寛大の意味
寛大(かんだい)とは、「心が広く度量が大きいので思いやりがある」という意味です。無暗やたらと人を責めるような事はせず、広い心と大きな度量で他人を許せる優しさがある状態です。
「仕事でミスをしてしまったが上司の寛大な処置に感謝の気持ちでいっぱいだ」というような使い方をします。
寛大な人の特徴16コ
特徴1:誰に対しても分け隔てなく接する
寛大な人は、どんな人へ対しても分け隔てなく接する事ができます。自分よりも上の立場の者は尊敬し礼儀正しく接する、自分に対して立場上逆らえない部下や後輩社員には常に柔らかい対応を心掛ける優しさがあるのです。
特徴2:自分が悪い事は素直に反省できる
寛大な人は自分が起こした失敗や、自分が悪かったと思った部分は素直に認めて謝罪をしたり、反省できます。
人は子供の頃よりも大人になった時の方が、自分の失敗や悪い部分を「認める事が恥ずかしい」ため、寛大でない人は素直に認められません。
特徴3:人の失敗を頭ごなしに責めない
寛大な人は、他人の失敗を頭ごなしに責めません。誰でも失敗する時はあると知っていますし、自分だって人の事を責められる程完璧ではないので、人の失敗も寛大な心で許せるのです。
特徴4:滅多に怒らないが怒ると怖い
寛大な人は感情のコントロールが上手ですから、滅多に人前で声を荒らげたりヒステリックな態度に出る事はありません。しかし寛大な人でも稀に怒る事があり、そういった時は誰よりも怖い印象を周りに与える特徴があります。
特徴5:大ざっぱな部分がある
寛大な人はちょっとだけ大ざっぱな部分がありますが、そういった大ざっぱな所が寛大な人に広い心と余裕を与えているのでしょう。いちいち小さな事に目くじらを立てたり人の粗探しをしたり、細かい事に捉われる事がありませんから、精神的に安定しているのだと考えられます。
特徴6:悩んでいる人を放っておけない
寛大な人は周りに何か悩んでいる人がいると、相手が自分に助けを求めてくるのを待たずに自分から「大丈夫?」と声をかけにいく特徴があります。それは寛大な人が周りの状況をよく見ており、「この人はこんな性格だろうからこういった対応をしよう」と考えられるからです。
特徴7:人の意見を受け入れられる
寛大な人は賛成だけではなく批判の言葉も「そういう意見もあるんだな、それなら今度からこうしよう」と受け入れる事ができるという特徴があります。
自分と反対の意見を言われたから相手を責める、または拗ねるといった行動は決して起こさず、「色んな意見があるのが普通の事」とフラットに考えています。
特徴8:後輩は褒めて伸ばす派
寛大な人が新人教育をする立場にいる場合、または後輩社員に対して接する際には、相手を褒めて伸ばそうとするという特徴があります。
寛大な人が「怒るだけ、叱るだけが教育ではない」と知っているからで、あまりに威圧的になると相手が自分に委縮すると解っています。
特徴9:不満が少なく満たされている
寛大な人が優しくそして器が大きいのは、寛大な人の中に不満やストレスが少なく気持ちが満たされているからです。周りを見る余裕があり、そして誰にでも寛大な態度を取れるのだと考えられます。
特徴10:卑屈にならず常にポジティブ
寛大な人は卑屈になって拗ねてしまったり、自分の失敗を後悔してうじうじと泣き言や言い訳を話して周りから同情心を請わないのは、ポジティブだからです。
失敗を失敗のままで終わらせずに「この失敗は糧になるだろう」と自分の成長を促そうとしたりと、前向き思考で生きています。
特徴11:争い事(競争)が苦手
寛大な人は人と自分を比べたり、コンプレックスで卑屈になったりしませんが、それは人と争う事が苦手な平和主義者な心理があるからです。
喧嘩ではなく意見交換をしたい、どちらか一方だけが相手を責めるような言い争いをするのではなくお互い平等に討論したいという気持ちがあります。
特徴12:見返りを求めない
寛大な人は、全ての行動は「自分がこれが正解だと思ったからしている」のであって、そこに見返りを求めようとはしません。寛大な人が、相手へ「○○したから××してもらうべきである」といった過度な期待をしていないからです。
特徴13:良い意味でこだわりがない
寛大な人は良い意味で全くこだわりがありませんから、色んな意見を素直に受け入れたり、どのような立場の人へも分け隔てなく接する事が可能です。
