Search

検索したいワードを入力してください

「づらい」と「ずらい」はどちらが正しいのか・違いと使い分け

Author nopic icon佐伯 遥
カテゴリ:ビジネス用語

初回公開日:2018年01月28日

更新日:2020年05月19日

記載されている内容は2018年01月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

「づらい」と「ずらい」はどちらが正しいのか・違いと使い分け

「◯◯しにくい」という意味の「づらい」と「ずらい」はどちらが正しい?

ブログやSNSが一般的なものとなり、人が発信している文章を目にする機会が多くなってきています。また自分で文章を書いてそれを不特定多数の人に向けて発信する機会も、それらが存在しなかった頃と比較すると圧倒的に増えました。そんな中で普段何気なく見過ごしてしまっているけれど、いざ自分で書こうと思うと分からなくなってしまう日本語があります。

例えば、「◯◯しにくい」という意味で使われる、「づらい」と「ずらい」ですが、これらは日々両方とも目にすることがあります。なんとなくどちらも合っていそうな、いややっぱり違和感がある、など、いざ書いてみようとすると混乱しやすい言葉です。

一体どちらの使い方が正しいのかと疑問に思われている方も多い日本語です。間違ってしまうと意外に目立つ「づらい」と「ずらい」の違いとはなんでしょうか。今回はこの「づらい」と「ずらい」についてご紹介していきます。

「づらい」と「ずらい」の違い

「~しづらい」と「~しずらい」の両方とも、WEB上で目にします。試しにネットで検索してみると個人の方のサイトを含めるとどちらも検索にはかなりの数がヒットします。

自分で書くときにも「あれ?どっちが正しいのかな」と迷うこともあります。この2つの違いは一体何でしょうか。

どちらを使うのが正解?

正解は「づらい」で、「ずらい」は誤りです。ネット上では「ずらい」もよく目にすることがあるので、「ずらい」でもいいのではないかと思いがちです。しかし「ずらい」は誤りで「づらい」が正しいという明確な理由があるので、それをご説明していきます。

どちらが正しいかわからなくなったときは、言葉を分解してみると分かりやすくなります。

「づらい」と「ずらい」それぞれの意味と使い方

言葉を分解して「(辛い)つらい」を取り出してみる

例えば「見づらい」という言葉は「見る」のが「辛い(つらい)」という2つに分解することができます。

「辛い(つらい)」は「~するのが難しい」という意味なので、これは正しい意味合いになっています。

一方「見ずらい」だとすると「見る」のが「すらい」となってしまい、「すらい」という言葉の不自然さに気が付くことができます。「つらい」という言葉が意味を持つのに対し、「すらい」は存在しないことだということが認識できます。

他の言葉も「(辛い)つらい」に分解してみると?

同じように、「聞こえづらい」は「聞こえる」と「辛い(つらい)」の2つに分解することができます。

これも「聞く」ことが「つらい」、つまり聞こえにくいことを意味している一方、「聞こえずらい」だと「聞こえる」と「すらい」になってしまうので、なんだかおかしいな、と気づくことができるでしょう。「ずらい」「すらい」は日本語として成立しない言葉であると判断できます。

分からなくなったら「(辛い)つらい」に分解してみよう

「食べづらい」も「食べる」と「(辛い)つらい」に分解することができます。上記の例と同じく「食べずらい」では不自然な言葉になることが分かります。

辞書で調べてみると?

「づらい」は「辛い(つらい)」という意味からきていることが分かりました。では、辞書で調べてみるとどのような解説がされているでしょうか。

大辞林第三版で「づらい」を調べてみると、以下のように解説されています。

Blockquote firstBlockquote second

づらい【辛い】
( 接尾 )
〔形容詞型活用[文] ク づら・し〕
動詞の連用形に付いて、その動作をすることに困難を感ずる意を表す。…にくい。 「老眼で辞書が見-・い」 「読み-・い本」 「無愛想で話し-・い」

他の辞書では?

また、デジタル大辞泉には「づらい」の解説はこのように書かれています。

Blockquote firstBlockquote second

づら・い【▽辛い】
[接尾]《形容詞型活用[文]づら・し(ク活)》動詞の連用形に付いて形容詞をつくり、その動作をするのに困難を感じる意を表す。…にくい。「歩き―・い」「読み―・い」「書き―・い」

「づらい」は動作に困難を感じるときの表現

辞書での解説にもあるように、何かの動作をするときに感じる困難を表現するときに使うのが「つらい」「づらい」という表現です。

一方で「ずらい」を調べてみると、該当する言葉は出てきませんでした、「つらい」「づらい」は解説があることを考えると、やはり「ずらい」は誤用であると言えます。

WEB検索のヒット数は?

