても、親からの仕送りで生活をしていたり、住民票を実家に置いたままにしている例も多くあります。こういった場合の世帯主はどうなるのでしょうか。

大学進学で実家を出る時

大学進学で実家を出て一人暮らしを始める場合に、住民票を新しい住所に移さずにそのまま実家に置いているときは、親と同世帯となりますので、世帯主は父親か母親のいずれかとなります。

大学進学による一人暮らしの場合は、住民票を移さない人も多いです。家は出ているものの、まだ同一世帯としての意識が高いのが理由です。住民票を移すと、地元の成人式に出席できなくなることなども要因の一つと言えるでしょう。

住民票を移したら

実家を出て一人暮らしを始めて住民票を移したら、そのときから実家とは別世帯となり、本人が世帯主になります。ですので、公的な書類などの住所欄にはすべて今の住所を書くことになります。

住民票を移すと、前にも書いたように、地元の成人式に出席できなくなりますが、選挙では住んでいる場所の選挙区で投票行動をすることになります。また、わざわざ地元に帰らずとも公的手続きが可能になります。

自活か仕送り生活かは問題ではない

大学進学や高校卒業後すぐに一人暮らしを始めた場合、親からの仕送りで生活をしている、という人も少なくないでしょう。世帯は、同一生計であることが一般的ではありますが、同一生計でも別居状態であれば、別世帯にすることができます。

世帯を構成する場合、自立して生活しているか仕送りで生活しているかは関係ありませんので、仕送りで生活していても、別世帯として世帯主になることができます。

同棲の場合の世帯主

同棲の場合の世帯主は、一人が世帯主になるパターンと二人とも世帯主となるパターンの2パターンあります。一人が世帯主の場合は、同一世帯として扱われることになるので、住民票に相手の名前も載ることになります。別れた場合でも、相手が同じ自治体に住んでいたら名前が残ってしまいます。

二人とも世帯主の場合はそれぞれ別世帯となるので、住民票に相手の名前が載ることはなくなり、後々の面倒を避けることができます。

もう1人の居住者の続柄

同棲していて一世帯とする場合、一人が世帯主でもう一人は同居人という扱いになります。ただし、同一世帯となると、住民票に相手の名前も載ることになるので、同棲していることを知られたくない場合には不向きです。職場などで住民票の提出が求められたときに同棲相手の名前が知られてしまうので、それが困るようであれば、二世帯にする方が良いでしょう。

世帯主が亡くなったとき読んでみたい一冊

家族が亡くなったときに必要な手続きにはどんなものがあるでしょうか。なかでも、世帯主が亡くなった場合は、世帯主が担っていた公的手続きの諸々などを引き継ぐための必要な手続きが増えます。

家族が亡くなった場合、悲しみに暮れてしまいますが、感傷に浸る間もなく多くの手続きが待っています。それをまとめたのがこの一冊です。家族が亡くなったときに右往左往しないためにも、一冊家に置いておくといいでしょう。

世帯主と公的な手続き

公的書類の中には、「世帯主との続柄」を記入する欄が多く見られます。世帯主本人の場合は「本人」と書きます。世帯主以外はそれぞれ「妻」や「子」など、世帯主との関係を書きます。

世帯主は住民票を管理する上で重要なもので、国や自治体の連絡事項などを世帯主を通して各家庭に伝えることができます。公的書類も世帯主宛てに届きます。

では、世帯主が記載される公的手続きには具体的にどのようなものがあるでしょうか。

所得税の申告

所得税の申告の際、年末調整の場合は扶養控除申告書に、確定申告の場合は所得税および復興特別所得税の申告書A・Bに世帯主との関係を書く欄があります。扶養控除申告書の場合は申告者からみた関係を記入し、所得税および復興特別所得税の申告書A・Bの場合は世帯主からみた関係を記入します。

例えば、夫が世帯主で妻が申告者の場合、扶養控除申告書には夫、所得税および復興特別所得税の申告書A・Bには妻と記入します。

健康保険

国民健康保険の納付義務者は、世帯主ですので、世帯主本人が国民健康保険に加入していなくても、納入通知書は世帯主宛に届きます。ですが、もちろん加入者分の保険料だけの納入ですので、加入していない世帯主本人の保険料は入っていません。

実態に合った届け出をしよう

世帯主は基本的に誰がなってもいいのですが、公的手続きの書類などの世帯主宛に届くものに世帯主が関わる必要のあるものがいくつかあります。生活をしていくなかで、その支障がない人を世帯主にしましょう。もし生活をしていく中で不便になるようであれば、世帯主は変更することができますので、わざわざ不便な人を世帯主にせずに変更しましょう。

結婚後の世帯主は夫婦のどちらか

結婚後、初めて世帯主としての自覚が湧くという人も多いでしょう。結婚して2人の新居に引っ越したときに、世帯主は夫だと決めてしまいがちですが、世帯主は夫でも妻でもどちらでも問題ありません。また、親と同居の場合も結婚したら2人だけの世帯を作ることが可能なので、夫婦どちらかが世帯主になるのがいいでしょう。
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