見た目や立場で人を判断しない、そういった自然体な部分があるので、人にも仕事にもこだわりなく気楽に生きられるのでしょう。
特徴14:謙虚さがある
寛大な人は謙虚さを忘れず、例え親しい相手であったとしても最低限の礼儀を忘れずに接する面があります。寛大な人には「謙虚とは自分が一番偉いと思わずに、素直な態度で周りの人から色んな事を学ぼう」という心理があるからです。
特徴15:自尊心が高い
自尊心とは、自分自身の存在とはどういったものであるかをしっかり認識出来ており、そして自分を肯定する思考です。
寛大な人は自尊心が高いので、周りに言い訳する必要もなければ慰めてもらおうと泣き言をいう事もありません。
特徴16:人一倍我慢強い
寛大な人が滅多に怒らず自分の感情をコントロール出来るのは、人一倍我慢強いという心理があるからでしょう。周りから心配されるとますます「弱った姿を見せるのは申し訳ない」と思ってしまいます。
寛大な心を持つ方法10コ
方法1:不満やストレスの原因を知る
寛大になりたいのであれば、まずは自分の心に人を思いやる余裕を作る事から始めましょう。自分は一体どんな事に不満を抱いているのか、どういった事にストレスを感じるのかを知り、それに対しての策を整えるのです。そうすれば不満やストレスを感じた時に、感情に任せて周りへ当たり散らしたり、横暴な態度になってしまう事を防げるでしょう。
方法2:人を許す為に自分を許す
人の失敗を許せる寛大な人になるには、先に自分の失敗を許せるようにならなければいけません。失敗を許せるといっても「まあいいか」と現実から逃げるのではなく、「この失敗は必要な事だったからこれを活かそう」と前向きに考える事が重要です。
そうやって自分の失敗を許せるようになれば、失敗した自分を恥じて相手に攻撃的になったり、責められるのが怖いからと失敗を隠そうとはしなくなります。自分を許せるようになれば、無理をせずに相手の失敗を寛大に許してあげられる大人な対応ができる人になれるでしょう。
方法3:自分を褒める癖をつける
自尊心が低いと卑屈な考えを持ってしまったり、人と自分とを比べては相手を憎んだり羨んで嫉妬するようになってしまいます。自尊心を高めるには自分を肯定する事、自分を褒めてあげてこそ、周りを素直に褒めて伸ばせるようになります。
例えば毎日1つは誰かの為に役立つ事をしようと考えて行動したり、何か成功したらご褒美に美味しい物を食べるようにしましょう。どんな小さな事でもいいので自分を肯定して褒めていく事で、周りへも同じように思いやりを持って接する、寛大な人となれます。
方法4:叱ると怒るの違いを知る
叱ると怒るの違いを知っているようで、実は勘違いをしている人もいるでしょう。叱るとは相手の為に、今よりももっと良い方向へいけるようにと教示する事で、怒るとは自分の為に、相手に対して怒りの感情をぶつける八つ当たりです。寛大な人は怒っている時も実は「叱る」姿勢で相手に接しているので、周りから寛大な態度だと尊敬されています。管理職または新人を教育する立場にある人は特に、寛大な人になろうと思ったら怒るのではなく「叱る」対応を取りましょう。
方法5:広い視野で観察する事
自分視点の狭い視野で周りを見ていると、どうしても自分がしたい事を優先しようとわがままになってしまうのです。寛大になるには広い視野をもって周りを観察する事、そうして周りの人々の様子を伺っていれば、相手が何をしてほしいのかが解ってきます。
方法6:人と自分を比べない
寛大になりたいのならば、今すぐ人と自分を比べては自らコンプレックスを強めてしまったり、わざと悲観的になるのはやめましょう。あの人よりも自分は負けている、あの人より自分の方が勝っていると比べてばかりいては、どうしても勝ち負け基準になってしまいます。そのような損得勘定で仕事をしていると、リスクは少なく出来たとしてもデメリットの方が多くなってしまうでしょう。
方法7:否定ではなく肯定から入る
寛大になる為には、人の意見を聞く時には必ず否定ではなく肯定から入るようにしましょう。特に、今まで自分の気に入らない意見には不快感を持ってしまったり、正論を言われ拗ねてしまっていた人は要注意です。寛大な人が素直に批判さえ受け入れられるのは、相手を最初から肯定しているからで、だからこそ寛大な態度でいられます。
