立会い出産とは？｜立会い出産の割合や後悔・離婚率

立ち会い出産とは、その名の通り出産に立ち会ってもらうことです。立会人となる人は旦那さん（夫）で、出産をする奥さん（妻）の側で出産の光景を目の当たりにする経験につながります。立ち会い及び立ち会うという言葉の意味は「その場に居合わせること」であり、出産に関しては直接的に携わらない旦那さんが出産の場に居合わせることを立ち会い出産と言います。

日本で立ち会い出産が広まり始めたのは、今（2017年現在）から28年ほど前と言われています。立ち会い出産に対して抱くイメージは人それぞれですが、「生命の誕生という神秘を目の前で見たい」と考える旦那さんの意思や「夫にも出産に立ち会ってほしい」という奥さん側の意見で立ち会い出産をすることを決める夫婦が近年は増加傾向にあります。

立ち会い出産はラマーズ法と混合されることがありますが、この2つは異なるものです。ラマーズ法とは自然出産法の1つで、薬剤を使用せずに産痛から解放させる方法です。

ラマーズ法は1951年にフランスの産科医ラマーズ氏が改良後に提唱したとされ、1948年のソビエトで医師グループが取り組んだ産痛の解明に基づきます。ヨーロッパから広まり始め、1960年代後半になるとアメリカから日本にも伝わります。

この解明では「出産を正しく理解することが大事」と考え、「出産を痛いものと考えるから痛みが増すのではないか？」と考えました。脳の条件反射が産痛を強くすることに関係している考えを基に、ラマーズ法では呼吸法や筋肉をリラックスさせる方法を学ぶことを伝えています。

心身的なリラックスをすることで出産＝痛いという緊張感を軽減させる考えがラマーズ法の観念となるため、身近な存在で見守る立場にある旦那さんも一緒に参加することが勧められています。

ラマーズ法は「薬剤を使用せずに産痛を軽減させる方法」のことであり、立ち会い出産は単に「出産に立ち会うこと」です。ラマーズ法で旦那さんが一緒に参加した時には、その一環として出産の場に立ち会うことがあります。

その時は立会い出産となりますが、ラマーズ法は産痛を軽減させる方法の1種なので、立ち会い出産とは区別して別のものと考えることが正しいです。

立ち会い出産は「神秘的な生命の誕生を見ることができる」「夫婦の絆や家族の絆が強まる」という良いイメージを抱いている方も多く、「家族として・夫として子どもの誕生と妻の頑張りを見届けたい」と思う旦那さんも少なくないようです。

しかし、一般的な出産には出血がつきものです。その他にも衝撃的な光景がある可能性が高い現場になるため、人によっては立ち会い出産がトラウマ的になってしまうこともあります。では、立ち会い出産によって起きた後悔してしまうこと、そのことによって離婚につながることとはなんでしょうか。

立ち会い出産に向く人と向かない人は立ち会いを行う前に分かることなので、立ち会い出産に乗り気ではない旦那さんを奥さんの意見だけで立ち会わせることはやめた方が良いです。旦那さん自身も、自分が立ち会い出産に向くか向かないかをじっくり考えましょう。

産婦人科によっては旦那さんの状態・様子を見て、立ち会い出産に向くか向かないかを見極めてくれることもあります。向かないと判断された時には「あなたは立ち会い出産はやめた方が良い」旨を教えてくれます。

旦那さんと奥さんの子どもが生まれるわけですから、出産の際に旦那さんに立ち会ってもらいたいと考えることは決しておかしなことでありません。

しかし、よく考えてみてください。出産の現場は手術現場と似たような光景が広がる可能性があります。そのため、そのような光景に対応できない人が出産を目の当たりにしてしまうと、トラウマになって当然です。

旦那さんが「立ち会い出産したい！」と望み、奥さん側としても立ち会い出産を希望する場合は立ち会い出産をしてみましょう。


ただ、旦那さんは「立ち会い出産したくない」「うーん、ちょっと、どうかな」となってる場合、奥さんが立ち会い出産を希望したとしても、立ち会い出産しない方が賢明です。

旦那さんも奥さんも「立ち会い出産したい！」と希望した結果としてトラウマになった場合は旦那さんにも非がありますが、立ち会いたくない旦那さんだが奥さんの意見を通した結果としてトラウマになったり離婚するようになった場合は奥さんに非があるとされます。

旦那さんに立ち会いしてもらうかは、夫婦でしっかりと話し合いましょう。産婦人科医や、そこで働く看護師さんの意見を聞いてみるのも良いです。

「絶対に無理だから立ち会いたくない！」そう感じている旦那さんは、頑なに断りたいことでしょう。奥さんが立ち会い出産を望む場合は出産前から言い争いになる危険性が考えられるため、断り方に気をつけたいところです。どうして立ち会いたくないのかを、明確に丁寧に伝えましょう。

「見たら夫婦生活に支障が出ると思う」「血とか苦手だから、やめた方が良いと思う」など、低姿勢かつ心から伝えることで立ち会い出産と立ち会い出産後のリスクから回避できます。上から言ったり、威圧的になったり、イライラした感じで伝えることは避けましょう。穏やかに、低姿勢で、丁寧に、しっかりと伝えることが大切です。

奥さんが「どうしても立ち会いしてほしい」と強くお願いしてくる場合は、産婦人科医と相談して立ち会う場所を決めましょう。赤ちゃんが出てくる部分は最も出血量が多く、男性でも女性でも見ることに関しては難しいと感じる可能性があるため、血や胎盤などを見たくない旦那さんの場所は奥さんの頭部付近にいることをします。

出典: unsplash

○生命の神秘に立ち会える。
○神秘による感動を味わえる。
○自分だけでは見ることができない経験を目の前で見ることができる。
○子どもが誕生する場に立ち会える。
○夫婦の絆が強くなる。
○家族の絆が強くなる。

「自分と自分の奥さんの子どもがこの世に産まれてくる瞬間に立ち会えた感動」を感じた旦那さんが多いようです。「なかなか立ち会える場面ではないから」と思い立ち会う旦那さんもいるようですが、結果的に「感動した」「これからも一緒に頑張っていこう」と思える旦那さんは夫婦間や家族の絆な強くなることでしょう。

出産の現場は、神話の世界のように美化できるものではないことは確かです。そのため、グロテスクと感じる人がいるのも当然のことです。ただ、どうして出産をしているのかを考えることで、その光景は生命が誕生する神秘的な光景になります。

しかし、物の捉え方は人それぞれ違うため、血や胎盤といったものを見ることに向かない旦那さんが立ち会い出産を経験するとトラウマになります。そのトラウマによって妻や子どもを大切に思えなくなり、結果として離婚に至るケースも珍しくはありません。

夫婦の子どもが産まれる瞬間はまたとない貴重な瞬間であり、奥さん側としては「その現場を見てほしい」旦那さん側としては「見ておきたい」と思うかもしれませんが、その現場に立ち会っても大丈夫な人かどうかをちゃんと判断してから立ち会い出産の段取りを立てましょう。