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「つまづく」と「つまずく」どちらが正しい日本語なのか

Author nopic iconmama7
カテゴリ:ビジネス用語

初回公開日:2018年01月16日

更新日:2020年05月20日

記載されている内容は2018年01月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

「つまづく」と「つまずく」どちらが正しい日本語なのか

「つまづく」と「つまずく」どちらが正しい日本語なのか

日常生活において、いざ使おうとして「あれ、どちらの綴りが合っていただろうか?」と迷うことはありませんか?よく悩まされるのは「ず」と「づ」のどちらが正解だったかを忘れてしまったときです。一度はしっかりと学んでいるはずなのに、ふとした時にどちらを使っているのが正しいのかが曖昧な部分も少なからずあり、分からなくなります。

たとえば「躓く」という漢字ですが、ひらがなで書こうとした場合に、「つまずく」なのか、それとも「つまづく」なのかを迷ったことはありませんか?パソコンなどでは「つまずく」でも「つまづく」でもどちらでも「躓く」と変換することができますので、どちらも合っているような気もします。

そこで今回はこの「つまづく」と「つまずく」のどちらが正しい日本語なのか、詳しく調べて皆さんにご紹介してまいります。

「ず」と「づ」

そもそも「ず」と「づ」は何か明確な区別があるのでしょうか。どのように使い分けされているのか、詳しく調べてみることにしました。

まず現代表記では基本的には「zi」は「じ」、「zu」は「ず」と表記します。これが現代の仮名遣いとして統一されたのが昭和61年の内閣告示においてです。

そしてその中で「ぢ」や「づ」を使うのはどういった場合かというと以下になります。

1.同音の連呼によって生じたもの
例)ちぢむ、つづく、つづる、つづみ など
2.二語の連合によって生じたもの
例)はなぢ(鼻+血)、みかづき(三日+月)、いろづく(色+付く)、こづく(小+突く) など

上記から、同音連呼でもなく二語に分解しにくいものについては基本的に「じ」「ず」を使うのが一般的となっており、そこからすると稲妻は「いなずま」、世界中は「せかいじゅう」、そして今回の躓くも「つまずく」が一般的という解釈になっています。

辞書ではどう記載されている?

では辞書では「躓く」は果たして「つまずく」と表記されているのか、それとも「つまづく」と表記されているのか、どのように記載されているのかを調べてみました。

すると広辞苑によると「つまづく」では記載がなく、「つまずく」で記載がありました。そのほかにもデジタル大辞泉や大辞林 第三版出でも調べてみましたが、すべて「つまづく」での記載ではなく、「つまずく」で記載がありました。

以上から、辞書の上では「つまづく」ではなく、「つまずく」として「躓く」は記載されているということが分かりました。

「つまずく」の意味とは

また併せて、せっかくですのでデジタル大辞泉や大辞林 第三版出において、「躓く」の意味を調べてみることにしました。すると、以下のように記載がありました。

Blockquote firstBlockquote second

[動カ五(四)]《「爪 (つま) 突く」の意》
1 歩いていて、誤って足先を物に突き当ててよろける。けつまずく。「石に―・いて転倒する」
2 物事の中途で、思わぬ障害につき当たって失敗する。「緒戦で―・く」「事業に―・く」

Blockquote firstBlockquote second

( 動カ五[四] )
〔爪突くの意〕
① 爪先がものにひっかかって体がよろける。けつまずく。 「石に-・いてころぶ」 「我が乗れる馬そ-・く家恋ふらしも/万葉集 365」
② 物事が中途で障害にあってうまくいかなくなる。中途で失敗する。 「不況で事業が-・く」 「人事問題で-・く」 〔現代仮名遣いでは「つまづく」のように「づ」を用いて書くこともできる〕

「つまづく」と「つまずく」が使われるようになった語源・由来

ではそもそもの「躓く」の語源、由来を紐解けば、「つまづく」と「つまずく」のどちらが始まりなのかが判明するのではないでしょうか。そこで今度は「躓く」の語源を調べていきましょう。

「つまずく」の語源とは

まず「つまずく」という言葉の語源は先程の辞書の記載にもありましたとおり「爪突く」、つまり爪が地面を突いている様子、または爪が何かに引っかかった様子を表した言葉だと言われています。

「爪突く」は「つめ」+「つく」から成っていることを鑑みると、ひらがなで表記した場合は「つめつく」から「つまづく」となるのではと思われがちですが、現代仮名遣いとしては同音の連呼によって生じたものでも二語の連合によって生じたものでもないため、「づ」ではなく「ず」を使って「つまずく」が正解とされています。

「躓く」の意味も「爪先がものに引っかかって体がよろける」とされていることを鑑みると、「突く」という漢字を用いていた「爪突く」が転じた「つまずく」の方が正解というのはなんとも頷けます。

「つまづく」の語源とは

対して「つまづく」は「爪付く」、つまり爪が地面に付いている様子を表した言葉からきているのではないかと一説には言われていますが、定説はないようで定かではありません。こちらも「爪」+「付く」なので「つめ」+「つく」で、そのままいけば「つまづく」という読み仮名になるのは当然の流れという気がします。

なお、「爪」を「つま」と読むものはほかにも「爪先(つまさき)」「爪弾く(つまびく)」「爪弾き(つまはじき)」「爪楊枝(つまようじ)」などがあります。つまりは決して珍しい音の変化ではないということです。

「つまづく」と「つまずく」の違い

では「つまづく」と「つまずく」の違いとは一体何なのでしょうか。

ひとつ言えることは現代仮名遣いである「ず」に対して、「づ」は歴史的仮名遣いと言われており、同音連呼でもなく、かつ二語に分解しにくいものに対してこの歴史的仮名遣いである「づ」を使ったからといって、ルール上では何の問題もないとされています。

そこから、今では「つまづく」でも明らかな間違いとはされてはいません。だからこそ、慣用的に「づ」を使っている日本語も乱用されていると推察されています。「つまずく」と「つまづく」は現代的仮名遣いと歴史的仮名遣いの違いから発生したものだと捉えておくと分かりやすいでしょう。

「つまずく」と「つまずく」の漢字表記は「躓く」なのか

では反対に、「つまずく」も「つまづく」も、漢字表記にすると「躓く」という漢字で合っているのでしょうか。冒頭にも記載したように、パソコンなどの漢字変換機能やスマートフォンでも試してみましたが、「つまずく」も「つまづく」もしっかりと「躓く」で変換されます。

一部では「つまずく」と入力すると「頓く」という漢字変換候補が出るものもあるようですが、「頓く」は「”行き詰まる、挫折する”という意味でつまずく」ときに使われる漢字です。似たような意味の言葉で「頓挫」という言葉があり、こちらにも「頓」という漢字を使いますが、「頓」には「つまずき倒れる」という意味が含まれています。

こうしたことから、常用的には「つまずく」でも「つまづく」でも、漢字表記にする際には「躓く」という漢字表記で問題ないということが言えます。「つまづく」なのか「つまずく」なのかで迷われた際には、「躓く」と漢字で表記するのも手です。

「つまずく」の使い方とは