方法8:欠点も失敗も愛してあげる
自分が失敗したら簡単に許すのに、周りの人には決して失敗を許さず常に完璧を求めてしまう人は、寛大になる為にその考えを捨ててください。自分にも他人にも厳しいのはいけませんが、自分にだけ甘く他人にはやたらと厳しいままでは管理職として尊敬される事はありません。
部下の欠点も失敗も愛してあげる、まずはそこがその人の愛嬌なんだと思ってあげる事で、相手に思いやりの心が芽生えるのです。そしてただ甘やかすのではなく、部下の成長を願って優しく論理的に諭す事で、反抗的な部下も話しを聞くようになります。
方法9:人に期待し過ぎない事
過度に相手へ「こうしてほしい」と期待をかけてしまっているからこそ、期待通りにならなかった時に絶望感や怒りが沸き起こってしまうのです。寛大な人は勝手に期待しては相手に起こったり期待外れだなんてガッカリする事はありません、良い意味で期待をしていないのです。寛大になる為には期待をする事を避け、相手をありのままで受け入れるようにしてください。
方法10:寛大になった自分への評価をイメージする
寛大になる為にどうすればいいのか方法や考え方が解ったとしても、すぐに意識を変える事はとても難しい事です。そんな時は寛大になった自分に周りからどんな評価が与えらえるのか、寛大になった場合のメリットを考えてみましょう。寛大な人になれば人に嫉妬する事も、期待をし過ぎてそれが叶わないからとガッカリする事もなく、常にストレスフリーに生きていけます。
周りからは「いつでもだれに対しても優しい対応が出来る人」だと尊敬されますし、人事評価も上がるでしょう。皆に尊敬されたい、好かれたい、嫌われたくないと思っているのであれば、ポジティブなイメージを持ちつつ寛大な人を目指してください。
寛大な人になる考え方を学べるおすすめの本3つ
寛大な人になれる秘訣や考え方を学べるおすすめの本を3冊ご紹介しましょう。自己啓発系の本を読んだ事がない、そういった本が苦手である人でも比較的読みやすいものを集めました。時間があれば手に取って読んでみてください、そうすれば自然と寛大とはなんであるかが知れるでしょう。
自分を許す心理学 著:加藤 諦三
寛大な人は自分を許す事が出来ています、甘やかさずに許すには一体どうすればいいのでしょう?一体どのように自分を許してあげればいいのか解らない、自尊心が低い人に是非読んで欲しい本です。この本にはもっと楽に生きられる考え方が載っていますから、会社や仕事、人間関係に強い悩みを抱えている人は読めば気持ちがフラットになるでしょう。そうすれば自然と周りの意見を聞いて受け入れられるようになったり、周りに対して絶望感を抱かなくても良くなるのです。
どうでもいい小さなことで不機嫌にならない本 著:和田秀樹
ちょっとした事や周りの思わぬ発言でイライラしたり、意見を否定だと感じて頭ごなしに批判したり、そういった自分に悩んでいる人におすすめです。この本はタイトルにもあるように「小さい事で不機嫌になりたくない」と思っている人にこそ読んでほしい本でしょう。寛大になるには自分の怒りの感情をコントロールする事が大切で、それが出来なければ寛大な態度を自然と取る事なんて出来ません。不機嫌な気持ちを抑える為のとっておきの考え方が載っていますから、寛大になりたいのであれば一度読んでみましょう。
寛容力 ~怒らないから選手は伸びる~ 著:渡辺 久信
埼玉西武ライオンズの渡辺久信監督はどうして優勝旗を手にする事ができたのか、そこには「寛大さ」が隠れていたのです。タイトルは「寛容力」ですが、寛容とは心に余裕があるので寛大で人を受け入れられる、過失を責めずに人を許す事を指しますから、寛大になりたい人にぴったりです。
若手選手への指導方法に寛容(寛大)な態度を取り入れたからこそ、チームを率いて優勝する事ができたのでしょう。野球を知らない人でも読みやすいので、軽い気持ちで寛大さに触れたい人におすすめです。
「寛大な人」になれるように努力しましょう!
いかがでしたでしょうか。今回は「寛大」な人の心理や特徴についてご紹介してきました。寛大な人といっても様々な特徴があります。少しずつ自分にあったやり方で、寛大な人になれるようにしましょう。今回の記事が読者の皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。