参考までにGoogleで「づらい」と「ずらい」を調べてみたところ、「づらい」は、約 37,800,000 件 のヒット数でしたが、「ずらい」は約 2,390,000 件でした。ヒット数にかなりの差があるのに加え、「ずらい」の方は『「ずらい」は誤りで、「づらい」が正しいです』といった内容のものが多く含まれています。

これの意味するところは、やはりそれだけ「ずらい」を誤って使ってしまっている人がたくさんいるということです。

「づらい」と「ずらい」の使い方

「づらい」は「(辛い)つらい」に分けられる

繰り返しの説明になりますが、上記の例のように「づらい」は「つらい」に分けることができます。

「読みづらい」は「読む」と「つらい」、「書きづらい」は「書く」と「つらい」、開けづらいは「開ける」と「つらい」、「話しづらい」は「話す」と「つらい」、「飲みづらい」は「飲む」と「つらい」など、たくさんの例が上がります。

「しにくい」という意味にするには「つらい」だな、と考えてみると分かりやすくなります。

一方の「ずらい」に関しては、WEBサイトなどでは「読みずらい」「書きずらい」などという文字を見つけることができましたが、書籍など正式に出版されているものは誤植を除いては見つけることができません。もし「ずらい」と書かれているものがあれば、それは誤用であるといっていいでしょう。

なぜ「ずらい」が増えてきたのか

「しにくい」という意味から考えると「つらい」という方が適切だと判断できるので、「づらい」と「ずらい」で迷うことはないように思えます。しかしどうしてこれほど「づらい」と「ずらい」を迷ったり、間違ってしまう人が多いのでしょうか。

それは現代における社会変化も大きな要因の一つであるように感じます。

SNSの普及も一因?

それは、冒頭でも書いたようなSNSをはじめとする個人の発信力が大きくなったことが影響しています。書籍が出版される際には校正がかかり、「ずらい」と書いてしまった場合にも「づらい」と修正された状態で出版されますが、個人の文章にはそのような校正・校閲はありません。

そのため『あれ?どっちだったっけ。あ、「つらい」だから「づらい」だな』などと考えることなく、「ずらい」で正しいと判断してしまったらそれをそのまま発信することができてしまいます。

また「ずらい」という文字を見た側も『「つらい」だから「づらい」では?』と思う人もいる一方、『「ずらい」という言い方もあるのか』と誤って覚えてしまう人もいます。その人は自分の発信にも「ずらい」を使うようになり、その連鎖が繰り返しが起こって「ずらい」を目にすることがどんどん増えてきたのではないでしょうか。

読み「づらい」文章を書かないために「ずらい」は使わないようにしよう

いかがでしょうか。今回は間違えやすい「づらい」と「ずらい」のどちらが正しいのかについていご紹介してまいりました。

「づらい」と「ずらい」、言葉を分けてみると分かりやすくなり、どちらを使えばいいのか分からなくなった時にも判断がしやすくなります。

日本語のみならず言葉は時代の流れに応じてどんどん変化していきます。実際に、昔と今では意味や使い方が全く異なった日本語もたくさん存在しています。また事実、現代仮名遣いでは「ず」と「づ」は同じ読み方をするのだから、と文章では「ず」で統一しよう、という動きがあります。

しかしながら、現段階では「づらい」を「ずらい」と書くと誤りとみなされてしまいます。少しでも読みづらさを感じさせてしまう文章は書かないように気を付けたいところです。

正式な文章では正しい日本語を使おう

ネットを使って自由に発信できるようになった現代、間違った日本語を使っても個人の利用であれば特に問題はありません。しかし正式な文章を書くときに「づらい」ではなく「ずらい」を使ってしまうと、読んだ人が違和感を覚えてしまう可能性は否めません。

それを防ぐためにしっかりと「ずらい」ではなく『「〜するのがつらい」だから「づらい」が正しい書き方だな』ということを思い出してみましょう。

正式な文章を求められる大切な場面で「辛い(つらい)」思いをしないためにも、今回の記事を参考にしていただけたら幸いです。きちんとした言葉を使うことができれば、就活や実際のビジネスシーンでも信頼感を得ることができるのでぜひ「づらい」と「ずらい」の違いを覚えておいてください。